山本順三の発言 (憲法審査会)
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○山本順三君 自由民主党の憲法審査会筆頭幹事を務めております山本順三でございます。
本日、今国会最初の参議院の憲法審査会が開催できることになりました。与野党幹事の皆様方の御尽力にまずは心から感謝を申し上げたいと思います。
本憲法審査会は、さきの国会でも、憲法第五十六条第一項の出席に関する議論や、あるいは合区問題を中心に極めて有意義な議論を重ねてまいりました。今国会でも更に活発な活動となることを期待をいたしております。
日本国憲法は前文で、主権が国民に存すること、そして日本国民はこの憲法を確定することを表明するとともに、憲法第九十六条では、国民投票を通じて憲法改正について最終的な判断を下すのは日本国民であるというふうに規定をいたしております。まさに憲法は国民のものということだと思います。
日本国憲法は施行後七十五年を経過をいたしました。その間、社会も人々の考え方も大きく変化をいたしております。このような状況の中にあるからこそ、国民の皆様お一人お一人に今憲法はどうあるべきなのかとお考えを深めていただくことが大切だと思っております。そのためにも、憲法改正原案等の審査機関である参議院憲法審査会は、憲法についてそれぞれの意見を率直に開陳し、じっくりと議論を深めていかなければならないと考えているところでございます。
続いて、我が会派が議論を深めるべきと考えている四つの項目について申し上げます。
私ども自由民主党は、改正の条文イメージとして、一、自衛隊の明記、二、緊急事態対応、三、合区解消・地方公共団体、四、教育充実の四項目を提示をいたしております。
北朝鮮によるかつてない高い頻度での弾道ミサイル等の発射や一向に止めない核開発、中国の海洋進出や軍事力の急拡大、さらにはロシアによるウクライナ侵略を見れば、我が国の安全保障環境は極めて厳しい状況にあると言えます。国際秩序を根底から覆す事態が東アジアで発生しないと言い切ることはできません。そのような中で、憲法における自衛隊の位置付けが今のままでよいのか、ますます考えなければならない時期にあると感じております。
また、感染症や自然災害の脅威が現実のものとなったことからも、万が一のときにどう国会や行政の機能を維持させるのかという緊急事態条項の問題についても、憲法第五十六条第一項の出席との関係も含めて議論を進めていかなければならない問題です。
教育の充実も、将来世代の未来を切り開く上で考えていかなければならない課題でございます。
そして、とりわけ参議院において議論を進めるべき項目は、合区解消・地方公共団体であります。
そもそも、参議院は、地方代表、職域代表から成る院として二院制の一翼を担ってまいりましたが、今から七年前、大都市圏への人口集中と地方の過疎化が進む中、投票価値の平等を追求していくためにやむを得ず一部に二県合区を導入いたしました。しかしながら、導入後、合区対象県では投票率低下や無効票の増加などの弊害が明らかになっております。投票価値の平等は重要ではありますが、それを追求する余り、合区が有権者の選挙離れを引き起こし、投票率を低下させたとすれば、民主主義の根幹に関わる問題でございます。
全国知事会など地方六団体、そして三十五もの県議会からも見直しの要望や決議が出されております。いずれも、このままでは人口の少ない地方の声が国政に届かなくなるのではないかという切実な危機感の表れであります。
現在、本年七月の参議院議員選挙における投票価値の平等をめぐる高裁判決が出されているところです。各高裁は、それぞれ合憲判決や違憲状態判決、違憲判決といった判断を下しておりますが、最終的には最高裁判決を待つことになると考えます。ただ、ここまでの高裁判決の幾つかは、参議院改革協議会や参議院憲法審査会での議論を事情に含めて、立法府の較差の是正を施行する姿勢について判断しています。
参議院改革協議会では、立ち上げられた後、本年六月に取りまとめられた報告書を土台とした議論が始まることになろうと思いますが、同時に、参議院憲法審査会としても、引き続き、憲法との関係において、合区解消についての議論を進めていくべきと考えております。
我が党といたしましては、抜本的には憲法を改正して合区を解消してはどうかと考えておりますが、地方の府としての参議院の特徴に着目し、その独自性を法的に位置付けることで衆議院の機能と差別化すれば、毎回の選挙において全ての都道府県から少なくとも一人は議員を送り得る可能性があると考える憲法学者の意見もあります。
さきの国会での参議院憲法審査会でも、参考人から、投票価値の平等ということからこぼれ落ちる利益を確保する観点で、参議院の役割を制度化してはどうか、あるいは、参議院の役割を制度化し、都道府県との結び付きが衆議院と異なることを示すことができれば、最高裁の今の判決法理にのっとっても違う結論が出るのではないかといった趣旨の発言もございました。
このような意見があることを踏まえながら、参議院憲法審査会では引き続き憲法との関係において議論を深めてまいりたいと思います。
最後に、参議院だからこそ全会派そろって粛々と、憲法は国民のものという考えの下、憲法審査会での議論を進めていくことでその責務を果たしていくべきだと申し上げて、私の発言を終わります。
ありがとうございました。