本会議

2022-11-22 参議院 全34発言

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会議録情報#0
令和四年十一月二十二日(火曜日)
   午後一時一分開議
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○議事日程 第九号
  令和四年十一月二十二日
   午後一時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件
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○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定
  を改正する議定書の締結について承認を求め
  るの件(衆議院送付)
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尾辻秀久#1
○議長(尾辻秀久君) これより会議を開きます。
 内閣総理大臣から閣僚の交代に係る経緯について発言を求められております。発言を許します。岸田文雄内閣総理大臣。
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
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岸田文雄#2
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 葉梨法務大臣及び寺田総務大臣の辞任に関し、私から一言申し上げます。
 先々週、葉梨大臣から、政権として様々な懸案を抱える中、軽率な発言によって今後の補正予算や重要法案の審議に迷惑を掛けたくない、身を引きたいと、辞任の申出がありました。
 また、一昨日、寺田大臣から、補正予算、被害者救済新法など重要課題処理の最終段階を迎えているときに、自らの政治資金に関する質疑が続くことで悪影響を与えたくないと、辞任の申出がありました。
 総理大臣として、補正予算審議、被害者救済新法、コロナ対応、当初予算編成等の重要課題に答えを一つ一つ出すことを最優先とし、それぞれの辞任を認めることといたしました。
 そして、葉梨大臣の後任には齋藤健氏を任命いたしました。民法改正、旧統一教会による被害者救済などの山積する課題にしっかりと取り組んでまいります。
 また、寺田大臣の後任には松本剛明氏を任命いたしました。補正予算関連法案の早期成立や当初予算編成、さらにはマイナンバーカードの普及、地方活性化やデジタルインフラの整備など、重要課題に全力で取り組んでまいります。
 国会開会中に大臣が辞任する事態となったことは誠に遺憾であり、私自身、任命責任を重く受け止めております。政策に遅滞が生じないよう、政府一丸となって国政の運営にしっかりと取り組むことで職責を果たしてまいります。拍手
     ─────・─────
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尾辻秀久#3
○議長(尾辻秀久君) 日程第一 国務大臣の演説に関する件
 財務大臣から財政について発言を求められております。これより発言を許します。鈴木俊一財務大臣。
   〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕
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鈴木俊一#4
○国務大臣(鈴木俊一君) さきに閣議決定いたしました物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策を受けて、今般、令和四年度第二次補正予算を提出することといたしました。その御審議をお願いするに当たり、補正予算の大要について御説明申し上げます。
 日本経済につきましては、ウイズコロナの下、社会経済活動の正常化が進みつつある中、緩やかに持ち直しております。しかし、足下では、ロシアによるウクライナ侵略を背景とした国際的な原材料価格の上昇に加え、円安の影響などから、日常生活に密接なエネルギー、食料品等の価格上昇が続いており、また、世界的な景気後退懸念も高まっております。
 こうした認識の下、十月二十八日に物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策を閣議決定いたしました。
 総合経済対策は、足下の物価高や世界経済の下振れリスクを乗り越え、社会課題の解決と持続的な成長の実現により日本経済を再生するためのものです。
 具体的には、第一に物価高騰・賃上げへの取組、第二に円安を活かした地域の稼ぐ力の回復・強化、第三に新しい資本主義の加速、第四に防災・減災、国土強靱化の推進、外交・安全保障環境の変化への対応など、国民の安全・安心の確保を進めてまいります。また、今後への備えとして、新型コロナウイルス感染症及び原油価格・物価高騰対策予備費を増額するとともに、新たにウクライナ情勢経済緊急対応予備費を創設いたします。
 総合経済対策により、まずは足下の物価高への対応と日本経済の再生に全力で取り組み、持続的な経済成長の実現を図るとともに、引き続き、責任ある経済財政運営を進めていくことが重要であると考えております。
 次に、総合経済対策の実行等のために今国会に提出いたしました令和四年度第二次補正予算の大要について申し述べます。
 一般会計につきましては、歳出において、総額で約二十八兆九千二百億円を計上しております。
 その内容としては、総合経済対策に基づき、物価高騰・賃上げへの取組に係る経費に約七兆八千二百億円、円安を活かした地域の稼ぐ力の回復・強化に係る経費に約三兆四千九百億円、新しい資本主義の加速に係る経費に約五兆五千億円、防災・減災、国土強靱化の推進、外交・安全保障環境の変化への対応など、国民の安全・安心の確保に係る経費に約七兆五千五百億円、今後への備えとして新型コロナウイルス感染症及び原油価格・物価高騰対策予備費に三兆七千四百億円を計上するとともに、新たに創設するウクライナ情勢経済緊急対応予備費に一兆円を計上しております。これらにより、総合経済対策関係の国費のうち一般会計分の金額は約二十九兆九百億円、特別会計分を合わせた金額は約二十九兆六千三百億円となっております。
 また、国債整理基金特別会計への繰入れとして約六千九百億円、その他の経費として約二千二百億円を計上するとともに、既定経費を約一兆八百億円減額しております。
 歳入においては、租税等の収入について、最近までの収入実績や雇用、賃金の動向等を勘案して約三兆一千二百億円の増収を見込んでおります。また、税外収入について、約六千七百億円の増収を見込むほか、前年度剰余金約二兆二千七百億円を計上しております。
 以上によってなお不足する歳入について、公債を約二十二兆八千五百億円発行することとしております。
 この結果、令和四年度一般会計第二次補正後予算の総額は、一般会計第一次補正後予算に対して歳入歳出共に約二十八兆九千二百億円増加し、約百三十九兆二千二百億円となります。
 また、特別会計予算につきましても、所要の補正を行っております。
 財政投融資計画につきましては、総合経済対策を踏まえ、物価高騰・賃上げへの取組や、新しい資本主義の重点分野への投資等を推進するため、約一兆二百億円を追加しております。
 以上、令和四年度第二次補正予算の大要について御説明申し上げました。
 日本経済を取り巻く環境には厳しさが増している中、国民生活や事業活動をしっかりと支えることで、この難局を乗り越え、さらに、日本経済を持続可能で一段高い成長経路に乗せていく必要があります。そのため、本補正予算の一刻も早い成立が必要であります。
 何とぞ御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。拍手
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尾辻秀久#5
○議長(尾辻秀久君) ただいまの演説に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。小沢雅仁君。
   〔小沢雅仁君登壇、拍手〕
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小沢雅仁#6
○小沢雅仁君 立憲民主党の小沢雅仁です。
 私は、立憲民主・社民を代表して、鈴木財務大臣の財政演説に対し、岸田総理並びに関係閣僚に質問を行います。
 一昨日、寺田総務大臣が更迭され、辞任しました。寺田総務大臣は、臨時国会の冒頭から、政治資金規正法、公職選挙法の所管大臣として連日疑惑の追及を受け、都合の良い方にルールを置き換える答弁を繰り返してきました。
 この一か月半、毎週のように追及を受け、寺田大臣所管の重要政策課題の審議を完全に停滞させ、寺田大臣の辞任を引き延ばした岸田総理の責任は極めて重いと考えます。総理はその責任をどのようにお考えですか、答弁を求めます。
 そして、財政演説の本会議が立ち、このタイミングで更迭して辞任させたことについて、まさに立法府の審議を崩壊させている行政府の責任を与党こそ強く非難し、責任追及すべきではありませんか。
 それだけではありません。山際前大臣は参議院予算委員会において再三辞任を要求されても辞めず、総理も辞任要求を拒否。その数時間後に、山際前大臣を実質更迭し、辞任させました。葉梨前大臣も、参議院本会議において辞任要求を拒否し、岸田総理も続投を容認したその数時間後に、わざわざ外交日程を変更して、葉梨前大臣を実質更迭させ、辞任させました。
 岸田総理、この国会審議を余りにも軽んじていませんか。質疑者と国会に対して信義にもとる行為ではありませんか。自らが国会における審議を形骸化させていませんか。国会答弁の重みについて総理の答弁を求めます。
 この一か月足らずで三人の閣僚が辞任に追い込まれる辞任ドミノとなり、岸田内閣に対する国民の信頼は完全に失墜しました。総理、国民が聞きたいのは、総理自身の任命責任への認識と、どのような形で責任を取るかということです。明確な答弁を求めます。
 三人の閣僚が辞任しました。岸田内閣は即刻総辞職すべきです。
 それでは、財政演説に対する質問を行います。
 現在、国民の暮らしは、長引くコロナ禍、物価高騰、低賃金、年金減少の四重苦により生活氷河期ともいうべき深刻な状況に直面しており、効果的な経済対策の実施が急務です。物価高の影響を強く受ける人や事業者に着実に行き渡る施策こそ求められています。しかしながら、ようやく政府が編成した二〇二二年度第二次補正予算は、規模を膨らせるために、明らかに年度内支出が不可能な予算を多分に積み上げていることに加え、肝腎の経済対策もその場しのぎで不合理な対策に終始し、ちぐはぐさが否めず、矛盾だらけです。
 政府は、本補正予算により財政的に裏付けされる物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策について、消費者物価を押し下げる効果があると喧伝しています。しかし、巨額の財政出動はインフレを助長し、物価高騰に苦しむ国民生活を支えるはずの経済対策が更なる物価高騰をもたらすという本末転倒な結果を招きかねないと考えます。
 先月二十八日、経済対策はインフレ率の押し下げ効果があると岸田総理は説明しましたが、鈴木財務大臣は同じ日の会見で、財政出動で需要が喚起され、物価を押し上げるのではと心配する向きもあると懸念を示しています。
 本補正予算の効果について、消費者物価をどの程度押し下げる効果があるのか、あるいはGDPをどの程度押し上げる効果があるのかについて、総理並び財務大臣の御見解を伺います。
 ロシアによるウクライナ侵攻等を契機として世界的なインフレが発生し、米国の消費者物価指数は六月に前年比九%を超える伸び率となるなど、諸外国では物価上昇が進んでいます。そうした中、米国のFRBによる急激な金融引締めが実施される一方、日本銀行は引き続き異次元緩和政策を実施する意向を示しています。こうした金融政策の方向性の違いを受けた金利差拡大等により、急激に円安ドル高が進みました。政府が円安、物価高対策を講じながら、日銀が物価高の一因でもある円安を助長する異次元緩和政策を続けることは、ちぐはぐの極致であり、矛盾しています。急激な円安が我が国経済に与える影響について懸念の声もある中、異次元緩和政策を続けることの妥当性や、物価高対策を講じる財政政策との整合性等についてどのようにお考えですか。そもそも円安がここまで進んだのは、異常な低金利政策で日米の金利差を拡大させたアベノミクスの弊害であると考えますが、総理はどう認識されていますか。
