舟山康江の発言 (憲法審査会)
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○舟山康江君 国民民主党の舟山康江です。
本日のテーマである憲法における参議院の在り方について、まずは合区問題から私見を述べたいと思います。
一票の較差是正という観点から導入された合区は、確かに較差是正には一定の効果はありました。この点、平成二十九年最高裁判決は、長期間にわたり投票価値の大きな較差が継続する要因となっていた仕組みを見直すために、これまでにない手法であるとし、一定の評価をしています。
一方で、私は、合区はある意味で一票の較差以上の更なる格差を生み出したと考えます。
一つは、現在の都道府県を単位とする選挙区が基本である中で、ほんの一部のみ合区を含むという在り方は、制度体系上、むしろ平等原則に反しているのではないかという点です。
もう一点は、合区が導入された県、とりわけ候補者不在の県における投票率や無効投票率は有意に低下及び上昇しており、この点においても、都道府県を単位とする選挙区が基本である中、おのずと関心の低下を招く合区は平等原則に反すると考えます。
そして、特定枠について申し上げます。
特定枠の合理性にも疑問を呈さざるを得ません。そもそも、合区対象県のように人口的に少数派ともいうべき条件不利地域の声を国政に届けるような活用を想定しているとの法改正時の自民党議員からの国会答弁から分かるように、合区により候補者が出せなかった県の救済策として生み出されたものであり、一票の較差解消の観点から導入された制度がむしろ特定の県を優遇することに合理性は全くありません。
もう一点は、これまでの参議院の選挙制度においては、比例区は非拘束名簿方式である中、特定枠は拘束名簿式の一部導入であり、体系の一貫性という意味でも問題があります。多くの政党が特定枠を多用することになれば、比例区は非拘束名簿方式という原則を壊すことになり、この点からも問題だと考えます。
なお、特定枠創設に関する提案理由にありました、全国的に支持基盤を有するとは言えないが国政上有為な人材等が当選しやすくするようにとの目的は、拘束名簿方式を採用する衆議院で達成できるものであり、比例区は非拘束名簿方式という体系の一貫性を崩す理由は乏しいと考えます。
これらの問題は、参議院選挙における選挙制度の在り方について、一票の較差の縮小のみを課題として強調することから端を発しています。私たちが考えなければならないのは、投票価値の平等とは何か、二院制の下での参議院の役割は何かということを立法府の意思としてしっかり議論し、結論を出すことであります。最高裁が投げかけているのもこの点であり、ある意味で、立法府よ、しっかりしろという叱咤激励の意味合いが強いと私は捉えています。
そもそも、直近の令和二年最高裁判決を含め、これまでの累次にわたる最高裁判決における投票価値の平等に関する言及は、選挙制度をどのような制度にするかの決定を国会の裁量に委ねているのであるから、投票価値の平等は選挙制度の仕組みを決定する唯一、絶対の基準となるものではなく、国会が正当に考慮することができる他の政策的目的ないし理由との関連において調和的に実現されるべきものである、それゆえ国会が具体的に定めたところがその裁量権の行使として合理性を有するものである限り、それによって投票価値の平等が一定限度で譲歩を求められることになっても憲法に違反するとは言えないとされています。
そして、憲法では二院制を採用し、衆議院と参議院の権限及び議員の任期等に差異を付けていることに言及しつつ、二院制の下における参議院の性格や機能及び衆議院との異同をどのように位置付け、これをそれぞれ選挙制度にいかに反映させていくかという点を含め、国会の合理的な裁量に委ねられているとしていることをしっかり受け止め、憲法審査会で議論し参議院改革協議会に提言するなど、積極的な役割を果たすことを提案いたします。
なお、これに関しましては、慶応大学名誉教授、元内閣法制局参事官の八木欣之介先生も議員定数不均衡問題についての論文における考察で、平等選挙の原則は我が国では憲法上の要請ではなく公選法による一人一票の保障にとどまっているとか、国民代表制における多様な意見を反映しようとするならば、議席配分は人口比例を基本とするという根拠の乏しい思い込みを脱し、農地や山林、河川、湖沼、そして明治以来百年を超える歴史を有する都道府県の区域等の我が国の……