岸田文雄の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 舟山康江議員の御質問にお答えいたします。
Jアラートの不具合とその対応についてお尋ねがありました。
北朝鮮が十月四日に発射したミサイルに関して、Jアラートのシステム上の不具合により、ミサイル発射情報を送信すべき北海道及び青森県に加えて、ミサイルに注意が必要ない東京都の島嶼部の九町村に対してもミサイル発射情報が送信されました。
このことを重く受け止め、システム上の不具合の修正を早急に行い、既に作業終えたところですが、今後、このようなことが起こらないよう、再発防止にしっかりと取り組んでまいります。
臨時国会の召集と補正予算の提出についてお尋ねがありました。
臨時国会の召集については、国会のことでもありますので、与党とも相談しながら対応を検討し、まず臨時国会で審議すべき事項等をしっかり勘案した上で十月三日に召集することを決定した、こうした次第であります。
また、これまで累次の予備費の使用は、ロシアのウクライナ侵略等による物価高騰等といった予測困難な事態に対して機動的に対処するために行ってきたものであり、財政法や財政民主主義に反することではなく、適切な対応であったと考えております。
補正予算については、予備費による対応から間を置かず、今月中に総合経済対策を取りまとめた後、速やかに編成し、今国会に提出をいたします。
このように、足下の経済状況等に応じて切れ目なく機動的な対応を行っているところであり、今国会の冒頭に補正予算を提出しないことをもって総合経済対策を取りまとめる担当大臣が機能していないとの指摘は当たらないと考えております。
山際大臣の発言に対する認識についてお尋ねがありました。
御指摘の発言については、松野官房長官から山際大臣に対して、発言には慎重を期すように注意したところであり、これを受けて山際大臣は、発言には慎重を期し、丁寧に発信していく旨発言したと報告を受けております。
その上で、我が国は、内政も外交も幾重にも重なる、重なり合う多くの課題に直面をしており、この難局を乗り越えていくためには、国民の声を丁寧に聞きながら、国民の信頼と共感を得る政治を行わなければなりません。
岸田内閣としては、引き続き、国民の皆様からの厳しい声にも、真摯に、謙虚に、丁寧に向き合ってまいります。
八月十八日に行われた臨時国会の召集要求については、国会のことでもありますので、与党とも相談しながら検討し、臨時国会で審議すべき事項を勘案して十月三日に臨時国会を召集したことを決定した、こうした次第であります。
そして、旧統一教会に対する宗教法人法に基づく報告徴収及び質問の実施についてお尋ねがありました。
宗教法人法第七十八条の二の規定に基づく報告及び質問に関する権限は、宗教法人について、解散命令の事由等に該当する疑いのある場合に限り、所轄庁が行使することができるものです。
社会的に問題が指摘されている団体に関して、宗教法人法を含め、関係法令との関係を改めて確認しながら、厳正に対応をしてまいります。
円安の要因、原材料価格高騰対策、そして価格転嫁についてお尋ねがありました。
為替レートは様々な要因によって決定されるものであり、変動の要因や見通しを一概に申し上げることは困難です。その上で、足下の円安に対しては、インバウンドの回復や企業の国内回帰などにより、日本経済の改善につなげてまいります。
また、原材料価格の高騰に対しては、先月の食料品やガソリンの値上がりを抑えるための追加策に続き、今月中に電気料金負担を直接的に緩和する対策を含む総合経済対策を策定し、物価高から国民の生活と事業活動を守り抜いてまいります。
この中で、価格転嫁についても、原材料等の高騰に伴う負担が下請事業者のみにしわ寄せされることがないよう、公正取引委員会等の執行体制、これを強化しております。
構造的な賃上げ、そして労働移動円滑化についてお尋ねがありました。
女性や高齢者、外国人等の多様な労働参加が進む中で、個々人のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方として、勤務時間が短いパートタイム労働者等が増加をしてきました。
これにより、賃金の単純な平均値は押し下げられましたが、二〇〇二年から二〇二一年の間に、女性の雇用者の数は約五百八十万人、六十五歳以上の高齢者は約三百六十万人増加するなど、雇用増、これは実現をいたしました。
今回目指す構造的賃上げとは、賃上げと、労働移動の円滑化、人への投資という三つの課題を一体的に改革することにより、賃上げが高いスキルの人材を引き付け、企業の生産性を向上させ、更なる賃上げを生むという好循環を実現するものです。
