黒田東彦の発言 (財政金融委員会)
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○参考人(黒田東彦君) 二%としている理由を改めて申し上げますと、ただいま委員が御指摘されたように、消費者物価指数に一定の上方バイアスがあるとか、あるいは景気が悪化した場合の金融政策の対応力を確保しておく必要があるといったことを考慮したものであるというふうに考えておりまして、海外の主要な中央銀行もほとんど全て、先進国の中央銀行はほとんど全て消費者物価上昇率を二%という目標として政策を運営しているということであります。
我が国の場合に、九〇年代後半以降、潜在成長率や自然利子率が趨勢的に低下する下で予想物価上昇率も低下してまいりました。その結果、委員御指摘のとおり、短期金利がゼロ金利制約に直面して、実質金利を十分引き下げ、景気あるいは物価を刺激するということが難しくなった下で、景気の低迷とデフレが長期にわたって続くことになったわけでございます。
これも御指摘されたように、ゼロ金利制約に直面した下でも様々な工夫を通じて金融緩和を進めてきたことは事実でありますが、我が国では自然利子率や予想物価上昇率が低いことを踏まえますと、やはり二度とデフレに戻らないようにするためには、短期の政策金利の引下げ余地も含めて、やはり金融政策の対応力は十分確保しておくことが望ましいというふうに考えております。
その上で、九年半にわたって金融緩和を続けてまいりましたけども、経済全体としてはかなり好転し、デフレでない状況になりましたけども、物価上昇率はずっと一%弱ぐらいで続いてきて、このところ二%を上回って三%になっているわけですが、ほとんど輸入物価の上昇を背景とした価格転嫁によるものであって、先ほど申し上げたように、来年度以降はまた二%以下の物価上昇率に戻っていくという状況の中で、やはり二%の物価目標、グローバルスタンダードだからというだけではなくて、やはりそこに一定の合理性があるということでやってきたわけですが、今後ともこの二%の物価安定目標というものは維持する必要があるのではないかというふうに考えております。