憲法審査会
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会
会議録情報#0
令和四年十二月七日(水曜日)
午後一時開会
─────────────
委員の異動
十一月九日
辞任 補欠選任
吉井 章君 佐藤 正久君
片山 大介君 東 徹君
柴田 巧君 浅田 均君
十二月六日
辞任 補欠選任
佐藤 正久君 広瀬めぐみ君
松山 政司君 山本 啓介君
十二月七日
辞任 補欠選任
山本 啓介君 足立 敏之君
─────────────
出席者は左のとおり。
会 長 中曽根弘文君
幹 事
浅尾慶一郎君
片山さつき君
堀井 巌君
牧野たかお君
山本 順三君
小西 洋之君
吉田 忠智君
西田 実仁君
音喜多 駿君
大塚 耕平君
山添 拓君
委 員
足立 敏之君
青山 繁晴君
赤池 誠章君
臼井 正一君
衛藤 晟一君
加藤 明良君
小林 一大君
古庄 玄知君
進藤金日子君
中西 祐介君
広瀬めぐみ君
松川 るい君
松下 新平君
丸川 珠代君
山田 宏君
山谷えり子君
山本 啓介君
石川 大我君
打越さく良君
熊谷 裕人君
古賀 千景君
辻元 清美君
福島みずほ君
佐々木さやか君
矢倉 克夫君
安江 伸夫君
山本 香苗君
浅田 均君
東 徹君
猪瀬 直樹君
礒崎 哲史君
舟山 康江君
仁比 聡平君
山本 太郎君
事務局側
憲法審査会事務
局長 加賀谷ちひろ君
法制局側
法制局長 川崎 政司君
─────────────
本日の会議に付した案件
○日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基
本法制に関する調査
(憲法に対する考え方について(特に、憲法に
おける参議院の在り方並びに参議院議員の選挙
区の一票の較差及び合区問題を中心として))
─────────────
この発言だけを見る →午後一時開会
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委員の異動
十一月九日
辞任 補欠選任
吉井 章君 佐藤 正久君
片山 大介君 東 徹君
柴田 巧君 浅田 均君
十二月六日
辞任 補欠選任
佐藤 正久君 広瀬めぐみ君
松山 政司君 山本 啓介君
十二月七日
辞任 補欠選任
山本 啓介君 足立 敏之君
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出席者は左のとおり。
会 長 中曽根弘文君
幹 事
浅尾慶一郎君
片山さつき君
堀井 巌君
牧野たかお君
山本 順三君
小西 洋之君
吉田 忠智君
西田 実仁君
音喜多 駿君
大塚 耕平君
山添 拓君
委 員
足立 敏之君
青山 繁晴君
赤池 誠章君
臼井 正一君
衛藤 晟一君
加藤 明良君
小林 一大君
古庄 玄知君
進藤金日子君
中西 祐介君
広瀬めぐみ君
松川 るい君
松下 新平君
丸川 珠代君
山田 宏君
山谷えり子君
山本 啓介君
石川 大我君
打越さく良君
熊谷 裕人君
古賀 千景君
辻元 清美君
福島みずほ君
佐々木さやか君
矢倉 克夫君
安江 伸夫君
山本 香苗君
浅田 均君
東 徹君
猪瀬 直樹君
礒崎 哲史君
舟山 康江君
仁比 聡平君
山本 太郎君
事務局側
憲法審査会事務
局長 加賀谷ちひろ君
法制局側
法制局長 川崎 政司君
─────────────
本日の会議に付した案件
○日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基
本法制に関する調査
(憲法に対する考え方について(特に、憲法に
おける参議院の在り方並びに参議院議員の選挙
区の一票の較差及び合区問題を中心として))
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中
中曽根弘文#1
○会長(中曽根弘文君) ただいまから憲法審査会を開会いたします。
日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査を議題といたします。
本日は、憲法に対する考え方について(特に、憲法における参議院の在り方並びに参議院議員の選挙区の一票の較差及び合区問題を中心として)について法制局及び憲法審査会事務局から説明を聴取した後、委員間の意見交換を行います。
全体の所要は二時間を目途といたします。
まず、法制局及び憲法審査会事務局から順次説明を聴取いたします。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
川崎法制局長。
この発言だけを見る →日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査を議題といたします。
本日は、憲法に対する考え方について(特に、憲法における参議院の在り方並びに参議院議員の選挙区の一票の較差及び合区問題を中心として)について法制局及び憲法審査会事務局から説明を聴取した後、委員間の意見交換を行います。
全体の所要は二時間を目途といたします。
まず、法制局及び憲法審査会事務局から順次説明を聴取いたします。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
川崎法制局長。
川
川崎政司#2
○法制局長(川崎政司君) 参議院法制局長の川崎でございます。どうかよろしくお願いいたします。
私の方からは、お手元の資料に基づき、第一として、参議院の制度とその経緯、第二として、参議院選挙制度と定数較差に関する最高裁判決の変遷、最高裁の判断枠組み、令和四年選挙をめぐる高裁判決の状況について御説明させていただきます。
表紙をめくっていただき、一ページには、選挙権や投票価値の平等も含め、参議院の位置付け、組織、権能、衆議院との関係など、憲法の関連規定を挙げておりますので、適宜御参照ください。
まず、参議院の制度に関する経緯等について、日本国憲法制定時にまで遡って確認をしておきたいと思います。二ページとなります。
終戦後、帝国憲法の改正が問題となる中で、日本政府は、二院制の維持を前提に、貴族院を参議院に改称し、選挙又は勅任された議員で構成することを考えていたところ、GHQから示された案は一院制を採用していました。日本政府側は直ちに二院制について問いただし、GHQ側も民選を条件に二院制を認め、日本側がGHQに提示した三月二日案では、参議院は地域別又は職能別に選挙された議員及び内閣が両議院の議員から成る委員会の決議により任命する議員で組織するとしましたが、GHQはこれを受け入れず、両議院は国民により選挙せられ全国民を代表する議員をもって組織すると規定されることになりました。これが現在の憲法四十三条の規定となったものでございます。
そして、そのような参議院の意義について、政府は帝国議会の審議において、一院の専制の防止、慎重審議、世論の反映を挙げております。
一枚めくっていただきまして、三ページでございます。
参議院の権能の規定の経緯についても衆議院との関係を中心に簡単に触れておきますと、まず、法律案の議決については、日本政府の三月二日案では、衆議院で引き続き三回可決して参議院に移した法律案は、最初の議事の日から二年を経過したときは、参議院の議決の有無によらず法律として成立するとしていましたが、GHQの提案を受け、衆議院での出席議員の三分の二以上による再議決と参議院が六十日以内に議決しないときの衆議院によるみなし否決の規定に変更されております。
また、予算、条約の承認、内閣総理大臣の指名の議決についても、三月二日案や憲法改正草案要綱では、参議院で衆議院と異なる議決をした場合の規定は設けられていたのに対し、参議院が一定の期間内に議決しない場合の規定は設けられていなかったところ、審議の引き延ばしを制限するためとして、総司令部側の了承を得て、四月十七日に発表した憲法改正草案では、予算と条約については四十日以内、内閣総理大臣の指名については二十日以内に参議院が議決しないときは衆議院の議決が国会の議決となる旨が規定され、その期間については、帝国議会における衆議院の審議の段階で十日ずつ短縮する修正が行われております。
さらに、四ページとなりますが、参議院の独自の権能である緊急集会については、三月二日案には、第七十六条として、衆議院の解散その他の事由により国会を召集できない場合において緊急の必要があるときは、内閣は法律又は予算に代わる閣令を制定することができる旨の規定があり、これは帝国憲法の緊急勅令条項と緊急財産処分条項を念頭に置いたものでしたが、GHQは、あらかじめ法律で適当に委任しておけばよいなどとして拒否し、一旦はこのような規定は消えることになります。
しかし、日本政府は諦めず、その後の交渉の場で、衆議院の解散の場合に活動不能となるのは不合理として、参議院が国会としての権限を行うとする案、国会に置かれる常置委員会が国会の権限を行うとする案、さらには、衆議院の解散等の事情により国会を召集できない場合に内閣が緊急措置をとることができるとする案などを提示しますが、GHQ側からは、拒否され、逆に、議会解散に備えこうした規定が絶対必要であるならば、参議院に議会の職能を代行させることがよいとして参議院の緊急集会制度の提案がなされ、これが採用されたものであります。
その意義については、下の段に、四ページ下の段になりますが、政府は、帝国議会において、従来の憲法は緊急の措置を講ずるに当局者に便宜過ぎるがために、民主政治を徹底する見地から、衆議院が解散され、急に国会を開くことができない場合に、参議院の緊急集会という方法をもって、予測すべからざる緊急の事態に対し暫定の措置をとり得ることとしたと説明をしているところでございます。
一ページめくっていただきまして、参議院の選挙制度創設の経緯についても見ておきたいと思います。
全国民を代表する選挙された議員で組織するという枠が規定された上で、法律で定めることとされた参議院の選挙制度をどのようなものとするのか、日本政府は腐心することになり、また、衆議院の帝国憲法改正案委員会の附帯決議では、衆議院と重複する機関とならないよう、参議院の構成については、努めて社会各部門各職域の知識経験ある者がその議員となるに容易なるよう求められることにもなります。
参議院の選挙制度は政府の臨時法制調査会で検討が行われ、そこでは、練達堪能の士の選出を念頭に、地域や全国の直接選挙制、間接選挙、複選制、職能代表制、推薦制など様々な案が議論されましたが、結局、議員定数は衆議院議員の定数の三分の二内外とする、選挙区については、議員の半数は各都道府県の区域により、残りの半数は全国一選挙区とすることを柱とする要綱を政府に答申することになります。
これを受けまして、参議院議員選挙法案が帝国議会に提出されます。その審議で、大村国務大臣は、主として被選挙人の年齢及び選挙区の構成を異ならせることにより、衆議院との構成上の相違を実現していくほかはないとし、全国選出議員は学識経験共に優れた全国的な有名有為の人材を簡抜することを主眼とし、職能的知識経験を有する者が選挙され得ることにより職能代表制の長所を取り入れる狙いを持ち、地域代表的性格を有する地方選出議員と相まって参議院を特徴あらしめる旨の説明を行っております。
これらを踏まえつつ、六ページとなりますが、参議院の制度に関する見方についても確認をしておきたいと思います。
憲法制定時における政府側の見方は、参議院に衆議院と同じ権能を認めるものではなく、地道な組織ではあるけれども激しい力を持たない院になっており、任期も衆議院より長いことなどにより参議院の性格が決まってくるとしており、第二次院や反省院といった捉え方がなされております。
これに対し、最高裁平成二十四年判決では、憲法の趣旨は、議院内閣制の下で限られた範囲について衆議院の優越を認める一方、立法を始めとする多くの事柄について参議院にも衆議院とほぼ等しい権限を与え、参議院議員の任期をより長く、長期とすることによって、多角的かつ長期的な視点から民意を反映し、衆議院との権限の抑制、均衡を図り、国政の運営の安定性、継続性を確保しようとしたものであるとし、参議院は衆議院とともに国権の最高機関として適切に民意を国政に反映する責務を負っているとしているところでございます。
このように、時代の変化、衆参のねじれなどを背景とした参議院の役割や存在感の高まりなどにより、参議院の制度に対する見方には変化が見られ、そのことが参議院の民主的性格、ひいては投票価値の平等の議論にも影響を与えていると見ることができるのではないかと思われます。
なお、御参考までに、アメリカの政治学者、レイプハルトによる著名な二院制の分類では、日本の二院制は、権限等が対等で構成が類似的な中程度に強い二院制とされているところでございます。
次に、以上のことを念頭に置き、参議院の選挙制度と定数の較差の問題について見ていきたいと思います。
七ページと八ページを御覧ください。
左のページで参議院の選挙制度の経緯、右のページで最高裁判決の変遷を示しております。
参議院の選挙については、昭和二十二年に、都道府県を単位とする地方区選挙百五十人、全国区選挙が百人という構成でスタートします。憲法制定時において注目されたのは七ページの右の列の全国区の方であり、初期の参議院選挙では無所属議員が多数当選して緑風会が結成され、是々非々による対応をするなどして参議院の独自性が発揮されましたが、全国区選挙につきましては、次第に有権者の選択や選挙運動の困難性などの問題点が議論されるようになり、昭和五十七年には拘束名簿式の比例代表制が導入されることになります。
しかし、この制度に対しても、候補者の顔が見えない選挙、過度の政党化などの批判が生じ、平成十二年の改正では非拘束名簿式に改正されます。