 家計支援として、電気やガス、ガソリン代の補助を行いますが、脱炭素化に逆行するとの指摘にどう答えますか。公的補助の長期化は市場をゆがめかねません。価格抑制が間接的に化石燃料の消費を後押しし、海外依存の化石燃料の輸入が縮まなければ、貿易赤字は膨らみ続け、更なる円安を招く悪循環に陥りかねず、円安は輸入物価の上昇につながりかねないのではないですか。総理の明確な御説明をお願いいたします。
 今回の経済対策は、自民党内から三十兆円が発射台などとの増額要求が相次ぎ、財政規律を緩め、規模ありきで編成が進んだと言われております。財務省が当初提示した額が一夜にして四兆円上積みされたことは、総理、事実ですか。使い道がなく巨額の予備費が積み上がり、しかも財源の大半は赤字国債で賄われています。余りにも安直な財政運営ではないですか。総理、いかがですか。
 本補正予算では、一般会計の歳出補正額としては過去三番目となる二十八兆九千二百二十二億円を計上し、二十二兆八千五百二十億円を国債の発行によって賄うとされています。効果的、効率的でないばらまきは、将来世代の負担として積み上がるだけでなく、今後、金利が上昇する局面に突入した場合、利払い費が急増し、国家財政に甚大な影響を与えかねません。
 一方、政府はこれまで、経済財政運営と改革の基本方針、骨太方針において、財政健全化目標として、二〇二五年度に国、地方を合わせた基礎的財政収支の黒字化を目指すことなどを掲げてきました。しかし、本年六月に閣議決定された骨太の方針では、昨年まで明記されていた具体的な黒字化の目標年度は削除され、これまでの財政健全化目標に取り組むとされるにとどまっています。総理、財政健全化目標の位置付けは下がったのではないですか。
 我が国では、二〇二〇年度以降、新型コロナウイルスの感染拡大への対応などのため大型補正予算の編成を続けており、財政健全化に関する議論は先延ばしにされてきました。財政健全化の道筋を示さないと、物価高騰の一因の円安は止められないと考えます。総理、政府は今後どのように財政健全化目標に取り組んでいくのか、明らかにしてください。
 本補正予算には、必要な事業であるものの、年度内に支出することが困難なものや、来年度当初予算で措置すべきものを多分に積み上げています。公共事業も到底、年度内執行はおぼつかないと考えます。まさに規模ありきの水増し予算ではないですか。
 会計検査院によると、国が二〇一九から二一年度に予算計上した新型コロナウイルス対策関連の事業で、予算総額九十四兆四千九百億円のうち約二割が未執行となっています。今年度も同じような状況になることが危惧されますが、財務大臣、いかがですか。
 予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出などのために作成できるという財政法第二十九条の要件を満たすか疑念を拭えない経費も含まれています。例えば、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策、五年で事業規模十五兆円程度を目指すこととしており、これまで全額が補正予算で計上されています。
 長期的計画に基づいて毎年必要となる経費は当初予算で計上するべきであり、かかる経費を予算作成後に生じた事由に基づいて編成される補正予算に計上することが妥当かは疑問が残ります。必要であっても、概算要求に盛り込まれていた事業の多くが前倒しで補正予算に計上されていることは、概算要求の基準の意味を失わせるものではないですか。きちんと査定機能は発揮されているのですか。
 いま一度、財政法の趣旨を踏まえ、補正予算への計上は緊要性を有する経費に限定することが重要ではないですか。財務大臣の答弁を求めます。
 また、本補正予算には、基金の造成、積み増しに対して多額の予算が計上されています。とりわけ緊要性を要件とする補正予算によって中長期的な課題に向けた基金の造成、積み増しを実施することの妥当性についてどのようにお考えか、財務大臣の明確な御説明をお願いをいたします。
 巨額の予備費についてお尋ねいたします。
 本補正予算では、ウクライナ情勢経済緊急対応予備費の新設に一兆円を計上した上で、新型コロナウイルス感染症及び原油価格・物価高騰対策予備費を三兆七千四百億円積み増し、再度五兆円の水準を保つこととなりました。その結果、今年度の予備費は、本補正予算を合わせると十一兆七千六百億円に達することとなります。
 国会の議決を経ずに政府が使い道を決める予備費の大規模計上は、財政民主主義の趣旨を没却するものとして許せないと考えますが、総理、いかがですか。二二年度予算と第一次補正予算で、新型コロナウイルス対策や物価高対策を理由に約七兆円を計上しています。政府への白紙委任状と変わらないと考えます。総理、財政民主主義に反し、異常な規模を更に積み増す必要があるのですか。
 また、当初予算成立から間もない四月二十八日、コロナ予備費から新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金等、一般予備費から燃料油価格激変緩和対策事業等への使用決定を行ったことや、九月二十日、再びコロナ予備費から既存政策の延長である燃料油価格激変緩和対策事業への使用決定を行ったことについては、予見し難い予算の不足に充てるとの予備費使用要件を満たすのか、疑問が残ります。閣議決定により、予備費の使用は、国会開会中はこれを行わないのが原則であり、当初予算成立後の追加財政需要には、補正予算を編成して対応すべきだったはずです。総理のお考えをお伺いいたします。
 物価高と闘うため、今何よりも必要な賃上げについてお伺いいたします。
 岸田政権は、看板政策の新しい資本主義で、構造的な賃上げを最優先に掲げています。急激な物価高に対応するには、大幅な賃金、賃上げが避けられません。電気代抑制など政府の物価対策は対症療法で、重要なのは持続的な民間の賃上げです。
 しかし、本補正予算で、物価高対策で最重要な賃金引上げ関連に投じるのは、金額ベースで一割未満にすぎません。しかも、具体的な事業は、中小企業の賃上げ環境を整えるための事業再構築と生産性向上、大学の機能強化、雇用保険財政の安定など、間接的な支援策が目立っています。物価上昇に見合う賃上げを実現することが消費の拡大につながり、経済の好循環をもたらすようにすべきです。総理、本補正予算でどの程度の賃上げ効果を見込んでいますか。
 企業の内部留保は、二一年度には五百十六兆円超と過去最高を更新しました。企業申告所得も、七十九兆四千七百九十億円と過去最高です。円安による輸出企業の収益好転が最大要因です。円安で追い風を受けた大企業中心に企業決算は好調で、賃上げの原資は確保できたのではないですか。可能な限り働く人や家計に回すべきであると考えますが、総理の御認識を伺います。
 総理は、十月三日の所信表明演説で、物価上昇に見合う賃上げの実現を強調されました。日本が長く経験していなかった物価上昇が続く中、物価に見合う賃上げ率はどの程度でしょうか。実質賃金は六か月連続で減少しており、物価高と闘うために何よりも必要なのは、賃上げを加速し、幅広く実現することです。賃上げに向けた具体的な方策と総理の決意をお聞かせください。
 次に、エネルギー価格高騰抑制策についてお尋ねいたします。
 高騰が見込まれる電気・都市ガス料金への対策として、政府は、本年一月から実施されている燃料油価格激変緩和対策事業と同様の仕組みで、電気、都市ガスの小売事業者に対して補助金を支給することとしています。燃料油価格激変緩和対策事業は、本年一月に実施された以降、これまで措置された予算総額は約三兆円にも上ります。状況が好転しなければ、電気・都市ガス代についても財政支出が続くこととなり、更なる財政悪化を招くことになりませんか。出口に向けた考え方について、総理の御所見をお伺いいたします。
 財務省の二〇二二年度予算執行調査において、これまでに実施された燃料油価格激変緩和対策事業では、補助金全額が販売価格の抑制に充てられていないことが指摘されています。大手石油元売三社の二二年四月から六月期の決算は、売上高と最終利益が同期で過去最高となっています。電気・都市ガス料金の抑制についても、中抜きが起きないよう、事業者経由ではなく家計に直接給付すべきと考えます。補助金が価格の抑制に適切に使われているのかをどのように担保するつもりですか。経済産業大臣、お答えください。
 最後に、子供、子育て世代に向けた伴走型相談支援、経済支援事業の在り方について、岸田総理の御所見をお尋ねします。
 政府は、子供、子育て世代への支援として、妊娠時から出産、子育てまで一貫した伴走型相談支援と、妊娠届、出産届提出の際に計十万円相当分を支給する経済的支援を一体化として実施する事業を創設するとしています。子供、子育て世代への支援を充実することは同感ですが、少子化対策は腰を据えて取り組むべき国の課題であり、景気の下支えを目的とした経済対策に据えることに対し、違和感もあります。当初予算に計上するのが筋ではありませんか。
 また、十万円相当分としてクーポンを配付する場合、昨年、子育て世代への臨時特例給付を実施するに当たって、現金給付より多額の事務費を要することや事務負担が重くなることが指摘されたことについて、反省を踏まえた適切な対応が求められると考えます。総理はいかがお考えですか。
 本補正予算の財源は大部分が国債で賄われていますが、子供、子育て世代への支援に腰を入れて取り組むには、長期的な視点に立って財源の在り方を検討する必要があります。子供予算倍増と言われる総理、どのような財源確保をお考えですか。また、子供支援策の恒久的な充実など地方に影響を及ぼす施策の検討に当たっては、地方財政へ配慮するとともに、地方の意見を十分反映すべきと考えますが、いかがですか。
 総理、あなたは二一年の自民党総裁選で国民とどういう約束をしたか覚えていますか。「声をかたちに。信頼ある政治」をスローガンに、我が国の民主主義を守る、信なくば立たず、こうした思いで自民党総裁選挙に出馬をいたしました、政治の根幹である国民の信頼が大きく崩れ、我が国の民主主義が危機に瀕しているのではないか、強い危機感を持つに至りました、信なくば立たず、私は自民党を改革し、国民からの信頼を取り戻し、そして新しい政治を切り開きますと述べられました。
 しかし、今やあなたの政権が政治の根幹である国民の信頼を崩しているのです。不適切な閣僚を任命した責任は免れません。もはや総理自身の資質が問われています。岸田総理の見解を伺って、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。拍手
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
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岸田文雄#7
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 小沢雅仁議員の御質問にお答えいたします。
 寺田大臣の辞任についてお尋ねがありました。
 寺田大臣には従来から丁寧に説明責任を尽くすよう指示をしてきたところですが、一昨日、本人から、補正予算、被害者救済新法など重要課題処理の最終段階を迎えているときに、自らの政治資金に関する質疑が続くことで悪影響を与えたくないとの辞任の申出がありました。
 総理大臣として、補正予算審議、被害者救済新法、コロナ対応、当初予算編成等の重要課題に答えを一つ一つ出すことを最優先とし、辞任を認めることといたしました。
 国会開会中に大臣が辞任する事態となったこと、誠に遺憾であり、私自身、任命責任を重く受け止めております。政策に遅滞が生じないよう、政府一丸となって国政の運営にしっかりと取り組むことで職責を果たしてまいります。
 閣僚の辞任、そして国会審議についてお尋ねがありました。
 国会審議が重要であるということは言うまでもなく、各大臣とも国会審議の重みをしっかりと理解しているからこそ、国会審議の状況を踏まえて、山積する重要課題についての審議に悪影響を与えてはならないと身の処し方を考え、私も辞任を認めたところであります。
 私の政権運営における基本は、これまでも申し上げてきているとおり、信頼と共感にあり、国会審議においても引き続き誠実に対応していかなければならないと考えております。
