浅田均の発言 (本会議)

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○浅田均君 日本維新の会、浅田均です。
 私は、会派を代表して質問いたします。
 我が国には今、すぐに解決しなければならない課題が山積しております。しかし、政府が具体的な対応を示さないため、結果として多くの国民が実際にどう行動すればよいのか分からず、迷い、戸惑い、困惑しております。
 この三年、国民は日々マスクを着けて過ごしてきました。政府は、本年五月にマスクの着用基準を明確化しました。屋外では、他人と二メートル以内で会話を行う場合を除き、マスクをする必要はない。また、屋内では、他人と二メートルの距離があり、会話をほとんど行わない場合にはマスク着用の必要はないとしています。しかし、実際はどうでしょうか。いまだに、マスクを外していると周りから白い目で見られてしまうのが実情ではないでしょうか。国民は迷い、戸惑い、困惑しております。
 今国会開会後、今日も総理は議場でマスクを着けたまま答弁をされています。演壇と議員席、大臣席は明らかに二メートル以上の距離があるのに、なぜマスクを着けているのですか。総理にお伺いします。
 国民に向かって、自ら基準にのっとって行動して啓発する重要性を総理はどのように認識されているのでしょうか。総理が、政府が、国会が身をもって態度を示していくことが必要なのではないでしょうか。
 新型コロナ感染症について、我が党は、社会経済活動との両立を図るべく、感染症法上の扱いをいわゆる二類相当以上から五類感染症に変更するよう主張し続けてきました。第七波も落ち着きを見せ始めている中、今変更しなくていつやるのですか。物価高、円安に国民の皆さんがあえいでいる中、今こそ経済社会活動を回復軌道に乗せていかなければと多くの人が思っているのに、なぜいまだに二類相当のままなのか、一体政府は我が国の経済をどう考えているのか。国民は戸惑い、困惑しています。総理、お答えください。
 去る四日、北朝鮮が弾道ミサイルを発射し、青森県上空を通過し、太平洋に着弾したと報道されています。防衛省は、日本の領域に落下するおそれはないと判断し、自衛隊法に基づくミサイル破壊措置はとりませんでしたが、一方で、五年ぶりにJアラートが発令されました。
 今回、防衛省がミサイル破壊措置をとる必要がないと判断した理由、飛来のおそれなしとの判断がありながら、Jアラートを発出して緊急避難を呼びかけると判断した理由、そして、これまでの日本海側への着弾においてJアラートを発出しなかった理由について、総理にお伺いします。
 北朝鮮から日本に向かう中距離弾道ミサイルの発射から着弾までは七、八分。アラートが出されるまで数分掛かるとすると、逃げる時間はほぼないと考えられますが、その中で建物や地下に逃げ込むようにと呼びかけられた国民は戸惑い、困惑しています。
 本年三月、大阪府と大阪市、堺市は、大阪メトロの地下鉄の駅百八か所を国民保護法に基づく有事の際の避難場所として追加指定しました。また、五月には、東京都が百五か所の地下鉄駅を含む計百九の地下施設を緊急一時避難施設に指定しました。
 地下鉄網が発達している都市部ではこうした対応が可能ですが、そうではない地方における避難場所の確保は重要な課題と考え、課題であると考えますが、政府として、国民が避難する場所をどのように確保していくのか、地方自治体任せなのか、総理の見解をお伺いします。
 こうした有事やテロ、首都圏直下型災害への備えとして、首都圏のバックアップとなる副首都の必要性が高まってきています。副首都設置に対する総理のお考えについて、地方分権推進に対する考えと併せて認識を伺います。
 北朝鮮のミサイルを迎撃システムで迎え撃つのは技術的には難しく、Jアラートで警告が出ても国民の避難が実態として困難ということであれば、結局は撃たれる前に撃つというのが選択肢です。
 専守防衛は、一発目の攻撃を受けるまで攻撃はしないというのが基本であり、一昔前の発想です。今や、一発の攻撃で全てが終了すると言っても過言ではない兵器が存在するのに、果たしてそれで国民の生命、財産を守れるのでしょうか。総理、専守防衛という、今や非現実的な政策をいつまで墨守するつもりですか。そこまで固執するのはなぜですか。国民の生命、財産と従来方針とどちらを優先すべきとお考えですか。
 プーチン大統領は、ウクライナ侵略開始直後の二月二十四日に続き、九月二十一日の全国向け演説で、ロシア領土の保全への脅威に対しては、あらゆる武器を使ってでも防衛する、これは脅しではないと語り、再び核兵器使用を示唆しました。