なお、平成三十年の改正では、一部を拘束式にできる特定枠の制度も導入されております。
ちなみに、非拘束名簿式の比例代表制と特定枠につきましては、最高裁は合憲との判断を示しているところでございます。
他方、七ページ左の列の地方区、現在の選挙区選挙については、人口比例の形で議員数が各都道府県の選挙区に配分され、当初の最大較差は二・六二倍でした。しかし、その後は、都市への人口の移動により、選挙区間の定数較差が四倍や五倍、さらには六倍を超え、定数較差訴訟が裁判所に提起されるようになり、国会はこの定数較差問題への対応を迫られることになります。
最高裁が参議院選挙について投票価値の平等が憲法上の要請であるとしたのは、昭和五十八年判決であります。当初は、都道府県単位の選挙にも理解を示しつつ、投票価値の平等の要請についても最高裁は緩やかに解し、較差が五倍台でも合憲としましたが、次第に実質的に厳格な姿勢を示すようになります。最高裁はこれまでに、平成八年、平成二十四年、平成二十六年の三度ほど違憲状態判決を出していますが、特に平成二十四年判決以降は投票価値の平等の要請を重視する姿勢をより強め、平成二十六年判決では平成二十四年改正による是正後の四・七七倍の較差を違憲状態としております。
国会の側では、それまで選挙区間での定数の増減により最大較差を縮小する改正で対応してきましたが、それには限界もあることから、平成二十六年の判決を受け、平成二十七年改正では四県二合区を含む十増十減を行い、最大較差は二・九七倍にまで縮小し、これに対し平成二十九年判決は、選挙時最大較差三・〇八倍を合憲と判断しました。そして、平成三十年改正の選挙区での定数二増による較差是正に対し、最高裁は令和二年判決で、選挙時三・〇〇倍の較差を合憲としております。
一ページおめくりくださいませ。
九ページには、投票が選挙結果に及ぼす影響力の平等を要求する投票価値の平等の意義・憲法上の根拠・選挙制度における位置付け、憲法四十三条の全国民の代表の意義に関する最高裁の判断を示しております。
また、右側の十ページでございますが、最高裁が国会の広い裁量を認めた両議院議員の選挙制度の憲法適合性に関する判断枠組み、参議院選挙制度の独自性に関する国会の合理的裁量についての最高裁の判示を挙げております。
その上で、十一ページに参ります。
定数較差に関する判断枠組みをこちらで示しております。
最高裁は、昭和五十八年判決以来、何倍未満といった較差基準は採用しておらず、投票価値の著しい不平等状態が生じ、かつ、それが相当期間継続しているにもかかわらず是正措置を講じないことが国会の裁量権の限界を超えると判断される場合に憲法に違反するとの考えを示しております。
すなわち、下の段でございますが、裁判所は、第一段階として、投票価値の不均衡が違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至っているかどうか、第二段階として、不平等状態になっている場合に、選挙までの期間内に是正しなかったことが国会の裁量権の限界を超えるとして憲法違反に至っているかどうかといった二段階で審査を行っているところです。
なお、十二ページで投票価値の平等と国会の対応に関する最高裁の判断がどう変わってきたのかをまとめております。
まず、昭和五十八年判決は、都道府県単位の選挙の仕組みの下では、投票価値の平等の要請は人口比例主義を基本とする選挙制度の場合と比較して一定の譲歩、後退を免れず、較差の是正にも限度があるとしていましたが、これに対し平成二十四年判決は、実質的にこの考え方を変更し、参議院の選挙であること自体から直ちに投票価値の平等の要請が後退してよいと解すべき理由は見出し難い、都道府県を参議院の選挙区単位とする憲法上の要請はなく、投票価値の平等との関係から、その仕組み自体を見直すことが必要としました。
平成二十四年判決の考え方はその後も基本的に維持されておりますが、平成二十九年判決では、投票価値の平等の要請との調和が保たれる限りで都道府県の意義や実体等を考慮要素とすることは否定されないとした上で、合区を平成二十四年判決の趣旨に沿った較差是正であるとし、また、令和二年判決では、参議院選挙制度改革の漸進性にも言及しつつ、立法府の較差是正を指向する姿勢は失われていないとしております。
最後に、十三ページから十四ページで令和四年の参議院選挙をめぐる高裁判決の状況について簡単に御説明いたします。
まず、参議院の選挙区間の定数較差の状況を確認しておきますと、令和四年選挙では最大較差は三・〇三倍、三倍を超える選挙区が三つに増えております。ちなみに、合憲とされた令和元年選挙の最大較差は三・〇〇倍、平成二十八年の選挙は三・〇八倍でした。これに対して、十四ページでございますが、全部で十六の訴訟が提起されましたが、高裁判決については合憲が七、違憲状態が八、違憲が一といった状況となっております。
そのポイントをまとめておりますが、合憲判決では、第一段階で、平成二十八年選挙や令和元年選挙と比較して較差は縮小、僅かな拡大にとどまること、参改協や憲法審査会で検討が行われ、継続も予定されていることなどが考慮されております。
これに対し違憲状態判決では、第一段階で、三・〇三倍の較差のほか、三倍を超える選挙区が三つで全有権者数に占める割合が二〇・一%となっていること、較差の是正を指向する立法府の姿勢が弱まっていることなどを問題視する一方、第二段階で、令和二年最高裁判決が合憲であったこと、選挙制度改革の漸進性、合区解消をめぐる議論などを考慮し、裁量の限界は超えていないとするものでございます。
さらに、違憲判決は、第二段階でも、令和二年国勢調査により不平等状態が明らかとなったのに是正しなかったことが裁量権の逸脱であるとして違憲としましたが、選挙は無効としませんでした。
これらを受け、舞台は最高裁に移り、これまでの例に照らすと、来年の秋頃までにはその判断が示されるのではないかと思われます。
私からは以上でございます。
この発言だけを見る →私の方からは、お手元の資料に基づき、第一として、参議院の制度とその経緯、第二として、参議院選挙制度と定数較差に関する最高裁判決の変遷、最高裁の判断枠組み、令和四年選挙をめぐる高裁判決の状況について御説明させていただきます。
表紙をめくっていただき、一ページには、選挙権や投票価値の平等も含め、参議院の位置付け、組織、権能、衆議院との関係など、憲法の関連規定を挙げておりますので、適宜御参照ください。
まず、参議院の制度に関する経緯等について、日本国憲法制定時にまで遡って確認をしておきたいと思います。二ページとなります。
終戦後、帝国憲法の改正が問題となる中で、日本政府は、二院制の維持を前提に、貴族院を参議院に改称し、選挙又は勅任された議員で構成することを考えていたところ、GHQから示された案は一院制を採用していました。日本政府側は直ちに二院制について問いただし、GHQ側も民選を条件に二院制を認め、日本側がGHQに提示した三月二日案では、参議院は地域別又は職能別に選挙された議員及び内閣が両議院の議員から成る委員会の決議により任命する議員で組織するとしましたが、GHQはこれを受け入れず、両議院は国民により選挙せられ全国民を代表する議員をもって組織すると規定されることになりました。これが現在の憲法四十三条の規定となったものでございます。
そして、そのような参議院の意義について、政府は帝国議会の審議において、一院の専制の防止、慎重審議、世論の反映を挙げております。
一枚めくっていただきまして、三ページでございます。
参議院の権能の規定の経緯についても衆議院との関係を中心に簡単に触れておきますと、まず、法律案の議決については、日本政府の三月二日案では、衆議院で引き続き三回可決して参議院に移した法律案は、最初の議事の日から二年を経過したときは、参議院の議決の有無によらず法律として成立するとしていましたが、GHQの提案を受け、衆議院での出席議員の三分の二以上による再議決と参議院が六十日以内に議決しないときの衆議院によるみなし否決の規定に変更されております。
また、予算、条約の承認、内閣総理大臣の指名の議決についても、三月二日案や憲法改正草案要綱では、参議院で衆議院と異なる議決をした場合の規定は設けられていたのに対し、参議院が一定の期間内に議決しない場合の規定は設けられていなかったところ、審議の引き延ばしを制限するためとして、総司令部側の了承を得て、四月十七日に発表した憲法改正草案では、予算と条約については四十日以内、内閣総理大臣の指名については二十日以内に参議院が議決しないときは衆議院の議決が国会の議決となる旨が規定され、その期間については、帝国議会における衆議院の審議の段階で十日ずつ短縮する修正が行われております。
さらに、四ページとなりますが、参議院の独自の権能である緊急集会については、三月二日案には、第七十六条として、衆議院の解散その他の事由により国会を召集できない場合において緊急の必要があるときは、内閣は法律又は予算に代わる閣令を制定することができる旨の規定があり、これは帝国憲法の緊急勅令条項と緊急財産処分条項を念頭に置いたものでしたが、GHQは、あらかじめ法律で適当に委任しておけばよいなどとして拒否し、一旦はこのような規定は消えることになります。
しかし、日本政府は諦めず、その後の交渉の場で、衆議院の解散の場合に活動不能となるのは不合理として、参議院が国会としての権限を行うとする案、国会に置かれる常置委員会が国会の権限を行うとする案、さらには、衆議院の解散等の事情により国会を召集できない場合に内閣が緊急措置をとることができるとする案などを提示しますが、GHQ側からは、拒否され、逆に、議会解散に備えこうした規定が絶対必要であるならば、参議院に議会の職能を代行させることがよいとして参議院の緊急集会制度の提案がなされ、これが採用されたものであります。
その意義については、下の段に、四ページ下の段になりますが、政府は、帝国議会において、従来の憲法は緊急の措置を講ずるに当局者に便宜過ぎるがために、民主政治を徹底する見地から、衆議院が解散され、急に国会を開くことができない場合に、参議院の緊急集会という方法をもって、予測すべからざる緊急の事態に対し暫定の措置をとり得ることとしたと説明をしているところでございます。
一ページめくっていただきまして、参議院の選挙制度創設の経緯についても見ておきたいと思います。
全国民を代表する選挙された議員で組織するという枠が規定された上で、法律で定めることとされた参議院の選挙制度をどのようなものとするのか、日本政府は腐心することになり、また、衆議院の帝国憲法改正案委員会の附帯決議では、衆議院と重複する機関とならないよう、参議院の構成については、努めて社会各部門各職域の知識経験ある者がその議員となるに容易なるよう求められることにもなります。
参議院の選挙制度は政府の臨時法制調査会で検討が行われ、そこでは、練達堪能の士の選出を念頭に、地域や全国の直接選挙制、間接選挙、複選制、職能代表制、推薦制など様々な案が議論されましたが、結局、議員定数は衆議院議員の定数の三分の二内外とする、選挙区については、議員の半数は各都道府県の区域により、残りの半数は全国一選挙区とすることを柱とする要綱を政府に答申することになります。
これを受けまして、参議院議員選挙法案が帝国議会に提出されます。その審議で、大村国務大臣は、主として被選挙人の年齢及び選挙区の構成を異ならせることにより、衆議院との構成上の相違を実現していくほかはないとし、全国選出議員は学識経験共に優れた全国的な有名有為の人材を簡抜することを主眼とし、職能的知識経験を有する者が選挙され得ることにより職能代表制の長所を取り入れる狙いを持ち、地域代表的性格を有する地方選出議員と相まって参議院を特徴あらしめる旨の説明を行っております。
これらを踏まえつつ、六ページとなりますが、参議院の制度に関する見方についても確認をしておきたいと思います。
憲法制定時における政府側の見方は、参議院に衆議院と同じ権能を認めるものではなく、地道な組織ではあるけれども激しい力を持たない院になっており、任期も衆議院より長いことなどにより参議院の性格が決まってくるとしており、第二次院や反省院といった捉え方がなされております。
これに対し、最高裁平成二十四年判決では、憲法の趣旨は、議院内閣制の下で限られた範囲について衆議院の優越を認める一方、立法を始めとする多くの事柄について参議院にも衆議院とほぼ等しい権限を与え、参議院議員の任期をより長く、長期とすることによって、多角的かつ長期的な視点から民意を反映し、衆議院との権限の抑制、均衡を図り、国政の運営の安定性、継続性を確保しようとしたものであるとし、参議院は衆議院とともに国権の最高機関として適切に民意を国政に反映する責務を負っているとしているところでございます。
このように、時代の変化、衆参のねじれなどを背景とした参議院の役割や存在感の高まりなどにより、参議院の制度に対する見方には変化が見られ、そのことが参議院の民主的性格、ひいては投票価値の平等の議論にも影響を与えていると見ることができるのではないかと思われます。
なお、御参考までに、アメリカの政治学者、レイプハルトによる著名な二院制の分類では、日本の二院制は、権限等が対等で構成が類似的な中程度に強い二院制とされているところでございます。
次に、以上のことを念頭に置き、参議院の選挙制度と定数の較差の問題について見ていきたいと思います。
七ページと八ページを御覧ください。
左のページで参議院の選挙制度の経緯、右のページで最高裁判決の変遷を示しております。