 国会開会中に大臣が辞任する事態に至ったこと、先ほども申し上げましたが、誠に遺憾であり、私自身、任命責任を重く受け止めております。政府一丸となって国政の運営にしっかりと取り組むことによって、国民の信頼を取り戻し、職責を果たしてまいりたいと考えております。
 総合経済対策の消費者物価、GDPに対する効果についてお尋ねがありました。
 今般の総合経済対策による物価抑制効果については、重点施策であるガソリン、電気・ガス料金の負担軽減策の直接的な効果として、消費者物価上昇率を一・二%程度抑制するという試算を示したところです。そして、総合経済対策全体の消費者物価に与える影響、これについては、定量的にお示しすることは困難であると考えております。
 また、総合経済対策は、財政支出三十九兆円、そして事業規模で七十二兆円となっており、これにより実質GDPを四・六%程度押し上げる効果があると見込まれております。
 金融政策と円安の認識についてお尋ねがありました。
 金融政策の具体的な手法については日銀に委ねられるべきであると考えておりますが、日銀の黒田総裁は、賃金上昇を伴う形で物価安定目標を持続的、安定的に実現すべく取り組んでいると承知をしております。
 政府の累次の物価高騰対策は、ウクライナ情勢、円安に伴うエネルギー、食料品の物価高騰の影響に焦点を当て、きめ細かく対応しようとするものであります。
 政府と日銀は、内外の経済や金融市場をめぐる不確実性が極めて高い中、密接に連携しながら、経済・物価情勢に応じて機動的な政策運営を行い、構造的な賃上げを伴う経済成長と物価安定目標の持続的、安定的な実現、これを図っていく、こうした認識において一致をしていると考えております。
 また、為替相場は様々な要因により市場において決定されるものであり、変動の要因を一概に申し上げることは困難であると考えます。
 そして、エネルギー価格対策と脱炭素、円安との関係についてお尋ねがありました。
 今回のエネルギー価格の激変緩和措置については、脱炭素の流れに逆行しないよう、来年九月に激変緩和の幅を縮小することを予定しております。そして、それまでに、省エネ対策の抜本強化、さらには再エネ、原子力の推進などにより、GXを加速し、需要側、そして供給側双方で燃料価格高騰の影響を緩和できる構造への転換も最大限進めてまいります。
 エネルギー価格だけではなく、食料品等様々な商品の物価が上昇して家計を圧迫し、節約志向が高まる中で、今回の緩和措置がエネルギー消費量の積極的な増大を招き、化石燃料の消費を後押しすることになるとは考えてはおりません。
 また、一般に円安は輸入物価の上昇につながりかねないものですが、貿易収支は様々な物品の輸出入の動向から決まるものであり、また、為替相場は様々な要因を背景に市場において決められるのが原則であるため、この貿易収支や為替相場について一概に申し上げることは困難であると考えております。
 そして、補正予算の規模と財政健全化目標についてお尋ねがありました。
 経済対策の決定に至るまでの調整過程について逐一コメントすることは控えますが、まずは、需給ギャップというものがある中で、足下の物価高騰など経済情勢の変化に切れ目なく対応し、日本経済の再生を図るために必要な個別施策を積み上げ、その上で、さらに世界経済の下方リスクを十分に視野に入れた上で最終的な規模を決定をいたしました。
 また、私の経済財政運営の基本は、従来から申し上げてきたとおり、経済あっての財政であり、経済を立て直し、そして財政健全化に取り組んでいくというものであります。この方針は、今年の骨太方針において示したとおり、財政健全化の旗は下ろさず、これまでの財政健全化目標に取り組む、このようにしておるところであります。
 そして、予備費についてお尋ねがありました。
 予備費の計上については、予算の一部として国会で御審議いただいた上で、その支出については、憲法、財政法の規定に従って事後に国会の承諾を得る必要があることから、財政民主主義に反するものではないと考えております。
 今般の予備費の追加、創設については、新型コロナや物価高騰の影響に加え、緊迫しているウクライナ情勢や現時点で見通し難い世界規模の経済下振れリスクに備え、万全の対応を図るため必要な措置であると考えております。
 また、これまでの国会開会中の予備費の使用については、新型コロナの感染拡大やウクライナ情勢等による原油価格、物価高騰といった予測困難な事態に対して臨機応変に、かつ時機を逸することなく対応していくため、その趣旨に合致するものについて予備費の使用を決定しており、財政法や御指摘の閣議決定に照らして適切な対応であったと考えております。
 賃上げについてお尋ねがありました。
 企業収益については、業種や企業規模により業況は異なるものの、大企業、中堅企業を中心に増加することで、四月―六月期、四―六月期の経常利益が過去最高となるなど、総じて見れば改善をしております。こうした企業収益を賃金、そして人への投資、設備投資等の形で未来に向けてしっかりと活用していただくことは、成長と分配の好循環を実現する上で重要です。
 このため、短期的には、来年春の賃金交渉に向けて、物価上昇を特に重視すべき要素として、これに負けない対応を労使の皆さんにお願いするとともに、政府としてもその取組、後押しをしてまいります。具体的な賃上げ率については、各企業の支払能力を踏まえながら個別に労使が交渉し、合意をした上で決定されるべきものでありますが、そうした中での最大限の賃上げを期待したいと考えております。
 また、中長期的には、賃上げ、労働移動の円滑化、学び直しやリスキリングなどの人への投資という三つの課題の一体改革による構造的な賃上げの実現が成長と分配の好循環を加速するために必須であり、その実現に向け対応を進めてまいります。
 そして、電気料金、都市ガス料金に対する支援策の出口に向けた考え方についてお尋ねがありました。
 今回のエネルギー価格の激変緩和措置については、脱炭素の流れに逆行しないよう、来年九月に激変緩和の幅を縮小することを予定しております。それまでに、省エネ対策の抜本強化、さらには再エネ、原子力の推進などによりGXを加速いたします。
 特に、エネルギーコスト高に強い体質を構築する観点から、今回の補正予算でも、今後三年程度を集中的な支援期間とした省エネ対策の抜本強化を盛り込んでおり、例えば企業の省エネ対策については、今後三年間で五千億円規模の支援を行ってまいります。
 こうした取組を併せて講じることで、需要側、供給側双方で燃料価格高騰の影響を緩和できる構造への転換、最大限進めてまいります。
 子供政策の拡充についてお尋ねがありました。
 少子化は危機的な状況にあり、全ての妊婦、子供、子育て世帯に対する支援の充実は喫緊の課題であると考えます。
 このため、来年度の当初予算を待つことなく、今般の補正予算案で、妊娠から出産、子育てまでの身近な伴走型の相談支援と経済的な支援を一体として実施する出産・子育て応援交付金事業を創設をいたします。その上で、継続的な実施に向けて令和五年度予算編成過程で調整をしてまいります。
 この事業で行う経済的支援は、伴走型の相談支援と一体として実施をし、電子的な方法の活用や広域的な連携による効率的な事業の実施、これを推進してまいります。
 今後の子供政策に関する予算については、こども家庭庁の下で、子供の視点に立って、必要な子供政策が何かをしっかりと議論した上で体系的に取りまとめ、社会全体での費用負担の在り方を検討することと併せて、自治体の意見も聞きながら、子供政策の充実に取り組んでまいります。
 そして最後に、閣僚の任命責任についてお尋ねがありました。
 私の政権運営における基本は、これまでも申し上げてきておるとおり、信頼と共感であります。国会開会中に大臣が辞任する事態に至ったことは誠に遺憾であり、私自身、任命責任を重く受け止めておりますが、補正予算審議、被害者救済新法、コロナ対応、当初予算編成等の重要課題に答えを一つ一つ出すことを最優先に、政策に遅滞が生じないよう、政府一丸となって国政の運営にしっかりと取り組むことで、国民の信頼を取り戻し、職責を果たしてまいりたいと考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。拍手
   〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕
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鈴木俊一#8
○国務大臣(鈴木俊一君) 小沢雅仁議員の御質問にお答えをいたします。
 総合経済対策の消費者物価、GDPに対する効果についてのお尋ねがありました。
 先ほど総理から御答弁がありましたとおり、今般の総合経済対策による物価抑制効果については、重点施策であるガソリン、電気・ガス料金の負担軽減策の直接的な効果として、消費者物価上昇率を一・二%ポイント程度抑制するという試算をお示ししたところです。総合経済対策全体の消費者物価に与える影響を定量的にお示しすることは困難であると考えております。
 また、総合経済対策は、財政支出三十九兆円、事業規模で約七十二兆円となっており、これにより実質GDPを四・六%程度押し上げる効果があると見込まれております。
 次に、補正予算の執行についてお尋ねがありました。
 先般の会計検査院の令和三年度決算検査報告において、新型コロナ対策関連の事業を含め、多くの指摘がなされたことについては、政府として真摯に受け止める必要があると考えております。
 今般提出した補正予算は、物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策を速やかに実施するための緊要性のある予算を計上したものであり、各省庁において会計検査院の指摘を踏まえつつ、早期の執行に努めていただくべきものと考えているところでございます。
 次に、補正予算の緊要性についてお尋ねがありました。
 今般の補正予算は、世界的な物価高騰や経済の下振れリスクといった足下の難局をいち早く乗り越えるべく策定された総合経済対策を速やかに実施するために編成したものであります。
 具体的には、総合経済対策に掲げられた物価高騰、賃上げへの取組などの中で、迅速に実施する必要がある事業について、必要額を精査した上で措置しており、財政法の求める緊要性の要件を満たすと考えております。したがって、概算要求基準の意味を失わせるものではないと考えております。
 最後に、基金についてお尋ねがありました。
 補正予算に盛り込まれる事業について、緊要性の要件を満たすか否かは、基金事業であるかどうかにかかわらず、それぞれの事業内容等に応じて個別に判断する必要があると考えております。
 その上で、例えば今般の補正予算では、様々な課題に対応する基金事業に対する予算措置を講じていますが、経済対策に掲げられた柱に基づく施策を迅速かつ効率的に実施する上で必要であると判断したものを措置しており、緊要性の要件をきちんと満たすものであると考えております。
 あわせて、基金の運用に当たりましては、その透明性を向上させ、効果的かつ効率的な活用につなげていくことが重要であり、引き続き、基金事業の適正な執行管理に努めてまいります。拍手
   〔国務大臣西村康稔君登壇、拍手〕
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西
西村康稔#9
○国務大臣(西村康稔君) 小沢雅仁議員からの御質問にお答えします。
 激変緩和事業における補助金の適正な使われ方についてお尋ねがございました。
 財務省の調査では、予測価格と実際の平均小売価格の差を機械的に試算したとのことですが、燃料油の激変緩和事業では、補助金額も毎週変化しており、各ガソリンスタンドの在庫状況等によって小売価格への反映に時間差も生じることから、正確な効果を測定するにはより精緻な分析が必要と認識をしております。
 石油元売事業者から補助金の支払請求があった場合には、補助金支給の単価相当額の全てが卸価格に反映されたことが確認できた場合のみ補助金を支払うという事後精算の仕組みとしており、石油元売事業者を支援する補助金ではございません。
 いずれにせよ、補助金全額の販売価格への転嫁を促すべきとの財務省の指摘を踏まえ、業界団体を通じた周知徹底などに努めてまいります。
 また、電気、都市ガス料金の支援についても、需要家に対する販売実績を確認して交付することで、いわゆる中抜きを発生させない仕組みとします。加えて、実際に需要家に対して値引きしていることを抜き打ちで直接確認することなどを通じ不正の防止を図ってまいります。拍手
