岸田文雄の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 牧野たかお議員の御質問にお答えいたします。
水道事業における災害対応能力の強化についてお尋ねがありました。
災害発生時における水道施設の復旧や飲料水の応急給水については、これまでも厚生労働省が関係機関と連携して対応しており、この度の台風十五号による静岡県の断水においても、海上保安庁や地方整備局が応急給水等を積極的に支援をいたしました。
水道整備・管理行政の移管を待つことなく、今後とも、国土交通省の知見と現場力を活用し、水道事業における災害対応能力の強化を図ってまいります。
温室効果ガスの排出削減に向けた世界への働きかけについてお尋ねがありました。
私も参加をした昨年のCOP26でのグラスゴー気候合意により、世界は排出削減の実施のフェーズに入りました。
一方、現時点の世界各国の排出削減目標が達成された場合でも、気温上昇を一・五度に抑えるためには、更に約二百九十億トンの削減が必要とされています。
今後、主要排出国はもちろん、世界各国が実効性ある取組を着実に実施することが重要です。
我が国としては、年末に向けて、GX推進のための今後十年のロードマップを策定し、まず国内において百五十兆円超のGX投資を実現いたします。そして、アジア・ゼロエミッション共同体構想を具体化させ、日本の投資と技術を膨大な投資需要を持つアジアのGXへ連結し、脱炭素化と成長を牽引します。
さらに、我が国は、途上国に向けて、二〇二五年までの五年間で官民合わせて最大七百億ドルの支援を表明しています。
今後、G20やCOP27、そして来年日本で開催するG7などの機会を最大限活用し、世界各国が団結してパリ協定を実現できるよう、国際社会を主導してまいります。
地方公共団体が管理する中小河川における防災対策についてお尋ねがありました。
線状降水帯による豪雨など、災害が激甚化、頻発化しており、中小河川においても浸水被害が発生しています。
御指摘のとおり、ハザードマップの作成や排水ポンプ車の配備促進は、集中豪雨に脆弱な中小河川における浸水への対応として非常に有効な手段です。
国民の生命、財産を守り、災害の被害に遭う方を一人でも減らすため、ハード、ソフト一体となった治水対策を効果的に推進してまいります。
農地の洪水防止機能の再生についてお尋ねがありました。
水田を含む農地の洪水防止機能の発揮には、農地が有効活用されることが前提ですが、耕作放棄による荒廃農地が約二十八万ヘクタールと把握しており、日本型直接支払などを着実に実施し、耕作放棄の発生抑制に努めるとともに、荒廃農地の再生に向けた取組を支援し、ハザードマップの整備などと併せ、洪水被害の防止に取り組んでまいります。
里山の森林管理についてお尋ねがありました。
生活に身近な里山の森林は様々な自然の恵みをもたらすものでありますが、御指摘のあった竹林の管理不足による樹木の生育の阻害を防止するため、地域住民による竹の除去や利活用を支援しています。
また、所有者のみでは手入れが行き届かない森林については、森林経営管理制度に基づき、意欲と能力のある経営者へ集積、集約化や市町村による公的管理を推進してまいります。
そして、新しい資本主義と金融所得課税についてお尋ねがありました。
新しい資本主義は、社会課題を成長のエンジンへと転換し、社会課題の解決と持続的な成長を実現します。その成長の果実を分配し、更なる成長へつなげることにより、成長と分配の好循環を推進していきます。
このためには賃上げが不可欠であり、構造的な賃上げを重点分野の一つとして掲げ、正面から果断にその実現を目指しており、リスキリングを始めとした人への投資の支援強化等を通じて労働生産性の向上と賃上げの好循環を実現いたします。
なお、金融所得に対する課税の在り方については、令和四年度の与党税制改正大綱において様々な観点を踏まえ総合的に検討していくこととされています。まずは人への投資や賃上げなどを最優先に経済対策に取り組むことが重要であると考えております。
スタートアップの支援策についてお尋ねがありました。
私は、社会的起業家を始めとするスタートアップこそが、社会的課題を成長のエンジンに転換して、持続可能な経済社会を実現する新しい資本主義の考え方を体現するものだと考えています。
このため、年末のスタートアップ育成五か年計画の策定に向けて、スタートアップの創出と成長の加速に向けた支援策を検討してまいります。
具体的には、人材・ネットワーク構築の観点、事業成長のための資金供給の強化や事業展開、出口戦略の多様化の観点から、優れたアイデアや技術を持つ若い人材への支援制度の拡大、海外における起業家育成拠点の整備、ベンチャーキャピタルへの公的資本の投資拡大、公共調達におけるスタートアップの活用、経営者の個人保証を不要とする見直しなど、支援策を一体的に講じていきます。
不測時の食料供給についてお尋ねがありました。
海外からの食料の輸入に支障があった場合でも、代替国からの輸入、備蓄の活用、緊急時、緊急的な増産により食料供給を確保できるよう、食料、あっ、主要輸出国との継続的な対話、適正な備蓄水準の確保、事態に応じた対応のシミュレーションなど、不測時に備えた平時からの取組を適切に実施してまいります。
また、肥料原料は海外からの輸入に依存していますが、調達の不安定化や肥料価格の高騰を受け、調達国の多角化支援や肥料価格高騰に対する支援金の仕組みの創設など、機動的に対応してきました。
新たな国家安全保障戦略等の策定等についてお尋ねがありました。
議員が具体的に指摘されたとおり、安全保障環境は迅速、急速に厳しさを増しています。抑止力、対処力の強化は最優先の使命です。
先般開始した国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議においても議論を進めていただくとともに、新たな国家安全保障戦略等の策定に向けた議論を加速し、与党とも十分連携しながら、予算編成過程で結論を出します。
その際、防衛力の中心的な構成要素である人的基盤の強化は重要であり、隊員が自らの能力を十分に発揮できる環境整備に取り組んでまいります。
こうした点も含め、主要となる防衛力の内容の検討、予算規模の把握、財源の確保、これらを一体的かつ強力に進め、その過程で国民の皆さんに丁寧に説明し、理解を得ていきます。
リニア中央新幹線についてお尋ねがありました。
リニア中央新幹線の建設工事については、政府として水資源や環境保全等の課題解決に向けた取組を進めることにより、早期整備を促進いたします。
さらに、リニア中央新幹線への輸送需要の転移に伴う東海道新幹線の静岡県内の停車本数の増加など、静岡県、そして東海地方の発展に資する交通利便性の向上や地域活性化についても、関係自治体やJR東海と連携して対応してまいります。
地方の声の国政への反映についてお尋ねがありました。
議員御指摘のとおり、参議院の在り方やこれを踏まえた参議院選挙制度改革については、各党各派の間で、多様な民意や地域代表的な性格の具体化、また合区の在り方などの議論が行われてきているものと承知をしております。
参議院の合区については、都道府県が果たした、果たしてきた役割などを踏まえ、解消に向けた意見があることも承知をしており、重要な課題であると認識をしております。
いずれにしても、参議院の選挙制度の在り方については、議会制度の根幹に関わる重要な問題であることから、各党各派において御議論いただくべき事柄であると考えております。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣野村哲郎君登壇、拍手〕