野村哲郎の発言 (農林水産委員会)

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○野村国務大臣 農林水産委員会の開催に当たりまして、所管大臣としての考え方の一端を申し述べます。
 この度、新たな内閣の発足に当たり、農林水産大臣を拝命いたしました。委員の皆さんの御指導を賜りながら職責を果たしてまいりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 冒頭、本年七月及び八月の大雨や九月の台風十四号及び十五号の被害によりお亡くなりになられた方々に心からお悔やみを申し上げますとともに、被災された全ての方々にお見舞い申し上げます。被害を受けた農地、農業用施設、林道や漁港施設等の復旧、樹園地の回復など、経営継続に向けた総合的な支援対策を講じ、一日でも早く日常を取り戻せるよう、農林水産大臣として誠心誠意努めてまいります。
 以下、農林水産行政に関しまして、私の基本的な考え方について申し述べます。
 我が国の農林水産業は、国内市場の縮小や生産者の減少、高齢化などの課題に直面しているほか、ロシアのウクライナ侵略などによる食料安全保障上のリスクの高まりや、気候変動等の問題にも適切に対応することが求められております。私は、今まさに、国内の生産基盤を維持強化し、将来にわたって食料を安定的に供給していくためのターニングポイントを迎えていると考えております。
 農林水産省としては、世界の食市場を獲得するための農林水産物、食品の輸出促進、みどりの食料システム戦略を踏まえた環境負荷低減の取組推進、これらを進めるための土台となるスマート農林水産業の推進などの施策を着実に進めてまいります。あわせて、生産構造の転換を進め、輸入農産物や輸入生産資材への過度な依存を低減し、我が国の農林水産業の持続的な成長と食料安全保障の強化を図るとともに、制定から約二十年が経過しました食料・農業・農村基本法について、総合的に検証し、見直しに向けた検討を進めてまいります。
 以下、具体的な施策を申し述べます。
 まず、物価高騰による農林水産業の経営に対する影響の緩和を図るため、肥料価格、飼料価格の高騰対策や、漁業や施設園芸等への燃油価格高騰対策を進めてまいります。
 あわせて、食料や生産資材の多くを海外からの輸入に依存している我が国の構造を転換し、食料を安定的に供給するため、小麦や大豆、飼料作物、養殖飼料用魚粉などの海外依存の高い品目の生産の拡大や米粉の利用拡大とともに、食品原材料の国産への切替え、下水汚泥資源、堆肥等の国内資源の利用拡大等の取組を進めます。また、食品の適正な価格形成に向けて、消費者の理解醸成を進めるとともに、食品アクセス困難者への対応を図るため、食品ロスの削減、フードバンク、子供食堂等への支援等も進めてまいります。
 農林水産物、食品の輸出促進については、二〇三〇年の輸出額五兆円の目標達成に向け、改正輸出促進法に基づく品目団体の早期認定や、輸出産地の形成、輸出支援プラットフォームによる輸出事業者等へのサポートの強化等により、円安メリットも生かして輸出拡大を進めます。あわせて、日本産食品の放射性物質規制の撤廃に向け、より一層働きかけてまいります。
 みどりの食料システム戦略の推進については、みどりの食料システム法に基づき、化学肥料、化学農薬の使用低減や有機農業の拡大、環境負荷低減に資する技術開発、消費者の選択を容易にする見える化等の施策を着実に実施し、本年度設定した二〇三〇年目標の実現を目指します。
 スマート農林水産業の推進については、スマートサポートチームによる人材育成とデータ活用の推進や、農業支援サービスの育成、林業機械の自動化、漁業情報等の収集、利用体制の構築を進めます。また、農林水産省共通申請サービスによるオンライン申請を推進します。
 また、活力ある農山漁村を次の世代に継承していくため、日本型直接払いにより地域を下支えしつつ、地域資源、ICTなどの活用により活性化を図るデジ活中山間地域の取組を推進するとともに、農泊、ジビエの利活用、農福連携などの取組を進めてまいります。
 生産者の減少、高齢化が進む中において、人材の確保、育成を進めるとともに、地域の農地が適切に利用されるよう、地域の話合いにより将来の農地利用の姿を示した地域計画を定め、農地バンクを活用した農地の集約化等を進めてまいります。
