岸田文雄の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 小池晃議員にお答えをいたします。
 故安倍元総理の国葬儀の実施、法の下での平等との関係、弔意表明、安倍政権の継承についてお尋ねがありました。
 国葬儀に関しては、国民の皆様や各党各会派から様々な御意見、御批判をいただいたことも事実であり、その多くに共通するのは、説明が不十分であるとの指摘であったと認識をしております。
 今回の国葬儀は、安倍元総理は憲政史上最長の八年八か月にわたり内閣総理大臣の重責を担われたこと、選挙運動中の非業の死であったこと、日本経済の再生等大きな実績を様々な分野で残されたこと、国内、海外からの幅広い弔意が寄せられたことなど、様々な状況を踏まえ、我が国としても、故人に対する敬意と弔意を表す儀式を催し、これを国の公式行事として開催し、その場に海外からの参列者の出席を得る形で葬儀を執り行うことが適切であると判断し、執り行ったものであります。これは、法的に誰かを差別することとは無関係であり、法の下の平等に反するという御指摘は当たりません。
 また、今回の故安倍元総理の国葬儀の実施に際しては、国民一人一人に喪に服することを求めるものであるとの誤解を招くことがないよう、国において弔意表明を行う閣議了解は行わず、国から地方公共団体や教育委員会等の関係機関に対する弔意表明の協力の要請も行っておらず、弔意表明の強制であるとの御指摘は当たらないと考えております。
 過去の事案については、それぞれ必要な調査を行い、国会の場などでも繰り返し説明が行われてきたものと承知をしております。
 旧統一教会と政治の関係についてお尋ねがありました。
 まず、被害を受けられた方がいらっしゃる中で、多くの自民党の国会議員が旧統一教会と様々な接点を持っていたことにより、結果として当該団体の信頼を高めることがあったとの指摘について重く受け止めております。
 その上で、私の政権においては、各閣僚等それぞれが旧統一教会との過去の関係を調査、説明し、新たな接点が判明した場合は、その都度追加的に報告、説明を行い、今後は関係を持たないことを徹底すること、これを方針としております。自民党においても、それぞれの議員がこの方針遵守を徹底し、これを担保するためのチェック体制、これを構築してまいります。こうした方針を徹底していくことが私の責任であると考えております。
 平成二十七年の旧統一教会の名称変更についてお尋ねがありました。
 宗教法人法上、名称の変更等のための規則変更については、所轄庁の認可ではなく、認証による制度とされています。そのため、宗教法人から規則変更の認証申請を受理した場合は、所轄庁は、変更しようとする事項が法令に適合しているかなど、宗教法人法に定める要件を審査し、その要件を備えていると認めたときは認証する旨の決定を行う必要があります。
 本件規則変更の認証申請についても、所轄庁として、当該申請の内容が法令に規定された要件を備えていることを確認し、認証の決定を行ったものであり、所轄庁の調査によれば、政治家や大臣の政治的な関与や圧力はなかったと報告を受けているところであります。
 山際大臣の旧統一教会との関係に係る説明や対応等についてお尋ねがありました。
 山際大臣については、過去、旧統一教会関係の接点があったこと、また、接点を点検した後も新たな過去の接点が報じられていることについてできる限りの調査を行い、その結果を説明するとともに、これまでの反省に立って今後は一切関係を持たないと述べていると承知をしております。
 山際大臣との日頃のコミュニケーションの中で、点検及び結果説明の状況を共有されておりますが、いずれにしても、理解を得られていないというのであれば、引き続き、政治家として自らの責任で丁寧に説明を尽くす必要があると考えております。
 安倍元総理及び自民党と旧統一教会との関係についての調査についてお尋ねがありました。
 安倍元総理が旧統一教会とどのような関係を持っていたかの調査については、当時の様々な情勢における御本人の心の問題である上に、本人がお亡くなりになった今、本人は何も釈明、弁明ができないなど、十分な調査はできないのではないかと考えております。
 自民党においては、所属国会議員と旧統一教会との関係について点検を行い、その結果を発表いたしました。旧統一教会との関係については、各議員が政治家の責任において丁寧に説明を尽くす必要があると考えており、今後も、各議員が最大限説明責任を果たすとともに、当該団体と関係を持たないことを徹底してまいります。
