財政金融委員会

2022-11-17 参議院 全125発言

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会議録情報#0
令和四年十一月十七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十日
    辞任         補欠選任
     星  北斗君     野上浩太郎君
 十一月十一日
    辞任         補欠選任
     古賀 千景君     勝部 賢志君
 十一月十四日
    辞任         補欠選任
     横山 信一君     山口那津男君
 十一月十五日
    辞任         補欠選任
     柴  愼一君     斎藤 嘉隆君
     山口那津男君     横山 信一君
 十一月十六日
    辞任         補欠選任
     野上浩太郎君     赤松  健君
     斎藤 嘉隆君     柴  愼一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         酒井 庸行君
    理 事
                浅尾慶一郎君
                大家 敏志君
                西田 昌司君
                横沢 高徳君
                上田  勇君
    委 員
                赤松  健君
                佐藤 信秋君
                馬場 成志君
                藤川 政人君
                古川 俊治君
                宮沢 洋一君
                宮本 周司君
                勝部 賢志君
                柴  愼一君
                秋野 公造君
                横山 信一君
                浅田  均君
                梅村  聡君
                大塚 耕平君
                小池  晃君
                安達  澄君
                神谷 宗幣君
                堂込麻紀子君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        鈴木 俊一君
   副大臣
       内閣府副大臣   藤丸  敏君
       財務副大臣    秋野 公造君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        鈴木 英敬君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小松 康志君
   政府参考人
       内閣官房新しい
       資本主義実現本
       部事務局次長   三浦 章豪君
       金融庁総合政策
       局長       栗田 照久君
       金融庁総合政策
       局審議官     堀本 善雄君
       金融庁企画市場
       局長       井藤 英樹君
       金融庁監督局長  伊藤  豊君
       財務省主計局次
       長        中村 英正君
       財務省主税局長  住澤  整君
       国税庁次長    星屋 和彦君
       経済産業省大臣
       官房審議官    蓮井 智哉君
   参考人
       日本銀行総裁   黒田 東彦君
       日本銀行理事   内田 眞一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (金融機能の再生のための緊急措置に関する法
 律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理の
 ために講じた措置の内容等に関する報告に関す
 る件)
 (政府と日本銀行の政策連携に関する件)
 (賃金の引上げに向けた対応に関する件)
 (事業成長担保権の創設に関する件)
 (消費税の使途に関する件)
 (金融緩和の出口戦略に関する件)
 (金融所得課税に関する件)
 (相続税の見直しに関する件)
 (銀行の業務運営と金融庁の役割に関する件)
 (消費税の軽減税率制度に関する件)
    ─────────────
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酒井庸行#1
○委員長(酒井庸行君) ただいまから財政金融委員会を開会をいたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 昨日までに、星北斗君及び古賀千景君が委員を辞任され、その補欠として勝部賢志君及び赤松健君が選任をされました。
