前川清成の発言 (憲法審査会)

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○前川委員 日本維新の会、前川清成です。
 国会議員の任期に関しては、衆議院は第四十五条で四年、参議院は第四十六条で六年と明記されています。したがって、どなたであっても、またどのような事情があったとしても、選挙から衆議院議員は四年、参議院議員は六年が過ぎたなら一斉にその地位を失いますが、もしも大規模災害が発生して物理的にも選挙を実施できないとき、国会議員はいなくなります。
 二〇一一年三月十一日、東日本大震災が発災しました。このとき、統一地方選挙が間近に迫っていましたが、地方議員の任期は地方自治法第九十三条で定められていますので、地方自治法を改正することで対応することができました。
 しかし、国会議員の任期については憲法に定められています。それならば、非常事態が発生し選挙を実施できないとき、憲法を改正して国会議員の任期を延長することができるでしょうか。いいえ、選挙さえ実施できないにもかかわらず、憲法改正を行うことなど不可能です。
 このように、国会議員の任期満了時に非常事態が発生した場合について、現行憲法では対応できないことは明らかです。
 そこで、日本維新の会は、緊急事態条項に関しても改正原案をお示しをしています。
 緊急事態条項という名前はたけだけしくて、そのときの為政者が、非常事態を口実に国会や裁判所からその権限を奪い、権力を独占してしまうのではないかという緊張感を抱かざるを得ません。民主主義、そして国民の基本的人権という政治が守るべき最も大切な価値に照らせば、この緊張感は重要です。
 そこで、維新案では、内閣が緊急事態宣言を発出することができる場合を外部からの武力攻撃や大規模な自然災害など四類型に限定し、かつ、国会の事後承認を要することとしています。加えて、緊急事態宣言下では憲法改正の発議などができないこと、緊急事態宣言下でも基本的人権は最大限保障されなければならないことを定めています。
 さらに、冒頭に例として掲げた国会議員の任期については、ただ緊急事態宣言が発出されているだけでは延長することができず、選挙の適正な実施が困難であると認める特別な事情と衆参出席議員の三分の二以上の賛成を要件に加えています。
 また、事後チェックとして、維新は憲法裁判所の設置を提案していますが、国会議員の任期延長に関しても憲法裁判所の審査権が及ぶこととしています。
 このように、幾重にも慎重な手続を踏めば、大規模災害などを口実に独裁がスタートしてしまう危惧は解消します。
 ところで、私が初めて国会に参りましたのは、二〇〇四年七月の参議院選挙です。当時も、そして参議院にも憲法調査会があり、本日のように各党が意見を述べ合っておりました。その後、国民投票法の制定や政権交代、当時の安倍総理による憲法九十六条先行改正論など、憲法をめぐっても様々なことが起こりましたが、この憲法審査会では、十八年前と同じように各党が言い合うだけで、何も形になっていないのではないでしょうか。
 やがて八十歳を迎える現行憲法です。憲法制定当時と今とでは、国際環境も、私たちの社会や暮らしも大きく変わりました。したがって、今のままの憲法でいいのか、あるいは足りない点はあるのか、改めるべき点はないのか、緊急事態条項に関しても、そのほかの論点に関しても、一つずつ結論を出さなければ、百年河清を待っているかのようです。
 私たち国会議員が背負う憲法尊重擁護義務は、憲法の字句を一字一句変えないことではありません。憲法というルールに従って政治が営まれることを法の支配といい、そして、その法の支配を守り続けることが憲法尊重擁護義務であり、立憲主義です。しかし、先ほど国会議員の任期を例にして説明したとおり、大規模災害などが発災したとき、今のままの憲法では法の支配が蹉跌をします。
 つきましては、森会長と各党幹事各位にお願いがあります。是非、論点ごとに一つずつ結論を示す審査会運営を、後戻りしない審査会運営を切にお願い申し上げて、私からの意見陳述といたします。

発言情報

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発言者: 前川清成

speaker_id: 22257

日付: 2022-11-10

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会