青柳仁士の発言 (外務委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○青柳(仁)委員 今回、非軍事原則に関しても検討した上で、強化を含めて考えていくということなんですけれども、一方で、今年の末までをめどに防衛三文書、いわゆる国家安全保障戦略を始めとする三文書の改定というのが進んでおります。
 この中の議論に、さきの国会で成立したものを含め、経済安全保障という概念が出てきます。また、今回の開発協力大綱の改定の背景というところにも、経済と安全保障が直結して各国に影響を及ぼすようになってきているというふうに書いてあります。
 これは極めて正しい認識だとは思うんですけれども、ロシアのウクライナ侵攻、これも今回の開発協力大綱改定の背景の大きな一つというふうに書かれていますが、この中で我々が目の当たりにしているのはハイブリッド戦争というもので、軍事、非軍事、それらを合わせた形で、様々な防衛、安全保障、あるいは戦争というものが行われるという状況かと思います。
 そういった中で、例えば中国においては超限戦という概念もありまして、戦争には八十ぐらいの方法がある、そして、軍事的な従来型のものもあれば、非軍事ということで、情報戦、外交戦、あるいは、こういった経済戦、金融戦といったようなもの、さらには超軍事と言われる領域も含まれた形で考えていく。
 そういった中で、例えば、今回の年末までの防衛三文書改定においても、先制攻撃であるとか、あるいは専守防衛、又は反撃力、反撃能力といった議論が非常に中心的にされておりますが、この中においても、どこまでが専守防衛と言えるのか、どこからが戦争行為と言われるのかというところの線引きが非常に曖昧になっている。
 例えば、サイバー攻撃というのは攻撃に入るのかとか、それから、もっと言えば、中国の一帯一路みたいに、周辺国に鉄道をつなぐことで経済的な依存度を高めさせることで自国を攻撃しにくくなるとか、あるいは、有事の際には兵力であるとか武器であるとかを輸送しやすくなる、こういったことを着々と積み上げている行為というのは、これは戦争と言えないのかどうか、戦争行為ではないのか。
 経済安全保障は、前回成立した法案においても、サプライチェーンの安全性を確保する、防衛、軍事に関係するようなものはサプライチェーンを日本国内でしっかりとやれるようにするというような内容になっているんですが、これも、ゴルフシャフトの素材はロケットだとかミサイルにも使えるようなものがあったり、新素材というのはほとんどデュアルユースあるいは多様な目的での活用が可能なわけですね。
 ですから、そういった中において、今、どこの境界線までが本当の意味で非軍事と言えるのかというのが非常に曖昧になっていると思うんです。
 こういったことを現場の判断に任せると、じゃ、どこまでが軍事ですかと。例えば、半導体の日本の専門家が、今中国はやっていませんけれども、ちょっと懸念される国に対してODA、JICAの専門家として派遣されたら、これは恐らく経済安全保障上よろしくないですね。ですから、そういう判断が、現場の派遣担当者だとかあるいは個々のプロジェクトの判断に任せていると、これはなかなか、恐らく現場は萎縮するんじゃないかと思うんですね、ここまでは何か抵触しそうだからやめておこうと。
 この議論は、民間企業との関係性において、経済安全保障のときにもあった話なんです。戦争の定義が広がっているので、これはもしかしたら軍事に関わるかもしれない、だから、投資するのはやめておこう、造るのはやめておこうみたいな、民間企業が萎縮すると、イノベーションが起きなくなるんじゃないか。
 同様に、どこまでが線引きか分からないと、現場の判断に任せる、例えばJICAだとか、あるいは国際協力に関わる専門家だとか、あるいは現場の大使館の担当者だとかというのが恐らく萎縮するんじゃないかと思うんですね。
 ですから、ここに関して、現実的に世界において軍事領域が拡大しているわけですけれども、この中で、それによってODAの活動あるいは開発協力の活動が制約されるべきではないと私は思うんですが、こうした非軍事と軍事の線引きというのは現状どのように考えておられるか、この点についてお伺いできればと思います。

発言情報

speech_id: 121003968X00320221026_157

発言者: 青柳仁士

speaker_id: 9336

日付: 2022-10-26

院: 衆議院

会議名: 外務委員会