参議院の選挙については、昭和二十二年に、都道府県を単位とする地方区選挙百五十人、全国区選挙が百人という構成でスタートします。憲法制定時において注目されたのは七ページの右の列の全国区の方であり、初期の参議院選挙では無所属議員が多数当選して緑風会が結成され、是々非々による対応をするなどして参議院の独自性が発揮されましたが、全国区選挙につきましては、次第に有権者の選択や選挙運動の困難性などの問題点が議論されるようになり、昭和五十七年には拘束名簿式の比例代表制が導入されることになります。
しかし、この制度に対しても、候補者の顔が見えない選挙、過度の政党化などの批判が生じ、平成十二年の改正では非拘束名簿式に改正されます。
なお、平成三十年の改正では、一部を拘束式にできる特定枠の制度も導入されております。
ちなみに、非拘束名簿式の比例代表制と特定枠につきましては、最高裁は合憲との判断を示しているところでございます。
他方、七ページ左の列の地方区、現在の選挙区選挙については、人口比例の形で議員数が各都道府県の選挙区に配分され、当初の最大較差は二・六二倍でした。しかし、その後は、都市への人口の移動により、選挙区間の定数較差が四倍や五倍、さらには六倍を超え、定数較差訴訟が裁判所に提起されるようになり、国会はこの定数較差問題への対応を迫られることになります。
最高裁が参議院選挙について投票価値の平等が憲法上の要請であるとしたのは、昭和五十八年判決であります。当初は、都道府県単位の選挙にも理解を示しつつ、投票価値の平等の要請についても最高裁は緩やかに解し、較差が五倍台でも合憲としましたが、次第に実質的に厳格な姿勢を示すようになります。最高裁はこれまでに、平成八年、平成二十四年、平成二十六年の三度ほど違憲状態判決を出していますが、特に平成二十四年判決以降は投票価値の平等の要請を重視する姿勢をより強め、平成二十六年判決では平成二十四年改正による是正後の四・七七倍の較差を違憲状態としております。
国会の側では、それまで選挙区間での定数の増減により最大較差を縮小する改正で対応してきましたが、それには限界もあることから、平成二十六年の判決を受け、平成二十七年改正では四県二合区を含む十増十減を行い、最大較差は二・九七倍にまで縮小し、これに対し平成二十九年判決は、選挙時最大較差三・〇八倍を合憲と判断しました。そして、平成三十年改正の選挙区での定数二増による較差是正に対し、最高裁は令和二年判決で、選挙時三・〇〇倍の較差を合憲としております。
一ページおめくりくださいませ。
九ページには、投票が選挙結果に及ぼす影響力の平等を要求する投票価値の平等の意義・憲法上の根拠・選挙制度における位置付け、憲法四十三条の全国民の代表の意義に関する最高裁の判断を示しております。
また、右側の十ページでございますが、最高裁が国会の広い裁量を認めた両議院議員の選挙制度の憲法適合性に関する判断枠組み、参議院選挙制度の独自性に関する国会の合理的裁量についての最高裁の判示を挙げております。
その上で、十一ページに参ります。
定数較差に関する判断枠組みをこちらで示しております。
最高裁は、昭和五十八年判決以来、何倍未満といった較差基準は採用しておらず、投票価値の著しい不平等状態が生じ、かつ、それが相当期間継続しているにもかかわらず是正措置を講じないことが国会の裁量権の限界を超えると判断される場合に憲法に違反するとの考えを示しております。
すなわち、下の段でございますが、裁判所は、第一段階として、投票価値の不均衡が違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至っているかどうか、第二段階として、不平等状態になっている場合に、選挙までの期間内に是正しなかったことが国会の裁量権の限界を超えるとして憲法違反に至っているかどうかといった二段階で審査を行っているところです。
なお、十二ページで投票価値の平等と国会の対応に関する最高裁の判断がどう変わってきたのかをまとめております。
まず、昭和五十八年判決は、都道府県単位の選挙の仕組みの下では、投票価値の平等の要請は人口比例主義を基本とする選挙制度の場合と比較して一定の譲歩、後退を免れず、較差の是正にも限度があるとしていましたが、これに対し平成二十四年判決は、実質的にこの考え方を変更し、参議院の選挙であること自体から直ちに投票価値の平等の要請が後退してよいと解すべき理由は見出し難い、都道府県を参議院の選挙区単位とする憲法上の要請はなく、投票価値の平等との関係から、その仕組み自体を見直すことが必要としました。
平成二十四年判決の考え方はその後も基本的に維持されておりますが、平成二十九年判決では、投票価値の平等の要請との調和が保たれる限りで都道府県の意義や実体等を考慮要素とすることは否定されないとした上で、合区を平成二十四年判決の趣旨に沿った較差是正であるとし、また、令和二年判決では、参議院選挙制度改革の漸進性にも言及しつつ、立法府の較差是正を指向する姿勢は失われていないとしております。
最後に、十三ページから十四ページで令和四年の参議院選挙をめぐる高裁判決の状況について簡単に御説明いたします。
まず、参議院の選挙区間の定数較差の状況を確認しておきますと、令和四年選挙では最大較差は三・〇三倍、三倍を超える選挙区が三つに増えております。ちなみに、合憲とされた令和元年選挙の最大較差は三・〇〇倍、平成二十八年の選挙は三・〇八倍でした。これに対して、十四ページでございますが、全部で十六の訴訟が提起されましたが、高裁判決については合憲が七、違憲状態が八、違憲が一といった状況となっております。
そのポイントをまとめておりますが、合憲判決では、第一段階で、平成二十八年選挙や令和元年選挙と比較して較差は縮小、僅かな拡大にとどまること、参改協や憲法審査会で検討が行われ、継続も予定されていることなどが考慮されております。
これに対し違憲状態判決では、第一段階で、三・〇三倍の較差のほか、三倍を超える選挙区が三つで全有権者数に占める割合が二〇・一%となっていること、較差の是正を指向する立法府の姿勢が弱まっていることなどを問題視する一方、第二段階で、令和二年最高裁判決が合憲であったこと、選挙制度改革の漸進性、合区解消をめぐる議論などを考慮し、裁量の限界は超えていないとするものでございます。
さらに、違憲判決は、第二段階でも、令和二年国勢調査により不平等状態が明らかとなったのに是正しなかったことが裁量権の逸脱であるとして違憲としましたが、選挙は無効としませんでした。
これらを受け、舞台は最高裁に移り、これまでの例に照らすと、来年の秋頃までにはその判断が示されるのではないかと思われます。
私からは以上でございます。
中
加
加賀谷ちひろ#4
○憲法審査会事務局長(加賀谷ちひろ君) 憲法審査会事務局、加賀谷でございます。よろしくお願いいたします。
私からは、お手元の最新版の資料に基づきまして、まず合区制度に関して御説明いたします。
資料の十七ページから十八ページを御覧ください。
合区導入前の平成二十五年と、合区導入後、本年七月まで、計三回実施されました参議院通常選挙時の選挙区における都道府県別投票率の推移を掲載いたしております。合区の対象の四県については網掛けをいたしております。
めくっていただきまして、十九ページから二十ページは、同様に、合区導入前後における無効投票数及び無効投票率の推移をお示ししてございます。
平成二十七年法改正により合区が導入されましたところ、これを契機に、毎年全国知事会などから合区に関連する決議、提言等がなされております。二十一ページから二十三ページにはその主な状況と内容の一部を御紹介いたしております。
投票率等の推移の見方にはいろいろございますが、例えば、二十二ページ下の部分からでございます、二十二ページから二十三ページに載せました全国知事会の直近七月二十八日の決議では、引用いたしますと、「鳥取県では、合区制度開始以降、連続で過去最低の投票率を更新する結果となった。島根県、徳島県、高知県の三県では前回を上回ってはいるものの、合区制度の導入前と比べると低い水準のままであり、合区を起因とした弊害が常態化しており、深刻度が増している。」とされているところでございます。
資料に戻りまして、二十四ページ以下に、これも一部かつ抜粋ではございますけれども、本件テーマに関連性のあると思われる有識者の御意見を御紹介いたしております。
このような状況、御意見等も踏まえまして、当審査会では、選挙前、第二百八回国会において、合区問題を中心として二回の調査を行ったところであります。去る五月十八日には、事務局、法制局から説明聴取の後、意見交換が行われ、六月八日には参考人質疑が行われております。
続きまして、本日の審査会の議題に関連する当審査会におけるこれまでの議論の経過をごく簡単に御紹介させていただきます。
参議院の在り方の関連では、本審査会の前身であります憲法調査会での御議論も踏まえつつ、二院制、憲法と参議院について等をテーマとして、平成二十五年の第百八十三回国会以降、六回の意見交換、参考人質疑を行っております。
合区問題については、ただいま御説明したとおりでございます。
このほか、異なるテーマの調査の際にも、参議院の在り方、いわゆる一票の較差、合区問題に関連して、委員各位から様々な御発言がされているところでございます。
最後になりますが、資料三十ページ以下には、先ほど法制局からも言及のありました、参議院定数訴訟の直近の最高裁判決である令和二年判決につきまして、反対意見を含む全文を掲載しておりますので、御参照いただければ幸いでございます。
私からは以上でございます。
この発言だけを見る →私からは、お手元の最新版の資料に基づきまして、まず合区制度に関して御説明いたします。
資料の十七ページから十八ページを御覧ください。
合区導入前の平成二十五年と、合区導入後、本年七月まで、計三回実施されました参議院通常選挙時の選挙区における都道府県別投票率の推移を掲載いたしております。合区の対象の四県については網掛けをいたしております。
めくっていただきまして、十九ページから二十ページは、同様に、合区導入前後における無効投票数及び無効投票率の推移をお示ししてございます。
平成二十七年法改正により合区が導入されましたところ、これを契機に、毎年全国知事会などから合区に関連する決議、提言等がなされております。二十一ページから二十三ページにはその主な状況と内容の一部を御紹介いたしております。
投票率等の推移の見方にはいろいろございますが、例えば、二十二ページ下の部分からでございます、二十二ページから二十三ページに載せました全国知事会の直近七月二十八日の決議では、引用いたしますと、「鳥取県では、合区制度開始以降、連続で過去最低の投票率を更新する結果となった。島根県、徳島県、高知県の三県では前回を上回ってはいるものの、合区制度の導入前と比べると低い水準のままであり、合区を起因とした弊害が常態化しており、深刻度が増している。」とされているところでございます。
資料に戻りまして、二十四ページ以下に、これも一部かつ抜粋ではございますけれども、本件テーマに関連性のあると思われる有識者の御意見を御紹介いたしております。
このような状況、御意見等も踏まえまして、当審査会では、選挙前、第二百八回国会において、合区問題を中心として二回の調査を行ったところであります。去る五月十八日には、事務局、法制局から説明聴取の後、意見交換が行われ、六月八日には参考人質疑が行われております。
続きまして、本日の審査会の議題に関連する当審査会におけるこれまでの議論の経過をごく簡単に御紹介させていただきます。
参議院の在り方の関連では、本審査会の前身であります憲法調査会での御議論も踏まえつつ、二院制、憲法と参議院について等をテーマとして、平成二十五年の第百八十三回国会以降、六回の意見交換、参考人質疑を行っております。
合区問題については、ただいま御説明したとおりでございます。
このほか、異なるテーマの調査の際にも、参議院の在り方、いわゆる一票の較差、合区問題に関連して、委員各位から様々な御発言がされているところでございます。
最後になりますが、資料三十ページ以下には、先ほど法制局からも言及のありました、参議院定数訴訟の直近の最高裁判決である令和二年判決につきまして、反対意見を含む全文を掲載しておりますので、御参照いただければ幸いでございます。
私からは以上でございます。
中
中曽根弘文#5
○会長(中曽根弘文君) 以上で説明の聴取は終了いたしました。
これより委員間の意見交換を行います。
発言を希望される方は、氏名標をお立ていただき、会長の指名を受けた後、御発言願います。
発言が終わりましたら、氏名標を横にお戻しください。
一回の発言時間は各五分以内でお述べいただき、法制局又は憲法審査会事務局に答弁を求める場合は、答弁を含め五分以内といたします。
発言時間につきましては、経過状況をメモで通知し、時間が超過した際はベルを鳴らしますので、あらかじめ御承知願います。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、発言を希望される方は氏名標をお立てください。
山谷えり子君。
この発言だけを見る →これより委員間の意見交換を行います。
発言を希望される方は、氏名標をお立ていただき、会長の指名を受けた後、御発言願います。
発言が終わりましたら、氏名標を横にお戻しください。
一回の発言時間は各五分以内でお述べいただき、法制局又は憲法審査会事務局に答弁を求める場合は、答弁を含め五分以内といたします。
発言時間につきましては、経過状況をメモで通知し、時間が超過した際はベルを鳴らしますので、あらかじめ御承知願います。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、発言を希望される方は氏名標をお立てください。
山谷えり子君。
山