    ─────────────
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酒井庸行#2
○委員長(酒井庸行君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房新しい資本主義実現本部事務局次長三浦章豪君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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酒井庸行#3
○委員長(酒井庸行君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────
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酒井庸行#4
○委員長(酒井庸行君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁黒田東彦君及び同理事内田眞一君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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酒井庸行#5
○委員長(酒井庸行君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────
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酒井庸行#6
○委員長(酒井庸行君) 財政及び金融等に関する調査を議題といたします。
 まず、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件について、政府から説明を聴取いたします。鈴木内閣府特命担当大臣。
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鈴木俊一#7
○国務大臣(鈴木俊一君) おはようございます。
 令和三年十二月十七日に、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出いたしました。
 報告対象期間は、令和三年四月一日以降令和三年九月三十日までとなっております。
 御審議に先立ちまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、今回の報告対象期間中に、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は行われておりません。
 次に、預金保険機構による資金援助のうち、救済金融機関等に対する金銭の贈与は、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で十九兆三百十九億円となっております。
 また、預金保険機構による破綻金融機関等からの資産の買取りは、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で六兆五千百九十二億円となっております。
 なお、預金保険機構の政府保証付借入れ等の残高は、令和三年九月三十日現在、各勘定合計で一兆九千二百三十億円となっております。
 ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講じることに努めてきたところであります。
 金融庁といたしましては、今後とも、各金融機関の健全性にも配慮しつつ、金融システムの安定確保に向けて、万全を期してまいる所存でございます。
 御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
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酒井庸行#8
○委員長(酒井庸行君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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浅尾慶一郎#9
○浅尾慶一郎君 おはようございます。自由民主党の浅尾慶一郎です。