 私たちは、現在、直ちに我が国が核武装するということには反対です。しかし、昨今の米中対立を前提にすれば、将来、同盟国から一定の装備を求められる可能性は決して否定できません。今後、中距離ミサイルの配備を検討していくに当たっては、これも自衛権行使の均衡性原則、つまり目には目を、核兵器には核兵器をという原則に反するものではないので、核弾頭、非核弾頭両用のものを保持すべきという意見もありますが、総理はどのようにお考えでしょうか。
 米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドというアングロサクソンの五か国によるインテリジェンス協力の枠組みであるファイブアイズへの加盟の可否に関して、セキュリティークリアランスに関する法整備をした上で加入するべきという声もありますが、総理の見解をお尋ねします。
 加盟する場合には、我が国が独自の同等の情報機関を持っていないこと、アトリビューション、攻撃者の特定等を始めとする我が国のサイバーインテリジェンスシステムの脆弱性等の課題に対してはどう向き合っていくおつもりですか。オールジャパンによる我が国独自のプラットフォーム構築を行う考えはありませんか。総理の見解を求めます。
 そもそも、日本の平和主義は国連の平和主義と同じであるはずなのに、なぜか一国平和主義ともいうべき利己的な平和主義に固執しているように感じられます。国際問題に関しては国内法より国際法を優先すべきであり、したがって、集団的自衛より集団安全保障を基本とすべきと考えますが、総理の見解を求めます。
 国連憲章では、加盟国が侵略されたときは、まず経済制裁を課し、それでも不十分な場合は軍事的措置をとることになっていますが、これは戦争なのか、制裁なのか、総理の見解をお伺いします。
 さて、国民は今、賃金が上がらない中で、ロシアのウクライナ侵略による燃料油、穀物価格の高騰に加え、円安によるコスト上昇による数多くの商品の値上げラッシュ、電気、ガスを始めとする光熱費の上昇にあえいでいます。
 消費者物価は、エネルギーや食料品を中心に八月時点で前年比三・〇%増、生鮮食品とエネルギーを除く消費者物価、コアコアCPIは前年同月比一・六%と高い水準になりました。輸入品は原材料価格上昇と円安進行を要因とした上昇が続き、円安の影響は七月時点で全体の上昇幅の五割程度に占めるまでに至っています。総理は、こうした現在の物価上昇率をどのように捉えていらっしゃいますか。
 現在の我が国の経済全体の総需要と供給力の差である需給ギャップについて、内閣府は八月試算として約十五兆円の需要不足としています。需給ギャップが残っているうちは、中期的には物価上昇率は抑制されていくとされる一方、幾ら公正取引委員会の体制を強化したところで、最終消費者の需要がなければ価格転嫁は進みません。価格転嫁が進まなければ、結果として雇用と景気の悪化につながります。
 そうだとした場合、今回総理が指示された総合経済対策の真水の規模は、この需給ギャップを埋めるための十五兆円規模を一つの目安として検討されているのか、総理の見解をお伺いします。
 価格転嫁を促す施策は、事業者への補助金、給付金といった発想では駄目で、最終消費者に需要を付けること、すなわち多くの諸外国で実施されている減税で可処分所得を増やすことが最も効果的と考えますが、総理の認識をお伺いします。
 今回の政府の施策である低所得者層への五万円の給付を行うのに約五百十億円ものコストが掛かるとの報道があります。なぜコストの掛かる給付にこだわるのか、全く理解できません。政府がいつも実施する、集めた上で配るという給付金よりも、消費税、法人税などの減税、現役世代や中小企業などの社会保険料の減免など、そもそも集めない方がよほど国民にとっては分かりやすいし、経済合理性が高く、公正公平ではないかと考えますが、総理の認識を伺います。
 今回一律で五万円を給付する住民税非課税世帯に対して、これまでコロナ禍対応として一体幾らの給付を行ってきたのでしょうか。住民税非課税世帯に占める年金受給世帯の割合はどのくらいと政府は認識しているのでしょうか。併せてお答え願います。
 どの家庭も物価高の影響を受けている中、こうした給付は不公平ではありませんか。教育費のかさむ子育て真っ最中の、あるいはこれから出産を迎える貯蓄の少ない若者、将来世代が置き去りになっているのではありませんか。日本維新の会は、教育の無償化、保険適用による出産費用の無償化を政策として掲げていますが、単なるお金のばらまきではなく、将来世代への投資を伴う有効なお金の使い方を今行うべきではないでしょうか。総理の見解をお伺いいたします。
 そもそも、今誰が一番困っているのか把握しているのは、国民、住民と日々向き合っている地方自治体です。国が基準を決めて特定の層への給付を行う財源があるなら、地方創生臨時交付金を上乗せして、地方自治体が各地の事情に応じて配る方がよほど実効性があるのではないでしょうか。総理の見解をお伺いいたします。