山谷えり子#6
○山谷えり子君 自由民主党、山谷えり子でございます。
参議院の在り方、合区問題についての御説明ありがとうございました。
私は、以前、この件については意見を述べました。また、今回も同僚議員が意見を述べられると思いますので、本日は、国家国民を守る安全保障、危機管理の視点で意見を、考え方を述べたいと思います。
国際情勢は厳しく、安全保障、危機管理のレベルとフェーズは大きく変化しています。この審査会で何度も申してまいりましたが、本日の説明にもございましたが、現憲法は占領時代にGHQの作った草案、英文が基になって作られたもの、したがって主権国家として危機管理の視点を欠いています。そのときから七十五年、今、日本は責任ある平和主義国家として多くの国々から尊敬されています。
先月、十一月二十二日には、政府の国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議報告書が出され、今月中にも安保三文書が改定される予定です。防衛予算の在り方も詰めの議論が進行中です。新たな脅威の見積りの中、リアルな継戦能力、ハイブリッド戦への対応、防衛産業、人的基盤の在り方、積極的平和主義の下、抑止力を高める反撃能力など、中国、ロシア、北朝鮮といった異形の国々と向き合う我が国として、しっかり国を守る考えを進めていかなければなりません。日本はフロントラインに立ってしまっている、そして、日本の安全は世界の安全とつながっているのです。
そんな中、根本的な問題、論理的、倫理的な問題、法治国家の在り方として憲法学者の多くが自衛隊を違憲とし、教科書にも違憲の疑いと記述される、この違憲論に終止符を打つのは主権国家として当然のことです。ここに来て、ますます現実との乖離はむごい、国家国民の責任上見逃せません。
全ての自衛官が誇りを持って任務を全うできる環境を整えていくのは私たち今を生きる政治家の仕事です。
茨城の航空自衛隊百里基地のそばに、自衛隊は憲法違反という立て看板があり、今年二月にまた新しくされました。そこで共産党の国会議員が改憲の動きにストップを掛けると挨拶したことが報道されています。しかし、この九月、ドイツ空軍トップ自らが操縦する戦闘機が百里基地に降り立ったとき、出迎えのドイツ政府関係者は、その立て看板を見て、看板は憲法改正を訴えているのかと自民党の国会議員に聞いたといいます。この看板は、憲法を改正すべきと主張していると取るのが普通の受け止め方だということを表す一つのエピソードです。
空自機によるスクランブル発進は二〇二一年度で年間千四回でした。さらに、自然災害の規模が変わり、自衛隊の災害派遣は実に四万回に達しています。私が防災大臣の任にあった平成二十六年、御嶽山の火山噴火がありました。あのとき、自衛隊の方々は、三千メートルを超える山頂付近で命懸けで救出、捜索活動に当たってくださいました。火山性微動がある中、火山ガスとどろどろの火山灰の中を作業してくださいました。
まさに、自衛隊任官のとき、「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います。」と述べられた誓いの言葉そのものの、ヤジそのものの姿でございました。
自民党は、憲法改正実現本部をつくり、全国各地で研修会、対話集会を開いています。今年度中に、憲法集会、千回……ヤジ
この発言だけを見る →参議院の在り方、合区問題についての御説明ありがとうございました。
私は、以前、この件については意見を述べました。また、今回も同僚議員が意見を述べられると思いますので、本日は、国家国民を守る安全保障、危機管理の視点で意見を、考え方を述べたいと思います。
国際情勢は厳しく、安全保障、危機管理のレベルとフェーズは大きく変化しています。この審査会で何度も申してまいりましたが、本日の説明にもございましたが、現憲法は占領時代にGHQの作った草案、英文が基になって作られたもの、したがって主権国家として危機管理の視点を欠いています。そのときから七十五年、今、日本は責任ある平和主義国家として多くの国々から尊敬されています。
先月、十一月二十二日には、政府の国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議報告書が出され、今月中にも安保三文書が改定される予定です。防衛予算の在り方も詰めの議論が進行中です。新たな脅威の見積りの中、リアルな継戦能力、ハイブリッド戦への対応、防衛産業、人的基盤の在り方、積極的平和主義の下、抑止力を高める反撃能力など、中国、ロシア、北朝鮮といった異形の国々と向き合う我が国として、しっかり国を守る考えを進めていかなければなりません。日本はフロントラインに立ってしまっている、そして、日本の安全は世界の安全とつながっているのです。
そんな中、根本的な問題、論理的、倫理的な問題、法治国家の在り方として憲法学者の多くが自衛隊を違憲とし、教科書にも違憲の疑いと記述される、この違憲論に終止符を打つのは主権国家として当然のことです。ここに来て、ますます現実との乖離はむごい、国家国民の責任上見逃せません。
全ての自衛官が誇りを持って任務を全うできる環境を整えていくのは私たち今を生きる政治家の仕事です。
茨城の航空自衛隊百里基地のそばに、自衛隊は憲法違反という立て看板があり、今年二月にまた新しくされました。そこで共産党の国会議員が改憲の動きにストップを掛けると挨拶したことが報道されています。しかし、この九月、ドイツ空軍トップ自らが操縦する戦闘機が百里基地に降り立ったとき、出迎えのドイツ政府関係者は、その立て看板を見て、看板は憲法改正を訴えているのかと自民党の国会議員に聞いたといいます。この看板は、憲法を改正すべきと主張していると取るのが普通の受け止め方だということを表す一つのエピソードです。
空自機によるスクランブル発進は二〇二一年度で年間千四回でした。さらに、自然災害の規模が変わり、自衛隊の災害派遣は実に四万回に達しています。私が防災大臣の任にあった平成二十六年、御嶽山の火山噴火がありました。あのとき、自衛隊の方々は、三千メートルを超える山頂付近で命懸けで救出、捜索活動に当たってくださいました。火山性微動がある中、火山ガスとどろどろの火山灰の中を作業してくださいました。
まさに、自衛隊任官のとき、「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います。」と述べられた誓いの言葉そのものの、ヤジそのものの姿でございました。
自民党は、憲法改正実現本部をつくり、全国各地で研修会、対話集会を開いています。今年度中に、憲法集会、千回……ヤジ
中
山
山谷えり子#8
○山谷えり子君 開催の目標を十二月二日の憲法改正実現本部で確認しました。
国民の七割以上が憲法の議論を進めよと望んでいる中、国民の手によってのみ改正が可能な憲法の具体的条文を国民に示すのは国会議員の責任であります。立法府の不作為と言われぬように、的を絞りながら、当然、本日の参議院の在り方、合区問題もしっかりと議論をして、立法府の不作為と言われぬよう議論を尽くしてまいりたいと思います。ヤジ
この発言だけを見る →国民の七割以上が憲法の議論を進めよと望んでいる中、国民の手によってのみ改正が可能な憲法の具体的条文を国民に示すのは国会議員の責任であります。立法府の不作為と言われぬように、的を絞りながら、当然、本日の参議院の在り方、合区問題もしっかりと議論をして、立法府の不作為と言われぬよう議論を尽くしてまいりたいと思います。ヤジ
中
中
山
山本順三#11
○山本順三君 一言私の方からお話しさせてもらいたいと思いますけれども、先ほどの山谷委員からの意見発表でありますけれども、皆さん方からいろんなお話がございましたけれども、今回のこの議題に即した形のものではございませんでした。我が自由民主党の一人目の発言としては少しずれておったなということを筆頭としても感じておりますので、その点については陳謝をさせていただいて、そして、今後のスムーズな議事運行、運営というものについて会長によろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。
以上です。
この発言だけを見る →以上です。
中
小
小西洋之#13
○小西洋之君 立憲民主・社民の小西洋之でございます。
まず、先ほどの山谷委員の発言につきまして、今、山本自民筆頭の方から、おわびと、また陳謝という言葉とともに、テーマにそぐわないものであった、少しずれていたと思っていたんです、私が聞いた限りは関係したものがほとんど全くなかったように思いますので。
先生方も御案内のとおり、今回のこの審査会は、中曽根会長の下に、筆頭間、そして幹事懇を重ねてテーマを確定したものでございまして、またこの発言順も今日の幹事懇にも出されておりますので、各会派第一の発言順というのを出しておりますので、にもかかわらず、議案とほとんど、まあ全く関係ないと言っていいと思うんですが、発言をされたということは、委員会の在り方として誠に遺憾でございます。
山本筆頭から今謝罪のお言葉がありましたけれども、私としては、ほかの幹事、オブザーバーの方々、あるいは委員の先生方のためにも、この問題については幹事会で協議しなければいけないと思いますので、会長のお取り計らいをお願い申し上げます。
この発言だけを見る →まず、先ほどの山谷委員の発言につきまして、今、山本自民筆頭の方から、おわびと、また陳謝という言葉とともに、テーマにそぐわないものであった、少しずれていたと思っていたんです、私が聞いた限りは関係したものがほとんど全くなかったように思いますので。
先生方も御案内のとおり、今回のこの審査会は、中曽根会長の下に、筆頭間、そして幹事懇を重ねてテーマを確定したものでございまして、またこの発言順も今日の幹事懇にも出されておりますので、各会派第一の発言順というのを出しておりますので、にもかかわらず、議案とほとんど、まあ全く関係ないと言っていいと思うんですが、発言をされたということは、委員会の在り方として誠に遺憾でございます。
山本筆頭から今謝罪のお言葉がありましたけれども、私としては、ほかの幹事、オブザーバーの方々、あるいは委員の先生方のためにも、この問題については幹事会で協議しなければいけないと思いますので、会長のお取り計らいをお願い申し上げます。
中
小
小西洋之#15
○小西洋之君 ありがとうございます。
では、その上で、今日は、川崎局長、また加賀谷局長、誠にありがとうございました。お二方から大変すばらしい資料、また御説明をいただいたものと思います。
我々のこの参議院が、憲法制定の当時において、GHQは一院制を求めていたんだけれども、国民国家のために二院制を求め、そして衆議院との違い、そしてその違いを表すために今の都道府県選挙区、また全国比例選挙区というものを置き、そして参議院の緊急集会始め大切な機能を発揮できるように、また発揮してきたというプレゼンは誠に意義深いものだというふうに思います。
一方、今、参議院の選挙制度を考えたときに、参議院法制局の資料にもございましたけれども、この一票の較差でございますけれども、十三ページでございますが、下から福井、佐賀、山梨というふうに並んでおりますが、御案内のとおり、今合区をやっている県は鳥取・島根、徳島・高知ですが、たまたま隣接県であり、たまたま下から順番に並んでいた県でございました。しかし、今後合区を進めていくと、飛び地をするか、あるいは隣接県を求めれば、例えば山梨と長野ですと人口が三倍、福井、石川ですと人口が一・五倍といったように、もう都道府県選挙制度の在り方そのものが壊れる。すなわち、先ほど申し上げましたけれども、この参議院の設立の由来、存在意義そのものにも私は関わる問題だと思います。
ということもあり、また最高裁の判決があり、我が会派としては、法律によってこの合区を廃止をする、そうしたやり方を提案しているわけでございます。
具体的には、今先生方のお手元に私の会議録、先般の通常国会、六月八日のものをお配りさせていただいておりますが、これは自民党の岡田先生が御質問された当時のお二人の参考人、上田健介先生と新井誠先生、日本を代表するお二方、憲法学者でございますが、私のしゃべっている中に太のかぎ括弧でくくっておりますけれども、具体的には、二院制の下で、参議院が衆議院と違う国民のための独自の役割というものを考えて、それを発揮するために必要な選挙制度、そしてさらには、その前提として、機能を発揮するための新しい委員会の設置などの国会法の改革、こうしたものをセットで行えば、両学者の先生方は、最高裁の違憲判決は想定できないと、違憲判決は出ないとおっしゃられているわけでございます。
なぜならば、これこそが、先ほど川崎局長から御説明があった資料の十ページ、歴代の最高裁判決を貫く基本法理、最高裁の基本的な考え方。この最高裁の歴代の判決、最高裁が投げているボールを我々はこれまで受け止めて投げ返すことをしなかったわけでございます。ですので、今、参議院の在り方について改革協が尾辻議長の下でスタートしておりますけれども、この参議院の在り方も、その議論も踏まえながらこの憲法審査会で必要な憲法論点をやっていく、議論していくということが、私は憲法審査会の在り方として非常に今求められ、また必要なことであるというふうに考えるわけでございます。
具体的には、こうしたこの憲法の核心論点について更なる論究を行うとともに、公選法の改正だけでは駄目で、国会法の改革をして、その中で地方の問題、あるいは都道府県の選挙区の選出の先生方がいて初めて衆議院に比べてよりよく機能を発揮できる、私は災害対応などもあると思うんですけれども、全県を見ているのは私たち県選出の議員であり、頑張るところでございますので、そうした役割を発揮するための国会改革などの在り方。