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尾辻秀久#10
○議長(尾辻秀久君) 西田昌司君。
   〔西田昌司君登壇、拍手〕
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西
西田昌司#11
○西田昌司君 自由民主党の西田昌司です。
 会派を代表して、令和四年度第二次補正予算案に対して質問をいたします。
 まず、コロナ禍に加え、ウクライナ侵略に伴う大きな経済的混乱への対応を含めた新たな措置も盛り込み、昨年同様の大型補正予算を編成されたことに対して大きく評価いたします。
 その上で、今回の補正には計上されていませんが、コロナ禍で苦しむ事業者の過剰債務の軽減を我が党の参議院選挙の公約に掲げています。その背景には、そもそもゼロゼロ融資は、岸田総理が政調会長だったときに、緊急事態宣言等で経済活動抑制に協力してもらった事業者が営業を毀損し、倒産しかねないとして、営業補償の代替として始めたという経緯があります。融資という形態にしたのは、営業補償を行うとしても、当時はその額も分からないという事情があったからです。
 そして、今、ポストコロナに向けて経済を回復させないとならないときとなりました。それに伴い、来年から、ゼロゼロ融資を借りた事業者の多くで返済が始まります。借り入れた事業者の中には、念のために借り入れたというところもあれば、この融資で実際命拾いをしたところもあります。また、企業によっては依然営業が回復しておらず、返済期限が来ると倒産しかねないというところも多くあります。
 私は、具体的な債務減免の額については、コロナ禍で増えた累積赤字額とコロナ融資を受けた金額のどちらか少ない方とすることを提案します。これにより、実際に赤字になった企業だけが債務減免の対象になります。また、コロナ禍の中で既に数年度税務申告がなされているため、確定申告書の添付を債務減免の申請要件にすれば減免のための改ざんは不可能になります。このようにすればモラルハザードも生じません。
 しかも、債務減免がされれば、それにより企業が利益が出れば税金を払いますから、政府にお金が戻ってくることになります。逆に債務減免をしなければ、繰越損失が残っている限り利益は出ず、政府への納税もありません。また、過剰債務が原因で返済不能になり倒産してしまえば、債務そのものが返済されない上、失業者も増え、経済全体に悪影響を与えます。
 このように、債務減免した方が企業にとっても政府にとっても得なのです。そもそも政府のコロナ抑制策に従って生じた債務ですから、責任は政府が取るべきです。
 そこで、コロナ融資の債務減免はコロナ禍の営業補償としてやるべきと考えますが、総理の見解を求めます。
 今後、インバウンドが回復してくることに伴い、航空会社などはコロナ禍で減らした機材や人員を確保しなければなりませんが、コロナによる巨額の債務がのしかかっており、そうした投資ができません。そもそも米国では、日本と桁違いの数兆円規模の支援策が講じられています。一方で、日本の企業には巨額の債務が残ったままとなれば、国際競争力も減退し、インバウンドで経済を牽引することもできなくなります。
 そこで、中小企業だけではなく、ANAやJALなどの大企業についても債務減免措置を講ずるべきと考えますが、総理の見解を伺います。
 今回の補正予算案は、我が党の強い要望で三十兆円規模の大型補正予算案となりました。その一方で、その代わりに来年度の当初予算はその分削減するという財務当局からの圧力があったとも言われています。そうであれば、来年度の当初予算がかなり低く抑えられることが懸念されます。コロナ禍もまだ収まっていませんし、今回の補正予算に計上されていないコロナ債務減免も必要となります。
 私は、来年度当初予算は額を抑えるのではなく、より一層財政拡大しなければならないと思いますが、総理の御見解をお聞かせください。
 大型補正予算の編成には国債発行が必要ですが、この国債発行について誤った認識をしている方がたくさんおられます。今回の補正により、言わば一年で二年分に近い財政措置をしたことになります。こうしたことを受け、このままでは財政破綻すると前の財務事務次官は喧伝をしていました。しかし、ハイパーインフレの発生も金利の暴騰も、その兆候すらありません。また、急激な円安も収まりつつあります。これらはいかんともし難い事実です。
 そもそも、国債発行は、予算執行を通じて民間側の預金残高を増やします。これは理屈ではなく、事実としてそうなっているのです。そこで、政府の赤字は民間の貯蓄の増加になるということは紛れもない事実であるということについて、総理の御見解を伺います。
 さらに、財務大臣に質問したことがありますが、国債の償還は税金ではなく、新たな国債を発行して得たお金で借り換えています。このことも事実であるということにつき、総理の御見解をお聞かせください。
 国債の利払い費は政府の負担でありますが、現在、国債残高の半分近くは日本銀行が保有していますから、利払い費の半分は日銀に支払われることになります。日銀法により、経費を差し引いた残りは国庫に納入することになっています。このことから、少なくとも日銀が保有する国債については、国債の償還も利払いも事実上国庫に影響を与えていないということになります。この点について、財務大臣も認めたところでありますが、総理の御見解を求めます。
 以上のことを踏まえると、国債の残高が増えても、その償還や利払いで国家が破綻するということは到底考えられないということになります。それよりも問題であるのは、国債の増加によって政府の負債は増え、片や民間の貯蓄が増えますが、この民間側に回ったお金が使われていないことです。経済を活性化させるには、国が財政出動をして予算を膨らませることにより民間にお金を回すことも必要ですが、民間にはそのお金を使ってもらわなければなりません。そのためには、デフレ状況、先行き不安状況を払拭して、お金を投資できる環境をつくることが大切です。
 そのために重要なことの一つは、日本の長期の投資計画を国が示すことです。残念ながら、この国の長期計画は、バブル崩壊後、財政再建を理由に廃止されました。新幹線や高速道路などのインフラ整備の長期計画が示されて、これを十年で完成させるという事業が実行されれば、間違いなく民間投資は政府の計画に沿って拡大されることとなります。政府が予算措置した以上に民間がお金を使い、経済の好循環、そして経済成長へと向かい出します。
 問題は、国が長期の投資計画を示せなくなったのはなぜかということです。本来、インフラ整備は、財政法で認められている建設国債の発行でできるはずです。しかし、プライマリーバランスの黒字化が閣議決定されて以降、赤字国債だけではなく、建設国債も抑制されてしまい、結果的に長期の投資計画はできず、なかなかデフレから脱却できない状況に陥りました。
 私は、亡くなった安倍元総理と一緒に自民党に財政政策検討本部をつくって様々な議論をしてきました。その結論は、プライマリーバランスの黒字化目標が日本の経済を縛っていった根本的な問題であったということです。安倍元総理が御存命ならば、必ずプライマリーバランス黒字化目標の撤廃を岸田総理に要求していたはずであります。早晩、二〇二五年のプライマリーバランス目標が大きな問題となります。
 そこで、日本をデフレに引っ張っている一番の問題であるプライマリーバランス黒字化目標は直ちに廃止、若しくは、最低でも五年から十年は黒字化目標は先送りすべきだと私は考えます。総理の御見解を求めます。
 昨年の衆議院選挙に続き、今年の参議院選挙でも勝利し、岸田内閣は上々の滑り出しでした。しかし、大臣の連続辞任など様々なことが原因で内閣支持率は急降下しています。一昨日もまた大臣の辞任がありました。これは異常事態と言わざるを得ません。
 一方で、大型補正予算の編成など、岸田内閣は政策的には大きな間違いはないと私は考えています。総理は、この間の急激な支持率の低下の原因は何と考えておられるのか、また、支持率を上げるにはどうすべきと考えているのか、お伺いいたします。
 高い支持率で始まった第一次安倍内閣は、消えた年金問題などいわれなき安倍バッシングで短命に終わりました。しかし、第二次安倍内閣は、その失敗を糧に鬼となって政権復帰を果たしました。この危機を乗り越えるには、岸田総理も鬼になる覚悟が必要です。特に、コロナやウクライナ、急激な円安など、今までの財務省主導の財政政策ではこの危機は突破できません。安倍総理の遺言であるプライマリーバランス黒字化目標の撤廃がこの危機を突破する最善策であることを訴えて、私の質問を終わります。拍手
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
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岸田文雄#12
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 西田昌司議員の御質問にお答えいたします。
 コロナ融資の債務減免についてお尋ねがありました。
 今後、コロナ融資の返済本格化を迎える中小企業を支えるため、まずは積み上がった債務の借換えの円滑化に向けた新たな保証制度、これを創設いたします。
 また、債務減免を含む再生支援を進めることも重要であり、全国の中小企業活性化協議会を通じた取組を強化いたします。例えば、これまで策定を支援した再生計画のうち、八四%は返済猶予を伴うものですが、残り一六%は債務圧縮や減免を実現しています。こうした事例のうち、宿泊業などの業種ごとの再生支援制度の活用事例集を作成し、全国の協議会へ横展開することで、協議会による再生支援の一層の強化に取り組んでまいります。
 なお、コロナ債務の一律減免については、モラルハザードや、既に返済を開始した事業者との間の公平性などの観点から慎重に判断する必要があると考えております。
 また、航空会社を含む新型コロナの影響を受けた大企業の支援も重要であると認識をしており、事業者の立場に立った追加融資等を含む最大限柔軟な資金繰り支援を引き続き行うよう、官民金融機関宛てに関係省庁から累次にわたって要請をしているほか、御指摘の航空会社についても、航空使用料や航空機燃料税の減免、航空機燃料に対する激変緩和補助などの支援を行っているところであり、引き続き大企業を含む事業者支援に重点的に取り組んでまいります。
 来年度当初予算の額についてお尋ねがありました。
 令和五年度予算においては、新型コロナや物価高騰といった足下の喫緊の課題に引き続き機動的に対応しつつ、骨太方針二〇二二等を踏まえ、我が国が直面する内外の重要課題への取組を本格化させるため、予算を大胆に重点化してまいります。
 今後の予算編成過程を通じて、こうした基本方針に基づき必要な施策を積み上げていく中で具体的な予算額も決まってくるものと考えておりますが、必要な政策対応をしっかりと行うことができるよう、質の高い予算を作り上げてまいりたいと考えております。
 そして、国債の発行や償還、日銀保有の国債についてお尋ねがありました。
 一般論として、政府が国内の企業や家計に対して財政支出を行った場合、民間の預金は増加いたします。しかし、財政支出が国債の発行を伴う場合、その償還や利払いがその時点の国民の負担となるとも考えております。
 また、国債の償還のために更に国債を発行するいわゆる借換えを行うこともありますが、これによって毎年の国債発行額が増え、債務残高が一方的に増えた場合、財政の持続可能性に対する信認が失われかねない、このように考えております。
 日銀保有の国債については、必ずしも利息収入分全額が国庫納付されるわけではありませんので、国庫負担がないとは言えないと考えております。
 そして、財政健全化目標についてお尋ねがありました。
 私の経済財政運営の基本は、従来から申し上げてきたとおり、経済あっての財政であり、経済を立て直し、そして財政の健全化に取り組んでいくというものです。
 御指摘の財政健全化目標についての政府の方針は、骨太の方針二〇二二に記載のとおりであり、また、本年七月の経済財政諮問会議において、現時点で目標年度の変更が求められる状況にはないことが確認をされています。
 いずれにせよ、市場や国際社会において中長期的な財政の持続可能性への信認が失われないことが重要です。同時に、現下の経済にしっかり対応し、経済の再生を図り、責任ある経済財政運営を進めてまいります。
