西村康稔の発言 (経済産業委員会)

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○国務大臣(西村康稔君) この度、経済産業大臣を拝命いたしました西村康稔でございます。
 さきの通常国会における高圧ガス保安法案の御審議の際、措置の内容を検討する審議会に提出していました資料における数字の誤りが発覚をいたしました。その後、再発防止に取り組んでおりましたが、この度、同国会で御審議いただいた省エネ法の概要説明資料において引用しておりました火力発電所の新設、廃止の見通しに関する数字にも誤りがあったことが判明いたしました。
 概要説明資料における誤りは決してあってはならないものであり、私としても誠に遺憾であります。この機会に改めて経済産業省として再発防止をしっかりと徹底してまいります。
 続けて、所信の御挨拶させていただきます。
 第二百十回国会における経済産業委員会の御審議に先立ち、経済産業行政を取り巻く諸課題及び取組につきまして、経済産業大臣、原子力経済被害担当大臣、GX実行推進担当大臣、産業競争力担当大臣、ロシア経済分野協力担当大臣、内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)として申し上げます。
 初めに、我が国経済は、コロナ禍からの回復が進みつつある一方で、ロシアによるウクライナ侵略と円安に伴うエネルギー価格や物価の高騰、世界の景気後退懸念など、大きなリスクに直面しています。
 足下の物価高への対策として、まずは燃料油価格の激変緩和措置を年末まで継続するとともに、家計、企業の電力料金の負担を直接的に緩和する思い切った対策を講じます。ガスについては、値上がりの動向、事業構造などを踏まえ、電気とのバランスを勘案した適切な措置を検討します。省エネルギー対策の抜本強化を含め、関係省庁と連携して早急に対策を実行に移し、国民生活や事業活動を守り抜いていく覚悟です。
 炭素中立社会の実現に向け、日本の経済社会、産業構造のグリーントランスフォーメーション、GXを進めます。安定供給を大前提に、再生可能エネルギーや原子力といった脱炭素エネルギーを将来にわたる選択肢として強化するためのあらゆる方策について検討します。
 原子力規制委員会が新規制基準に適合すると認めた原子力発電所について、地元の理解を得ながら再稼働を進めるとともに、安全性の確保を大前提とした運転期間の延長、次世代革新炉の開発、建設などについて、年末に向け議論を加速します。
 また、世界的にLNGの需給が逼迫し、供給の不確実性が高まっています。緊急時に、経済産業大臣の要請を受けてJOGMECがLNGを調達できることとし、大口需要家のガスの使用を制限する枠組みを整備するため、ガス事業法及び独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構法の一部を改正する法律案を今国会に提出しました。
 加えて、今後十年間で百五十兆円超の官民の投資を実現するべく、成長志向型カーボンプライシングについて構想を具体化し、二十兆円とも言われる政府資金を確保することで、予見可能な形で民間投資を後押しします。企業が自主的に排出量の取引を行うGXリーグについて、二〇二三年度の本格稼働に向け、実証事業やルール形成を進めます。
 ロシアのウクライナへの侵略は、断じて許容できるものではなく、米欧等の同志国と連携し、輸出入に関する制裁などに取り組みます。
 国際秩序の根幹が揺らぐ中で、自由で公正な経済秩序を我が国が主導することが重要です。デジタル経済に関する国際ルール作りを含め、インド太平洋経済枠組み、IPEF、日米経済版2プラス2、経済連携協定やWTOといった枠組みを活用してまいります。
 また、来年は日本がG7の議長国を務め、日・ASEANが友好協力五十周年を迎える重要な年です。アジアの炭素中立化など社会課題の解決に貢献し、その成長の果実を取り込むため、アジア・ゼロエミッション共同体構想、日ASEAN経済共創ビジョン、サプライチェーンの強靱化や柔軟化など、協力の具体化を進めます。
 サプライチェーンにおける人権配慮を促すため、ガイドラインの普及や、予見可能性を高めるための国際協調を推進します。また、先端技術の輸出管理での対応に向けて同志国と連携します。