あるいは、私、大変感銘を受けたんですが、この緊急集会ですね、川崎局長の資料の中で、この参議院の緊急集会が民主制を徹底する見地、また、どんな精緻な憲法を定めても濫用される、だから緊急集会を設けたんだ。そして、参議院は万年の議会である、衆議院には改選期があるけれども、参議院には全体の改選期がありません。つまり、参議院議員だけは何があっても必ず半数はいる、だから緊急集会を設けたんだ。
であるならば、これは公明党の西田先生が何度か問題提起賜っておるところですが、この参議院の緊急集会、例えば今、開かれても国会法の定めで政府の提案の議案しか審議できませんので、こうしたものをもう少しこの国会改革、先ほど申し上げた参議院のこの機能充実の新しい在り方を踏まえて改革をしていく、そうしたようなことが考えられるのではないかと思う次第でございます。是非、これは与野党超えて共に議論させていただきたいと思います。
ありがとうございました。
この発言だけを見る →では、その上で、今日は、川崎局長、また加賀谷局長、誠にありがとうございました。お二方から大変すばらしい資料、また御説明をいただいたものと思います。
我々のこの参議院が、憲法制定の当時において、GHQは一院制を求めていたんだけれども、国民国家のために二院制を求め、そして衆議院との違い、そしてその違いを表すために今の都道府県選挙区、また全国比例選挙区というものを置き、そして参議院の緊急集会始め大切な機能を発揮できるように、また発揮してきたというプレゼンは誠に意義深いものだというふうに思います。
一方、今、参議院の選挙制度を考えたときに、参議院法制局の資料にもございましたけれども、この一票の較差でございますけれども、十三ページでございますが、下から福井、佐賀、山梨というふうに並んでおりますが、御案内のとおり、今合区をやっている県は鳥取・島根、徳島・高知ですが、たまたま隣接県であり、たまたま下から順番に並んでいた県でございました。しかし、今後合区を進めていくと、飛び地をするか、あるいは隣接県を求めれば、例えば山梨と長野ですと人口が三倍、福井、石川ですと人口が一・五倍といったように、もう都道府県選挙制度の在り方そのものが壊れる。すなわち、先ほど申し上げましたけれども、この参議院の設立の由来、存在意義そのものにも私は関わる問題だと思います。
ということもあり、また最高裁の判決があり、我が会派としては、法律によってこの合区を廃止をする、そうしたやり方を提案しているわけでございます。
具体的には、今先生方のお手元に私の会議録、先般の通常国会、六月八日のものをお配りさせていただいておりますが、これは自民党の岡田先生が御質問された当時のお二人の参考人、上田健介先生と新井誠先生、日本を代表するお二方、憲法学者でございますが、私のしゃべっている中に太のかぎ括弧でくくっておりますけれども、具体的には、二院制の下で、参議院が衆議院と違う国民のための独自の役割というものを考えて、それを発揮するために必要な選挙制度、そしてさらには、その前提として、機能を発揮するための新しい委員会の設置などの国会法の改革、こうしたものをセットで行えば、両学者の先生方は、最高裁の違憲判決は想定できないと、違憲判決は出ないとおっしゃられているわけでございます。
なぜならば、これこそが、先ほど川崎局長から御説明があった資料の十ページ、歴代の最高裁判決を貫く基本法理、最高裁の基本的な考え方。この最高裁の歴代の判決、最高裁が投げているボールを我々はこれまで受け止めて投げ返すことをしなかったわけでございます。ですので、今、参議院の在り方について改革協が尾辻議長の下でスタートしておりますけれども、この参議院の在り方も、その議論も踏まえながらこの憲法審査会で必要な憲法論点をやっていく、議論していくということが、私は憲法審査会の在り方として非常に今求められ、また必要なことであるというふうに考えるわけでございます。
具体的には、こうしたこの憲法の核心論点について更なる論究を行うとともに、公選法の改正だけでは駄目で、国会法の改革をして、その中で地方の問題、あるいは都道府県の選挙区の選出の先生方がいて初めて衆議院に比べてよりよく機能を発揮できる、私は災害対応などもあると思うんですけれども、全県を見ているのは私たち県選出の議員であり、頑張るところでございますので、そうした役割を発揮するための国会改革などの在り方。
あるいは、私、大変感銘を受けたんですが、この緊急集会ですね、川崎局長の資料の中で、この参議院の緊急集会が民主制を徹底する見地、また、どんな精緻な憲法を定めても濫用される、だから緊急集会を設けたんだ。そして、参議院は万年の議会である、衆議院には改選期があるけれども、参議院には全体の改選期がありません。つまり、参議院議員だけは何があっても必ず半数はいる、だから緊急集会を設けたんだ。
であるならば、これは公明党の西田先生が何度か問題提起賜っておるところですが、この参議院の緊急集会、例えば今、開かれても国会法の定めで政府の提案の議案しか審議できませんので、こうしたものをもう少しこの国会改革、先ほど申し上げた参議院のこの機能充実の新しい在り方を踏まえて改革をしていく、そうしたようなことが考えられるのではないかと思う次第でございます。是非、これは与野党超えて共に議論させていただきたいと思います。
ありがとうございました。
中
矢
矢倉克夫#17
○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。
参議院の在り方と合区について意見を述べます。
まず、参議院の在り方について二点。
一つ目は、緊急集会についてです。
近時の甚大な自然災害の増加や安全保障上の緊急事態の発生可能性の増大を踏まえると、今後、参議院の緊急集会の意義はますます高まるものと考えられます。
前提として強調したいのは、日本国憲法が参議院の緊急集会を認めていることは、参議院が衆議院と同じ全国民の代表であることを表したものであるということです。近時、参議院を都道府県選出の地方代表の議院として位置付けるべきとの見解が唱えられることがありますが、この緊急集会の意義との関係に加え、そもそも現行でも比例選出議員がいることなどとも整合性が取れるのか、疑問の余地はあります。
この緊急集会の開会要件については、憲法は明文上、衆議院が解散されていることと国に緊急の必要性があることの二つを規定しております。前者の点について、憲法の規定はあくまで衆議院が存在しない例として衆議院の解散を定めたにすぎないとする説が多数説となっております。根拠は、解散によるものであれ任期満了によるものであれ、衆議院が存在しないという点では両者で質的な差異がないという点です。これによれば、解散時のみならず、任期満了時も参議院の緊急集会を開催できることとなります。これは、大規模自然災害等における衆議院議員の任期延長の是非という議論にも影響を与えるものですが、傾聴に値すると考えます。
次に、国に緊急の必要性があることについて、この判断は内閣に専属するものか、また緊急集会においてとり得る措置は内閣提出のものに限られるのかといった点についても更なる検討が必要であります。
参議院の独自の判断による緊急時における行政監視機能の必要性を考えると、現行の内閣提出案件中心の仕組みは再検討されるべきとも言えます。緊急集会は参議院の独自性の観点から重要な権能であり、以上の諸論点について参議院の院の自律権の問題として真摯に議論することが重要であります。
参議院の在り方に関する二つ目の論点は、行政監視機能です。
行政監視こそ参議院が中心となるべきです。良識の府参議院は、公共の利益の実現を目指し、党派を超えて努力すべきことを期待されており、しかも解散がなく、六年という長い任期を与えられていることから、長期的観点から行政の組織や人事に関する、対する統制を行うことができます。
これまで、行政監視委員会の設置や決算審査の充実などの改革を行い、着実にその成果を上げてきたのですが、引き続き参議院の行政監視機能を充実強化すべく、更なる検討が必要であります。
次に、合区について意見を申し上げます。
確かに、選挙区選出議員の地域代表的性格を強調した場合、各都道府県から少なくとも一名の議員を選出すべきとの見解も成り立ち得ます。しかし、平成二十四年の最高裁判決にもありますように、都道府県は参議院議員の選挙区の単位としなければならないという憲法上の要請はありません。
さらに、先ほど言及しましたように、衆議院が解散されて存在しない場合でも、参議院に国会の権能を代行させるために、憲法上、参議院の緊急集会の制度が設けられております。これは、上下両院の二院制を取る諸外国の中でも極めて珍しい制度であると言われておりますが、このような重大な仕組みが可能であるのは、参議院も衆議院と同様に全国民の代表であるからであり、また、地方代表の議院ということを強調し過ぎることは、現行憲法が予定している参議院の権能そのものを参議院自ら否定してしまうおそれもあります。憲法上も法律上も衆議院とほぼ同等の権能を有する根拠は、憲法の要請である投票価値の平等が参議院においても当てはまることであるということも十分に留意が求められます。
したがって、選挙制度改革を進めるに当たって、較差を拡大するような改革は、いかなる政策的目的ないし理由があったとしても、少なくとも現行の憲法を前提とする限りは許されないものと解します。もちろん、最高裁の言うように、投票価値の平等が選挙制度の仕組みを決定する唯一、絶対の基準となるものではありません。問題は、憲法が求める投票価値の平等という価値と、衆議院とは異なる参議院の独自性といった価値をどう調和させるかであります。
私どもは、このような観点から、従来より、全国を十一のブロック単位とする個人名投票による大選挙区制を提唱しております。これは、憲法が求める議員一人当たりの人口較差の更なる縮小と、参議院独自のブロックを単位とする地域代表的な性格を両立、調和させることを通じて、参議院全体としての全国民の代表としての性格を堅持する方策であります。特に、投票価値の平等の要請をより満たすことになりますから、参議院の権限の縮小が求められることはありません。
現在、参議院改革協議会において議論が進められており、座長からは、選挙制度改革を集中的に議論する専門委員会の設置の提案がなされております。今後、着実に議論がなされることを強く御期待を申し上げまして、私の意見表明といたします。
以上でございます。ありがとうございます。
この発言だけを見る →参議院の在り方と合区について意見を述べます。
まず、参議院の在り方について二点。
一つ目は、緊急集会についてです。
近時の甚大な自然災害の増加や安全保障上の緊急事態の発生可能性の増大を踏まえると、今後、参議院の緊急集会の意義はますます高まるものと考えられます。
前提として強調したいのは、日本国憲法が参議院の緊急集会を認めていることは、参議院が衆議院と同じ全国民の代表であることを表したものであるということです。近時、参議院を都道府県選出の地方代表の議院として位置付けるべきとの見解が唱えられることがありますが、この緊急集会の意義との関係に加え、そもそも現行でも比例選出議員がいることなどとも整合性が取れるのか、疑問の余地はあります。
この緊急集会の開会要件については、憲法は明文上、衆議院が解散されていることと国に緊急の必要性があることの二つを規定しております。前者の点について、憲法の規定はあくまで衆議院が存在しない例として衆議院の解散を定めたにすぎないとする説が多数説となっております。根拠は、解散によるものであれ任期満了によるものであれ、衆議院が存在しないという点では両者で質的な差異がないという点です。これによれば、解散時のみならず、任期満了時も参議院の緊急集会を開催できることとなります。これは、大規模自然災害等における衆議院議員の任期延長の是非という議論にも影響を与えるものですが、傾聴に値すると考えます。
次に、国に緊急の必要性があることについて、この判断は内閣に専属するものか、また緊急集会においてとり得る措置は内閣提出のものに限られるのかといった点についても更なる検討が必要であります。
参議院の独自の判断による緊急時における行政監視機能の必要性を考えると、現行の内閣提出案件中心の仕組みは再検討されるべきとも言えます。緊急集会は参議院の独自性の観点から重要な権能であり、以上の諸論点について参議院の院の自律権の問題として真摯に議論することが重要であります。
参議院の在り方に関する二つ目の論点は、行政監視機能です。
行政監視こそ参議院が中心となるべきです。良識の府参議院は、公共の利益の実現を目指し、党派を超えて努力すべきことを期待されており、しかも解散がなく、六年という長い任期を与えられていることから、長期的観点から行政の組織や人事に関する、対する統制を行うことができます。
これまで、行政監視委員会の設置や決算審査の充実などの改革を行い、着実にその成果を上げてきたのですが、引き続き参議院の行政監視機能を充実強化すべく、更なる検討が必要であります。
次に、合区について意見を申し上げます。
確かに、選挙区選出議員の地域代表的性格を強調した場合、各都道府県から少なくとも一名の議員を選出すべきとの見解も成り立ち得ます。しかし、平成二十四年の最高裁判決にもありますように、都道府県は参議院議員の選挙区の単位としなければならないという憲法上の要請はありません。