 さて、傷んだ経済を回復軌道に乗せていくベースは、エネルギーの安定供給です。円安を活用して、今こそ海外資本を我が国に呼び込もうとしても、電力供給がおぼつかない国では二の足を踏まれてしまうことは火を見るより明らかです。
 原発の再稼働が急務であることは論をまちませんが、総理は、エネルギー安定供給について、所信表明演説で既存原発の運転期限の延長について触れませんでしたが、検討項目には入っていないという理解でよいのでしょうか。既存原発の新増設の可能性を併せてお答えください。
 昨今の電力供給不足の状況下、再生可能エネルギーに関する議論が少なくなっていると感じています。当面の原子力活用と再生可能エネルギーの促進は二律背反ではなく、脱炭素に向けても重要な取組です。現在のエネルギー基本計画から二〇五〇年のカーボンニュートラル実現に向けてのロードマップ、それとグリーントランスフォーメーション、GXをどのように両立させていくのか、総理、お答えください。
 二〇二〇年末の電力取引価格の高騰で、いわゆる新電力会社は倒産や撤退が相次ぎ、昨今のロシアによるウクライナ侵略等により、更に新電力離れが加速しています。総理はこうした事態にどう対応していくおつもりですか。ゆがんだ電力自由化市場をそのままにして、再生可能エネルギー拡大の道を閉ざすのですか。お答えください。
 今般の物価高のあおりを受けて、中小新電力のコロナ禍による太陽光、風力発電を拡大していくには、景観を守る等の立地規制は強化しつつも、農地におけるソーラーシェアリングを進め、新技術によるビル壁といった新しい技術の積極的な活用も必要です。
 地熱発電の普及には温泉法の見直し、バイオマス発電の拡大には食品廃棄物の集中処理などに関する廃棄物処理法の見直しが必要です。
 総理は、再生可能エネルギーの拡大について、今各々申し上げた点について具体的にどのように取り組んでいかれるつもりなのか、お考えをお伺いします。
 省エネも一層推進することが求められます。蓄電池の電気を使うことによって、その時間帯における電力会社からの電力供給を抑制したり、逆に、蓄電池や電気自動車を充電することで、その時間帯の電力需要を創出するといった、エネルギーの需要側が供給状況に応じて賢く消費パターンを変化させるディマンドレスポンスという考え方の重要性が高まっています。こうした取組をどのように進めていくのか、総理の見解をお伺いします。
 政府、日銀は、去る九月二十二日、二兆八千四百億円の為替介入を実施しました。円買いドル売りとしては過去最大のものでしたが、効果は一時的であり、目くらましにすぎません。総理は、現在の円安についてどう評価していますか。現在の状況が好ましくないとの認識だから介入したという理解でよいのでしょうか。あえて介入を行った理由を総理にお尋ねします。
 一般論で言えば、一〇%円安になればGDPは約一%上がり、法人税や所得税といった税収が増え、一部の企業や産業にとっては追い風にもなり得ます。現在我が国が置かれている状況を考えれば、円安はある程度中期的に続くことを前提、契機として構造改革を進めていく必要があると考えますが、総理の認識をお尋ねします。
 総理は所信表明演説の中で、円安メリットを生かした経済構造の強靱化を進めるとして、工場や企業の国内回帰や農林水産物の輸出拡大に取り組むと述べました。仮に、今後円高に転じた場合にはどのように対応されるおつもりか、お答えください。
 政府は、給与をデジタルマネーで受け取る制度を二〇二三年四月にも解禁する方向で最終調整しているとのことです。我が国のキャッシュレス決済比率は二〇年に三〇%程度と、諸外国と比べて差が大きく開いており、是正策として基本的に歓迎したいと思います。
 総理は、この施策により、我が国のマネタリーベース、日銀券残高にどのような影響を及ぼすとお考えですか。また、これまで預金を集め顧客を囲い込んできた銀行への影響をどのようにお考えでしょうか。併せてお答え願います。
 マクロ経済政策として金融緩和を継続できる間に、規制改革、構造改革による成長産業の構築を果たさなければなりません。マクロとミクロは車の両輪です。どちらかだけでは継続的な経済成長は実現できません。
 残念ながら、岸田政権になって、規制改革、構造改革という言葉をほとんど聞かなくなりました。例えば、典型的な中山間地域である兵庫県養父市で、法人農地取得事業特区を活用して、農地の取得も含めた多様な選択肢を企業に提供することとした取組は、大きな成果を上げているにもかかわらず、政府はこれを全国に展開する結論を先延ばしにしています。これでは特区をつくる意味がないのではないでしょうか。総理の認識をただします。
