岸田文雄の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 石垣のりこ議員の御質問にお答えいたします。
臨時国会召集要求への対応についてお尋ねがありました。
八月十八日に行われた臨時国会の召集要求については、国会のことでもありますので、与党とも相談しながら対応を検討し、臨時国会で審議すべき事項等、こうしたことについてしっかり勘案し準備をした上で十月三日に臨時国会を召集することを決定したものであり、御指摘は当たらないと思っています。
そして、憲法五十三条の解釈については、これまで法制局長官が答弁してきたとおりであります。
十月三日の所信表明演説で申し上げたとおり、私は、国民の皆様からの厳しい声にも、真摯に、謙虚に、丁寧に向き合っていくことをお誓いいたします。もとより、国会での議論は誠に重要なものであり、御審議に引き続き誠実に対応してまいります。
旧統一教会との関係と国民からの信頼についてお尋ねがありました。
旧統一教会については、悪質商法に関する問題、親族の入信に起因する家族の困窮等の問題等、様々な問題が指摘されているにもかかわらず、多くの自民党の国会議員が旧統一教会と様々な接点を持っていたことにより、結果として当該団体の信頼を高めることがあったとの指摘があり、こうしたことが国民からの政治に対する信頼を損ねてしまったものと考えております。
自民党においては、所属国会議員と旧統一教会との関係について点検を行い、その結果を発表いたしました。
旧統一教会との関係については、各議員が政治の責任において丁寧に説明を尽くす必要があると考えており、今後も各議員が最大限国民に対する説明責任を果たすとともに、当該団体と関係を持たないことを徹底してまいります。
旧統一教会の被害者からの相談についてお尋ねがありました。
政府としては、「旧統一教会」問題関係省庁連絡会議において、相談内容が宗教に関わることのみを理由として消極的な対応をしないこと、これを申し合わせております。この申合せに沿って、全国の地方自治体等の関係機関に対しても、児童虐待や生活困窮者支援、生活保護等に関する相談窓口における対応に関し、相談内容が宗教に関わることのみを理由として消極的な対応をしないようにする旨の通知等を発出いたしました。
旧統一教会の関与を背景として、児童虐待や生活困窮などの問題に苦しんでおられる方々が行政機関の支援につながるよう、今後とも適切に取り組んでまいります。
旧統一教会に対する認識についてお尋ねがありました。
旧統一教会については、悪質商法に関する問題、親族の入信に起因する家族の困窮等の問題等、様々な問題が指摘されていると承知をしており、このような状況を踏まえて、社会的に問題が指摘されている団体であると認識をしております。
また、民事上の不法行為責任や使用者責任を認める判決が示されているほか、消費生活センター等へも多数の相談が寄せられており、こうした司法の場も含めて社会的に問題が指摘されている団体と関係を持つことにより政治に対する信頼を損なってはならないと考え、党所属議員に対して関係を絶つことを徹底しているところです。
山際大臣と旧統一教会との新たな接点が判明した場合についてお尋ねがありました。
まず、私の政権においては、各閣僚等それぞれが旧統一教会との過去の関係を調査、説明し、新たな接点が判明した場合には、その都度追加的に報告、説明を行い、今後は関係を持たないことを徹底すること、これを方針としております。
山際大臣については、過去、旧統一教会関係の接点があったこと、また、接点を点検した後も新たな過去の接点が報じられていることについてできる限り調査を行い、その結果を説明するとともに、これまでの反省に立って今後は一切関係を持たないと述べていると承知をしております。理解が得られていないというのであるならば、引き続き、政治家として、自らの責任において丁寧な説明を尽くす必要があると考えております。
閣僚に関する事案についてお尋ねがありました。
私の政権運営における基本は、先日の所信表明演説でも申し上げたとおり、信頼と共感にあります。国民の負託を受け、国政を預かる立場にある政治家にとって、国民の皆様の信頼は不可欠であり、政治家はその責任を自覚し、国民から疑念を持たれないよう常に襟を正していかなければなりません。お尋ねの各事案については、それぞれの大臣が自らの政治家としての責任において、必要に応じ国民の皆様から御理解が得られるよう説明を尽くし、信を得ていかなければならないと思っています。
内政も外交も幾重にも重なり合う多くの課題に直面する中であるからこそ、国民の負託に応え、政策を遅滞なく前に進める大きな責任があります。国民の厳しいまなざしが注がれていることを常に意識をし、様々な御批判も真摯に受け止めながら、今後、内閣として一層の緊張感を持って政権運営に当たってまいります。
内閣総理大臣秘書官の人事についてお尋ねがありました。
個別の人事について詳細はお答えを控えますが、政権発足から一年という節目を捉え、適材適所の観点から総合的に判断したものであります。現在、内閣総理大臣秘書官は八名置かれており、この八名がチームとして相互に連携して総理大臣の職務遂行を常時サポートしています。今回の人事に当たっては、休日、深夜を問わず発生する危機管理の迅速かつきめ細かい報告体制、党との緊密な連携、ネット情報、SNS発信への対応など諸要素を勘案し、秘書官チームの即応力の観点から総合的に判断した次第であります。
内閣総理大臣秘書官の俸給の額は、法律に定められた手続に従って適正に決定されるものと認識しております。その具体的な金額については個人情報に当たることからお答えは差し控えますが、公設第一秘書を務めていた前職と同水準になると報告を受けております。