 また、自民党の政策決定に当たっては、幅広く国民の皆さんの声を聞くとともに、関係省庁からの説明、有識者、専門家などの議論など様々なプロセスを経て政策を決定しており、特定の団体から不当な影響を受けていることはないと考えております。
 旧統一教会に対する解散命令の請求についてお尋ねがありました。
 宗教法人法の法人格を剥奪するという極めて重い対応である解散命令の請求については、信教の自由を保障する観点から、判例も踏まえ、慎重に判断する必要があると考えておりますが、社会的に問題が指摘されている団体に関しては、政府としては、宗教法人法を含め、関係法令との関係を改めて確認しながら、厳正に対応してまいります。
 物価高騰の要因や円安などについてお尋ねがありました。
 今般の物価高騰の要因については、円安の影響に加え、ウクライナ情勢等による国際的な原材料価格の上昇の影響もあり、様々な要因があると考えております。
 為替レートについては、市場で決定するのが原則であり、標準や見通しについてコメントすることは控えます。
 足下の物価高は消費者の暮らしや事業者の経営に大きな影響を与えており、これまで累次の対策を講じていますが、国民の皆様からの厳しい声をしっかり受け止め、引き続き今後の総合経済対策の策定等に生かしてまいります。
 構造的な賃上げについてお尋ねがありました。
 新しい資本主義の下、構造的な賃上げを重点分野の一つとして掲げ、正面から果断にその実現を目指します。
 このため、賃上げ、労働移動の円滑化、人への投資という三つの課題の一体的改革を実現するため、労働移動円滑化に向けた指針を来年六月までに取りまとめるとともに、リスキリングを始めとした人への投資の支援の抜本強化を断行してまいります。
 また、中小企業が賃上げできる環境の整備に向けて、事業再構築補助金やものづくり補助金などを通じて生産性向上を支援するとともに、価格転嫁対策を更に強力に進めてまいります。
 なお、御指摘の内部留保への課税については、二重課税に当たるとの指摘があることから、慎重な検討が必要であると考えております。
 農業に対する現状認識、農産物の価格保障についてお尋ねがありました。
 農業は、肥料、飼料の高騰により厳しい状況にあると認識をしており、肥料価格高騰に対する支援金の仕組みの創設や、配合飼料の負担を十月以降も据え置く措置など、機動的に対応してきました。今後、下水汚泥、堆肥等の国内資源の利用拡大や、飼料作物の生産拡大を進めてまいります。
 御指摘の価格保障や所得補償は、一般に需給動向や品質を考慮しない生産が助長されるなどの問題があると考えており、収入保険制度等により経営の安定を図りつつ、スマート農林水産業、輸出促進、グリーン化、食料安全保障の強化を農林水産政策の四本柱として農林水産業の成長産業化を推進し、農業者の所得向上を図ってまいります。
 学校給食費についてお尋ねがありました。
 学校給食費において、保護者が負担する学校給食費を自治体等が補助することを妨げるものではないことは、既に過去の国会において政府答弁において明らかにしています。
 学校給食費の無償化については、学校の設置者である自治体において適切に判断、御判断いただくべきものと考えておりますが、家庭の経済状況が厳しい児童生徒の学校給食費については、生活保護による教育補助や就学援助を通じて支援を実施しているところです。
 今般の物価高騰に対しては、政府において地方創生臨時交付金の活用を促し、九九%の自治体において保護者が負担する学校給食費の値上げが抑制され、保護者の負担の軽減が進んでいるところです。
 消費税減税とインボイス制度についてお尋ねがありました。
 諸外国において付加価値税率の引下げを含め様々な対策が講じられていることは承知しておりますが、足下の物価高に対しては、家計への影響が大きい低所得世帯向けの給付金や、エネルギー、食料品への重点的な対策を始めとする緊急の支援策等を講じ、さらに、今月中に総合経済対策を取りまとめることとしており、御指摘の消費税減税は考えておりません。
 また、インボイス制度は、複数税率の下で適正な課税を確保するために必要なものであり、その円滑な移行を図る観点から、十分な経過措置を設けるとともに、事業者の負担を軽減する支援や取引環境の整備等に、引き続き政府一体で連携して取り組んでいきます。
 人工妊娠中絶についてお尋ねがありました。