 今御報告がありましたFRCの、いわゆるFRC報告については、この間の大幅な金融緩和によって金融機関の破綻がないということでございますので、最後に過去の破綻処理について時間があれば聞かしていただきたいと思いますが、今日は主にこの政府と日本銀行との共同声明、いわゆるアコードに基づいて、この十年間にわたっていわゆる異次元の緩和を行ってこられました。今日は黒田総裁にもお出ましをいただきまして、この異次元の金融緩和、そしてこのアコードに基づいて実際にどういうふうになっているのかということについていろいろと伺っていきたい、そしてまたいろいろと御教示いただければ幸いに存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 申すまでもありませんけれども、一応アコードの内容について簡単に申し上げておきますと、この中身としては、日本銀行としては、金融政策をしっかりと行うことによって安定的に二%の物価目標を達成しようということでございます。その一方で、政府は、政府の責務の中で様々な、例えば革新的研究開発への集中投入とかイノベーション基盤の強化、大胆な規制・制度改革、あるいは税制の活用などといったようなことによって経済の構造を変えて、そしてお金が回っていくような仕組みをつくっていく、このことがこの政府と日銀との間のアコードの中身であります。そして、そのことの検証を経済財政諮問会議において行っていくというのがお手元に配付をさせていただいた共同声明の中身でありますけれども、まず、日銀の中において、この特に賃金が上昇し、安定的に物価が二%に上昇していく状況をつくっていくことにどういったことが必要なのかということについて、黒田総裁の方からもしお答えいただければ幸いに存じます。
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黒田東彦#10
○参考人(黒田東彦君) 御指摘のこの共同声明以来実施しております大規模な金融緩和が経済、物価の押し上げ効果を発揮してきたことは確かでありまして、物価が持続的に下落するという意味でのデフレではなくなりました。
 日本銀行でも、昨年三月の点検で確認いたしましたとおり、大規模な金融緩和が行われなかった場合と比べますと、この間の実質GDPは平均プラス〇・九から一・三%程度押し上げられ、消費者物価の前年比は平均プラス〇・六から〇・七%程度押し上げられたという試算結果を得ております。同時に、労働市場のタイト化が進む中で、女性や高齢者を中心に雇用者数がはっきりと増加して、実質雇用者報酬も増加いたしました。
 ただ、現在の物価上昇は三%に達しておりますけれども、コストプッシュが主因でありまして、年明け以降はこうした要因の押し上げ寄与が減衰することで物価上昇率のプラス幅が縮小していくために、来年度以降の、年度ベースで見ますと、物価上昇率は二%を下回る水準まで低下していくというふうに見込まれます。
 日本銀行としては、現在の金融緩和を継続して我が国経済をしっかりと支えることで、何といっても企業が賃上げをできる環境を整えるということが最も重要であるというふうに認識しております。そうした下で、時間は掛かっても賃金の上昇を伴う形で二%の物価安定の目標を持続的、安定的に達成する必要があると考えておりまして、それは時間が掛かるとしても可能であるというふうに考えております。
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浅尾慶一郎#11
○浅尾慶一郎君 私は、今、黒田総裁言われたとおりだと思っておりまして、基本的にこの間、日本銀行が行ってきた金融政策は一定程度の効果を出してきたんだろうというふうに考えております。
 一方で、この例えば日銀のバランスシートを見てみますと、十年前と比べると約、そうですね、六倍ぐらいになっているんですかね、バランスシートの大きさは六倍になっていると。これ、一般の人が想像されるのとは違って、いわゆるお札、お札というものは、旧券以外で七十兆円だったのが今百十四兆円になっていますと。ところが、当座預金、十年前が、二〇一二年の三月末で三十四兆円だったのが今四百九十三兆円になっていると。ですから、預金が相当増えていると。要は、日銀がお金を出したものが結果として銀行から日銀に戻ってきているということであります。
 同時に、その銀行券の方も、多分ほかの国の経済と比べると、いわゆるお金の回転率というんですかね、百十四兆円の現在の日銀券、実はその古いやつ、まあ古いやつと言うとちょっと、古いお札ですね、お札が、今でいうと六兆六千億円、聖徳太子とかまだ戻ってきてないと。戻ってきてないというか、この古いお札は使うと、仮に銀行に行けば裁断されるのでなくなるはずなんですが、使われていないでどこかにあるということでありまして、私は、基本はこのお金が回っていないということが一番の問題でありまして、日銀はやれることをやっているんだけどお金が回っていない、ここを変えない限りは、安定的に、特に人件費が上がっていくような形の物価安定目標の二%は達成できないんではないかなというふうに思っております。
 この政府と日銀とのアコードを見ますと、第三項に、例えば、政府は我が国経済の再生のため、いろんなことが書いてありますが、イノベーション基盤の強化、これは大変重要なことでありまして、このことについては、私は、日本発の人工光合成をやって新たな技術を日本の中で生み出していこうと、これはかねて主張していますが、こういったことをやっていったらいいと思いますが、同時に、多分、すぐ効くものは何かというと、規制・制度改革の中で、特に労働市場の改革なんではないかなというふうに考えています。
