高良鉄美の発言 (外交防衛委員会)

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○高良鉄美君 今の勧告、やはり国際機関からもこういうふうに国籍による差別の問題、そこは非常に強く指摘をされているということです。これが、先ほど言いましたように、やっぱり人権保障の盾となるというんでしょうかね、そういう機関である裁判所がきちんと対応しなきゃならないということです。
 人種差別撤廃委員会から度々勧告されていることを最高裁は重く受け止める必要がありますが、本日最高裁はおられません。国会法七十二条二項で「最高裁判所長官又はその指定する代理者は、その要求により、委員会の承認を得て委員会に出席説明することができる。」とされているため、本日は出られないということです。最高裁を欠席裁判することになりますが、問題点を指摘しておきたいと思います。
 実は、この問題を指摘してくれたのは、私の琉大時代の教え子である白承豪弁護士でした。韓国籍です。実は、この問題を、かつて外国人の人たちは、司法試験に合格しても法曹資格に必要な司法修習も認められなかったということに起因しているわけですけれども、そのため弁護士にはなれませんでした。準公務員である司法修習生にも、当然の法理という、外国人はなれないのは当たり前だろうというですね、これが適用されて外国籍者は排除されていました。
 一九七七年に最高裁が外国籍者に門戸を開き、外国籍のまま弁護士となることが可能となりましたが、司法修習生の選考要項から国籍条項が削除されたのは三十年も後の二〇〇九年でした。このとき、最高裁は差別撤廃に向け奔走されたと聞いています。
 こういうふうに、やっぱり最高裁判所が人権の問題だということで、運用で司法修習生をきちんと国籍条項を適用しないで頑張ると、あるいは国籍で差別をしないということを率先して開いてきたわけです。これがやっぱりやるべき、あるいは取るべき姿勢だったと思います。このあるべき姿というのは、デューというのが英語の適切なという意味ですけれども、これはあるべき姿という意味ですので、これ最高裁判所のやっぱり取った、奔走したこの努力というのは、本当にあるべき姿だったろうと私は思います。
 翻って、二〇〇九年の衆議院法務委員会では、保守派の議員から調停委員には外国籍者を認めるべきではないという趣旨の発言があり、これを受けて最高裁の当時の担当者であった大谷直人前最高裁長官が、法律上の規定はないけれども、事務当局として外国籍を認めない運用をしていると答弁したことがこの問題解決を困難にしています。それ以来、最高裁は差別の正当化に固執をしています。
 調停制度百年という中で、外国籍の、しかもこれは弁護士会が推薦をした弁護士なんですよ、それがどうしてなれないのかということで、私もこの白承豪弁護士から随分気持ちを、真情を吐露されましたけれども、日本に来れば日本は法律の上でも平等なんだと、差別はないんだと。当時、彼のお父さんが韓国で軍政時代、軍事政権の時代を経験してきたので、やっぱり日本というところが非常に法律の上でも、あるいは社会もずっと韓国に比べて、当時の、平等であると、これが遺言だったそうなんです。それで一生懸命司法試験を受けて、ようやく合格したということですね。そして、彼は兵庫県の弁護士会の副会長もしていました。そして、会長にもなりました。さらには、日弁連の副会長もしました。そういう世の中にはなったんだけれども、そのような立場にはなったんだけれども、調停委員にだけはなれないという非常に変わった状況なんですね。
 これが合理性を持つかというのもありますけれども、現在、日本に中長期間滞在する外国人は二百七十万人に上ります。調停で扱う紛争の当事者は日本人だけとは限らない。生活習慣や文化を熟知した外国籍の調停委員を始め多様な人材が調停を務めることで、当事者が多様化した紛争に円満な解決をもたらすことにこの外国籍の調停委員が貢献することは言うまでもありません。国連から勧告を受けていることを重く受け止め、最高裁も同じようにスピード感を持って、一日も早く差別が解消されることを願いたいと思います。
 これ、問題はやっぱり最高裁が人権保障のとりでという期待をされている、あるいは憲法上もそういうふうに言われているわけです。ところが、その最高裁が差別をするというような問題になると、これは司法機構だけじゃなくて、国の法制度全体が、あるいは法の支配という我が国の政府が今取っているこういった問題にも大きな関連があると思いますので、そのような指摘をしながら、このような問題も含めて委員の皆様にも御理解いただき、また政府の方にもこの対応をお願いして、私の質問を終わりたいと思います、時間前ですけれども。よろしくお願いします。

発言情報

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発言者: 高良鉄美

speaker_id: 17859

日付: 2022-11-15

院: 参議院

会議名: 外交防衛委員会