 そして、最後に、支持率に関する見解についてお尋ねがありました。
 支持率の現状については様々な原因があり、一概にお答えすることは難しいですが、政権に対して厳しい御意見があることは、これは真摯に、そして謙虚に、丁寧に向き合っていかなければならない、このように考えております。
 支持率を上げるために何かをするというのではなく、時代を画するような様々な困難に直面する中にあって何が国民にとってベストなのかを考えながら、総理大臣として決断と実行を積み重ね、一つ一つ結果を出すことが、結果として国民の皆さんからの支持につながる、このように考えております。拍手
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尾辻秀久#13
○議長(尾辻秀久君) 平木大作君。
   〔平木大作君登壇、拍手〕
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平木大作#14
○平木大作君 公明党の平木大作です。
 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました財政演説について質問いたします。
 長きにわたる新型コロナウイルスとの闘い、ロシアによるウクライナ侵略や気候変動に伴うエネルギーと食料の安定供給に対する不安、追い打ちを掛けるようにやってきた物価高騰が国民生活に暗い影を落としています。
 国内ばかりではありません。いずれの課題も軽々と国境を越えて伝播する中で、各国の政治基盤が揺らぎ、国際秩序もまた大きな試練のときを迎えています。
 こうした状況を受けて、政府は、過日、国内外の諸課題に対処するための総合経済対策を閣議決定しました。今、政治に課せられた使命は、物価高騰にあえぐ国民に負担軽減の実感と将来不安の払拭を届け、存続の危機に立ち向かう事業者をしっかりと支援するとともに、地球規模課題の解決に向けた国際社会の連帯に強力なリーダーシップを発揮することです。経済対策の迅速かつ効果的な実施を求めて、以下、岸田内閣総理大臣に質問いたします。
 十月の消費者物価指数は、対前年同月比で三・六%上昇しました。四十年八か月ぶりの高水準です。値上がりの著しいエネルギー価格に対して、政府は、これまで続けてきたガソリン等の価格激変緩和策に加えて、電気・ガス料金についても緩和策の実施を決めました。生活者、事業者が日々直面する負担感を軽減するものであり、高く評価するとともに、予算成立後の一日も早い実現を求めます。
 これまで、ガソリン等の燃料油対策では、直接の支援対象となる三十余りの事業者に対して、補助金が確実に消費者に還元されていることを担保するために、全ての請求書のチェックを行ってきました。
 しかし、今回新たに措置する電気については小売事業者の数は約七百、都市ガス事業者も約二百に及び、燃料油対策と同様のチェック体制を取ることは現実的ではありません。不正を防止し、支援策を確実な負担軽減につなげるためにどのような対策を取るのか、御説明いただきたいと思います。
 先月から適用が始まった最低賃金は、全国加重平均で九百六十一円と、ようやく千円が視野に入るところまで来ることができました。過去最大の上げ幅となったものの、率に換算すれば三・三%の上昇であり、消費者物価指数の上昇に足並みをそろえた形です。実質賃金を向上させ、賃上げの実感を届けるためには、物価高対策と並行して、今後も賃上げを強力に推し進めていかなくてはなりません。
 一方で、小規模事業者の方々からは、コロナ禍で落ち込んだ売上げを戻すのも難しい中、最低賃金を払うのは大変との声も多く聞こえてきます。
 政府は、持続的な賃上げを促進するために、事業再構築や生産性革命を推進する施策について、条件の緩和や補助率の加算に取り組んでいますが、そもそもどう事業転換したらよいか分からないとして、変革に向けた最初の一歩を踏み出せない事業者が大半です。補助金の拡充だけでなく、相談支援を充実させるとともに、収益向上に結び付くまでの間も賃上げを継続できるよう支援していただきたいと思いますが、御見解をお伺いします。
 グリーントランスフォーメーションも待ったなしの課題です。現在、再生可能エネルギーの主力電源化に向けて太陽光や風力発電の新規導入が進んでいますが、課題である不安定な出力を調整できる蓄電池の活用が遅れています。
 政府は、電池産業戦略を策定し、国際競争力の向上と国内製造基盤の確立、そして全固体電池など次世代技術の開発を打ち出していますが、かつて圧倒的世界シェアを誇った日本の電池産業は、中国、韓国など新興勢力の追い上げによって急速にプレゼンスを失いつつあります。半導体や太陽光パネルなどで犯した過ちを繰り返さないためにも、先進技術への研究開発投資と大容量化、コスト低減を支える生産設備投資の両面で中長期かつ大胆な取組が欠かせません。また、輸入に頼る炭酸リチウムなど原材料の安定供給と価格高騰も課題です。
 どのようにして脱炭素社会実現の鍵を握る蓄電池で世界をリードするのか、説明を求めます。
 現在、年内の策定を目指して、デジタル田園都市国家構想総合戦略の議論が進められています。これまでのまち・ひと・しごと創生総合戦略に最新のデジタル技術を取り込んで刷新するものであり、地方においても明年から地方版総合戦略の改定に取り組むこととなります。
 デジタル技術は社会課題を解決するための有用なツールであり、海底ケーブルや光ファイバー網を始めとするデジタル基盤整備が地方創生を大きく後押しすることは論をまちません。一方で、現在の基本方針がデジタル技術を前面に押し出したものとなったことから、これまでのまち・ひと・しごと創生総合戦略との違いに戸惑いの声も聞かれます。
 かつて、大平正芳元総理が打ち出された田園都市国家構想が、画一的な都市モデルやパターンを排し、梅棹忠夫氏や山崎正和氏など文化人も参画して、地域の自然や歴史、文化を再検証しながら、その独自性を尊重した町づくりの挑戦であったことを踏まえれば、今回の総合戦略改定についても、地方の描くビジョン、将来像が主で、デジタル技術はその道具立てという位置付けを明確にすべきと考えます。
 デジタル田園都市国家構想総合戦略で何を打ち出し、地方版総合戦略に何を期待するのか、新設されるデジタル田園都市国家構想交付金の活用の在り方と併せて、総理の答弁を求めます。
 少子化の加速が止まりません。昨年、日本で生まれた子供の数は八十一万人余りと、少子化が国の人口推計より七年も前倒しで進んでいます。背景には、近年、子供を持つことをリスクと考える若者が増えていることが内閣府の調査からも明らかになっています。
 今月八日、公明党は子育て応援トータルプランを発表いたしました。今回の補正予算案の中には、公明党の提言を受けて、妊娠から出産、子育てまでの一貫した伴走型相談支援と、産前産後ケア、一時預かり、家事支援サービスなどの利用負担軽減を図る経済的支援を一体として実施するための事業費が盛り込まれたことを高く評価いたします。
 今後の課題は、各地の優良事例や利用者の声を反映させながら、事業主体となる自治体がサービス内容を持続的に改善、拡充していくための環境整備です。
 先日、党で行ったヒアリングでは、先進的な子育て支援策に取り組む東京都や愛知県名古屋市が、妊娠や出産のタイミングで子育て用品などを贈る経済的支援を妊婦との対面での面談や子育てポータルサイトへのログインとセットにすることで、早い段階から行政との接点を持ってもらい、以降の伴走型相談支援へとつなげていることなどを御紹介いただきました。
 事業主体となる自治体が創意工夫をしながら切れ目ない伴走型支援を行えるよう、財政面も含めて国が体制整備をしっかりと後押ししていただきたいと思いますが、総理の御所見を伺います。
 ユーラシア・グループのイアン・ブレマー氏は、深刻な様相を呈する米中対立に関連して、現在、世界を二分するような冷戦は起きておらず、今後も起きないと分析した上で、今後十年間で世界にとって最も深刻な脅威になるのはグローバルサウスと西側の緊張関係になると指摘をしています。
 国境を越えて広がるサプライチェーンの崩壊、感染症の蔓延、物価高などが途上国の財政を逼迫させていることから、世界銀行も、最貧国の五八%が債務危機に陥っているか、その危険性が高いと警鐘を鳴らしています。
 アジア、アフリカ、ラテンアメリカ、大洋州などの広範な地域を含むグローバルサウスの国々は、こうした諸課題に効果的に対処することができず、紛争の増加や難民の流出などの形を取って世界の安定を更に揺るがす可能性があります。
 現在、途上国に対するワクチン供給など国際保健分野を始めとする支援の枠組みがありますが、先進国、中進国の政治基盤も動揺していることから、資金拠出が期限どおりに行われない事態も散見されています。
 グローバルサウスと連携した地球規模課題の解決に向けて、本補正予算案でどう取り組み、日本がどのようなリーダーシップを発揮していくのか、岸田総理の御決意をお伺いして、質問を終わります。拍手
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
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岸田文雄#15
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 平木大作議員の御質問にお答えいたします。
 電気、都市ガスに対する支援策についてお尋ねがありました。
 今回の事業による支援を需要家の負担軽減につなげるため、電気、都市ガスについて、既存の料金請求システムを活用し、支援額が全額国民に届くよう、透明性を確保した方法で実施することとしております。支援に際しては、需要家に対する販売実績を確認し、事後的に確定検査等を実施することを通じて、いわゆる中抜きを発生させない仕組みといたします。
 そして、中小・小規模事業者の賃上げ支援についてお尋ねがありました。
 今般の補正予算案においては、厳しい経営環境に直面している中小・小規模事業者に対して、足下の物価高対策に加え、賃上げにつながる生産性向上などへの支援、これを大幅に拡充しています。
 具体的には、事業再構築補助金やものづくり補助金等について、大胆な賃上げをする中小企業に対して補助率や補助上限を引き上げるといった更なるインセンティブを措置しています。
 一方で、議員御指摘のとおり、こうした支援を実際に活用いただき、収益向上、賃上げへと結び付けていくためには、相談支援の充実が重要です。このため、商工団体等の専門家の配置に加え、新たに指導員向けの研修も支援するなど、相談体制の強化を進めていきます。
 さらに、中小企業が継続的に賃上げできる環境整備に向けて、価格転嫁を強力に進めるため、公正取引委員会、中小企業庁において大幅な増員を行い、独禁法や下請法などの執行体制を緊急に強化していきます。
 脱炭素社会の実現に向けた蓄電池への投資についてお尋ねがありました。
 蓄電池は、二〇五〇年カーボンニュートラルの達成に向けて、自動車の電動化や再生可能エネルギーの主力電源化を推進する上で重要です。
 中国、韓国企業は、政府の強力な支援の下で積極的な設備投資を進め、シェアを大きく伸ばし、結果として日本のシェアが低下している、こうした状況にあります。こうした状況を踏まえて、今年八月に策定した蓄電池産業戦略では、国も一歩前に出て、次世代電池の研究開発のみならず、蓄電池の生産基盤の強化に対する支援を行うこととしております。
 具体的には、補正予算において、蓄電池の国内製造基盤の強化のために約三千三百億円の投資支援を盛り込むとともに、上流資源の確保、蓄電池の開発、生産を支える人材育成等についても取り組んでまいります。
 デジタル田園都市国家構想総合戦略についてお尋ねがありました。
 地域の個性や魅力を生かした地域活性化を進めるためには、御指摘のとおり、地域が目指す理想像である地域ビジョンに基づき、デジタルの力も活用しつつ、その実現に向けて取り組んでいただくことが重要です。
 このため、年末に策定するデジタル田園都市国家構想総合戦略では、国として地域ビジョンの実現をどのように推進していくのか、また、そのために各府省庁の施策間連携をどのように強化するのかといったことを盛り込むことを予定しております。
 地方においては、こうした国の総合戦略も参考に、デジタル技術の進展状況等を踏まえて地域ビジョンを再構築し、地方版総合戦略を改訂していただきたいと考えております。
 新たに創設したデジタル田園都市国家構想交付金等では、こうした地方版総合戦略に基づく地方の自主的、主体的な取組を後押ししてまいります。