 今、労働市場、実はかなり逼迫をしておりまして、逆転現象と言ってもいいようなことが起きているんではないかと。具体的に言うと、非正規の方の給与の上昇率の方が長い期間にわたって正規の方よりも上がっていると。それから、正規の仕事であっても、ジョブ型と定義されているようなそういった仕事、例えばITの仕事なんかは割とその仕事の内容が定義されていてジョブ型になっておりますが、こういったものの上昇率が高いわけでありまして、いわゆる正規の中で、メンバーシップ型、終身雇用を前提とした大企業の雇用のところの賃金がなかなか上がってきていないということでありまして、この労働市場の改革、かなりドラスティックなことをやる場合には、いわゆる金銭解雇を中心としたようなことを認めていく、あるいは、例えば年間の給与の何倍、まあ例えば二倍ぐらいを払ったら労働が流動化していくというようなことをすると全体が市場的になっていくんじゃないかなというふうに思っておりまして、これは日本銀行の仕事ではなくてむしろ政府の方の仕事ということになりますが、こうしたことを政府の中で是非やっていっていただけたらいいのかなというふうに思います。
 もう一つ、これは是非、今日は鈴木財務大臣に、お越しでいらっしゃるんで、是非御検討いただきたいことがあるんですが、実は、日本の場合はこの労働市場の中で国がお金を払っているところで働いている方の割合が多分比較的大きいんではないかなというふうに思います。これは公務員の数が多いということを言っているわけではありません。国のお金で働いている人の割合が多い。
 具体的に言うと、医療、介護の世界、これは全て診療報酬でもって賄われておりますけれども、この診療報酬は国が点数を決めていると。今、介護の世界でいうと、なかなか人が集まらないので特別養護老人ホームでも廃業をしようというところも出てきているということも聞いておりますけれども、例えば思い切ってこの介護の人にその人件費を増やしていく。これは財政の支出ということ、特別会計からの支出という形になるかもしれませんが、ということにもなってくるかもしれませんが、そういったことを考える余地はないのか。
 あるいはまた、今防衛費を増やしていこうということになりますが、例えば十八歳の人口を考えますと、十八歳で大体八十万人ぐらいということなんではないかというふうに思いますけれども、この防衛予算を倍にするときに、今の防衛予算の構成を見ますと半分弱が人件費ですが、じゃ、八十万人の中で、今でさえ定員の充足率が足りないところでそれを少しでも増やそうと思ったらどうやっていったらいいか。それは任期付自衛官の処遇をかなり大幅に改善していくということが必要なんではないか。
 こういった、かなりドラスティックな政策ではありますけれども、思い切ったことをすることによって、言わば人件費型のクラウディングアウト、クラウディングアウトというのは民間の投資需要を国が借金をすることによって取り上げてしまうということでありますが、逆に国の方で高い人件費を払うことによって今の労働市場を改革していくということも、先ほど申し上げました労働市場の改革と併せてやれることなんではないかというふうに思いますが、できる範囲で、思い切って踏み込んだ御答弁を是非鈴木大臣にお願いしたいと思います。
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鈴木俊一#12
○国務大臣(鈴木俊一君) 人件費、賃上げについての御意見を伺ったところでございますが、賃上げは、成長と分配の好循環により持続的な経済成長を実現するために不可欠な取組であると認識をいたしております。
 政府としては、成長分野における大胆な投資の促進によりまして生産性と賃金の高い産業、企業を創出するとともに、こうした成長分野への円滑な労働移動を人への投資の強化と一体的に進めることで構造的な賃上げを実現してまいりたいと考えております。
 その上で、成長分野における大胆な投資の促進により生産性と賃金の高い産業、企業を創出する観点からは、令和四年度予算におきまして科学技術振興予算を過去最高の一兆三千七百八十八億円とするとともに、今回の経済対策におきましても、量子、AI等の研究基盤等の整備など成長分野における大胆な投資を促進することとしているところでございます。
 あわせまして、成長分野への円滑な労働移動を人への投資の強化と一体的に進めるために、人への投資の施策パッケージを五年で一兆円へと抜本的に拡大するとともに、成長分野への大学、高専の学部再編成等を促進するなどの措置を今回の経済対策に盛り込んでいるところであります。
 税制面でも、令和四年度税制改正において賃上げ税制を抜本的に拡充するなどの取組を行ってきたところでありまして、政府といたしましては、これらの政策を総動員いたしまして構造的な賃上げを実現してまいりたいと、そのように考えているところであります。
