黒田東彦の発言 (財政金融委員会)
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○参考人(黒田東彦君) 御指摘のこの共同声明以来実施しております大規模な金融緩和が経済、物価の押し上げ効果を発揮してきたことは確かでありまして、物価が持続的に下落するという意味でのデフレではなくなりました。
日本銀行でも、昨年三月の点検で確認いたしましたとおり、大規模な金融緩和が行われなかった場合と比べますと、この間の実質GDPは平均プラス〇・九から一・三%程度押し上げられ、消費者物価の前年比は平均プラス〇・六から〇・七%程度押し上げられたという試算結果を得ております。同時に、労働市場のタイト化が進む中で、女性や高齢者を中心に雇用者数がはっきりと増加して、実質雇用者報酬も増加いたしました。
ただ、現在の物価上昇は三%に達しておりますけれども、コストプッシュが主因でありまして、年明け以降はこうした要因の押し上げ寄与が減衰することで物価上昇率のプラス幅が縮小していくために、来年度以降の、年度ベースで見ますと、物価上昇率は二%を下回る水準まで低下していくというふうに見込まれます。
日本銀行としては、現在の金融緩和を継続して我が国経済をしっかりと支えることで、何といっても企業が賃上げをできる環境を整えるということが最も重要であるというふうに認識しております。そうした下で、時間は掛かっても賃金の上昇を伴う形で二%の物価安定の目標を持続的、安定的に達成する必要があると考えておりまして、それは時間が掛かるとしても可能であるというふうに考えております。