中谷一馬の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○中谷一馬君 立憲民主党の中谷一馬です。
 会派を代表して質問いたします。(拍手)
 本法律案は、マネーロンダリング、いわゆるマネロンの防止やテロ資金供与、拡散金融対策の国際的協調を推進する金融活動作業部会、FATFによる第四次対日相互審査の結果を踏まえて起案されました。
 世界的に日本はマネーロンダリングに甘い国という烙印を押されることはデメリットが多く、社会的法益の保護に必要な施策を講じることは急務です。
 マネロン全体の規模は、世界のGDPの約二%から五%、日本円にして百十七兆円から二百九十四兆円程度と推計されています。
 一方、近年の我が国における犯罪収益及び薬物犯罪収益として没収、追徴された人員と金額を法務省に尋ねたところ、令和二年は四百二十八人、約十六億六千九百万円、令和三年は四百十一人、約二十五億五千九百万円との報告をいただきました。また、組織的犯罪処罰法及び麻薬特例法に基づくマネロン事犯の検挙件数を警察庁に尋ねたところ、令和二年は六百件、令和三年は六百三十二件と過去最高を更新したとのことです。
 そこで、まず、国家公安委員長に伺いますが、我が国においてマネロン事犯の検挙件数が過去最高を記録したことや約二十五億五千九百万円の没収、追徴が行われたことをどのように受け止め、対策を講じていく考えですか。見解を伺います。
 次に、第四次対日相互審査報告書への対応について伺います。
 日本はFATFの第四次相互審査で重点フォローアップ国に置かれ、この結果を踏まえ、対策の強化に向け、本法案が提出されました。
 そこで、谷大臣に伺いますが、我が国は第五次審査では通常フォローアップ国を目指すという考えを持っていますか。また、その際、改正法の施行により法令の整備状況は国際基準に向けて改善されますが、法制度の有効性の観点など様々な審査が行われることが想定される中で、我が国の評価が重点フォローアップ国から通常フォローアップ国に引き上げられる見通しはありますか。見解を伺います。
 さらに、マネロン対策等については、報告書に対応するだけではなく、今後も、国際的な要請などを踏まえ、継続的に対策を続ける必要があります。現在は内閣官房のFATF勧告関係法整備検討室で対応を行っていますが、本法案の成立後に、同室に相当する組織を引き続き存置する想定はありますか。見解を伺います。
 そして、本法案は四省庁六法案の一括法案として提出されていますが、マネロン対策等は政府全体で取り組むべき課題です。各省庁で施策の統一性を図る観点から、マネロン対策等に係る法律を一本化する必要性をどのように考えていますか。見解を伺います。
 次に、テロ資金供与について伺います。
 報告書においては、四十の勧告の中で、唯一、NPOのテロ資金供与への悪用防止を求める事項が不履行、NCとされました。
 この状況を改善すべく、政府は、マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策の推進に関する基本方針において、NPOのテロ資金供与リスクについて適切に評価を行い、リスクベースでモニタリングの実施と、リスク及び対策の好事例を周知するとしています。なお、FATFがNPOと表している言葉の対象を、政策会議では、特定非営利活動法人、公益法人、社会福祉法人、医療法人、学校法人、宗教法人と定めています。
 そこで、谷大臣に伺いますが、政府は、これらの取組がNPOの悪用防止に対して効果的に作用し、勧告の評価がCの履行若しくはLCのおおむね履行に改善される見通しがあると考えていますか。また、NPOの悪用防止のため、リスクの評価やモニタリング等の取組を法律上義務づけるなど、関係法令を改正するといった考えはありますか。見解を伺います。
 るる、マネロン、テロ資金供与対策について伺いましたが、一方で、規制とイノベーションのバランスも重要な視点です。
 人が想像できることは、人が必ず実現できる。サイエンスフィクションの父、ジュール・ヴェルヌの言葉ですが、実際に私たちの生活においても、数十年前にこんな未来が来るかもと想像していた多くのことが実現されています。
 例えば、アニメ「ドラえもん」は近未来を想像しやすい物語ですが、SFの秘密道具が、現実世界でもそれらに近い形で実装されています。
 具体的には、ほんやくコンニャクというどんな言葉でも操れるようになる道具は、ウェアラブル翻訳端末という形で実装され、個人で空を飛べる道具タケコプターは、電動式の一人乗りヘリコプターという形で実現されました。
 さすがにタイムマシンはできないだろうと思っていたら、メタバースとブロックチェーンの発展で、実質的なタイムリープが体験できます。
 例えば、過去の疑似体験として、戦国時代に本能寺の変で織田信長が死んでいなければどんな時代になっていたのかなど、フィクションストーリーのシミュレーションを行うことや、未来の予測として、若者向けのベーシックインカム政策を導入したら出生率、婚姻率、就業率、労働力率、自殺死亡率等にどのような変化があるのかなど、仮説検証を行うことが可能となります。
 ブロックチェーン技術を基盤とするウェブ3に対しては、各国政府が国として取り組む姿勢を鮮明にしており、日本政府もウェブ3の推進に向けた環境整備の検討を進めることを閣議決定しました。
 そこで、谷大臣に伺いますが、政府は、分散型自律組織、DAOに関する法整備や、ブロックチェーン技能に精通した起業家、エンジニアの育成支援など、ウェブ3エコシステムの健全な発展に必要な具体策をどのように考え、国家戦略を策定、推進しようと考えているのか、お答えください。
 また、財務大臣に伺いますが、ウェブ3に関係する有力スタートアップ企業が海外に転出する原因となっている、暗号資産に関する法人税制の在り方を改善する考えはありませんか。見解を伺います。
