小沢雅仁の発言 (本会議)

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○小沢雅仁君 立憲民主党の小沢雅仁です。
 私は、立憲民主・社民を代表して、鈴木財務大臣の財政演説に対し、岸田総理並びに関係閣僚に質問を行います。
 一昨日、寺田総務大臣が更迭され、辞任しました。寺田総務大臣は、臨時国会の冒頭から、政治資金規正法、公職選挙法の所管大臣として連日疑惑の追及を受け、都合の良い方にルールを置き換える答弁を繰り返してきました。
 この一か月半、毎週のように追及を受け、寺田大臣所管の重要政策課題の審議を完全に停滞させ、寺田大臣の辞任を引き延ばした岸田総理の責任は極めて重いと考えます。総理はその責任をどのようにお考えですか、答弁を求めます。
 そして、財政演説の本会議が立ち、このタイミングで更迭して辞任させたことについて、まさに立法府の審議を崩壊させている行政府の責任を与党こそ強く非難し、責任追及すべきではありませんか。
 それだけではありません。山際前大臣は参議院予算委員会において再三辞任を要求されても辞めず、総理も辞任要求を拒否。その数時間後に、山際前大臣を実質更迭し、辞任させました。葉梨前大臣も、参議院本会議において辞任要求を拒否し、岸田総理も続投を容認したその数時間後に、わざわざ外交日程を変更して、葉梨前大臣を実質更迭させ、辞任させました。
 岸田総理、この国会審議を余りにも軽んじていませんか。質疑者と国会に対して信義にもとる行為ではありませんか。自らが国会における審議を形骸化させていませんか。国会答弁の重みについて総理の答弁を求めます。
 この一か月足らずで三人の閣僚が辞任に追い込まれる辞任ドミノとなり、岸田内閣に対する国民の信頼は完全に失墜しました。総理、国民が聞きたいのは、総理自身の任命責任への認識と、どのような形で責任を取るかということです。明確な答弁を求めます。
 三人の閣僚が辞任しました。岸田内閣は即刻総辞職すべきです。
 それでは、財政演説に対する質問を行います。
 現在、国民の暮らしは、長引くコロナ禍、物価高騰、低賃金、年金減少の四重苦により生活氷河期ともいうべき深刻な状況に直面しており、効果的な経済対策の実施が急務です。物価高の影響を強く受ける人や事業者に着実に行き渡る施策こそ求められています。しかしながら、ようやく政府が編成した二〇二二年度第二次補正予算は、規模を膨らせるために、明らかに年度内支出が不可能な予算を多分に積み上げていることに加え、肝腎の経済対策もその場しのぎで不合理な対策に終始し、ちぐはぐさが否めず、矛盾だらけです。
 政府は、本補正予算により財政的に裏付けされる物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策について、消費者物価を押し下げる効果があると喧伝しています。しかし、巨額の財政出動はインフレを助長し、物価高騰に苦しむ国民生活を支えるはずの経済対策が更なる物価高騰をもたらすという本末転倒な結果を招きかねないと考えます。
 先月二十八日、経済対策はインフレ率の押し下げ効果があると岸田総理は説明しましたが、鈴木財務大臣は同じ日の会見で、財政出動で需要が喚起され、物価を押し上げるのではと心配する向きもあると懸念を示しています。
 本補正予算の効果について、消費者物価をどの程度押し下げる効果があるのか、あるいはGDPをどの程度押し上げる効果があるのかについて、総理並び財務大臣の御見解を伺います。
 ロシアによるウクライナ侵攻等を契機として世界的なインフレが発生し、米国の消費者物価指数は六月に前年比九%を超える伸び率となるなど、諸外国では物価上昇が進んでいます。そうした中、米国のFRBによる急激な金融引締めが実施される一方、日本銀行は引き続き異次元緩和政策を実施する意向を示しています。こうした金融政策の方向性の違いを受けた金利差拡大等により、急激に円安ドル高が進みました。政府が円安、物価高対策を講じながら、日銀が物価高の一因でもある円安を助長する異次元緩和政策を続けることは、ちぐはぐの極致であり、矛盾しています。急激な円安が我が国経済に与える影響について懸念の声もある中、異次元緩和政策を続けることの妥当性や、物価高対策を講じる財政政策との整合性等についてどのようにお考えですか。そもそも円安がここまで進んだのは、異常な低金利政策で日米の金利差を拡大させたアベノミクスの弊害であると考えますが、総理はどう認識されていますか。
 家計支援として、電気やガス、ガソリン代の補助を行いますが、脱炭素化に逆行するとの指摘にどう答えますか。公的補助の長期化は市場をゆがめかねません。価格抑制が間接的に化石燃料の消費を後押しし、海外依存の化石燃料の輸入が縮まなければ、貿易赤字は膨らみ続け、更なる円安を招く悪循環に陥りかねず、円安は輸入物価の上昇につながりかねないのではないですか。総理の明確な御説明をお願いいたします。