さらに、先ほど言及しましたように、衆議院が解散されて存在しない場合でも、参議院に国会の権能を代行させるために、憲法上、参議院の緊急集会の制度が設けられております。これは、上下両院の二院制を取る諸外国の中でも極めて珍しい制度であると言われておりますが、このような重大な仕組みが可能であるのは、参議院も衆議院と同様に全国民の代表であるからであり、また、地方代表の議院ということを強調し過ぎることは、現行憲法が予定している参議院の権能そのものを参議院自ら否定してしまうおそれもあります。憲法上も法律上も衆議院とほぼ同等の権能を有する根拠は、憲法の要請である投票価値の平等が参議院においても当てはまることであるということも十分に留意が求められます。
したがって、選挙制度改革を進めるに当たって、較差を拡大するような改革は、いかなる政策的目的ないし理由があったとしても、少なくとも現行の憲法を前提とする限りは許されないものと解します。もちろん、最高裁の言うように、投票価値の平等が選挙制度の仕組みを決定する唯一、絶対の基準となるものではありません。問題は、憲法が求める投票価値の平等という価値と、衆議院とは異なる参議院の独自性といった価値をどう調和させるかであります。
私どもは、このような観点から、従来より、全国を十一のブロック単位とする個人名投票による大選挙区制を提唱しております。これは、憲法が求める議員一人当たりの人口較差の更なる縮小と、参議院独自のブロックを単位とする地域代表的な性格を両立、調和させることを通じて、参議院全体としての全国民の代表としての性格を堅持する方策であります。特に、投票価値の平等の要請をより満たすことになりますから、参議院の権限の縮小が求められることはありません。
現在、参議院改革協議会において議論が進められており、座長からは、選挙制度改革を集中的に議論する専門委員会の設置の提案がなされております。今後、着実に議論がなされることを強く御期待を申し上げまして、私の意見表明といたします。
以上でございます。ありがとうございます。
中
東
東徹#19
○東徹君 日本維新の会の東徹です。
参議院選挙における合区の解消について申し上げます。
憲法上の要請として、投票価値の平等が実現される選挙制度にしていくことは当然のことです。参議院は一票の較差の是正を最高裁から求められており、その対応策として参議院改革協議会で自民党から提案されてきたのが徳島県と高知県、鳥取県と島根県の選挙区を合区することでした。我が国は都市部よりも地方の方が人口減少スピードが速いため、都道府県単位の選挙区を残したまま一票の較差を是正しようとすれば合区は避けられません。
先ほども話がありましたが、憲法第四十三条にもあるように、参議院も衆議院議員も全国民の代表であります。合区解消の理由として地方の声が届かなくなるとよく言いますが、地方の声が届かなくなることはありません。徳島県と高知県、鳥取県と島根県、それぞれ二人ずつの参議院議員がおり、その人たちが両県民の声を聞いて国政に届ければいいだけのことです。当然、それぞれの県には衆議院議員もいます。地方の声が届かなくなるというのは詭弁でしかありません。
七月の参議院選挙をめぐり、一票の較差が最大三・〇三倍だった七月の参議院選挙に選挙無効を求めた判決では、先ほども話がありましたとおり、違憲状態八件、合憲七件、違憲一件となり、重く受け止めなくてはなりません。
日本維新の会の憲法改正項目は、教育無償化、統治機構改革、憲法裁判所、自衛隊明記、緊急事態条項です。単純に合区解消としようとする憲法改正には反対です。今人口が五十万人の県が更に人口が減っていけば本当に県として成り立つのか、今の都道府県の在り方を見直すべきときに来ていると考えるからです。
都道府県のアイデンティティーは社会的にも重要であるものの、平成二十九年の最高裁判決でも指摘されているとおり、都道府県を選挙区の単位としなければならないという憲法上の要請はなく、投票価値の平等という憲法上の要請と調和に図られた上で都道府県という単位の意義を超えるだけにすぎません。将来の道州制導入など我が国の統治機構改革を視野に入れ、都道府県選挙区をブロック制へ変更するなど選挙制度の抜本的な改革を実行すべきであり、以前から我が党が主張している統治機構改革に向けた憲法改正を行うべきであるということを強く主張いたします。
代わりに、合区解消するのであれば、憲法改正ではなくて抜本的な参議院の選挙制度改正によって行うべきであります。議論のすり替えはよくありません。このことは本来なら参議院改革協議会で議論すべきことです。憲法審査会を最高裁判決のアリバイづくりに利用することはやめるべきです。
衆議院では、この臨時国会で十増十減法案が成立いたしました。このことによって選挙区替えをしなければならない議員も出てきます。それなのに、参議院では、議員としての身分を守るために合区解消とは恥ずかしい限りです。
また、衆議院では、この臨時国会で毎週のように憲法審査会を行い、緊急事態条項の具体的な検討を進めています。大自然災害だけでなく、我が国が武力攻撃を受けたときの緊急事態における対応です。この議論は、参議院の緊急集会の在り方や緊急事態における参議院の役割にも関わってきます。重要なテーマであるにもかかわらず、参議院では議論が進んでいません。国家が危機対応よりも参議院議員の身分を優先する参議院の憲法審査会の在り方に、全く残念というか、恥ずかしく思います。
維新としては、選挙制度の抜本的な改革を進めるべきところ、ブロック制を九年前から提案し続けてきたにもかかわらず、自民党から抜本的な改革の提案はされずに、議員定数六増という人口が減少しているのに全く理解できない提案がされ、強行、強引に採決が行われました。このことは絶対に許すことはできません。議員定数は削減すべきと考えますが、せめて参議院の議員定数は元に戻すべきです。
参議院の選挙制度には都道府県選挙区百四十八議席だけではなくて全国比例の百議席があり、地方の代表だけの仕組みではありません。地方の代表といった理由をこじつけて合区を解消し、現在の選挙制度を維持して抜本的な改革を先送りしようとするのは、ただ既得権を守りたい、自分の議席を守りたい、議員の身分を守りたいだけであることを改めて指摘させていただきます。
国家、国家の重要課題に関わる自衛隊明記や緊急事態条項、人口減少を止めるための教育無償化などから議論すべきことを申し上げて、意見とさせていただきます。
この発言だけを見る →参議院選挙における合区の解消について申し上げます。
憲法上の要請として、投票価値の平等が実現される選挙制度にしていくことは当然のことです。参議院は一票の較差の是正を最高裁から求められており、その対応策として参議院改革協議会で自民党から提案されてきたのが徳島県と高知県、鳥取県と島根県の選挙区を合区することでした。我が国は都市部よりも地方の方が人口減少スピードが速いため、都道府県単位の選挙区を残したまま一票の較差を是正しようとすれば合区は避けられません。
先ほども話がありましたが、憲法第四十三条にもあるように、参議院も衆議院議員も全国民の代表であります。合区解消の理由として地方の声が届かなくなるとよく言いますが、地方の声が届かなくなることはありません。徳島県と高知県、鳥取県と島根県、それぞれ二人ずつの参議院議員がおり、その人たちが両県民の声を聞いて国政に届ければいいだけのことです。当然、それぞれの県には衆議院議員もいます。地方の声が届かなくなるというのは詭弁でしかありません。
七月の参議院選挙をめぐり、一票の較差が最大三・〇三倍だった七月の参議院選挙に選挙無効を求めた判決では、先ほども話がありましたとおり、違憲状態八件、合憲七件、違憲一件となり、重く受け止めなくてはなりません。
日本維新の会の憲法改正項目は、教育無償化、統治機構改革、憲法裁判所、自衛隊明記、緊急事態条項です。単純に合区解消としようとする憲法改正には反対です。今人口が五十万人の県が更に人口が減っていけば本当に県として成り立つのか、今の都道府県の在り方を見直すべきときに来ていると考えるからです。
都道府県のアイデンティティーは社会的にも重要であるものの、平成二十九年の最高裁判決でも指摘されているとおり、都道府県を選挙区の単位としなければならないという憲法上の要請はなく、投票価値の平等という憲法上の要請と調和に図られた上で都道府県という単位の意義を超えるだけにすぎません。将来の道州制導入など我が国の統治機構改革を視野に入れ、都道府県選挙区をブロック制へ変更するなど選挙制度の抜本的な改革を実行すべきであり、以前から我が党が主張している統治機構改革に向けた憲法改正を行うべきであるということを強く主張いたします。
代わりに、合区解消するのであれば、憲法改正ではなくて抜本的な参議院の選挙制度改正によって行うべきであります。議論のすり替えはよくありません。このことは本来なら参議院改革協議会で議論すべきことです。憲法審査会を最高裁判決のアリバイづくりに利用することはやめるべきです。
衆議院では、この臨時国会で十増十減法案が成立いたしました。このことによって選挙区替えをしなければならない議員も出てきます。それなのに、参議院では、議員としての身分を守るために合区解消とは恥ずかしい限りです。
また、衆議院では、この臨時国会で毎週のように憲法審査会を行い、緊急事態条項の具体的な検討を進めています。大自然災害だけでなく、我が国が武力攻撃を受けたときの緊急事態における対応です。この議論は、参議院の緊急集会の在り方や緊急事態における参議院の役割にも関わってきます。重要なテーマであるにもかかわらず、参議院では議論が進んでいません。国家が危機対応よりも参議院議員の身分を優先する参議院の憲法審査会の在り方に、全く残念というか、恥ずかしく思います。
維新としては、選挙制度の抜本的な改革を進めるべきところ、ブロック制を九年前から提案し続けてきたにもかかわらず、自民党から抜本的な改革の提案はされずに、議員定数六増という人口が減少しているのに全く理解できない提案がされ、強行、強引に採決が行われました。このことは絶対に許すことはできません。議員定数は削減すべきと考えますが、せめて参議院の議員定数は元に戻すべきです。
参議院の選挙制度には都道府県選挙区百四十八議席だけではなくて全国比例の百議席があり、地方の代表だけの仕組みではありません。地方の代表といった理由をこじつけて合区を解消し、現在の選挙制度を維持して抜本的な改革を先送りしようとするのは、ただ既得権を守りたい、自分の議席を守りたい、議員の身分を守りたいだけであることを改めて指摘させていただきます。
国家、国家の重要課題に関わる自衛隊明記や緊急事態条項、人口減少を止めるための教育無償化などから議論すべきことを申し上げて、意見とさせていただきます。
中
舟
舟山康江#21
○舟山康江君 国民民主党の舟山康江です。
本日のテーマである憲法における参議院の在り方について、まずは合区問題から私見を述べたいと思います。
一票の較差是正という観点から導入された合区は、確かに較差是正には一定の効果はありました。この点、平成二十九年最高裁判決は、長期間にわたり投票価値の大きな較差が継続する要因となっていた仕組みを見直すために、これまでにない手法であるとし、一定の評価をしています。
一方で、私は、合区はある意味で一票の較差以上の更なる格差を生み出したと考えます。
一つは、現在の都道府県を単位とする選挙区が基本である中で、ほんの一部のみ合区を含むという在り方は、制度体系上、むしろ平等原則に反しているのではないかという点です。
もう一点は、合区が導入された県、とりわけ候補者不在の県における投票率や無効投票率は有意に低下及び上昇しており、この点においても、都道府県を単位とする選挙区が基本である中、おのずと関心の低下を招く合区は平等原則に反すると考えます。
そして、特定枠について申し上げます。
特定枠の合理性にも疑問を呈さざるを得ません。そもそも、合区対象県のように人口的に少数派ともいうべき条件不利地域の声を国政に届けるような活用を想定しているとの法改正時の自民党議員からの国会答弁から分かるように、合区により候補者が出せなかった県の救済策として生み出されたものであり、一票の較差解消の観点から導入された制度がむしろ特定の県を優遇することに合理性は全くありません。
もう一点は、これまでの参議院の選挙制度においては、比例区は非拘束名簿方式である中、特定枠は拘束名簿式の一部導入であり、体系の一貫性という意味でも問題があります。多くの政党が特定枠を多用することになれば、比例区は非拘束名簿方式という原則を壊すことになり、この点からも問題だと考えます。
なお、特定枠創設に関する提案理由にありました、全国的に支持基盤を有するとは言えないが国政上有為な人材等が当選しやすくするようにとの目的は、拘束名簿方式を採用する衆議院で達成できるものであり、比例区は非拘束名簿方式という体系の一貫性を崩す理由は乏しいと考えます。
これらの問題は、参議院選挙における選挙制度の在り方について、一票の較差の縮小のみを課題として強調することから端を発しています。私たちが考えなければならないのは、投票価値の平等とは何か、二院制の下での参議院の役割は何かということを立法府の意思としてしっかり議論し、結論を出すことであります。最高裁が投げかけているのもこの点であり、ある意味で、立法府よ、しっかりしろという叱咤激励の意味合いが強いと私は捉えています。
そもそも、直近の令和二年最高裁判決を含め、これまでの累次にわたる最高裁判決における投票価値の平等に関する言及は、選挙制度をどのような制度にするかの決定を国会の裁量に委ねているのであるから、投票価値の平等は選挙制度の仕組みを決定する唯一、絶対の基準となるものではなく、国会が正当に考慮することができる他の政策的目的ないし理由との関連において調和的に実現されるべきものである、それゆえ国会が具体的に定めたところがその裁量権の行使として合理性を有するものである限り、それによって投票価値の平等が一定限度で譲歩を求められることになっても憲法に違反するとは言えないとされています。