 厳しい事業環境の中にある地域の中小企業に対しては、資金繰り支援に万全を期してまいります。スーパー低利無担保融資の継続や貸付限度額の引上げに加え、返済負担軽減のため、借換え保証を創設するとともに、特に影響を受けているイベント業界や商店街等の需要喚起を行います。
 生産性の向上や賃上げ、輸出促進を始め、成長のための投資を行う中小企業を後押しするため、ものづくり補助金などの生産性革命推進事業や事業再構築補助金などを通じた支援に取り組みます。加えて、収益力改善、事業再生、再チャレンジの総合的な支援を強化します。
 サプライチェーン全体の共存共栄を目指すパートナーシップ構築宣言の更なる拡大と実効性の向上、価格交渉促進月間の結果を踏まえた下請振興法に基づく親事業者への指導、助言の実施など、公正取引委員会とも連携し、取引適正化、価格転嫁対策を進めます。
 現在、我々は、コロナ、ウクライナ、気候変動の三つの危機への同時対応が求められる難しい局面にあります。こうした危機を乗り越え、強靱で柔軟な経済を構築するためには、国内において成長につながる投資を促すべく、一歩踏み込んで政策を進めることが重要です。
 特に、人は企業の競争力の源泉です。成長分野を創出し、そこへ人材が円滑に移動することで高い賃金を享受する、言わば成長と所得向上の好循環を実現します。そのため、リスキリングからキャリアアップまでの一気通貫での支援を始め、労働移動の円滑化、多様な働き方の実現に向け取組を進めてまいります。
 また、イノベーションも不可欠です。もう一度日本がアニマルスピリッツを取り戻せるよう、意欲と才能ある若者の支援を、若手の支援を、大学生、高専生も含めて大胆に拡充します。量子、AI、バイオ、グリーン等のイノベーションの強化や、成長志向型の資源自律経済の確立に向けた取組も進めます。
 岸田内閣では、本年をスタートアップ元年と位置付けました。世界に羽ばたくスタートアップが次々と創出されるエコシステムの実現に向け、人材、資金、事業拡大などあらゆる側面から対策を強化します。
 日米共同での次世代半導体の技術開発や蓄電池等の工場立地の支援、データセンター、クラウド、次世代コンピューター、サイバーセキュリティーを始めとする産業基盤やインフラの整備、人材育成など、デジタル社会の実現に向けて、ハード、ソフト両面での取組を進めます。
 経済安全保障の観点からは、重要物資の安定供給確保や先端技術の研究開発を大胆に推進します。
 基幹産業である自動車については、百年に一度の大変革を勝ち抜くべく、産業界との対話を深め、モビリティーを軸とした成長の実現に取り組みます。
 さらに、二〇二五年大阪・関西万博の成功に向け取組を進めます。
 福島復興と東京電力福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水・処理水対策は、経済産業省の最重要課題です。
 廃炉に向け、燃料デブリの取り出しやALPS処理水の処分に向けた準備などを進めながら、ALPS処理水の安全性の確保、理解醸成、風評対策に全力で取り組んでまいります。加えて、基金により安心して漁業を継続できるよう対策を講じます。
 本年、一部避難指示が解除された特定復興再生拠点区域に加え、残る拠点区域も解除に向けた取組を進めます。拠点区域外についても、避難指示解除に向けた方針に基づき対応してまいります。
 事業、なりわいの再建や新産業の創出、交流人口の拡大、福島国際研究教育機構における研究、映像・芸術等を活用した新たな町づくりなど、被災地の復興を着実に推進してまいります。
 以上、申し述べましたとおり、経済産業行政は多くの課題に直面しております。今月中に取りまとめられる総合経済対策においても、必要な措置を講じてまいります。様々な御意見に耳を傾けながら、経済産業大臣として全身全霊で職務に取り組んでまいります。
 吉川委員長を始め理事、委員各位の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

発言情報

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発言者: 西村康稔

speaker_id: 6755

日付: 2022-10-25

院: 参議院

会議名: 経済産業委員会