黒田東彦の発言 (財政金融委員会)

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○参考人(黒田東彦君) 最近のこの円安の進行が急速かつ一方的なものであって望ましくないというふうに考えておりまして、日本銀行としては、政府とも緊密に連携しつつ、金融・為替市場の動向や、その我が国経済、物価への影響を十分注視していく方針でございます。
 その上で、金融政策は、こうした為替相場の影響も含めた全体としての経済・物価情勢の評価に基づいて行っておりまして、先ほど来申し上げているとおり、実は我が国経済はコロナ禍からの回復途上にありまして、欧米は既にコロナ前のGDPを回復しているわけですけども、我が国経済はまだそれに近づいてきているという状況であります。さらに、海外の経済・物価動向、あるいはウクライナ情勢、内外の感染症の影響など、我が国経済をめぐる不確実性は極めて大きいわけであります。
 その中で、物価、消費者物価の先行きについては、来年度以降は二%を下回る水準まで低下していくというふうに考えておりますので、こうした状況を踏まえると、先ほど来申し上げているように、経済をしっかりと支えて、賃金の上昇を伴う形で物価安定の目標を持続的、安定的に実現するために金融緩和を継続することが適当であるというふうに考えております。
 なお、過去、量的・質的金融緩和を拡大してきた中で経済状況は相当改善したんですが、まあ賃金、物価は一%未満の上昇にとどまっていたわけですが、その間、雇用が四百万とも五百万とも言われるぐらい拡大しておりまして、それが成長を支える一方で、賃金、物価の上昇率を一%以下にとどめた一つの要因だと思いますが、現時点では女性の就業率は実はもうアメリカを上回っていまして、これ以上の女性の就業率の高騰、上昇というのはなかなか難しくなっております。
 それから、高齢者の雇用というのも、ベビーブーマーが後期高齢者のときに近づきつつありまして、現在、GDPは先ほど申し上げたとおりコロナ前にちょうど近づいて、まだ上回っていないんですけども、労働市場は極めてタイトになっていまして、そういう意味では、賃金上昇を伴って物価上昇が安定的、持続的に達成される環境は整いつつあるということは言えると思いますが、ただ、先ほど来申し上げているように、いろいろな不確実性がありますので、それらをよく注視して、適切な金融政策を運営してまいりたいというふうに考えております。

発言情報

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発言者: 黒田東彦

speaker_id: 19167

日付: 2022-11-10

院: 参議院

会議名: 財政金融委員会