 そして、妊娠時からの切れ目ない伴走型支援についてお尋ねがありました。
 子育て支援については、御党の山口代表と、支援が手薄なゼロ歳から二歳の低年齢期に焦点を当て、身近な伴走型の相談支援と経済的な支援を合わせたパッケージとして充実し、継続的に実施することを確認したことを踏まえて、今般の補正予算案で出産・子育て応援交付金を創設をいたしました。
 まずは、この支援を早く適切に対象者に届けられるよう、自治体と緊密に連携しながら取り組み、その上で、継続的な実施に向けて、令和五年度予算編成過程で調整をしてまいります。
 いわゆるグローバルサウスと呼ばれる国々と連携した地球規模課題の解決に向けた取組についてお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、アジア、太平洋地域、中東、アフリカ等の開発途上国は、ロシアのウクライナ侵略による食料、エネルギー危機、気候変動、新型コロナウイルス感染症等の深刻な影響を受けています。今次補正予算では、こうした複合的な影響を大きく受ける国々に対し、食料、保健医療、水、衛生等の分野を中心に積極的な支援を行うこととしております。
 来年、我が国は議長国としてG7サミットを広島で開催いたしますが、こうした機会も活用し、我が国として地球規模課題の解決に向け、リーダーシップを発揮してまいりたいと考えております。拍手
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尾辻秀久#16
○議長(尾辻秀久君) 音喜多駿君。
   〔音喜多駿君登壇、拍手〕
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音喜多駿#17
○音喜多駿君 日本維新の会の音喜多駿です。
 会派を代表して、ただいまの財政演説に対して質問をいたします。
 現下の経済社会状況を踏まえれば、総合経済対策を行い、追加の補正予算を組むべき状況であることは論をまちません。しかしながら、その経済対策、財政支出は、財政法二十九条の予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出という補正予算の提出要件に基づき、足下の物価高や円安などの影響に対応する緊要性の高いものに限られるべきです。
 総理に伺います。今回の経済対策と補正予算は、本来は本予算に積むべき項目も相当数入っているようにお見受けします。例えば、途上国への気候変動支援などは、重要ではあるものの、求められている国内への経済対策とは全く関係がないものであり、緊要性があるとは到底考えられません。グリーンイノベーションなど各種基金の増額も、GDPへの即効性が明らかに低く、緊要性には欠けるものです。総理は、本補正予算につき、全ての事業について緊要性があるものだと自信を持って言えますか。明確な答弁を求めます。
 政府は、本補正予算案によるGDP押し上げ効果を四・六%としています。しかしながら、昨年の補正予算でも五・六%と試算していたものの、実際の経済対策押し上げ効果分は不明瞭で、政府においても検証された形跡はありません。過去の分析をきちんと行った上で押し上げ効果を算出し、予算を組まれたのでしょうか。本年は試算どおりに財政支出と経済成長が達成されると断言できるのでしょうか。総理、お答えください。
 追加歳出規模は約二十九兆円ということですが、多くの予算が今年度中に執行されないことは明らかです。しかし、予算は短期で集中投入することで初めてGDP押し上げ効果が期待できます。
 そこで、財務大臣に伺います。二〇二三年三月三十一日までに本補正予算から執行される額の総額に占める割合の目標をお示しください。
 年度中に執行できず翌年度に繰り越す明許繰越しも常態化しており、予算の単年度主義は有名無実化しています。もはや予算の単年度主義、現金主義、単式簿記の公会計制度は、実態に合わず、かつ効率的で健全な行政運営に支障を及ぼしているのではないでしょうか。
 総理に伺います。明許繰越しが常態化しているのであれば、公式に、単年度主義ではなく、発生主義を採用してはどうでしょうか。あわせて、複式簿記を採用し、公会計改革を進める気はありませんか。お答えください。
 積極財政が求められる状況下とはいえ、財源についても気を配る必要があります。増税と国債以外で捻出できるのであれば、それを最優先で使うべきです。例えば、円安によって外為特会が円ベースで膨張していることは明らかであり、その評価益相当額を財源に充てることは検討に値するはずです。
 そこで、現時点で外為特会にどのぐらいの含み益があると試算されていますか。為替介入で得た円を国債償還に充て、経済対策の財源に充てないのはなぜでしょうか。為替差益を財源に生かすことこそが国民のためになるのではないでしょうか。総理の見解をお聞かせください。
 経済対策には感染症対策の強化も含まれています。これまでもその多くの対策が補助金、給付金であり、対象の不公平さやプロセスの非効率さを抱えたまま、危機に直面するたびに場当たり的な施策を繰り返しています。このため、二〇一九年から三年間で予算計上した新型コロナ関連事業の予算のうち、およそ二割が未執行だったことが会計検査院の調べで分かりました。補助金、給付金がほとんどを占める日本の経済対策は、残念ながら失敗だったのではないでしょうか。総理の見解を伺います。
 世界の多くの国は、今般の危機に対する経済対策において、補助金、給付金だけではなく、減税を選択しました。公平感が強く、効率的で、また需要喚起効果も大きいことが指摘をされています。そして、減税を中心とする経済対策を行っている国では、言わばその予算執行率が一〇〇%近くなっています。そもそも、集めず、ばらまかずという政策は、支出面を見れば執行率が高くなります。近しい政策効果を持つ給付と減税を比べて給付が過度に優先されるのは、既得権を維持するためのばらまきであるとの批判を免れることはできません。執行率が低くなる補助金、給付金を選択し、執行率が高くなる減税を中心とする経済対策を選択しない理由を総理に改めて伺います。
 我々日本維新の会は、このコロナ禍の今こそ、次の世代への徹底投資を高らかに掲げ、推し進めるべきと考えます。出産費用や授業料などについては、無償化への一歩を今こそ踏み出すべきです。今回、補正予算案に出産・子育て応援交付金事業が入りましたが、この創設される出産・子育て応援交付金事業に、出産費用や子育てに係る費用については無償にするという、するべきという理念、目的は含まれているのでしょうか。総理に伺います。
 短期の財政支出こそ、将来世代への投資を第一に考える必要があります。授業料無償化、給食費の無償化、出産費用の無償化を補正予算で明確に位置付けるべきではないかと考えますが、併せて見解を伺います。
 日本維新の会は、出産費用無償化の具体策として、出産に係る医療を保険適用とし、自己負担分となる三割については出産育児バウチャー、クーポンを支給することで、負担が一切生じることなく出産できる環境を整えることを提案してきました。他方、政府は、出産育児一時金の財源の一部を後期高齢者医療制度でも負担することを検討しています。全世代で出産費用を負担する仕組みをつくるこの思想背景には、保険制度の原理原則である共助の思想が見て取れます。これは、出産の保険適用と税財源に基づくバウチャー制度のミックスによる出産費用無償化という維新案を採用するまさに道筋になり得ると考えますが、いかがでしょうか。総理の所見をお伺いいたします。
 安全保障分野について伺います。
 北朝鮮からの度重なるミサイル発射など、日本を取り巻く環境は一層の厳しさを増しています。防衛力の抜本的な強化を検討する政府の有識者会議の議事要旨によると、防衛費の増額の財源は所得税の引上げなどの意見がありました。総理は、有識者会議の意見に対してどのように受け止め、また、防衛費増額に必要とされる財源はどのようにあるべきと考えますか。見解を伺います。
 国防の観点から防衛費を増額すること、この必要性は論をまちませんが、増税は家計と経済に多大なる影響を及ぼします。足下の経済状況を考えれば、短期的には臨時国債で対応しながら、増税ではなく行財政改革と経済成長で財源を捻出することを目指すべきと考えますが、総理の見解をお伺いいたします。
 今日の安全保障上の脅威は容易に国境を越えます。特に、サイバー分野は目に見えない戦争と呼ばれ、その脅威は日に日に増しております。サイバー防衛を担う専門家を飛躍的に増やし、また、サイバー防衛を担う自衛隊に対しては、アクティブサイバーディフェンスの実施のため、不正アクセス禁止法、不正指令電磁的記録罪を適用除外とするなど対応を検討するべきと考えますが、見解を伺います。
 新型コロナ第八波の対応について伺います。
 政府は、都道府県に対して、行動制限を伴わない要請や呼びかけとして、対策強化宣言や医療非常事態宣言ができる仕組みを新設することを公表しています。しかし、なぜこのタイミングなのか、全く理解に苦しみます。経済活動の正常化をするべきこの時期に地方自治体に宣言の判断を押し付ける仕組みは国の責任の放棄と考えますが、見解を伺います。
 旧統一教会の被害者救済法案についてです。
 先週概要が示された政府・与党案は、被害者救済においては残念ながら極めて不十分な内容です。被害者家族や被害者弁護団からも失望の声が多く上がっています。私には、これが総理の意思を十分に反映されて作られたものだとは思えません。幹事長会談で本案が示される前に、岸田総理は内容について理解、承認をされていましたでしょうか、伺います。
 とりわけ、この新法では、禁止する寄附行為が消費者契約法の改正案とほぼ同一内容となっており、これでは新法によって被害者を救済するという総理の強い決意が満たされたことにはなりません。我が党が提案している内容を踏まえ、新法にふさわしい内容へと修正するべきと考えますが、総理の所見をお伺いいたします。
 最後に、身を切る改革についてです。
 多くの国民がコロナの影響や物価高で今なお苦しい生活を強いられています。国会議員の歳費二割カットにつき、七月末でその期限が切れましたが、我々日本維新の会は自主的に歳費の二割カットを継続しています。物価高局面にある現在、これを再開することが望ましく、国民の理解が得られると考えますが、総理の見解を求めまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。拍手
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
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岸田文雄#18
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 音喜多駿議員の御質問にお答えいたします。
 補正予算の緊要性と効果についてお尋ねがありました。
 今般の補正予算は、世界的な物価高騰や経済の下振れリスクといった足下の難局をいち早く乗り越えるべく策定された総合経済対策を速やかに実施するために編成したものです。そして、本補正予算に盛り込まれた事業は、それぞれ緊要性のある政策課題に対応するために、必要額を精査した上で計上しております。
 また、今般の総合経済対策は、財政支出で約三十九兆円、事業規模で約七十二兆円となっており、これにより実質GDPを四・六%程度押し上げる効果があると見込まれております。
 こうした試算はこれまで累次の経済対策を策定した際にも行ってきましたが、重要なことは、今般の総合経済対策に盛り込まれた施策を速やかに実施し、国民の皆様に生活を支えていると実感していただくことであり、政府として、本対策が期待した効果を上げられるよう、効果的かつ迅速な執行に努めてまいります。
 そして、公会計制度と外為特会についてお尋ねがありました。
 我が国では、憲法上、予算を毎年度国会で御審議いただく、いわゆる単年度主義の原則を取っており、国会における予算の審議権の確保の観点から重要な原則であると考えております。
 御提案の国の会計制度の改革については、国会による財政の確実なコントロールや国民にとっての分かりやすさという観点から、確定性、客観性、そして透明性に優れた現金主義が適切であると考えており、慎重な検討が必要であると考えております。