そして、憲法では二院制を採用し、衆議院と参議院の権限及び議員の任期等に差異を付けていることに言及しつつ、二院制の下における参議院の性格や機能及び衆議院との異同をどのように位置付け、これをそれぞれ選挙制度にいかに反映させていくかという点を含め、国会の合理的な裁量に委ねられているとしていることをしっかり受け止め、憲法審査会で議論し参議院改革協議会に提言するなど、積極的な役割を果たすことを提案いたします。
なお、これに関しましては、慶応大学名誉教授、元内閣法制局参事官の八木欣之介先生も議員定数不均衡問題についての論文における考察で、平等選挙の原則は我が国では憲法上の要請ではなく公選法による一人一票の保障にとどまっているとか、国民代表制における多様な意見を反映しようとするならば、議席配分は人口比例を基本とするという根拠の乏しい思い込みを脱し、農地や山林、河川、湖沼、そして明治以来百年を超える歴史を有する都道府県の区域等の我が国の……
この発言だけを見る →本日のテーマである憲法における参議院の在り方について、まずは合区問題から私見を述べたいと思います。
一票の較差是正という観点から導入された合区は、確かに較差是正には一定の効果はありました。この点、平成二十九年最高裁判決は、長期間にわたり投票価値の大きな較差が継続する要因となっていた仕組みを見直すために、これまでにない手法であるとし、一定の評価をしています。
一方で、私は、合区はある意味で一票の較差以上の更なる格差を生み出したと考えます。
一つは、現在の都道府県を単位とする選挙区が基本である中で、ほんの一部のみ合区を含むという在り方は、制度体系上、むしろ平等原則に反しているのではないかという点です。
もう一点は、合区が導入された県、とりわけ候補者不在の県における投票率や無効投票率は有意に低下及び上昇しており、この点においても、都道府県を単位とする選挙区が基本である中、おのずと関心の低下を招く合区は平等原則に反すると考えます。
そして、特定枠について申し上げます。
特定枠の合理性にも疑問を呈さざるを得ません。そもそも、合区対象県のように人口的に少数派ともいうべき条件不利地域の声を国政に届けるような活用を想定しているとの法改正時の自民党議員からの国会答弁から分かるように、合区により候補者が出せなかった県の救済策として生み出されたものであり、一票の較差解消の観点から導入された制度がむしろ特定の県を優遇することに合理性は全くありません。
もう一点は、これまでの参議院の選挙制度においては、比例区は非拘束名簿方式である中、特定枠は拘束名簿式の一部導入であり、体系の一貫性という意味でも問題があります。多くの政党が特定枠を多用することになれば、比例区は非拘束名簿方式という原則を壊すことになり、この点からも問題だと考えます。
なお、特定枠創設に関する提案理由にありました、全国的に支持基盤を有するとは言えないが国政上有為な人材等が当選しやすくするようにとの目的は、拘束名簿方式を採用する衆議院で達成できるものであり、比例区は非拘束名簿方式という体系の一貫性を崩す理由は乏しいと考えます。
これらの問題は、参議院選挙における選挙制度の在り方について、一票の較差の縮小のみを課題として強調することから端を発しています。私たちが考えなければならないのは、投票価値の平等とは何か、二院制の下での参議院の役割は何かということを立法府の意思としてしっかり議論し、結論を出すことであります。最高裁が投げかけているのもこの点であり、ある意味で、立法府よ、しっかりしろという叱咤激励の意味合いが強いと私は捉えています。
そもそも、直近の令和二年最高裁判決を含め、これまでの累次にわたる最高裁判決における投票価値の平等に関する言及は、選挙制度をどのような制度にするかの決定を国会の裁量に委ねているのであるから、投票価値の平等は選挙制度の仕組みを決定する唯一、絶対の基準となるものではなく、国会が正当に考慮することができる他の政策的目的ないし理由との関連において調和的に実現されるべきものである、それゆえ国会が具体的に定めたところがその裁量権の行使として合理性を有するものである限り、それによって投票価値の平等が一定限度で譲歩を求められることになっても憲法に違反するとは言えないとされています。
そして、憲法では二院制を採用し、衆議院と参議院の権限及び議員の任期等に差異を付けていることに言及しつつ、二院制の下における参議院の性格や機能及び衆議院との異同をどのように位置付け、これをそれぞれ選挙制度にいかに反映させていくかという点を含め、国会の合理的な裁量に委ねられているとしていることをしっかり受け止め、憲法審査会で議論し参議院改革協議会に提言するなど、積極的な役割を果たすことを提案いたします。
なお、これに関しましては、慶応大学名誉教授、元内閣法制局参事官の八木欣之介先生も議員定数不均衡問題についての論文における考察で、平等選挙の原則は我が国では憲法上の要請ではなく公選法による一人一票の保障にとどまっているとか、国民代表制における多様な意見を反映しようとするならば、議席配分は人口比例を基本とするという根拠の乏しい思い込みを脱し、農地や山林、河川、湖沼、そして明治以来百年を超える歴史を有する都道府県の区域等の我が国の……
中
舟
中
山
山添拓#25
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
初めに、自民党議員から本日のテーマから全く離れた発言がなされたことに強く抗議します。
我が党は、多くの国民が改憲を政治の優先課題として求めていない中、審査会を動かすべきではないという意見です。しかし、少なくとも、議題と全く離れた発言がされることは幹事会の合意に反し、開催の前提を欠くことを指摘したいと思います。
参議院議員の選挙区の一票の較差及び合区問題に関して意見を述べます。
日本国憲法前文は、「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、」という文言に始まり、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」としています。
民意を正確に反映した国会で徹底審議を通じて国の進路を決めることは、国民主権の議会制民主主義における基本的な要請です。選挙権は国民の国政への参加の機会を保障する基本的人権であり、参議院議員の選挙制度において投票価値の平等を求める憲法十四条一項や、国会議員が全国民の代表であるとする四十三条一項などを満たすべきことは言うまでもありません。同時に、こうした議論は参議院改革協議会や選挙制度に関する特別委員会などで行うべきであり、憲法審査会を動かし論じるべき問題ではありません。
参議院議員の選挙制度を違憲状態とした二〇一二年最高裁大法廷判決が、参議院議員の選挙であること自体から、直ちに投票価値の平等の要請が後退してよいと解すべき理由は見出し難いとし、都道府県を選挙区の単位としなければならない憲法上の要請はなく、仕組み自体の見直しが必要と述べたことは、今日においても重く受け止めるべきです。
最高裁は、合区導入後の二回の参議院選挙について合憲としていますが、いずれも投票価値の較差の更なる是正に向けた国会の姿勢、特に二〇一五年改正法の附則七条が、次の参院選に向けて較差の是正等を考慮しつつ選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い、必ず結論を得るとしていたことを踏まえた判示です。
本日の審査会に先立つ幹事懇談会で、今年の参院選を受けた各高裁判決に当審査会での議論に言及するものがあることを理由に、更に議論をすべきという意見がありました。しかし、二〇二〇年の最高裁判決が、立法府の検討過程において較差の是正を指向する姿勢が失われるに至ったと断ずることはできないことを理由に辛うじて合憲としたことからも明らかなように、求められているのは較差是正に向けた検討です。較差を容認ないし度外視し、都道府県ごとの代表を選出できるようにするための合区解消、ましてやそのための改憲論議が求められているのではありません。国会は、選挙制度の憲法適合性をめぐる司法の要求に正面から応えるべきです。
参議院選挙区選挙において合区による較差是正に限界があることは、今年六月の当審査会で新井誠、上田健介両参考人からも指摘がありました。合区対象県の住民と他の都道府県の住民との間で法の下の平等に反する事態を生じる点も重大です。
抜本的な見直しが求められていたにもかかわらず、二〇一八年改正で自民党は、この法案は次善の策だと、憲法改正こそが抜本的な改正だなどと開き直り、非拘束名簿式の比例代表選挙に優先的に当選となる特定枠制度を持ち込みました。抜本見直しの意味も司法の求めも意図的に曲解し、牽強付会に改憲論に結び付けるなど言語道断です。
特定枠の導入について自民党は、国政上有為な人材、政党が役割を果たす上で必要な人材を当選しやすくすることが目的と述べました。ところが、蓋を開けてみると、自民党が特定枠に据えたのは鳥取・島根、徳島・高知の両合区で選挙区の候補者にならなかった者でした。結局、合区によって選挙区から立候補できない自民党の議員候補者を救済するための、まさに党利党略でした。しかも、現在、この特定枠で当選した議員が県知事選挙に立候補の意向を表明したとも報じられています。制度も有権者も愚弄するものと言うほかありません。
我が党は、参議院改革協議会で、投票価値の平等を実現する抜本改革とすること、多様な民意が正確に議席に反映する制度とすること、定数削減は参議院の立法、行政に対するチェック機能を弱め民意を削るものであり、行わないことという三点を表明しています。
現在の参議院選挙区選挙は、四十五選挙区のうち三十二が一人区で、事実上ほとんどが死に票の多い小選挙区です。総定数を削減することなく、多様な民意が正確に反映される比例代表を中心に、全国十ブロックの非拘束名簿式の選挙制度とすることを提案します。
一票の較差を正し、民意の届く選挙制度への抜本改革を進め、憲法を生かした政治に転換すべきことを強調し、意見とします。
この発言だけを見る →初めに、自民党議員から本日のテーマから全く離れた発言がなされたことに強く抗議します。
我が党は、多くの国民が改憲を政治の優先課題として求めていない中、審査会を動かすべきではないという意見です。しかし、少なくとも、議題と全く離れた発言がされることは幹事会の合意に反し、開催の前提を欠くことを指摘したいと思います。
参議院議員の選挙区の一票の較差及び合区問題に関して意見を述べます。
日本国憲法前文は、「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、」という文言に始まり、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」としています。
民意を正確に反映した国会で徹底審議を通じて国の進路を決めることは、国民主権の議会制民主主義における基本的な要請です。選挙権は国民の国政への参加の機会を保障する基本的人権であり、参議院議員の選挙制度において投票価値の平等を求める憲法十四条一項や、国会議員が全国民の代表であるとする四十三条一項などを満たすべきことは言うまでもありません。同時に、こうした議論は参議院改革協議会や選挙制度に関する特別委員会などで行うべきであり、憲法審査会を動かし論じるべき問題ではありません。
参議院議員の選挙制度を違憲状態とした二〇一二年最高裁大法廷判決が、参議院議員の選挙であること自体から、直ちに投票価値の平等の要請が後退してよいと解すべき理由は見出し難いとし、都道府県を選挙区の単位としなければならない憲法上の要請はなく、仕組み自体の見直しが必要と述べたことは、今日においても重く受け止めるべきです。
最高裁は、合区導入後の二回の参議院選挙について合憲としていますが、いずれも投票価値の較差の更なる是正に向けた国会の姿勢、特に二〇一五年改正法の附則七条が、次の参院選に向けて較差の是正等を考慮しつつ選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い、必ず結論を得るとしていたことを踏まえた判示です。
本日の審査会に先立つ幹事懇談会で、今年の参院選を受けた各高裁判決に当審査会での議論に言及するものがあることを理由に、更に議論をすべきという意見がありました。しかし、二〇二〇年の最高裁判決が、立法府の検討過程において較差の是正を指向する姿勢が失われるに至ったと断ずることはできないことを理由に辛うじて合憲としたことからも明らかなように、求められているのは較差是正に向けた検討です。較差を容認ないし度外視し、都道府県ごとの代表を選出できるようにするための合区解消、ましてやそのための改憲論議が求められているのではありません。国会は、選挙制度の憲法適合性をめぐる司法の要求に正面から応えるべきです。
参議院選挙区選挙において合区による較差是正に限界があることは、今年六月の当審査会で新井誠、上田健介両参考人からも指摘がありました。合区対象県の住民と他の都道府県の住民との間で法の下の平等に反する事態を生じる点も重大です。
抜本的な見直しが求められていたにもかかわらず、二〇一八年改正で自民党は、この法案は次善の策だと、憲法改正こそが抜本的な改正だなどと開き直り、非拘束名簿式の比例代表選挙に優先的に当選となる特定枠制度を持ち込みました。抜本見直しの意味も司法の求めも意図的に曲解し、牽強付会に改憲論に結び付けるなど言語道断です。
