小西洋之の発言 (憲法審査会)

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○小西洋之君 立憲民主・社民の小西洋之です。会派を代表して、憲法に対する考え方を述べます。
 まず、改めて、全ての論議の前提として、憲法審査会が担う憲法及び国会法上の法的任務について共有をお願いしたく存じます。
 お手元の資料ですが、憲法審査会の所掌事務を定めた国会法百二条の六は、日本国憲法及び憲法に密接に関連する基本法制について広範かつ総合的に調査を行いと明記し、この趣旨について、次のページですが、去る十月十九日の本院予算委員会を始め、衆参の議会法制局長は、憲法違反に関する調査はまさしく含まれ得る、憲法違反の事実などが生じていないかといった事項も当然に含まれていると繰り返し明言しています。
 すなわち、本審査会は、全議員の憲法九十九条の憲法尊重擁護義務の下に、主権者国民の最高法規憲法について、議会や政府がそれに違反していないかを調査審議する法的責務を国会法により課されたただ一つの委員会であり、言い換えれば、憲法審査会は、憲法違反問題の調査審議により主権者である国民の手に憲法を取り戻し、同時に、憲法がよって立つ法の支配と立憲主義を立法府と行政府において守り、再生するための委員会であるのであります。
 そして、まさにこの実践として、本審査会においては、平成二十八年より、集団的自衛権の行使の容認などを始めとするあまたの違憲問題に関する幹事会協議事項が積み上げられています。
 したがって、私ども会派は、憲法審査会が開催されたときは必ず、昨年のデルタ株に続く今夏のオミクロン株の惨禍の中での臨時国会召集義務違反などを含め第二次安倍政権以降の様々な憲法違反問題の調査審議を求め、憲法違反を犯した政府の存立に責任を有する与党の先生方などに対して見解を質問等をさせていただく所存です。こうした本審査会の運営こそが、平成二十六年本審査会附帯決議第一項、二項の、立憲主義及び憲法の定める国民主権、基本的人権の尊重、恒久平和主義に基づいて徹底的に審議を尽くすの趣旨にかなうものと考えます。
 この点、旧統一教会、国葬をめぐる問題は、法の支配、立憲主義の逸脱のあしき例であり、我が会派として本審査会での徹底した調査審議を求めます。
 すなわち、岸田総理が全面撤回した宗教法人法の解散命令に係る違法な解釈は、憲法七十三条の政府による法律の誠実執行義務の違反であり、東京高裁決定の曲解という司法判断の潜脱による暴挙であり、真相究明と徹底した再発防止策を講じなければなりません。
 さらに、旧統一教会と政府・自民党の政教分離問題、違法な名称変更や刑事捜査回避などの特権付与の疑い、さらには、自民党の改憲案や改憲運動そのものが旧統一教会の影響を受けたものではないのか、同性婚などのLGBTの権利擁護や、家族や教育政策の在り方がゆがめられていないのかなど、極めて深刻かつ多岐にわたる旧統一教会をめぐる憲法問題を指摘しなければなりません。
 また、国葬儀は、安倍元総理への敬意と弔意を国全体で表すとされるなど、その法的根拠がないことを含め、国民、国会、裁判所との関係で、国民主権、議院内閣制、三権分立、さらには個人の尊厳尊重、思想、良心の自由など、重大な違憲、違法問題を生じています。さらには、日本国憲法の下で天皇、上皇の大喪の礼以外の国による葬儀が法的に可能なのか、徹底した論究が必要です。
 他方、立憲民主党は、立憲主義に基づく論憲によって、種々の憲法問題の主体的かつ真摯な検証を重ね、必要と考えるものは本審議会での議論を求めてまいります。
 具体的には、衆院での国会議員の任期延長の改憲議論については、参院緊急集会の実施及び衆院議員の任期満了までに必ず総選挙を実行する国会法及び公選法の改正によって、改憲によらずに法律で解決できると考えます。
 加えて、日本維新の会の安保法制を理由とする憲法裁判所の設置は、行政事件訴訟法改正による九条の民衆訴訟にて対処できると考えます。
 以上のような我が会派の論究は、立法措置によって可能とすることができるかどうか徹底的に審議を尽くす、すなわち改憲の必要性及び合理性に係る立法事実がないものは改憲論議の対象としないと定める本審査会附帯決議第三項の実践と認識しております。
 さらに、冒頭の議会法制局長答弁にあるように、憲法がその趣旨どおりに実施されているかどうかに関する調査も本審査会の重要な任務です。すなわち、物価高騰、格差社会、ツインデミック危機のコロナ禍における生存権、少数者の権利保障など、真摯な調査審議が求められます。さらに、我が会派は、当然に国民投票法附則四条のCM、広告規制の法改正も求めてまいります。
 最後に、さきの通常国会において、衆参憲法審の四名の憲法学者の全員が、衆議院のオンライン出席の見解文書を憲法五十八条の議院自律権の濫用と指摘等されたように、衆議院の憲法審査会の改憲ありきの毎週開催は憲法を軽んじる行為と言わざるを得ません。この点、本審査会の自民党会派の代表意見において、衆議院とは異なる議院自律権の考え方を表明されたことは深く敬意を表する次第です。
 さらには、さきの本審査会において、地方問題や災害対策などをより十全に調査審議する機能を参議院に付与する国会法改正などにより、憲法改正を行わずに合区制度を廃止する方策について、高名な二名の公法学者の参考人より、違憲判決は想定し難いとの旨の陳述がなされたことは誠に意義深く、この改革の憲法論議を一層深めていく必要があるものと考えます。
 中曽根会長の下に、良識の府にふさわしい格調高い本審査会の運営を実践するとともに、立憲主義に基づく論憲の力によって改憲ありきの不要不急の改憲論議等に真っ正面から対峙し、かつ憲法違反を正し、憲法の価値を国民生活に具現化する審議を求める決意を申し上げて、私の意見とさせていただきます。

発言情報

speech_id: 121014183X00220221109_004

発言者: 小西洋之

speaker_id: 27444

日付: 2022-11-09

院: 参議院

会議名: 憲法審査会