岸田文雄の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 山口那津男議員の御質問にお答えいたします。
 電力・ガス料金、食料品価格の高騰対策についてお尋ねがありました。
 電気・ガス料金、食料品価格については、家計、企業の負担軽減のため、先月には追加策を取りまとめ、電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金の創設や、特に家計への影響が大きい低所得世帯向けの給付金の創設など、緊急の支援策を講じました。
 これに加え、電力料金の急激な値上がりリスクに対応すべく、家計、企業の電力料金負担の増加を直接的に緩和する、前例のない思い切った対策を講じ、まずは全ての家計、企業が直面する電力高騰対策に全力を挙げます。
 ガスについては、ほとんどが長期契約で調達され比較的調達価格の安定性が高いこと、ガスには電気におけるFIT制度のような賦課金制度がないことなど、諸般の事情を総合的に勘案し、今後の家計、企業の負担の状況を見ながら対応してまいります。
 また、食料品の価格高騰に対しては、輸入小麦、肥料、飼料などの対策を機動的に講じてきており、引き続き価格動向を注視していくとともに、様々な意見も丁寧に伺いながら、農産物や肥料、飼料の国内生産を通じた食料安全保障の確保などに取り組みます。
 価格転嫁対策についてお尋ねがありました。
 原材料等の高騰に伴う負担が下請事業者のみにしわ寄せされることはあってはならず、中小企業における賃上げを実現するためにも、適切な価格転嫁が必要不可欠です。
 これまで、事業者が取引先との共存共栄を目指すパートナーシップ構築宣言の拡大や下請Gメンの倍増に取り組むとともに、毎年九月と三月を価格交渉促進月間として、私自身も動画で価格転嫁に向けた呼びかけを行いました。
 また、転嫁の状況を把握するため、中小企業十五万社へのフォローアップ調査も実施しており、この結果を活用し、価格転嫁対策の効果の検証も進めつつ、更なる価格転嫁対策を実行していきます。
 加えて、価格転嫁対策により実効的なものと、価格転嫁対策をより実効的なものとするため、政府として、取引適正化を進める公正取引委員会等の執行体制を強化してまいります。
 私自身も、機会を捉えて、経済団体代表や大企業の経営者に直接要請するなど、価格転嫁の実現に向けて引き続き先頭に立って取り組んでまいります。
 女性デジタル人材育成プラン及び理系女子の活躍推進についてお尋ねがありました。
 女性デジタル人材の育成は、成長分野への移動を促し、女性の経済的自立を実現する観点から重要です。御党の御提案も踏まえて、本年四月に策定した女性デジタル人材育成プランを着実に実行するため、地域女性活躍推進交付金を拡充してまいります。こうした取組を通じ、地域の女性が置かれた実情に応じた取組を更に後押しし、女性のデジタルスキル向上と就労支援を進めてまいります。
 また、理工農系の女性の皆さんが活躍できる社会を構築していくことが重要です。このため、成長分野への大学等の学部再編等に対する基金を含めた継続的な支援策の検討、大学が民間企業等と連携して理工農系の女子学生の修学や卒業後の活躍機会の確保への支援を行うための大学の体制整備の促進策、女性研究者の活躍促進を目的としたライフイベントと研究活動の両立に向けた大学等の取組の支援策などについて、効果的な対策にしっかりと取り組んでまいります。
 地域、ライフスタイルの脱炭素化を含むGX投資についてお尋ねがありました。
 二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けては、地域の脱炭素化や国民のライフスタイル変革も重要です。政府としては、地域脱炭素移行・再エネ推進交付金も活用して、二〇五〇年を待つことなく前倒しでカーボンニュートラル達成を目指す脱炭素先行地域の創出等に取り組んでいます。二〇二五年までに少なくとも百か所の先行地域を選定するなど、先進的で質の高いモデルの全国展開に取り組んでまいります。
 また、二〇三〇年度削減目標の達成に向けては、家庭部門において約六六%の大幅な削減が必要です。子育て世帯を含め、省エネ性能の高い住宅の新築や住宅の断熱改修等を着実に進め、暮らしにおける脱炭素化にもしっかりと取り組みます。