特定枠の導入について自民党は、国政上有為な人材、政党が役割を果たす上で必要な人材を当選しやすくすることが目的と述べました。ところが、蓋を開けてみると、自民党が特定枠に据えたのは鳥取・島根、徳島・高知の両合区で選挙区の候補者にならなかった者でした。結局、合区によって選挙区から立候補できない自民党の議員候補者を救済するための、まさに党利党略でした。しかも、現在、この特定枠で当選した議員が県知事選挙に立候補の意向を表明したとも報じられています。制度も有権者も愚弄するものと言うほかありません。
我が党は、参議院改革協議会で、投票価値の平等を実現する抜本改革とすること、多様な民意が正確に議席に反映する制度とすること、定数削減は参議院の立法、行政に対するチェック機能を弱め民意を削るものであり、行わないことという三点を表明しています。
現在の参議院選挙区選挙は、四十五選挙区のうち三十二が一人区で、事実上ほとんどが死に票の多い小選挙区です。総定数を削減することなく、多様な民意が正確に反映される比例代表を中心に、全国十ブロックの非拘束名簿式の選挙制度とすることを提案します。
一票の較差を正し、民意の届く選挙制度への抜本改革を進め、憲法を生かした政治に転換すべきことを強調し、意見とします。
中
山
山本太郎#27
○山本太郎君 ありがとうございます。れいわ新選組代表の山本太郎と申します。
一票の較差問題については、今憲法審査会で議論すべきではないというのが私の意見です。
先般十一月十五日、本年の七月の参議院選挙に対する一票の較差による無効訴訟の判決が出そろったと。結果は皆さん御存じのとおり、十六の高裁、高裁支部のうち、合憲が七、違憲状態が八、違憲が一。仙台高裁では合区となってから初の違憲判決が出たと。このように、合憲、違憲の判断が真っ二つに分かれている状況の中で、来年秋には最高裁判決が出る予定であると。まずはこの判決を静かに見守るべきだ、私たちはそう考えます。
この判決が出るまでは、立法府たる国会においては高裁、高裁支部の判決の是非を論ずるような議論は避けるべきだと。なぜならば、古くから司法権の独立をめぐって立法府と司法府には緊張関係があるからです。
例えば、法学の教科書に出てくる浦和充子事件があります。昭和二十三年、裁判所の判決に対して参議院法務委員会が量刑が軽過ぎるとして国政調査権を発動。これを問題視した最高裁が、憲法に規定された調査の範囲を逸脱するとして警告を発するという事件がありました。この事件は、もちろん国政調査権の在り方についての論争ではあるんですけれども、立法府からの司法権の独立、そういった観点では同じものだと思います。
先日の幹事懇の場で、与党側から、高裁の判決に憲法審査会での議論が影響したという趣旨の発言がありました。立法府における議論によって司法の判断が分かれるという結果、若しくはその可能性があることに関しては、立法府からの司法権の独立という観点からは望ましいものではないと考えます。したがって、来年秋の最高裁判決が出るまでは、立法府において、一票の較差問題が憲法に関わる問題であるか否かなどに関しては議論を控えるべきだと考えます。
数々の憲法違反が疑われる行政への指摘や解決に向けての議論こそ、今、本審査会で最優先する課題ではないでしょうか。
憲法四十七条には、選挙区、投票の方法そのほか両議院の議員の選挙に関する事項は法律でこれを定めるとされています。まずは法律で解決することが筋であると。物事の順序を飛び越えた議論の進め方は戒める必要がある。一票の較差をどのように是正すべきかについては、憲法四十七条が規定するように選挙制度の問題であって、まずは今述べたような参議院改革協議会、ほかにも、各院における政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会においてその方向性を議論すべきであると申し上げます。
今国会では、いわゆる十増十減の法改正行われました。私たちは、いたずらに地方の議席を減らすことには反対の立場です。先日の意見表明でも、OECD諸国で比較すると、人口百万人当たりの議員定数で日本は極めて少ない実態があるとお伝えしました。定数を減らすのではなく増やす、増やす改革が求められていることは言うまでもありません。その中において、過疎地の定数も増やしつつ、都市部も定数を増やすことにより、一票の較差の拡大を防ぐことが必要です。
国会議員は全国民の代表とはいえ、地方の衰退、過疎地域の疲弊を食い止める危機感をより強く持っているのは、日頃の活動からその地域の人々の声を聞き、熟知する、その課題を抱えた地域から選ばれた衆参の国会議員ではないでしょうか。その数を減らす調整を較差の是正と呼ぶなら悲劇でしかありません。
この先、一票の較差問題を憲法審査会で議論するというのは時期早尚に思います。現在、複数行われている議論の場にそれを委ね、見守りつつ、本審査会は二十五年以上の不況の中で、コロナ災害、そこに加えて物価高という現状で、生存権、幸福追求権をもないがしろにされている人々、事業者の改善に向けて徹底的に議論する。国民の負託を受け、熟議の府にいる私たち憲法審査会こそがやれる大仕事ではないでしょうか。
終わります。
この発言だけを見る →一票の較差問題については、今憲法審査会で議論すべきではないというのが私の意見です。
先般十一月十五日、本年の七月の参議院選挙に対する一票の較差による無効訴訟の判決が出そろったと。結果は皆さん御存じのとおり、十六の高裁、高裁支部のうち、合憲が七、違憲状態が八、違憲が一。仙台高裁では合区となってから初の違憲判決が出たと。このように、合憲、違憲の判断が真っ二つに分かれている状況の中で、来年秋には最高裁判決が出る予定であると。まずはこの判決を静かに見守るべきだ、私たちはそう考えます。
この判決が出るまでは、立法府たる国会においては高裁、高裁支部の判決の是非を論ずるような議論は避けるべきだと。なぜならば、古くから司法権の独立をめぐって立法府と司法府には緊張関係があるからです。
例えば、法学の教科書に出てくる浦和充子事件があります。昭和二十三年、裁判所の判決に対して参議院法務委員会が量刑が軽過ぎるとして国政調査権を発動。これを問題視した最高裁が、憲法に規定された調査の範囲を逸脱するとして警告を発するという事件がありました。この事件は、もちろん国政調査権の在り方についての論争ではあるんですけれども、立法府からの司法権の独立、そういった観点では同じものだと思います。
先日の幹事懇の場で、与党側から、高裁の判決に憲法審査会での議論が影響したという趣旨の発言がありました。立法府における議論によって司法の判断が分かれるという結果、若しくはその可能性があることに関しては、立法府からの司法権の独立という観点からは望ましいものではないと考えます。したがって、来年秋の最高裁判決が出るまでは、立法府において、一票の較差問題が憲法に関わる問題であるか否かなどに関しては議論を控えるべきだと考えます。
数々の憲法違反が疑われる行政への指摘や解決に向けての議論こそ、今、本審査会で最優先する課題ではないでしょうか。
憲法四十七条には、選挙区、投票の方法そのほか両議院の議員の選挙に関する事項は法律でこれを定めるとされています。まずは法律で解決することが筋であると。物事の順序を飛び越えた議論の進め方は戒める必要がある。一票の較差をどのように是正すべきかについては、憲法四十七条が規定するように選挙制度の問題であって、まずは今述べたような参議院改革協議会、ほかにも、各院における政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会においてその方向性を議論すべきであると申し上げます。
今国会では、いわゆる十増十減の法改正行われました。私たちは、いたずらに地方の議席を減らすことには反対の立場です。先日の意見表明でも、OECD諸国で比較すると、人口百万人当たりの議員定数で日本は極めて少ない実態があるとお伝えしました。定数を減らすのではなく増やす、増やす改革が求められていることは言うまでもありません。その中において、過疎地の定数も増やしつつ、都市部も定数を増やすことにより、一票の較差の拡大を防ぐことが必要です。
国会議員は全国民の代表とはいえ、地方の衰退、過疎地域の疲弊を食い止める危機感をより強く持っているのは、日頃の活動からその地域の人々の声を聞き、熟知する、その課題を抱えた地域から選ばれた衆参の国会議員ではないでしょうか。その数を減らす調整を較差の是正と呼ぶなら悲劇でしかありません。
この先、一票の較差問題を憲法審査会で議論するというのは時期早尚に思います。現在、複数行われている議論の場にそれを委ね、見守りつつ、本審査会は二十五年以上の不況の中で、コロナ災害、そこに加えて物価高という現状で、生存権、幸福追求権をもないがしろにされている人々、事業者の改善に向けて徹底的に議論する。国民の負託を受け、熟議の府にいる私たち憲法審査会こそがやれる大仕事ではないでしょうか。
終わります。
中
松
松下新平#29
○松下新平君 自由民主党の松下新平です。
川崎法制局長、そして加賀谷憲法審査会事務局長から御説明をいただきました。そしてまた、各会派から一巡した御意見を踏まえて私の意見を申し述べます。
私は、この憲法審査会の前身である憲法調査会に平成十六年七月から約一年間所属しておりました。本日は、この憲法審査会において一票の較差、合区問題、参議院の在り方についての議論が行われておりますが、当時の憲法調査会においても、二院制と参議院の在り方については小委員会が設けられ、活発に議論がなされておりました。
そして、憲法調査会の最終報告書におきまして、当時の自民、民主、公明、共産、社民の五党で、二院制の堅持、両院の違いの明確化のための、参議院改革の必要性及び選挙制度設計の重要性、また参議院が自らの特性を生かして衆議院とは異なる役割を果たすべきことなどは、おおむね妥当であるとの共通認識が確認されました。
今般、本年七月に行われました参議院通常選挙における一票の較差訴訟の十六件の高裁判決が出され、うち七件が合憲判決でしたが、違憲判決が一件、違憲状態判決が八件と、過半数の判決が現在の公選法による選挙区選挙の一票の較差が違憲状態にあることを指摘し、その具体的な解決が求められております。
私の選挙区のある宮崎県の人口は、平成八年をピークに減少傾向にあり、今回の選挙での一票の定数較差は、議員一人当たりの有権者数が最少である福井県から八番目の一・四一五でした。また、選挙当日の投票率は、今回の選挙では四七・五二%と、前回、令和元年選挙の四一・七九%からは改善しましたが、全国平均には至っておらず、今後も国政に対する有権者の意識の向上が継続するよう配慮が必要とも思います。
一方、今日、世界規模での食料、資源の争奪戦がますます厳しく繰り広げられつつある中、地方は農業、酪農、畜産、林業、漁業などの一次産業の主要な担い手であり、日本の国力を支える重要な基盤でありますが、このまま手をこまねいていれば、地方の過疎化、人口減少が一層進み、また新たな合区も行われかねず、そのようなことがあってはなりません。
我が国の政治には、今こそ一層の地方活性化策と合区解消に向けた憲法改正が、地域の民意が適切に反映される参議院の在り方の再構築とともに求められているのではないでしょうか。
私は、自民党が推進する改革、改憲案がその解決策であると確信しております。議員各位とともに、その一日も早い実現が達成されますことを願い、私の意見といたします。
この発言だけを見る →川崎法制局長、そして加賀谷憲法審査会事務局長から御説明をいただきました。そしてまた、各会派から一巡した御意見を踏まえて私の意見を申し述べます。
私は、この憲法審査会の前身である憲法調査会に平成十六年七月から約一年間所属しておりました。本日は、この憲法審査会において一票の較差、合区問題、参議院の在り方についての議論が行われておりますが、当時の憲法調査会においても、二院制と参議院の在り方については小委員会が設けられ、活発に議論がなされておりました。
そして、憲法調査会の最終報告書におきまして、当時の自民、民主、公明、共産、社民の五党で、二院制の堅持、両院の違いの明確化のための、参議院改革の必要性及び選挙制度設計の重要性、また参議院が自らの特性を生かして衆議院とは異なる役割を果たすべきことなどは、おおむね妥当であるとの共通認識が確認されました。
今般、本年七月に行われました参議院通常選挙における一票の較差訴訟の十六件の高裁判決が出され、うち七件が合憲判決でしたが、違憲判決が一件、違憲状態判決が八件と、過半数の判決が現在の公選法による選挙区選挙の一票の較差が違憲状態にあることを指摘し、その具体的な解決が求められております。
私の選挙区のある宮崎県の人口は、平成八年をピークに減少傾向にあり、今回の選挙での一票の定数較差は、議員一人当たりの有権者数が最少である福井県から八番目の一・四一五でした。また、選挙当日の投票率は、今回の選挙では四七・五二%と、前回、令和元年選挙の四一・七九%からは改善しましたが、全国平均には至っておらず、今後も国政に対する有権者の意識の向上が継続するよう配慮が必要とも思います。
一方、今日、世界規模での食料、資源の争奪戦がますます厳しく繰り広げられつつある中、地方は農業、酪農、畜産、林業、漁業などの一次産業の主要な担い手であり、日本の国力を支える重要な基盤でありますが、このまま手をこまねいていれば、地方の過疎化、人口減少が一層進み、また新たな合区も行われかねず、そのようなことがあってはなりません。
我が国の政治には、今こそ一層の地方活性化策と合区解消に向けた憲法改正が、地域の民意が適切に反映される参議院の在り方の再構築とともに求められているのではないでしょうか。
私は、自民党が推進する改革、改憲案がその解決策であると確信しております。議員各位とともに、その一日も早い実現が達成されますことを願い、私の意見といたします。