黒田東彦の発言 (財政金融委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○参考人(黒田東彦君) 先ほど来申し上げておりますとおり、賃金の上昇を伴う形で消費者物価の上昇率が二%程度を安定的、持続的に維持するということが見通せる状況になりましたら、当然、出口戦略を具体的に議論して、さらにそれを、市場とのコミュニケーションもしていくということになると思います。
具体的なそのやり方について今申し上げるのは時期尚早ではありますけれども、基本的に二つの点、つまり政策金利が、政策金利残高に、今マイナス〇・一%の金利になっておりますけども、この政策金利をどのようなペースで引き上げていくかということは、一つの大きな出口戦略の重要な要素になると思います。
もう一つは、拡大したバランスシートをどのように調整していくかということになると思います。現在の欧米の中央銀行の状況を見ておりますと、まずはその政策金利、短期金利をどんどん引き上げていくということをやっておりまして、増加したバランスシートを減らすということまで具体的に検討しているのは、実際に行いつつあるのはイングランド銀行だけでして、FEDもECBも、拡大したバランスシートをまだ、いきなり減少させる、あるいは特に売却するとか、そういうことはしておりませんで、そちらの方はもう少し緩やかにやっていくと。
イングランド銀行は、御承知のようにインフレ率が既に一一%に達して、一三%程度になる可能性があるというふうに言われておりまして、欧米の中でインフレが一番激しいわけですので、短期金利をかなり前から急速に引き上げております。そうした下で、購入した国債の残高を減らすべく、売却を既に、先週ぐらいからだと思います、始めておりまして、そういう意味では出口の形としては最も先行した形でやっておりますが、欧米の中央銀行の状況を見ますと、やはり政策金利の調整と増大したバランスシートの調整というものが出口戦略で最も重要であり、それらをどのように組み合わせてどのようなテンポでやっていくかというのは、やはりそのときの日本の経済や物価、金融情勢を勘案して、最適な組合せ、テンポでやっていくということになると思います。
ただ、まだ、先ほど来申し上げておるように、来年度、それから再来年度も物価上昇率は二%以下にとどまる見込みですので、まだ直ちに出口戦略を具体的に議論してお示しするという段階にはないと。ただ、出口の場合に重要な点は、政策金利の引上げのテンポ、それと増大したバランスシートの調整ということになると思います。