そのため、労働移動円滑化に向けた指針を来年六月までに取りまとめるとともに、リスキリング、すなわち成長分野に移動するための学び直しを始めとした人への投資の支援の抜本強化等を断行してまいります。
また、私が述べている労働移動の円滑化とは、希望する労働者が主体的に賃金上昇が期待できる成長分野の企業、産業への転職を可能とする取組であり、御指摘のような賃金の下振れは起こらないと考えております。
分配と消費税減税についてお尋ねがありました。
新しい資本主義は、成長と分配の両方が重要です。成長と分配の好循環を実現するため、社会課題を成長のエンジンへと転換し、成長を実現するとともに、その果実を分配し、消費を喚起していくことで次の成長へとつなげていきます。
これまでも、人への投資の抜本的強化に加え、賃金をコストではなく未来への投資と再定義し、賃上げ税制や公的価格の引上げ、公共調達や補助金における賃上げに積極的な企業への優遇、また価格転嫁対策など、賃上げしやすい環境づくりとして様々な政策に取り組んできました。
今後も、賃上げは不可欠であり、新しい資本主義の旗印の下で、成長と分配の両面から構造的な賃上げを重点分野の一つとして掲げ、正面から果断にその実現を目指すこととしております。
なお、諸外国において付加価値税率の引下げが行われた例があること、これは承知をしておりますが、我が国においては、消費税は全世代型社会保障制度を支える重要な財源であり、消費税率の引下げは考えておりません。
危機に強い経済構造への転換についてお尋ねがありました。
御指摘のとおり、物価高騰やサプライチェーンの供給途絶などの様々なリスクに備えて、国内における生産基盤の強化を図ることは極めて重要です。
このため、新しい資本主義実現会議においても、今般策定する総合経済対策に反映すべき重点事項としてサプライチェーンの強靱化を掲げており、半導体や蓄電池、ワクチンを始めとした医薬品、食料などの戦略的な物資について、経済安全保障の観点からも、国内の製造拠点整備等に対する支援策を講じてまいります。
こうした取組を通じて、円安メリットも生かし、危機に強い経済構造への転換、図ってまいりたいと思います。
そして、国産農産物の需要拡大や生産振興、自家配合飼料への支援についてお尋ねがありました。
総合経済対策において、小麦、大豆、飼料作物等への作付け転換等による増産への支援や、耕畜連携等による堆肥や下水汚泥等の肥料利用拡大により、海外に依存する農産物や肥料、飼料の国産化を強力に推進してまいります。
また、畜産農家が自ら配合する飼料は、御指摘のように配合飼料価格安定制度などの対象ではありませんが、畜産経営安定対策、また施設整備への支援、こうした支援によって、飼料価格の低減努力、これを後押ししていきたいと考えております。
そして、出生率の低下についてお尋ねがありました。
少子化の背景には、個々人の結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む様々な要因が複雑に絡み合っていると認識しておりますが、中でも、子育てや教育に係る費用負担の重さや仕事と子育ての両立の難しさがその大きな課題として挙げられています。
今後の子供政策に関する予算については、こども家庭庁の下で、子供の視点に立って、必要な子供政策が何かをしっかりと議論した上で体系的に取りまとめ、社会全体で費用負担の在り方を検討することと併せて子供政策の充実に取り組んでまいります。来年度の骨太の方針には、将来的に倍増を目指していく上での当面の方針、これを明確にしていきたいと考えております。
子育て支援策の所得制限についてお尋ねがありました。
各制度における所得制限の在り方については、個々の制度の目的や支援方法に応じて、それぞれの制度において必要性が判断されるものと考えております。
例えば、児童手当の所得制限は、本則給付で中学校修了前までの児童のおおむね九割が対象となっており、いわゆる中間層の方々にも支援をお届けできていると考えております。
今後、全世代型社会保障構築会議において、働き方に中立的な社会保障制度の構築や子供の年齢に応じた切れ目のない支援強化の在り方などについて、これ幅広く検討を行ってまいります。
マイナンバーカードの取得促進についてお尋ねがありました。
マイナンバーカードは、デジタル社会のパスポートとして普及に政府を挙げて取り組んでおり、現時点で国民の約五六%の方に交付申請をしていただいております。
御指摘のあったマイナポイントは、普及率が低い段階において多くの方のカード取得の契機となっており、有効であると認識をしております。
また、カードが普及している自治体は地域のデジタル化に関する環境整備を行っていると考えられることから、交付金等の審査にカードの普及状況を反映することは適切であると考えております。