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浅尾慶一郎#13
○浅尾慶一郎君 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、今のいわゆる労働市場を見ますと、非正規の方の方が正規よりも賃上げ率が高い。具体的に言うと、例えば観光バス、まあしばらくコロナでなかなか大変だった状況でありますが少しずつ戻ってきている、そこで観光バスのドライバーが足りない、それで非正規の人を雇うと正社員よりも高い給料がもらえると。これは、そちらの方が完全に市場型になっているので高い給与になっているということでありまして、例えばこの、まあこれは財務大臣の所管ではありませんけど、労働市場をもう少し市場を反映させるような形にしていくといいんではないかというふうに思います。
 あわせて、先ほど申し上げましたように、この労働市場は、でない理由として、国がお金を出している例えば介護、介護の職種もこれは人が足りないんです。足りないんですが、原資が出てこないから人を雇えないと。ここを変えていただかないと、多分その持続的にお金が上がっていく仕組みというのはつくれないんじゃないかなというふうに思いますので、是非財務大臣は、その要求するのは別の役所だと思いますけれども、そういう要求が来たときにはそうした要求をしっかりと、まあ財政のこと考えなきゃいけないというのはあると思いますが、削らないで出していただくと、結果、賃金も上がっていく形になるんではないかなというふうに思いますので、是非そういったこともお願いしていきたいと思います。
 あわせて、財務大臣の所掌の中でできることだと思いますけれども、例えば今会社の中にいらっしゃる方の教育訓練、これは黒田総裁も、たしか経団連の演説の中でおっしゃっておりましたけれども、そのいろんな教育訓練、まあリスキリングというか、そういった形を会社がやっていくことの重要性を訴えておられましたけれども、そうしたことを例えば会社がやったら、いわゆる税制上の恩典を与えるということも考えていただけないか。これは他国の例で恐縮ですが、シンガポールは教育訓練をした場合に四倍償却をして、使った費用の四倍を費用として認めるということであります。シンガポールの税率が、多分法人税二〇%ですから、まあ日本でいえば税額控除をするということと同じで、短期的にその技能を高めた人にはその分の税額控除をするといった大胆なことをすることによってお金が動くような仕組みもつくっていただけたら有り難いなと思いますが、是非もう少し踏み込んだお答えをいただけると有り難いんで、よろしくお願いします。
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鈴木俊一#14
○国務大臣(鈴木俊一君) これまでも、先ほども申し上げましたが、令和四年度の税制改正で賃上げ税制の大幅拡充をいたしました。そして、先生御指摘の公的価格、あるいは介護報酬、診療報酬による、方々に対するですね、公的価格による賃金の引上げ、一応三%相当額を目標に措置もさせていただいたところでございます。
 このほかにもいろいろ示唆に富むお話もいただいたところでありまして、今後の経済対策、内閣府でつくっていくわけでありますけれども、一つの参考としてお伺いをさせていただきたいと思っております。
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浅尾慶一郎#15
○浅尾慶一郎君 政府と日銀とのこの共同声明は、第四項で、経済財政諮問会議は、金融政策を含むマクロ経済政策運営の状況、その下での物価安定目標に照らした物価の現状と今後の見通し、雇用情勢を含む経済財政状況、経済構造改革の取組の状況などについて、定期的に検証を行うものとするというふうになっております。
 来年の三月で、前回のこの委員会で大塚委員からの質問で、黒田総裁としては任期を全うするようなことをおっしゃっておられましたけれども、任期を全うするにしても是非、日本銀行の所掌は金融政策だけれども、その財政諮問会議等いろんな場を使って、日銀ができること、そして政府がやれること、それぞれが、お互いが遠慮なく、自分の庭先じゃないけれども発言ができるような、そんな環境をまずつくっていただきたいと思いますし、まず財務大臣に、そういった環境ができた、つくっていただけるように、これは政府としてお願いしたいと思いますが、一言お伺いさせていただきたいと思います。
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鈴木俊一#16
○国務大臣(鈴木俊一君) 御指摘のこの共同声明、四にございますこの経済財政諮問会議でありますけれども、そこでは、政府、それから日銀がそれぞれの取組状況を報告をしまして、幅広い観点から議論を行っているところでございます。