 また、外為特会の外国為替評価損益は、各年度決算を基に毎年三月末の数値をお示ししており、最新の今年三月末は一兆円ですが、昨年の三月末にはマイナス十一・五兆円の評価損を計上しているなど、その時々の為替レート次第で大きく変動するものです。したがって、一局面における外国為替評価益を裏付けとして財源を捻出することは適切ではないと考えております。
 そして、これまでの経済対策や減税についてお尋ねがありました。
 政府は、これまで新型コロナや物価高に対して、それぞれの危機の性質や経済を取り巻く環境等に応じて必要な対策を講じてきました。
 新型コロナ対応については、未知の新型コロナウイルスによる感染拡大の状況等が予測できない中で、国民の命と暮らしを守るための万全な対策を期すため、切れ目ない支援を行うべく、十分な予算を措置してきました。
 また、物価高騰に対しては、エネルギー、食料品に重点を置きながら、構造的な対策を含め、これまで累次にわたる重層的な施策を講じ、必要な方に必要な支援が行き届くように、きめ細やかな対応を行っています。
 他方、こうした対策の中で、減税については、元々負担の少ない方への効果が小さいなどの問題点があり、減税で対応をすることは政府としては考えておりません。
 そして、出産費用無償化など、将来世代への投資についてお尋ねがありました。
 出産・子育て応援交付金事業は、核家族化が進み、地域のつながりも希薄となる中で、妊娠から出産、子育てまで身近な伴走型の相談支援と、その実効性を高める経済的支援を一体として実施することとしたものです。
 また、授業料や給食費について必要な支援を行うことが重要であり、給付型奨学金等の拡充により高等教育の教育費負担を軽減するとともに、今般の物価高騰に対応した保護者の給食費負担の軽減、これについても取り組んでまいります。
 出産費用に関しては、先般、来年四月からの出産育児一時金の大幅な増額を表明したところです。全国に様々なケースがある中で、平均的な標準費用が全て賄えるようにしたいと考えており、その具体的な水準や財源の在り方について予算編成過程で決定してまいります。
 なお、出産費用の保険適用については、出産費用に大きな地域差が生じているほか、自由で様々なサービスが選択されている現実を踏まえると慎重に考える必要があり、むしろ、出産費用の見える化を進め、妊婦の方々が費用やサービスを踏まえて適切に医療機関を選択できる環境を整備することが重要であると考えております。
 防衛費増額に必要とされる財源についてお尋ねがありました。
 財源の在り方については、政策課題によって様々であり、防衛力強化についても、必要となる防衛力の内容に応じて財源確保策を考えていきます。有識者の御意見も踏まえ、与党とも十分に連携しつつ、防衛力強化の内容、予算、財源の三つに関する議論を一体的かつ強力に進め、年末までに結論を出してまいりたいと考えております。
 そして、サイバーセキュリティーについてお尋ねがありました。
 サイバー攻撃が高度化、複雑化する中、サイバーセキュリティー人材の育成、確保、これは重要な課題であり、質、量両面で官民の取組を推進していきます。サイバー分野における我が国の方針については、新たな国家安全保障戦略等を策定する中で議論をしっかり進めてまいります。
 今後の新型コロナ対応についてお尋ねがありました。
 政府としては、今年の秋以降の感染拡大がオミクロン株と同程度の感染力あるいは病原性の変異株によるものであれば、新たな行動制限を行わず、社会経済活動を維持しながら、高齢者等を守ることに重点を置いて感染拡大防止策講じるとともに、季節性インフルエンザとの同時流行も想定した外来等の保健医療体制を準備することを基本的な方針としてお示しをいたしました。
 この政府の方針の下、引き続き、地域の実情をよく知る都道府県と連携し、必要な支援を行いながら、できる限り平時に近い社会経済活動が可能となるよう取り組んでまいります。
 被害者救済新法についてお尋ねがありました。
 現在政府で検討している被害救済・再発防止のための寄附適正化の仕組みは、随時検討状況の報告を受けており、私が指示をした、消費者契約法の対象とならない寄附一般について社会的に許容し難い悪質な勧誘行為を禁止すること、また、悪質な勧誘行為に基づく寄附について取消しを可能とすること、そして子や配偶者に生じた被害の救済を可能とすること、こういった点を盛り込んだものとしております。
 さらに、借入れ等による資金調達の要求の禁止、刑事罰を含めた罰則規定を設けることなども盛り込んでおります。
 政府としては、寄附適正化の仕組みの概要、これを土台としながら、各党からの御意見も参考にしつつ、法案化の作業をこれから精力的に進めてまいりたいと考えております。
 そして、最後に、議員歳費についてお尋ねがありました。
 議員の歳費については、これは政治活動の根幹に関わることであることからして、各党各会派の間で御議論をいただくべき事柄であると考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。拍手
   〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕
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鈴木俊一#19
○国務大臣(鈴木俊一君) 音喜多議員の御質問にお答えいたします。
 補正予算の執行についてお尋ねがありました。
 今般提出した補正予算は、総合経済対策を速やかに実施するために緊要性のある予算を計上しており、各省庁において早期の執行に努めていただくべきものであると考えております。
 その上で、本補正予算の執行においては、各事業の状況等に応じてその進捗もそれぞれ変わり得るものであり、執行を急ぐ余りに個別の事情等を踏まえず支出を行うことは適切ではないと考えていることから、一律の目標を設定して実施することは適当ではないと考えております。
 いずれにせよ、財務省としては、執行を担う各省庁とよく連携し、予算の迅速かつ効率的な執行を促してまいりたいと考えております。拍手
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尾辻秀久#20
○議長(尾辻秀久君) 竹詰仁君。
   〔竹詰仁君登壇、拍手〕
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竹詰仁#21
○竹詰仁君 国民民主党・新緑風会の竹詰仁です。
 会派を代表して、令和四年度一般会計第二次補正予算案について質問いたします。
 補正予算案と需給ギャップの関係について伺います。
 我が国の経済の需要と供給能力の差を示す需給ギャップが十五兆円あると内閣府が出しています。需給ギャップ以上の補正予算案を編成した考え方を総理に伺います。また、過去累次の本予算、補正予算を繰り返しても、我が国はなかなか需給ギャップが埋まりません。その理由を岸田総理はどのように考えているのでしょうか。今回は需給ギャップがうまく埋まっていくと考える根拠を伺います。
 物価高騰、賃上げの取組の電気料金対策について質問いたします。
 国民民主党は、再エネ賦課金の徴収停止による電気料金に係る国民負担の引下げを参議院選挙の公約に掲げ、十月二十四日に法案として提出しました。電気料金の値下げは、国民民主党が訴え続けてきたことが実現するものと受け止めます。政府案は、再エネ賦課金の徴収停止ではなく、一キロワットアワー当たり、家庭向けは七円、企業向けはその半分の三・五円を一月使用分から値下げするとしています。重要なことは、実効性、公平性、納得性です。
 岸田総理に伺います。再エネ賦課金の徴収停止を採用しないのはなぜですか。
 七百三十社以上の電力小売事業者がいます。政府の電気代軽減策は、全ての小売事業者が対象ですか。値下げするかしないかは、各社の任意ですか、強制ですか。岸田総理に伺います。
 次に、西村経産大臣に伺います。自由化された自由料金は非公開ですが、値下げの確認はできますか。そして、七百三十社が一斉に来年一月使用分から値下げできるのでしょうか。お答えください。
 また、値下げするためのシステム改修が伴う場合、政府は事業者に対して支援をするのでしょうか。岸田総理に伺います。
 いわゆる旧電力会社十社の財務状況は極めて厳しい状況です。電気料金の値上げをしないとますます経営が厳しくなります。電気料金の値上げ申請について、政府はどう対応するのでしょうか。値上げと値下げがふくそうした場合、値下げが実感できる方法は何か、西村経産大臣に伺います。
 次に、賃上げの取組について岸田総理に質問します。
 岸田総理は、我が国が二十年以上にわたり賃金が上がっていないと認識されています。国民民主党は、給料を上げるをイの一番の政策に掲げており、賃上げには全面的に賛同します。当初予算も、当然賃上げのための予算が組まれていたはずです。
 総理、賃上げのために、当初予算では何が足りなかったのですか。補正予算のどの項目が賃上げに効果があるのでしょうか。岸田総理が考える構造的、継続的な賃上げとは、基本給や職務給、賞与、時間外手当、休日手当などの賃金項目のうち何を上げたいのか、何を上げるべきと考えているのか、伺います。
 円安を生かした経済構造の強靱化について質問します。
 総理は、急速で一方的な円安の進行は望ましくない、そして、為替相場の見通しについてのコメントは差し控えると述べられています。そうであるならば、来年の為替もコメントできない、つまり円安かどうか見通せないということです。岸田総理は、今の円安は良いこととお考えですか。円安を生かすために更に円安が進むべきとお考えですか。お答えください。
 輸出によって収益を上げていた製造業ビジネスは、これまでの為替変動の影響を踏まえ、原材料、資材調達の多様化や現地生産など、既にグローバル展開をしており、ビジネスモデルは変化しております。本来、円安、円高にかかわらず、我が国の物づくり産業、情報通信産業、半導体産業の発展、エネルギー、食料自給率の向上、そしてワクチンなどの医薬品製造を強固にしていかなければなりません。
 自ら為替の見通しはコメントしないと言われる中で、本補正予算で円安を生かすとは、どの程度の期間を想定して予算付けしているのか、岸田総理に伺います。
 加えて、円安の基調が変わったときにも補正予算案に示された施策が経済構造の強靱化に資するべきと考えますが、為替に左右されない経済構造の強靱化はどの項目なのか、具体的にお示しください。
 新しい資本主義の加速について質問いたします。
 人への投資の抜本強化に賛同します。科学技術・イノベーション、GX・DXの推進も積極的に進める必要性に理解いたします。出産、子育てへの応援も理解します。
 いずれにおいても、本補正予算は喫緊かつ重要な課題である賃上げ、そして生活の安心につながるものである必要があります。
 二十年以上にわたり賃金が上がらなかった要因を明らかにし、その要因を解消しなければ新たな成果は生み出されないと考えますが、岸田総理はこれまで賃金が上がらなかった理由は何とお考えか、伺います。また、新しい資本主義は賃金が上がるという明確なビジョンを具体的にお示しください。
 国民民主党は、児童手当の所得制限撤廃法案を提出しています。子供のために仕事を頑張って所得を上げたら子供への手当がなくなることに多くの人が矛盾を感じ、納得していません。子供をいつ授かるのか、収入で決められません。子育てを応援するのであれば、子供への手当に親の年収で制限するべきではありません。
 岸田総理に伺います。子育て支援になぜ所得制限を設けるのですか、所得で分ける具体的な根拠は何ですか、お答えください。
 外交・安全保障に関連して質問します。
 我が国を取り巻く安全保障環境は、猛烈な速さで厳しさと不確実性を増しております。断じて許されないロシアによるウクライナ侵攻を言うに及ばず、北朝鮮の頻繁化するミサイル発射、中国による台湾統一構想など、ますます安全保障の構えを備える必要性が生じています。
 北朝鮮のミサイルに対して我が国の防衛力は十分なのか、岸田総理に伺います。
 当初予算を補う補正予算によりどのように安全保障が強化されるのか、浜田防衛大臣、具体的にお示しください。
 今後の備えについて、岸田総理に質問します。
 当初予算策定時点ではウクライナへの侵攻は始まっていませんでした。そのため、ウクライナに関わる予備費を計上することは理解します。一方で、新型コロナ対策は当初予算時点で分かっていたものであり、予備費が計上されていました。補正予算で予備費を積み上げるのは不明瞭なところがあります。