 性と生殖に関する健康と権利は、一九九四年の国際人口・開発会議において提唱され、国際的に女性の重要な人権の一つであると認識されていると承知をしております。
 母体保護法における人工妊娠中絶の配偶者同意要件については、一九四八年の議員立法による制定当時からある規定ですが、二〇一六年の女子差別撤廃委員会や二〇二二年のWHOにおける指摘があることは承知をしております。
 その廃止については、個人の倫理観、家族観等に関わる難しい問題であり、様々な御意見や御議論があることから、国民的な合意形成が必要であると考えております。また、刑法の堕胎罪は、胎児の生命をも保護するものであり、慎重な検討を要すると考えております。
 他方、昨年、夫からのDV被害を受けているなど、婚姻関係が実質破綻しており、配偶者の同意を得ることが困難な場合は、本人の同意だけで人工妊娠中絶が可能と解されたところであり、この運用について、厚生労働省において引き続き適切に周知をしてまいります。
 エネルギー政策についてお尋ねがありました。
 自然エネルギーを活用する条件が諸外国と異なる我が国においては、エネルギー安定供給の確保に向け、石炭火力を含め原子力などあらゆる選択肢を追求する必要があり、多様な選択肢の確保を通じてエネルギー自給率向上に向けた取組をしっかりと進めてまいります。
 再エネはエネルギー自給率の向上に寄与する重要な脱炭素電源であり、再エネの最大限導入に向け全力で取り組んでいきます。
 その上で、昨今の国内外の情勢変化を踏まえ、エネルギー安定供給の確保のため、原子力発電の問題に正面から取り組みます。
 まず、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉と福島の復興は政権の最重要課題です。引き続き、国が前面に立って取り組んでまいります。
 また、原子力については、いかなる事情よりも安全性が最優先であり、自然災害への対応も含め、今後とも独立性の高い原子力規制委員会が厳格に規制を行っていく方針、これは変わりはありません。
 また、今後も安定的かつ継続的に原子力発電を利用するために、使用済燃料対策は重要であり、使用済燃料の再処理や貯蔵能力の拡大、高レベル放射性廃棄物の最終処分等の問題に対して、責任ある取組を進めてまいります。
 こうした取組をしっかりと進めつつ、今後を見据えてあらゆる選択肢を確保するため、安全確保を大前提とした運転期間の延長など既設原発の最大限活用、次世代革新炉の活用、開発、建設を含め、年末に向け、専門家による議論の加速を指示したところです。専門家の意見も踏まえ、年末までに具体的な結論を出せるよう、検討を進めてまいります。
 敵基地攻撃能力や外交努力についてお尋ねがありました。
 御指摘を含め、様々な報道がなされていることは承知していますが、その一つ一つにお答えすることは控えます。
 これまでるる申し上げているとおり、安全保障環境が急速に厳しさを増す中、外交的な取組が重要であるということは言うまでもありません。同時に、国民を守り、地域の平和と安定を確保するため、本年末までに新たな国家安全保障戦略等を策定する中で、いわゆる反撃能力を含め、あらゆる選択肢を排除せず現実的に検討し、防衛力を抜本的に強化してまいります。
 普天間飛行場の辺野古移設についてお尋ねがありました。
 世界で最も危険と言われる普天間飛行場が固定化され、危険なまま置き去りにされることは絶対に避けなければならない、これは地元の皆様との共通認識であると思います。辺野古移設が唯一の解決策であるという方針に基づき、着実に工事を進めていくことが、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現し、その危険性を除去することにつながると考えております。
 引き続き、丁寧な説明を行うとともに、地元の皆様の意見を伺いながら、全力で取り組んでいきます。
 なお、具体的な沖縄振興予算の額は、必要な予算を積み上げて決定されるものであり、基地問題とは直接関連しておりません。いずれにせよ、強い沖縄経済をつくるための取組を着実に進めてまいります。(拍手)
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発言情報

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発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2022-10-07

院: 参議院

会議名: 本会議