 その上で、金融政策の具体的な手法は、日銀の独立性を尊重をし、日銀に委ねられるべきと、そのように考えますけれども、政府としては、引き続き、現在の政府、日銀の共同声明に沿って、政府、日銀が一体となって物価安定の下での持続的な経済成長の実現に向けて取り組んでいくことが必要であると、そういうふうに考えております。
 会議の在り方につきましては、財務大臣としての立場で何か申し上げるということは控えますけれども、政府、日銀が率直に意見交換を行うと、これは重要なことであると、御指摘のとおりだと、そういうふうに思います。しっかりと連携をしてまいりたいと考えます。
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浅尾慶一郎#17
○浅尾慶一郎君 黒田日銀総裁には是非、自分の、金融政策のところはもちろんでありますけれども、それ以外のところについて、こういうところをもう少しやっていただけたらお金がもっと回るような仕組みになるんだということを様々な機会を使って政府にも発言をしていただきたい、これ表で言わなくても結構でありますけれども、是非そうしていただきたいと思いますが、その点について所見を伺って、質問を終わりたいと思います。
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黒田東彦#18
○参考人(黒田東彦君) 共同声明では、御案内のとおり、政府は、日本経済の競争力と成長力の強化に向けた取組を具体化し、これを強力に推進するというふうに記述されております。この点では、政府が推進してきました働き方改革などによりまして女性や高齢者の労働参加が大幅に進んだと、四百万人とも五百万人とも言われるぐらいの就業者の増加があったわけですが、人口減少社会における潜在成長力の下支えに寄与してきたというふうに考えております。
 ただ、今や女性や高齢者の労働参加率が既に相応に高い水準にあることを踏まえますと、先行き、一人当たりGDPの持続的な成長を実現するためには、労働生産性の引上げがこれまで以上に重要になってまいります。この点では人的資本投資が重要な鍵を握っていると考えておりまして、現在、政府の成長戦略において、人への投資が重点政策として位置付けられているというふうに承知しております。
 日本銀行としましても、今後とも、経済財政諮問会議その他を通じて、政府としっかり連携しながら適切な政策運営を行ってまいりたいというふうに考えております。
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浅尾慶一郎#19
○浅尾慶一郎君 終わります。
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柴愼一#20
○柴愼一君 おはようございます。立憲民主・社民の柴です、柴愼一です。よろしくお願いいたします。
 議題であるいわゆるFRC報告について重要だというふうに思いますが、私からは、今の日本社会が直面する課題、物価高への対応に当たっての賃上げに向けた対応について申し上げたいというふうに思います。
 アベノミクスで目指してきた二%の物価目標ですが、物価目標、日銀の金融政策では実現しなかったものが現在のコストプッシュ型の物価高騰によって起こっています。そして、賃金が上がらない中での物価高騰は、国民生活を直撃しているということです。来年春の春季生活闘争に向けてどのように賃上げを実現していくのか、そのことについて意見を申し上げ、政府の見解を求めたいと思います。
 国際情勢の不安定化などによる物価高は世界的な傾向です。日本だけが違うのは、各国の賃金が上がっているのに日本だけが上がっていない、賃金が上がらないということ。そしてこれは、賃金上がらないのはここ最近のことではなく、もう二十年以上も続いているんだと。これまではデフレだったので余り大きく問題になっていなかったのかもしれませんが、この臨時国会の冒頭の岸田総理の所信表明演説でも、なぜ日本では長年にわたり大きな賃上げが実現しないのかということを言っていまして、そこにはやっぱり、好循環が機能しないという構造的な問題があるんだというふうにおっしゃっています。
 大臣にお聞きします。なぜ日本では賃上げが進まないのか、政府の認識をお聞かせください。
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鈴木俊一#21
○国務大臣(鈴木俊一君) 柴先生がただいまお触れになりましたとおり、我が国では、一九九〇年代のバブル崩壊以降、低い経済成長と長引くデフレによりまして、企業は投資や賃金を抑制をし、消費者も将来不安などから消費を減らさざるを得ず、結果といたしまして、需要が低迷をする、デフレが加速をする、企業が積極的に賃上げを行う環境が整わないということが続いたと考えております。
 アベノミクスによりまして、デフレではない状況をつくり出しまして、二%程度の賃上げは実現をいたしました。ただ一方で、雇用者全体の一人当たりの賃金は、全体として雇用が増加する中で相対的に賃金水準の低いパートで働く方の比率が上昇したことなどを要因として、デフレではない状況でも賃金が伸び悩んでいると考えているところであります。