 米政策につきましては、自らの経営判断による需要に応じた生産、販売を着実に推進していくため、麦、大豆や米粉用米、新市場開拓用米、加工・業務用野菜、子実用トウモロコシなどへの転換を進め、産地として定着させる取組の支援を行ってまいります。
 畜産については、国産飼料の生産、利用、良質な堆肥の生産、流通を強力に推進します。あわせて、地域の関係者が連携した畜産クラスターを核とした収益性の向上やICTの活用による省力化を進め、国内外の畜産物需要に応じた生産基盤を強化してまいります。
 また、競馬の健全な発展等のため、地方競馬全国協会の資金確保措置の恒久化等の措置を講ずることを内容とする競馬法の一部を改正する法律案を今国会に提出しましたので、御審議をよろしくお願いいたします。
 農業の競争力強化や農村地域の防災・減災、国土強靱化を実現するためには、農地や農業用水などの農業、農村の基盤整備が欠かせません。農地の大区画化や畑地化、汎用化、農業水利施設の長寿命化やため池等の豪雨・地震対策を推進してまいります。
 豚熱、アフリカ豚熱、高病原性鳥インフルエンザなどに対しては、関係者と危機感を共有し、飼養衛生管理の徹底を基本としつつ、水際での侵入防止体制の強化や、経口ワクチン散布などの野生イノシシ対策に、都道府県等と連携して取り組んでまいります。
 森林・林業政策については、国産材の安定的、持続的な供給体制の強化に向け、加工施設や路網整備、再造林を進めます。あわせて、CLTの活用等により都市の木造化を推進し、カーボンニュートラル実現にも貢献してまいります。また、森林環境譲与税も活用しつつ、森林経営管理制度等により森林の経営管理の集積等を進めるとともに、治山対策等による国土強靱化など、森林資源の適切な管理、利用を図ってまいります。
 水産政策につきましては、本年三月に閣議決定された水産基本計画に基づき、海洋環境の変化も踏まえた水産資源管理を着実に実施するほか、増大するリスクも踏まえ、漁業経営安定対策を講じつつ、水産業の成長産業化を実現してまいります。あわせて、地域資源を生かした海業の振興等による漁村の活性化を推進してまいります。
 東日本大震災から十一年が経過しました。復旧事業により、津波被災農地や水産関係施設などのインフラ復旧は、相当程度進展しております。しかし、原子力災害救済地域では、営農再開や水産業、林業の再生、風評払拭など、まだまだ取り組むべき課題があります。引き続き、被災された農林漁業者の方々が再び立ち直るための万全の支援を行ってまいります。
 また、ALPS処理水への対応については、福島県及び近隣県で漁業を安心して持続できるよう、風評を生じさせない取組や、生産、流通、加工、消費の各段階における徹底した対策を行うこととし、政府全体で取り組んでまいります。
 最後に、食料・農業・農村基本法について申し上げます。
 基本法は制定から約二十年が経過しました。その間に、国内市場の縮小や生産者の減少、高齢化など、農業構造が大きく変化しました。また、昨今では、世界的な食料情勢の変化に伴う食料安全保障上のリスクの高まりや、地球環境問題への対応、海外の市場の拡大等、我が国農業を取り巻く情勢が制定時には想定されなかったレベルで変化しています。
 このため、私は、九月九日の総理指示も踏まえ、食料・農業・農村基本法を総合的に検証し、見直しに向けた検討を進めていきます。その際、基本法が今日的課題に応え、将来を見据えたものとなるよう、各方面からの様々な意見をお伺いしながら、しっかりと検証、検討を進めてまいります。
 以上、農林水産行政の今後の展開方向について、私の基本的な考え方を申し述べました。
 私自身も、機会あるごとに現場に足を運ばせていただき、様々な声に耳を傾け、両副大臣、両政務官、そして職員全員と一つのチームとなって、こうした諸課題に取り組んでまいります。
 笹川委員長を始め理事、委員各位に、重ねて御指導、御鞭撻賜りますよう、お願いを申し上げます。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 野村哲郎

speaker_id: 32080

日付: 2022-10-25

院: 衆議院

会議名: 農林水産委員会