 年末に向け、GX推進のための今後十年のロードマップを策定し、百五十兆円超のGX投資を実現していくことで経済、社会、産業の大変革につなげてまいります。
 地域のデジタル化についてお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、デジタル技術による地域の課題解決や魅力向上を図る上で、地域の実情に応じた取組が、取組を進められるようにすることは重要です。こうした取組を全力で後押しするため、十月末に取りまとめる総合経済対策において、デジタル田園都市国家構想交付金を創設いたします。
 この交付金では、これまでの交付金から支援内容を拡充し、官民一体で取組を進められるよう、民間事業者の施設整備も支援対象とするなど、柔軟な制度としていきます。
 地方のニーズや御党を含む様々な御意見を踏まえ、各自治体の意欲的な取組を後押しする制度となるよう、必要な予算の確保を含め、しっかりと取り組んでまいります。
 感染症法改正案についてお尋ねがありました。
 本日、次の感染症危機に備えるため、感染症法等の改正案を閣議決定いたしました。
 この法案には、検査・医療提供体制の強化について、地方衛生研究所の体制整備など自治体の責務規定の創設、感染症の発生、蔓延時に備えた病床、人材、検査能力の確保等に関する都道府県と医療機関等の協定の締結やその履行確保措置等を盛り込んでいます。こうした措置により、機動的かつ効果的な緊急事態対応が可能になるものと考えております。
 国内におけるワクチンの開発・生産体制の構築についてお尋ねがありました。
 ワクチンを国内で開発、生産できる体制を確立しておくことは極めて重要と考えており、医療に関わる経済安全保障にもつながるものです。
 新型コロナワクチンに関しては、国内企業に対し、日本医療研究開発機構、AMEDの事業を通じた研究開発支援、厚生労働省によるワクチン生産体制の整備への補助などの支援を行っているところです。
 一方、次の感染症危機を見据えたワクチンの開発、生産については、ワクチン開発・生産体制強化戦略に基づき、AMEDに先進的研究開発戦略センターを設置するとともに、世界トップレベル研究開発拠点の形成の推進、デュアルユースのワクチン製造拠点の整備など、ワクチン開発・生産体制の強化、進めています。
 政府としては、国民の皆様により早く必要な国産ワクチンをお届けできるよう、引き続きしっかりと取り組んでまいります。
 子供政策についてお尋ねがありました。
 こどもまんなか社会を実現するための新たな司令塔として、こども家庭庁を来年四月に創設し、子供政策を強力に推進いたします。
 このこども家庭庁の下で、子供の視点に立って、必要な子供政策が何かをしっかりと議論した上で体系的に取りまとめ、社会全体での費用負担の在り方の検討と併せて、子供政策の充実に取り組んでまいります。
 こども家庭庁の発足を待つことなく、出産育児一時金の大幅な増額を早急に図るとともに、育児休業期における給付の拡充など、親の働き方にかかわらない子供の年齢に応じた切れ目のない支援強化の在り方について検討を指示したところであり、今後、全世代型社会保障構築会議において、年末に向けて議論を進めてまいります。
 送迎用バス内の置き去り事故についてお尋ねがありました。
 今回の大変痛ましい事故を踏まえ、政府として、二度とこうした悲劇を繰り返すことがないよう、対策を徹底する必要があると考えます。
 このため、御指摘の先行事例を参考にしながら、都道府県に対し、指導監督等における留意事項等をお示ししたいと考えています。また、送迎用バスにおけるスモークガラス等の使用については、安全管理マニュアルを策定し、方向性、お示ししたいと思います。さらに、送迎用バスの安全装置の義務化と装備のための支援措置を含むハード、ソフト両面の緊急対策を取りまとめ、速やかに実行してまいります。
 フリーランスが安心して働ける環境の整備についてお尋ねがありました。
 新しい働き方に対応するため、個人がフリーランスとして安定的に働ける環境をつくることは重要であり、しっかり取り組んでまいります。このため、フリーランスの方への相談体制の充実を図るとともに、フリーランスの方が報酬の支払遅延などでトラブルに直面しないよう、取引適正化のための法案を今国会に提出をいたします。
 今後のウクライナ支援についてお尋ねがありました。