 次に、リスクベースアプローチの具体策について伺います。
 FATFは、暗号資産に関連するリスクベースアプローチのガイダンスを改定し、FATF基準における暗号資産、暗号資産交換業者の定義の明確化、ステーブルコインに対するFATF基準の適用など、六つの主要領域に焦点を当てた内容に更新しました。また、FATFでは、ピア・ツー・ピア取引、非代替性トークン、NFT、分散型金融、DeFiなどを含め、暗号資産に関するモニタリングを継続していくとしています。
 これらの対応は、国家の安全保障上不可欠な施策であり、暗号資産などの新しい金融が社会的に定着していく上でも必要な規制ですが、対応するためには事業者負担の増加が見込まれます。
 例えば、本法案では、リスク評価や実質的支配者情報の把握等を行うこととなるため、事業者負担が増加します。
 そこで、谷大臣に伺いますが、ウェブ3関係企業にはベンチャー、スタートアップ企業が多く存在する現状を踏まえれば、政府は、必要な規制を講じていく上で、事業者側へのサポートが必要だと考えますが、いかがですか。見解を伺います。
 次に、ステーブルコインについて伺います。
 本法案においては、ステーブルコインについて、居住者、非居住者間の取引に関する資産凍結を強化することとしています。
 世界のステーブルコイン全体の流通額は二〇二二年十月時点で二十一兆円程度とされていますが、このステーブルコインがマネロン等の手段として用いられている実態をどの程度把握しているのか、お答えください。
 さらに、本法案における電子決済手段、いわゆるステーブルコインとは具体的にどの決済がこれに該当するのか、お答えください。
 そして、ステーブルコインの取引の在り方について、資産凍結者との取引等を資本取引として規制するマネロン対策及びテロ資金供与対策など規制の観点と、一般利用の普及を妨げないイノベーションを牽引するための観点を考えた際に、政府としては、ステーブルコインの規制とイノベーションのバランスをどのように考えているのか、所見を伺います。
 次に、中央銀行のデジタル通貨、いわゆるCBDC、セントラル・バンク・デジタル・カレンシーについて伺います。
 CBDCは、マネロン対策及びテロ資金供与対策に対して有効な手段として制度設計することが可能です。
 現在、オンライン決済における匿名性とマネロン対策及びテロ資金供与対策への対応に不可欠な取引データの追跡可能性については、日本銀行が技術的な観点から調査研究を進めています。また、オフライン決済についても、求められるセキュリティーレベルを調整することで、セキュリティーと利便性のバランスを確保できると考えます。
 そこで、財務大臣に伺いますが、プライバシーの保護とマネロン対策、テロ資金供与対策を両立させたCBDCの制度設計は現実的に可能であると考えていますか。見解を伺います。
 日本におけるCBDC、デジタル円の発行予定は現時点ではないものの、欧州中央銀行のCBDC、デジタルユーロが最短で二〇二六年頃にも発行される可能性を踏まえて、日本でも少なくとも二〇二六年にはデジタル円を発行できる能力があるかないかについて判断はできていますかという質問を日本銀行の黒田東彦総裁に行った際、そう思っているという見解が示されました。この見解は日本政府においても同様の認識を持っているのか否か、財務大臣の見解を伺います。
 また、CBDCの概念実証フェーズ2が二〇二三年三月に終える予定ですが、その後、パイロット実験は実施する想定であるのか、ある場合には、どのような内容をどの程度の期間行う想定なのか、見解を伺います。
 次に、北朝鮮のミサイル発射に関連する問題について伺います。
 拡散金融について、FATFは、大量破壊兵器の拡散に対する資金供与を防止するため、対象を特定した経済制裁の実施を各国に求めています。
 しかし、国際社会が協調して経済制裁を実施している状況下においても、北朝鮮は、今年に入ってから三十一回八十発以上のミサイルを発射し、過去最高を更新しています。
 北朝鮮は、多額の暗号資産を違法に取得することを有力な資金調達手段にしていると見られ、警察庁などが、北朝鮮のサイバー攻撃グループが日本の暗号資産交換業者を狙ってサイバー攻撃を行っていると発表しました。
 そこで、谷大臣に伺いますが、北朝鮮による脅威を取り除くためには、不法な資金調達を阻止するとともに、制裁違反、回避の事例や手法を踏まえ、経済制裁や法執行機関による措置の実効性確保を図ることが必要と考えますが、政府はどのような具体策を講じていく予定ですか。見解を伺います。
 そして、国民の安全を守るためには、政府の全国瞬時警報システム、いわゆるJアラートの改善が必要です。
 十一月三日七時五十分、北朝鮮によるミサイルの発射をめぐりJアラートが発令されましたが、ミサイルが日本上空を通過したと見られるとされたのは、発令の二分前、七時四十八分でした。
 情報は事前に周知しなければ被害を最小限に抑えることはできませんので、迅速性を重視しつつ、必要な地域に確実に伝達され、不要な影響を与えないように改善していただけませんか。
 また、政府はJアラートのシステム改修を行うとのことですが、スピード感を持って進めるべきです。いつ頃までに何をどのように改善しようと考えているのか、官房長官、政府の見解をお示しください。
 以上で質問を終わります。御清聴、誠にありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣谷公一君登壇〕

発言情報

speech_id: 121005254X00720221108_010

発言者: 中谷一馬

speaker_id: 22155

日付: 2022-11-08

院: 衆議院

会議名: 本会議