 我が党がこれまで一貫して主張し、法案まで提出してきた電波オークションについて、ようやく政府は携帯電話事業で重い腰を上げたようですが、肝腎の放送事業分野に関しては検討すら進んでいません。放送と通信の大融合時代の到来が叫ばれている中、今ニーズがないという理由で検討すら行わないのでは話になりません。成長分野をみすみす逃していくことになりませんか。総理の認識をお伺いします。
 政府は今、薬学部の新設において、大学の学部抑制方針撤廃の原則を崩そうとしています。より優良な大学の学部の新設が、既存の、そうでない大学に併存する学部のせいで新規参入できないのであれば、全く本末転倒です。岸田内閣が掲げる人への投資に大きく反するものではありませんか。こうした不合理な規制を一掃することこそが成長戦略を牽引していくのではないですか。総理の認識を伺います。
 総理は、声高にデジタルトランスフォーメーション、DXへの投資を掲げますが、成長産業であるAI、NFT、ノンファンジブルトークン、トークンエコノミーへの取組には既に遅きに失しています。トークンの発行手続の煩雑さから、既に多くの事業者がシンガポール等に移っています。
 本年三月の本会議において、私は、メタバースと呼ばれる仮想空間内で行われるデジタル資産の交換等の行為について、法規制の対象外になっていることを指摘し、こうしたトークンエコノミーにどう向き合っていくのか、また、メタバースと言われる仮想空間内での付加価値の生産、交換等の経済的行為に、どのような原則でどのような税制を適用していくのかについて総理にただしました。
 総理からは、利用者の利便性と保護のバランス等の観点も踏まえながら、成長戦略として、規制や課税の在り方を含め、利活用の促進に向けた環境整備を図っていくと答弁をいただきましたが、再度、三月の私の質問に現時点の進捗を含めてお答え願います。
 総理は、所信表明演説の構造的な賃上げの中で、労働移動の円滑化について触れました。停滞産業から成長産業へ人が自由に移動できる前提で構造的賃上げとおっしゃっているのであれば認識は同じです。その実現に向けては、企業の淘汰や一時的な失業を受け入れる覚悟が必要であり、そのためのセーフティーネットが大前提であると考えます。労働移動円滑化におけるセーフティーネット構築に向けて、総理はどのように対応しようとしているのか、お答え願います。安倍政権では一時期、積極的に検討を重ねていた、いわゆる解雇規制の緩和についても、総理のお考えをお示しください。
 社会保障制度の持続可能性も危ぶまれています。少子高齢化の中で現在の制度を維持していくには、支えている現役世代の人数を増やしていくこと、すなわち、高齢者に少しでも元気に長く働いていただくという観点も重要です。そのために政府はどのような取組を行っているのか、総理にお伺いします。
 例えば、高齢者数は増加、増え続け、予算も増やしているのに、シルバー人材センターの会員数は減り続けているという不可解なことが起こっています。この要因をどのようにお考えでしょうか。どのように対応していくおつもりでしょうか。総理の認識をお伺いいたします。
 最後に、大阪・関西万博に関し、以下四点、総理に質問いたします。
 大阪・関西万博の開幕まで千日を切り、来年度からは各国のパビリオン等の建築工事もスタートします。ところが、博覧会協会の職員のうち、国等からの派遣は僅か一割で、残り九割は自治体と民間企業からの派遣職員です。博覧会協会は自治体や企業に対し職員派遣を要請していると聞きますが、万博という一大国家プロジェクトをオールジャパン体制で成功に導くため、開催主体である国が率先して多くの職員を派遣するべきではないでしょうか。総理の見解を伺います。
 現在、大阪・関西万博の会場建設費については、最大の額として一千八百五十億円とされています。昨今の燃料や原材料の物価高騰の状況を見ると、この千八百五十億円も増嵩するのではないかと思われます。もちろん建設費の上振れを抑制する工夫も必要ですが、そこにこだわり過ぎて陳腐な万博になっては本末転倒です。会場建設費の上振れについてどうお考えか、伺います。
 博覧会協会は、未来社会ショーケース事業として、万博会場で未来社会を感じさせる最先端の技術やシステムの実証、実装に向け、多様な企業の参加促進を図るとしています。まずは企業の声によく耳を傾け、万博で実証、実装される技術等が内外からの民間投資を誘発し、新たな市場形成等につながるためにも、同事業に参画する企業に対し、国からの一定規模の財政支援が必要です。
 最後に、大阪・関西万博成功に向けた総理の決意をお伺いし、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 浅田均

speaker_id: 29554

日付: 2022-10-07

院: 参議院

会議名: 本会議