インボイス制度についてお尋ねがありました。
インボイス制度は、複数税率の下で適正な課税を確保するために必要なものであり、その円滑な移行を図る観点から、十分な経過措置を設けています。制度の円滑な実施に向けて、IT導入補助金などの事業者の負担を軽減する支援や、フリーランスの方々を含め、免税事業者を始めとした事業者の取引について、独禁法、下請法等の取扱いをQアンドAにより明確化し、各事業者団体への法令遵守要請を行うなど、取引環境の整備等に引き続き政府一体で連携して取り組んでまいります。
新型コロナ対応についてお尋ねがありました。
この夏の感染拡大において、必要な入院医療は提供することができたと考えていますが、緊急搬送困難事案の増加や医療従事者の欠勤などが見られ、一般医療を含め、医療提供体制に負荷が生じていたということは承知をしております。
今後は、インフルエンザと新型コロナが同時流行したときの備えが重要となります。既に、先月からオミクロン株に対応した新型ワクチンの接種を開始しておりますが、ワクチン接種を加速するとともに、インフルエンザとの同時流行を想定した外来等の医療、保健医療体制の確保を進めてまいります。
検査については、症状が出た方等に迅速に検査を実施をし、必要な医療等につなげることが重要であり、政府として検査キットの確保を行うとともに、十分な量の検査キットのインターネット等での販売を可能とし、自宅で速やかに検査ができるようにしております。
新型コロナやワクチンの後遺症対応についてお尋ねがありました。
新型コロナの後遺症については、ほとんどの方は時間経過とともに症状が改善していますが、一部の方で疲労感や倦怠感等の症状が長引くことがあると認識をしております。このような症状については、まずはかかりつけ医につなぐことが重要であり、リーフレット等による周知や診療の手引きの普及等に加え、各自治体の取組事例を横展開しております。
あわせて、ワクチンの後遺症のような長引く症状に悩む方が必要な医療を受診できるよう、各都道府県に対し、相談窓口の設置や診療体制の確保等を依頼しております。
また、コロナ感染者の全数届については、その対象を六十五歳以上の方、入院を要する方等の四類型に限定をし、重症化リスクの高い方への保健医療体制の重点化を行いました。
御指摘の中等症の方については、医師の総合的な判断になりますが、原則は入院を要する方などに該当し、引き続き届出の対象となります。届出対象外の方についても、健康フォローアップセンターの整備、体制強化により医療につながる体制を整えております。
ALPS処理水の処分と東日本大震災からの復興についてお尋ねがありました。
福島の復興とその前提となる廃炉は、岸田政権の最重要課題です。昨年、私自身、総理就任直後に福島第一原発を訪問し、敷地が逼迫するなど、立ち並ぶタンクを目の当たりにし、廃炉を着実に進め、福島の復興を実現するためには、ALPS処理水の処分は決して先送りできない課題であると痛感をいたしました。
政府としては、六年以上にわたる有識者との検討や様々な方との意見交換など、丁寧に議論を積み重ねた上で、昨年四月、安全性の確保と徹底した風評対策を行うことを前提に、ALPS処理水の海洋放出を行う基本方針を決定いたしました。
漁業者の方々など地元を始めとする皆様の御理解を得られるよう、繰り返し丁寧に説明するとともに、処理水の安全性確保や風評払拭に向けたあらゆる対策の徹底に取り組んでまいります。
また、東日本大震災の発生という国難からこの十一年間、被災者、被災地の方々の絶え間ない御努力や関係者の御尽力により復興は着実に進んでいます。こうした認識から、お尋ねの所信表明演説において、東日本大震災という未曽有の国難からも立ち上がることができましたと申し上げたものであり、これは決して復興が終わったとの認識ではありません。
引き続き、被災地の皆様の声をしっかりと受け止め、東北の復興なくして日本の再生なしとの強い決意の下、指定廃棄物の処理や被災者の心のケアなど残された課題への取組を含め、被災地の復興に向けて全力を尽くしてまいります。
そして、食料安全保障と戸別所得補償制度についてお尋ねがありました。
食料を将来にわたって安定的に確保していくためには、できる限り国内で生産していくことが重要であり、農産物の国内生産を通じた食料安全保障の確保などに取り組みます。
戸別所得補償制度については、米への助成を基本とするならば、需要ある作物への転換が進まないなどの問題があると考えており、スマート農林水産業、輸出促進、グリーン化、食料安全保障の強化、これを農林水産政策の四本柱として、我が国の課題に対応した政策を展開し、農林漁業者が安心して生産できる農林水産業を構築してまいります。
憲法審査会において議論する事柄についてお尋ねがありました。
憲法審査会の設置については、国会法に規定されているとおり、日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制について広範かつ総合的に調査を行い、憲法改正原案、日本国憲法に係る改正の発議又は国民投票に関する法律案等を審査するために各議院に設置されているものと承知をしております。
この憲法審査会の運営については、こうした設置の趣旨に従って行われるものと思いますが、国会でお決めいただくことでありますので、内閣総理大臣として申し上げることは控えなければならないと考えております。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣寺田稔君登壇、拍手〕