 こうした中、長年にわたって大きな賃上げが実現しないという我が国の構造的な課題に対応するために、賃上げが高いスキルの人材を引き付け、企業の生産性を向上させ、それが更なる賃上げを生むという、そういった好循環が機能する状況をつくっていく必要があるんだと考えております。
 政府といたしましては、こうした認識の下、今般の経済対策でも構造的な賃上げの実現に向けた取組を進めることとしているところでございます。
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柴愼一#22
○柴愼一君 ありがとうございます。
 失われた二十年がもう三十年というふうになっていますが、この間、バブルの後遺症、デフレからの脱出に向けて各企業が人をコストとして扱い、働くことの価値をおとしめてきたんだということ、就職氷河期もあり正社員の採用が極端に減ったと、子供の将来の夢が正社員というふうに言われていた年もあったというふうに記憶しています。多様な働き方という名の下に、非正規化、派遣労働の範囲を拡大し、人を安く便利に使ってきたことが日本だけが賃金が上がらない状況をつくってきたと、人件費を削減するのが良い経営者と評価されてきた、そんなこともあるというふうに思います。この状況を政治がつくり出してしまったんではないか。この状況を変え、どうやって好循環を生み出していくのか、そのための政策が求められているというふうに思います。
 岸田総理は、物価高に負けない賃上げを経団連の十倉会長や連合の芳野会長などに要請をしています。労働条件の改善、賃金の引上げは、本来、労使自治、労使交渉で決定するべきものです。官製春闘とも言われ、これは安倍総理の時代から言われ始めたものですが、私自身、組合の役員として春季生活闘争、労使交渉に直接携わってきた者としては大きな疑問を感じていました。
 労働条件改善に向けた労使交渉は、組合員の日々の努力や苦しい生活実態、企業の業績や成長戦略などを踏まえつつ、まさに真剣勝負、ぎりぎりの交渉の場であり、政府からの要請で賃上げが実現するようなものではありません。また、政府からの要請で賃上げをするんであれば、状況が変わって、給料高過ぎるんだと、賃下げしろと言われれば、その要請にも応えなければいけなくなってしまうんじゃないかというふうに思います。政府が行うべきは、労使交渉によって賃金、賃上げが実現できる条件整備、仕組みづくりです。
 そのことを申し上げた上で、政府が求めている賃上げとは具体的にどのような姿を言っているのか、お聞かせいただきたいと思います。
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三浦章豪#23
○政府参考人(三浦章豪君) お答え申し上げます。
 コストプッシュ型の物価上昇が続く中、政府としては、来春の賃金交渉に向けて物価上昇を特に重視すべき要素として掲げ、これに負けない対応を労使に強くお願いしているところでございます。このため、民間企業の賃上げを支援する観点から、価格転嫁対策や中小企業の支援などに万全を期してまいりたいと考えております。
 この際、賃上げ自体は、各企業の状況に応じて、御指摘のとおり、個別に労使が交渉し、合意した上で決定されるものでありますけれども、経団連のようにベースアップを中心とした積極的な賃上げを働きかける動きがあることについては前向きに捉えております。
 さらに、構造的な賃金引上げを進めていくため、労働者に成長性のある産業への転職機会を与える労働移動の円滑化、そのための学び直しであるリスキリング、これらを背景にした構造的賃上げの三つの課題の解決に取り組んでまいります。このため、リスキリングを始めとした人への投資の支援を五年で一兆円に拡充するなど、取組の抜本強化を図ってまいりたいと考えております。
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柴愼一#24
○柴愼一君 賃金の引上げ、賃上げには様々な方法があります。労使も様々工夫しながらやっているということですが、年収ベースを上げるだけなら、一時金、ボーナスの改善でもそれが果たせます。しかし、今実現しなければいけないのは、ベースアップ、基本給の引上げだというふうに思いますが、そのような認識でよいか確認させてください。
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三浦章豪#25
○政府参考人(三浦章豪君) 経団連が言っているように、経団連のように、ベースアップを中心とした積極的な賃金水準の引上げを働きかける動きがあることについては政府としても前向きに捉えているということでございます。
 一方、賃上げ自体は、各企業の状況に応じて個別に労使が交渉し、合意した上で決定されるものであると、また、足下の物価上昇に対して賃金の総額の引上げも重要であるということから、物価上昇を特に重視すべき要素として掲げて、これに負けない対応というのを労使双方に強くお願いをしていると、こういうことでございます。
