山本龍彦の発言 (憲法審査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○山本参考人 ありがとうございます。
 私は、自己情報コントロール権あるいは情報自己決定権というものを憲法上の権利として正面から承認することが必要だろうとまず思っております。
 この点は、ドイツの憲法裁判所などでは情報自己決定権というのが判例上認められてきている、あるいはIT基本権といったような、そういう基本権もドイツの憲法裁判所は導いているわけですけれども、その点は、憲法裁判所のある種の積極性というか特性があるんだろう。
 そういう意味では、日本の最高裁がそういった形で、解釈上、自己情報コントロール権なり、そういった今のデジタル化にふさわしい権利というものを導き出してくれるというのが一つのアプローチとしてはあり得ると思いますけれども、御承知のとおり、日本の最高裁に関しましては、ある種の消極性というものが言われているところでありますから、私は、そういう意味では、政治の動きというのが非常に重要だというふうに考えております。
 これが個人情報保護法のいわば目的規定のところの改正になるのか、あるいは、デジタル時代全体を見通したある種の基本法のようなものを作って、その中に自己情報コントロール権のような、どう定義するかはまた詳細な議論が必要だと思いますけれども、そういった基本法制、例えば、これはEUのデジタル権利宣言のようなものに近いかもしれませんし、アメリカのAI権利章典のようなものに近いかもしれませんけれども、そういった総合的な今後の方向性というものを示すような、そういう基本法に書き込んでいく。それによって個人情報保護法制全体の解釈というものが方向づけられる、こういうことも考えられるのではないかというふうに思っておるところであります。
 ただ、もちろん、それで本当に全体が個人中心の、個人がコントローラビリティーというものを持つような社会に変わっていくかどうかというのはやはり調査をしなければいけませんし、そういったことをしてもなお、なかなか日本では進まないという憲法事実が認められるのであれば、憲法改正ということもあり得るかもしれませんけれども、当面は、私は、まずはそういった基本法ないし法制度の変革というところで考えておるところです。
 それから、知る権利の問題については、これも、例えばEUのデジタル・サービス・アクトというのは、情報の受け取り方ですよね、例えば、リコメンデーションシステム、お勧めの仕組みのロジックというものの透明化を強く求めたりしております。
 例えば、ベリー・ラージ・オンライン・プラットフォームという、非常に超大規模なプラットフォームと言われているところに関しましては、そういった透明性の規律が一段と高まっておるわけですし、プロファイリングのかかっていない、少なくとも一つのリコメンデーションシステムを提供しなければいけないといったようなこともあるわけです。
 つまり、情報を摂取することの主体性ですよね、そういったものをある種保障していく、担保していくような仕組みをつくってきているところなのかと。
 今、私は、情報偏食させられている状態が今あるのではないかと申し上げましたけれども、そういった、ある種情報の受取の主体性というものを取り戻すような、そういう法律の制定というものが場合によっては必要になってくるのかなというふうに思っております。
 以上です。

発言情報

speech_id: 121004183X00620221208_023

発言者: 山本龍彦

speaker_id: 25044

日付: 2022-12-08

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会