 今回の経済対策は、自民党内から三十兆円が発射台などとの増額要求が相次ぎ、財政規律を緩め、規模ありきで編成が進んだと言われております。財務省が当初提示した額が一夜にして四兆円上積みされたことは、総理、事実ですか。使い道がなく巨額の予備費が積み上がり、しかも財源の大半は赤字国債で賄われています。余りにも安直な財政運営ではないですか。総理、いかがですか。
 本補正予算では、一般会計の歳出補正額としては過去三番目となる二十八兆九千二百二十二億円を計上し、二十二兆八千五百二十億円を国債の発行によって賄うとされています。効果的、効率的でないばらまきは、将来世代の負担として積み上がるだけでなく、今後、金利が上昇する局面に突入した場合、利払い費が急増し、国家財政に甚大な影響を与えかねません。
 一方、政府はこれまで、経済財政運営と改革の基本方針、骨太方針において、財政健全化目標として、二〇二五年度に国、地方を合わせた基礎的財政収支の黒字化を目指すことなどを掲げてきました。しかし、本年六月に閣議決定された骨太の方針では、昨年まで明記されていた具体的な黒字化の目標年度は削除され、これまでの財政健全化目標に取り組むとされるにとどまっています。総理、財政健全化目標の位置付けは下がったのではないですか。
 我が国では、二〇二〇年度以降、新型コロナウイルスの感染拡大への対応などのため大型補正予算の編成を続けており、財政健全化に関する議論は先延ばしにされてきました。財政健全化の道筋を示さないと、物価高騰の一因の円安は止められないと考えます。総理、政府は今後どのように財政健全化目標に取り組んでいくのか、明らかにしてください。
 本補正予算には、必要な事業であるものの、年度内に支出することが困難なものや、来年度当初予算で措置すべきものを多分に積み上げています。公共事業も到底、年度内執行はおぼつかないと考えます。まさに規模ありきの水増し予算ではないですか。
 会計検査院によると、国が二〇一九から二一年度に予算計上した新型コロナウイルス対策関連の事業で、予算総額九十四兆四千九百億円のうち約二割が未執行となっています。今年度も同じような状況になることが危惧されますが、財務大臣、いかがですか。
 予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出などのために作成できるという財政法第二十九条の要件を満たすか疑念を拭えない経費も含まれています。例えば、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策、五年で事業規模十五兆円程度を目指すこととしており、これまで全額が補正予算で計上されています。
 長期的計画に基づいて毎年必要となる経費は当初予算で計上するべきであり、かかる経費を予算作成後に生じた事由に基づいて編成される補正予算に計上することが妥当かは疑問が残ります。必要であっても、概算要求に盛り込まれていた事業の多くが前倒しで補正予算に計上されていることは、概算要求の基準の意味を失わせるものではないですか。きちんと査定機能は発揮されているのですか。
 いま一度、財政法の趣旨を踏まえ、補正予算への計上は緊要性を有する経費に限定することが重要ではないですか。財務大臣の答弁を求めます。
 また、本補正予算には、基金の造成、積み増しに対して多額の予算が計上されています。とりわけ緊要性を要件とする補正予算によって中長期的な課題に向けた基金の造成、積み増しを実施することの妥当性についてどのようにお考えか、財務大臣の明確な御説明をお願いをいたします。
 巨額の予備費についてお尋ねいたします。
 本補正予算では、ウクライナ情勢経済緊急対応予備費の新設に一兆円を計上した上で、新型コロナウイルス感染症及び原油価格・物価高騰対策予備費を三兆七千四百億円積み増し、再度五兆円の水準を保つこととなりました。その結果、今年度の予備費は、本補正予算を合わせると十一兆七千六百億円に達することとなります。
 国会の議決を経ずに政府が使い道を決める予備費の大規模計上は、財政民主主義の趣旨を没却するものとして許せないと考えますが、総理、いかがですか。二二年度予算と第一次補正予算で、新型コロナウイルス対策や物価高対策を理由に約七兆円を計上しています。政府への白紙委任状と変わらないと考えます。総理、財政民主主義に反し、異常な規模を更に積み増す必要があるのですか。
 また、当初予算成立から間もない四月二十八日、コロナ予備費から新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金等、一般予備費から燃料油価格激変緩和対策事業等への使用決定を行ったことや、九月二十日、再びコロナ予備費から既存政策の延長である燃料油価格激変緩和対策事業への使用決定を行ったことについては、予見し難い予算の不足に充てるとの予備費使用要件を満たすのか、疑問が残ります。閣議決定により、予備費の使用は、国会開会中はこれを行わないのが原則であり、当初予算成立後の追加財政需要には、補正予算を編成して対応すべきだったはずです。総理のお考えをお伺いいたします。
 物価高と闘うため、今何よりも必要な賃上げについてお伺いいたします。