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柴愼一#26
○柴愼一君 まあ、いろいろ言われて具体的にちょっとよく分からなかったんですが、文脈としては基本給の引上げが必要だというふうに思います。
 労使交渉に携わってきた者としては、経営者は固定的な費用となる基本給の引上げには極めて慎重です。一時金、ボーナスは業績によって増減をしますが、基本給というのは増減するものではなく、今年調子悪いんで基本給下げさせてくれということはなかなかできないという固定的な費用となります。
 バブル崩壊以降では、業績の向上分は一時金で応えるんだということでベースアップがほとんど実現してきませんでした。何とか定期昇給を確保するのが精いっぱい。中小企業では、もう俸給表、定期昇給の制度自体がないところも多いと、そんな状況です。しかし、今実現しなければいけないのは、そのハードルの高い基本給の引上げ、ベースアップの実現です。それを後押しする措置が必要だというふうに思います。
 賃上げに向けた税制措置については、これまでも関係各位の真摯な議論により検討、実施されてきたものと認識しています。令和四年度においても、賃上げ促進税制として、継続雇用者の給与総額を一定以上、一定割合以上増加させた企業に対して、雇用者全体の給与総額の対前年度増加分の最大三〇%を税額控除できる措置が講じられています。
 これらを含め、これまでに実施してきた賃上げ税制の効果についてお聞かせください。
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蓮井智哉#27
○政府参考人(蓮井智哉君) お答え申し上げます。
 御指摘ございました賃上げに係る税制に関する最新の適用実績、これは令和二年度の実績になりますけれども、こちらにおきまして、大企業と中小企業を合わせまして、件数約九万九千件、金額は約一千六百五十億円の適用実績となってございます。
 御指摘のとおり、賃上げは税制のみならず企業収益や雇用情勢等に影響を受けるものでもございまして、税制の効果だけを取り出して経営者の賃上げ判断への影響を被ることですとか、税制の導入による賃上げの効果、こういったものを定量的にお示しすることはなかなか難しい面はございますが、本年七月に連合が公表された第七回春季生活闘争の回答の集計結果、こちらによりますと、三年ぶりに二%を超えた賃上げ率を達成されているということでございまして、税制も寄与している面があると考えております。
 今後更に賃上げ水準のトレンドを上昇させるために、令和四年度税制改正において、御指摘のとおり、抜本強化をした賃上げ税制の活用促進を図るとともに、事業者の生産性向上に向けた取組に関する支援や価格転嫁対策など、取引適正化の強化にも全力で取り組んでまいります。
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柴愼一#28
○柴愼一君 全く効果がなかったとは言っていないんですが、実際にどれだけの賃上げの効果があったのかというのは非常に分かりにくいんだということだと思います。
 そして、賃上げがされている実態があったとしても、昨今の人材確保難もあって、初任給を中心に若年層の賃金引上げが中心となっているんじゃないかと。子育て世代や教育費負担の多い世代への賃金改善が置いていかれているという状況だと思っています。現在の物価高への対応に当たっては、若い人から中高年まで、全体の給与改善が必要だというふうに思います。
 そして、今回実施された令和四年度の実施の制度については、具体的な効果についてはこの三月期、二〇二三年三月期決算に基づいて分かってくるということですが、具体的には、今年の春の春闘交渉で賃上げが実施されているその効果が出てくるものだというふうに思います。是非、個別企業にヒアリングや効果を把握する努力をしていただきたいというふうに思います。
 そして、大企業向けの制度では、マルチステークホルダーへの配慮として、自社のウエブサイトに従業員への還元や取引先への配慮を行うことを宣言していることを適用要件としています。
 宣言内容を公表したことを経産大臣に届ける状況になっていますが、その状況については把握されていますでしょうか、お聞かせください。
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蓮井智哉#29
○政府参考人(蓮井智哉君) 御指摘のマルチステークホルダー方針についてでございますけど、これも、まさに適用年度ですね、令和四年度の事業年度が終わった後、四十五日以内に提出するということになってございまして、今のところまだ具体的にたくさん提出がされている状況ではございません。
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