 日本はこれまで、ウクライナ及びその周辺国等、影響を受けた関係国に対して約十一億ドルの人道、財政、食料関連の支援を表明しており、これら実施中の支援を通じて越冬支援も行っています。今般いただいた御党からの御提言も勘案しつつ、冬の厳しい寒さが待ち受ける中での人道・復旧支援について、総合経済対策の中でしっかり検討してまいります。
 一昨日、十月五日、キーウの在ウクライナ日本大使館、再開いたしました。ウクライナとは同館を通じて一層緊密に連携していきます。また、御指摘いただいた私自身のウクライナ等訪問については、諸般の事情も踏まえ、適切に対応してまいります。
 来年のG7議長国として、ウクライナの確固たる自由を守り抜く行動を引き続き積極的に後押ししてまいります。このため、今後とも、国際社会と連携しつつ、人道及び復旧支援においても積極的に役割を果たしてまいります。
 安保理改革を含む国連の機能強化についてお尋ねがありました。
 ロシアのウクライナ侵略等により国際秩序の根幹が揺らいでいる中、国連憲章の理念と原則に立ち戻り、国連の信頼を回復するため、国連自身の機能強化が重要です。
 安保理改革については、国連において長年にわたり議論が積み重ねられてきていますが、現下の国際情勢に鑑みれば、議論のための議論でなく、改革実現に向けた行動を開始すべきときを迎えていると考えます。先般の国連総会の各国の一般討論演説では、私からこうした立場を発信し、また、バイデン米国大統領やクールシ国連総会議長を含む多くの国々も安保理改革の必要性に言及をいたしました。
 一方、安保理改革は各国の立場の違いも大きく、これまで大きな進展が得られていないのも事実です。G4と言われる日本、ドイツ、インド、ブラジルによる枠組みを通じ、また、アフリカや米国を含む関係国とよく意思疎通をし、早期に進展が得られるよう、引き続き努力をしてまいります。
 核兵器禁止条約の締約国会合へのオブザーバー参加を含め、核兵器のない世界に向けた取組についてお尋ねがありました。
 核兵器のない世界に向けた取組について、八月のNPT運用検討会議において、ロシアの反対により成果文書が採択されなかったことは極めて遺憾ですが、核軍縮に向けた新たな議論の土台が示されるとともに、NPTの重要性が再確認されました。
 核兵器禁止条約は、核兵器のない世界への出口とも言える重要な条約です。しかし、現実を変えるためには、核兵器国の協力が必要ですが、同条約には核兵器国は一か国も参加をしておりません。我が国は、唯一の戦争被爆国として、核兵器国を関与させるよう努力をしていかなければなりません。
 よって、まずは同盟国である米国との信頼関係を基礎としつつ、年内に広島で開催予定の国際賢人会議も活用しながら、ヒロシマ・アクション・プランに沿って、核兵器のない世界に向けた現実的かつ実践的な歩みを進めてまいります。
 被爆の実相に対する理解の向上については、これまでも様々な取組を行ってきたところであり、私自身、訪日する要人などに対して被爆地の訪問を呼びかけてきました。
 今後、G7広島サミットを始め、被爆地での開催が予定されるイベントの機会などを活用しながら、引き続き、各国要人や世界の人々が被爆の実相に触れる機会を確保できるよう努力をしてまいります。
 生物多様性の保全とCOP15に向けた決意についてお尋ねがありました。
 私たちの経済社会は、自然から得られる様々な恵みに依存している一方で、自然の回復力を超えた利用により、その恵みは過去五十年間で劣化傾向にあることが指摘をされています。生物多様性の保全は、気候変動対策と並ぶ地球規模での重要な課題であり、国内はもちろん、国際社会全体で取組強化が必要です。
 本年十二月に開催される生物多様性条約COP15は、御指摘のサーティー・バイ・サーティー目標を含む新たな国際枠組みの採択を目指す節目の会議です。
 我が国は、COP15での採択を見据え、本年四月にサーティー・バイ・サーティー目標を国内で達成していくためのロードマップを公表いたしました。また、年度内には国内施策の指針となる次期生物多様性国家戦略を策定すべく取り組んでいるところです。
 こうした先進的な取組の発信を含め、COP15に向けた国際的な議論をリードしてまいりたいと思います。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2022-10-07

院: 参議院

会議名: 本会議