 岸田政権は、看板政策の新しい資本主義で、構造的な賃上げを最優先に掲げています。急激な物価高に対応するには、大幅な賃金、賃上げが避けられません。電気代抑制など政府の物価対策は対症療法で、重要なのは持続的な民間の賃上げです。
 しかし、本補正予算で、物価高対策で最重要な賃金引上げ関連に投じるのは、金額ベースで一割未満にすぎません。しかも、具体的な事業は、中小企業の賃上げ環境を整えるための事業再構築と生産性向上、大学の機能強化、雇用保険財政の安定など、間接的な支援策が目立っています。物価上昇に見合う賃上げを実現することが消費の拡大につながり、経済の好循環をもたらすようにすべきです。総理、本補正予算でどの程度の賃上げ効果を見込んでいますか。
 企業の内部留保は、二一年度には五百十六兆円超と過去最高を更新しました。企業申告所得も、七十九兆四千七百九十億円と過去最高です。円安による輸出企業の収益好転が最大要因です。円安で追い風を受けた大企業中心に企業決算は好調で、賃上げの原資は確保できたのではないですか。可能な限り働く人や家計に回すべきであると考えますが、総理の御認識を伺います。
 総理は、十月三日の所信表明演説で、物価上昇に見合う賃上げの実現を強調されました。日本が長く経験していなかった物価上昇が続く中、物価に見合う賃上げ率はどの程度でしょうか。実質賃金は六か月連続で減少しており、物価高と闘うために何よりも必要なのは、賃上げを加速し、幅広く実現することです。賃上げに向けた具体的な方策と総理の決意をお聞かせください。
 次に、エネルギー価格高騰抑制策についてお尋ねいたします。
 高騰が見込まれる電気・都市ガス料金への対策として、政府は、本年一月から実施されている燃料油価格激変緩和対策事業と同様の仕組みで、電気、都市ガスの小売事業者に対して補助金を支給することとしています。燃料油価格激変緩和対策事業は、本年一月に実施された以降、これまで措置された予算総額は約三兆円にも上ります。状況が好転しなければ、電気・都市ガス代についても財政支出が続くこととなり、更なる財政悪化を招くことになりませんか。出口に向けた考え方について、総理の御所見をお伺いいたします。
 財務省の二〇二二年度予算執行調査において、これまでに実施された燃料油価格激変緩和対策事業では、補助金全額が販売価格の抑制に充てられていないことが指摘されています。大手石油元売三社の二二年四月から六月期の決算は、売上高と最終利益が同期で過去最高となっています。電気・都市ガス料金の抑制についても、中抜きが起きないよう、事業者経由ではなく家計に直接給付すべきと考えます。補助金が価格の抑制に適切に使われているのかをどのように担保するつもりですか。経済産業大臣、お答えください。
 最後に、子供、子育て世代に向けた伴走型相談支援、経済支援事業の在り方について、岸田総理の御所見をお尋ねします。
 政府は、子供、子育て世代への支援として、妊娠時から出産、子育てまで一貫した伴走型相談支援と、妊娠届、出産届提出の際に計十万円相当分を支給する経済的支援を一体化として実施する事業を創設するとしています。子供、子育て世代への支援を充実することは同感ですが、少子化対策は腰を据えて取り組むべき国の課題であり、景気の下支えを目的とした経済対策に据えることに対し、違和感もあります。当初予算に計上するのが筋ではありませんか。
 また、十万円相当分としてクーポンを配付する場合、昨年、子育て世代への臨時特例給付を実施するに当たって、現金給付より多額の事務費を要することや事務負担が重くなることが指摘されたことについて、反省を踏まえた適切な対応が求められると考えます。総理はいかがお考えですか。
 本補正予算の財源は大部分が国債で賄われていますが、子供、子育て世代への支援に腰を入れて取り組むには、長期的な視点に立って財源の在り方を検討する必要があります。子供予算倍増と言われる総理、どのような財源確保をお考えですか。また、子供支援策の恒久的な充実など地方に影響を及ぼす施策の検討に当たっては、地方財政へ配慮するとともに、地方の意見を十分反映すべきと考えますが、いかがですか。
 総理、あなたは二一年の自民党総裁選で国民とどういう約束をしたか覚えていますか。「声をかたちに。信頼ある政治」をスローガンに、我が国の民主主義を守る、信なくば立たず、こうした思いで自民党総裁選挙に出馬をいたしました、政治の根幹である国民の信頼が大きく崩れ、我が国の民主主義が危機に瀕しているのではないか、強い危機感を持つに至りました、信なくば立たず、私は自民党を改革し、国民からの信頼を取り戻し、そして新しい政治を切り開きますと述べられました。
 しかし、今やあなたの政権が政治の根幹である国民の信頼を崩しているのです。不適切な閣僚を任命した責任は免れません。もはや総理自身の資質が問われています。岸田総理の見解を伺って、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 121015254X00820221122_006

発言者: 小沢雅仁

speaker_id: 17023

日付: 2022-11-22

院: 参議院

会議名: 本会議