一方、御指摘のとおり、カードの利便性を向上させることは大変重要と考えています。これまで、健康保険証としての利用、ワクチン接種証明アプリ、各種行政手続の本人確認など、カードの利活用シーンを拡大してきました。
今後も、運転免許証との一体化やカード機能のスマートフォンへの搭載などを予定しており、カードの利便性の向上を飛躍的に進め、おおむね全ての国民への普及のための取組、加速してまいります。
新型コロナについてお尋ねがありました。
今回の感染拡大では、昨年夏の感染拡大時より重症化率は減少している一方で、オミクロン株に感染した場合の致死率は、特に高齢者において、季節性インフルエンザの、失礼、した場合の致命率、オミクロン株に感染した場合の致命率は、特に高齢者において、季節性インフルエンザの致命率よりも高いと考えられます。
そしてまた、ワクチンについても、従来型のワクチンはオミクロン株に対しても一定の期間の重症化予防効果等が認められると考えています。
御指摘のアドバイザリーボード提出資料については、これは単純集計であり、ワクチン接種からの期間が考慮されていないことから、特定の世代の方への感染予防効果を評価するというのは困難であると思います。
マスクの着用については、屋外では原則として不要であり、こうしたルールについて引き続き国民の皆様への広報の強化に努めてまいります。さらに、科学的知見に基づき、マスク着用の考え方を含めた感染対策の在り方について検討してまいります。
新型コロナの流行下における子供の心身への影響については、厚生労働省で調査研究を実施しており、御指摘の観点も含めて引き続き調査を進めてまいります。
災害対策本部の設置、被災者への支援及び災害損失控除の創設についてお尋ねがありました。
政府の災害応急対応については、気象状況や被害状況を踏まえ、適切な体制を構築することとしております。
本年八月の大雨については、防災担当大臣が出席をして関係省庁災害対策会議を計六回開催するなど、関係省庁が緊密に連携して切れ目のない対応に当たってきたところであり、適切な警戒体制の下、万全の災害応急対策を講じてきたものと認識をしております。
被災者への支援については、住まいの確保を始めとした被災者の生活再建等に全力で取り組むよう私から指示したところであり、被災された自治体から様々な声を丁寧に伺いながら、被災者の皆さんに寄り添った支援を行ってきたところです。
また、御指摘の災害損失控除の創設に関しては、納税者間の公平性をどう担保するかなど様々な論点があり、これ慎重に検討する必要があると考えておりますが、激甚化、頻発化する自然災害に対して様々な政策手段を含めた総合的な対応を行うことが重要であり、今後も適切に対応してまいりたいと考えます。
インボイス制度とシルバー人材センター事業についてお尋ねがありました。
インボイス制度は、複数税率の下で適正な課税を確保するために必要なものであり、その円滑な移行を図る観点から、十分な経過措置をとると、あっ、経過措置を設けるとともに、事業者の負担を軽減する支援や取引環境の整備等を引き続き政府一体で連携して取り組んでいきます。
また、シルバー人材センターについては、インボイス制度の導入により会員の就業機会が失われることがないよう、センターの事務処理のデジタル化を進め、業務の効率化、簡素化等を図るなど、経営基盤の強化を図るための支援、こうした支援を通じて安定的な運営の確保に万全を期してまいりたいと考えます。
そして、国民の信頼回復のための各般の取組や山際経済再生担当大臣の処遇についてお尋ねがありました。
まず、私の政権においては、各閣僚等が、それぞれが旧統一教会との過去の関係を調査、説明し、新たな接点が判明した場合には、その都度追加的に報告、説明を行い、今後は関係を持たないことを徹底すること、これを方針としております。自民党においても、それぞれの議員がこの方針遵守を徹底し、これを担保するためのチェック体制を構築してまいります。
また、政府としては、被害者の救済に万全を尽くすとともに、消費者契約に関する法令等について見直しを進めてまいります。
山際大臣については、過去、旧統一教会関係の接点があったこと、また、接点を点検した後も新たな過去の接点が報じられていることについてできる限りの調査を行い、その結果を説明するとともに、これまでの反省に立って今後は一切関係を持たないと述べていると承知をしています。理解を得られていないというのであれば、引き続き、政治家として、自らの責任において丁寧に説明を尽くす必要があると考えております。
自民党が旧統一教会との関係を絶つことは、今申し上げた方針の徹底とチェック体制の構築によって担保してまいります。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣山際大志郎君登壇、拍手〕