 当初予算の予備費のうち、新型コロナ対策の何に幾ら支出したのですか、幾ら残っているのですか、お答えください。そして、何が足りないのですか。今年度は残り四か月余りとなる中、当初予算と同じ額の予備費が妥当なのか、必要としている項目を具体的にお示しください。
 現在の円安、既に起きている円安をすぐに生かせるものがあります。外国為替資金特別会計です。多くの国民が物価高騰、円安に苦しんでいます。外為特会は、元をたどれば国民からの税金、国民のものと言えます。国民が苦しいときに国民のお金を使う。国民である将来世代への借金をできるだけ抑える。これ以上の理由はないと思います。
 岸田総理に伺います。まさに円安を生かすには、外為特会の活用、補正予算においては一般会計への繰入れが必要だと考えますが、外為特会の資金、運用状況をお示ししていただいた上で、なぜ外為特会の活用せずに国債で賄うのか、伺います。
 国民民主党は、インフレ手当、一人一律十万円の給付についても総理に申し入れています。総理、国民民主党の政策にしっかり目を通してください。国民民主党は、真に国民のためになる政策を先導してまいります。
 以上、質問を終わります。拍手
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
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岸田文雄#22
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 竹詰仁議員の御質問にお答えいたします。
 補正予算とGDPギャップの関係についてお尋ねがありました。
 足下、世界的な物価高騰が見られる中、世界的な景気後退懸念が高まるなど、日本経済を取り巻く環境に厳しさが増しています。
 御指摘のとおり、四―六月期のGDPギャップは約十五兆円ですが、下振れリスクにも万全の備えをしつつ、日本経済を再生させるため、財政支出三十九兆円、事業規模約七十二兆円の規模の経済対策を策定し、対策の財源的裏付けとなる補正予算を編成いたしました。
 GDPギャップについては、二〇二〇年春に新型コロナの影響によりGDPが大きく落ち込んだ後、コロナ禍からの回復過程にある中で、いまだマイナスで推移をしております。総合経済対策を速やかに実行し、新型コロナと物価高を克服し、持続的な経済成長を実現することでGDPギャップ、これ着実に縮小していくことになると考えております。
 電気料金対策についてお尋ねがありました。
 本事業における支援措置は、来年春以降の急激な電気料金の上昇によって影響を受ける家計や、価格転嫁の困難な企業の負担を直接的に軽減するものです。
 全国のこの御家庭における平均的負担増が二割程度と想定されることを踏まえ、その水準と同水準の価格抑制を図る観点から、低圧契約の家庭等に対してはFIT賦課金の水準以上の一キロワット当たり七円を、また、高圧契約の企業等に対してはFIT賦課金の負担を実質的に肩代わりする、こうした金額を支援していくことを考えております。
 なお、御指摘の再エネ賦課金については、カーボンニュートラルの実現に向け、再エネの最大限の導入に取り組むため、引き続き着実に運用していく必要があると考えております。
 また、今回の制度は、小売電気事業者等の申請に基づき事業を実施いたしますが、広く家庭や企業の御負担を軽減するために、全ての事業者に参加していただきたいと考えています。その際、先ほど申し上げた水準の支援については、確実に料金の値下げに活用してもらいます。システム改修しなければ値引きの処理ができない場合や請求書等への値引き単価等の表示ができない場合には、その改修に必要な経費については事業者への支援を行ってまいります。
 そして、賃上げについてお尋ねがありました。
 目下の物価上昇に対する最大の処方箋は、物価上昇に負けない継続的な賃上げを実現することです。これまでの賃上げ税制や公的価格の引上げに加えて、今般の補正予算では、事業再構築、生産性向上等と一体的に行う賃金の引上げへの支援の拡充や、価格転嫁対策の強化に取り組むこととしております。さらに、賃上げの流れを継続、拡大していくため、人への投資の支援を五年間で一兆円のパッケージへと抜本強化をいたします。
 その上で、賃上げの内容は各企業の状況に応じて決定されるものですが、政府としては、賃上げが高いスキルの人材を引き付け、企業の生産性を向上させ、それが更なる賃上げを生むという構造的な賃上げを実現することが重要であると考えております。
 円安についてお尋ねがありました。
 為替相場の具体的な水準や見通しについてコメントはいたしませんが、円安の日本経済への影響については、一般論として、輸出や海外展開をしている企業の収益は改善する一方、輸入価格の上昇を通じて企業が消費者に、企業や消費者に負担増となる、こうしたことであり、プラス面、マイナス面双方の影響があります。
 よって、現下の円安に対しては、政府としては、マイナス面の影響を緩和するため、エネルギー、食料品を中心に価格高騰対策を講ずるとともに、プラス面の効果を最大限引き出し、経済の強靱化を図るべく、インバウンド観光の復活や企業投資の国内回帰、農林水産物の輸出拡大など、これを進めてまいります。このマイナス面、プラス面両方に対して政策を用意していきたいと考えます。
 そして、円安を生かした経済構造の強靱化についてお尋ねがありました。
 近年の地政学的環境の変化やロシアによるウクライナ侵略によって、サプライチェーンの再編強化、食料品、エネルギー等の危機に強い経済構造への転換、これが急務となっています。こうした課題は、為替レートの動向に関わりなく、我が国の経済構造を強靱化するために推進していく必要があります。
 このため、総合経済対策では、目下の為替環境によって国内立地環境がコスト面でも大きく改善しているこの機を捉えて、半導体、蓄電池、ワクチン等の攻めの国内投資の拡大による国内供給力の強化、そして海外依存度の高い小麦、大豆、飼料作物等の国産化、下水汚泥、堆肥等を活用した肥料の国産化等による食料安全保障の確保、これらを推進してまいりたいと考えております。
 そして、賃金が上がらなかった理由と新しい資本主義のビジョンについてお尋ねがありました。
 我が国は、バブル崩壊以降、長引くデフレ等を背景に、各国と比べ低い経済成長が、失礼、低い経済成長が続きました。この間、企業は賃金を抑制し、そして消費者も将来不安などから消費を抑制した結果、需要が低迷しデフレが継続する、こうした悪循環となりました。こうした中で、企業に賃上げを行う余力が生まれにくくなったことから賃金が伸び悩み、他国よりも低い賃金水準となった、このように考えております。
 新しい資本主義にふさわしい賃上げを実現するためには、賃上げ、そして成長分野への労働移動の円滑化、リスキリングを始めとする人への投資、この三つの課題に一体的に取り組み、構造的な賃上げ、これを実現することが重要だと考えております。
 そのために、まずは来年春の賃金交渉に向けて物価上昇に負けない賃金引上げに取り組んでいただいた上で、中長期的に必要となる構造的賃上げに向けて、労働移動円滑化に向けた指針、来年六月までに取りまとめるとともに、五年間で一兆円の人への投資支援、これを実施してまいります。
 そして、子育て支援に関わる所得制限についてお尋ねがありました。
 児童手当を始めとする各制度において、所得制限を設けるかどうかは、個々の制度の目的や支援方法などに応じてそれぞれ判断されるものと考えております。例えば、児童手当は、法律上、家庭等の生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的として支給するものとされており、制度発足時から所得制限が設けられているものと承知をしております。
 そして、北朝鮮のミサイルに対する防衛体制についてお尋ねがありました。
 ミサイル迎撃能力を高める不断の努力は重要であり、PAC3の能力向上などの取組を継続していくとともに、衛星コンステレーションなどの新たな手段の活用も考えてまいります。加えて、ミサイル迎撃能力の向上だけでなく、いわゆる反撃能力を含め、あらゆる選択肢を排除せず、年末までに結論を出してまいります。
 コロナ予備費についてお尋ねがありました。
 新型コロナウイルス感染症対策予備費については、令和四年度第一次補正予算において新型コロナウイルス感染症及び原油価格・物価高騰対策予備費に名称を変更して使途を拡大しており、今年度において、これまでの半年強の期間で四・九兆円程度が使用され、残額は一・三兆円程度となっております。
 今般の経済対策においては、今後への備えとして、新型コロナの感染拡大や物価高騰に引き続き万全を期していくため、三・七兆円程度を増額することとし、コロナ・物価予備費を年度当初とほぼ同額である五兆円程度を確保することといたしました。
 この点、年度当初と比べても、足下の消費者物価上昇率は上昇しています。円安も更に進行するなど、日本経済を取り巻く環境は厳しさを増しております。こうした影響から、国民生活や事業活動を守り抜くためにコロナ・物価予備費を本年度当初予算額と同額の五兆円程度を確保することは、今後への万全の備えとして適切な対応であると考えております。
 なお、コロナ・物価予備費の使用については、各省庁の個別具体の使用要求の内容に基づいて使用の可否を判断することになるため、具体的にどのようなものが想定されるか、現時点で予断を持ってお答えすることは困難であると考えております。
 そして、外為特会の活用についてお尋ねがありました。
 外為特会が保有する外貨資産については、各年三月末の数値をお示ししており、今年三月末の外貨資産は約百五十兆円、昨年度の運用収入は約二兆円です。その上で、この外貨資産は、外国為替相場の安定を目的として将来の為替介入に備えて保有しているものです。
 また、外為特会を財源確保に活用するため外貨を円貨に替えるということは、実質的にドル売り円買いの為替介入そのものということになります。為替介入は、G7等での国際的な合意において、過度な変動や無秩序な動きへの対応のために行われることとされており、この面から見ても、財源確保のために外貨準備を取り崩すというのは適当ではないと考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。拍手
   〔国務大臣西村康稔君登壇、拍手〕
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西
西村康稔#23
○国務大臣(西村康稔君) 竹詰仁議員からの御質問にお答えいたします。
 値下げの確認方法や値下げ開始の時期についてのお尋ねがございました。
 今回の事業は、需要家に対する支援であり、支援額が全額国民に届くように透明性のある仕組みとすることが重要と考えております。支援に際しましては、値下げを行うための約款、契約の変更内容と需要家に対する販売実績を確認して交付することで値下げを確認する仕組みとします。加えて、実際に需要家に対して値引きしていることを抜き打ちで直接確認することを通じ不正の防止を図ってまいります。
 値引きの開始時期については、できる限り多くの小売事業者などが早期に本事業への参加手続を行っていただくことにより、一月の使用分、二月の請求分から電気料金の値引きを開始していただけるよう進めてまいります。
 電気料金の値上げ申請についてお尋ねがありました。
 ウクライナ情勢などに伴って燃料価格が高騰し、大手電力会社の経営状況は極めて厳しい状況にあると認識しております。多くの大手電力会社は、第二・四半期で大幅な赤字となり、今年度の業績予想も大変厳しいため、規制料金の値上げに言及したものと承知しております。
 今後、仮に大手電力会社から規制料金の値上げ申請があった場合には、経営効率化の取組がしっかりと行われているか、燃料調達の費用見込みが妥当であるか、保有資産の活用が適切であるかなど、厳格に審査を行ってまいります。また、審査に当たっては、電力の安定供給確保に万全を期す上で必要な燃料調達や要員確保、資金調達などの要素も十分に考慮してまいります。
 電力料金の値下げが実感できる方法についてお尋ねがありました。
 燃料価格の上昇の影響等により、大手電力は現在、多くが経常赤字となっている状況です。今後、一定の値上げを申請する事業者が出てくることが想定されますが、各社の事情に応じて値上げ幅は異なると考えられます。その上で、今回の電気料金の負担軽減策は、迅速に支援をお届けする観点などから、来年春以降に想定される料金の上昇による平均的な負担増に対応する値下げを全国一律で先行して一月使用分から行うものであります。
 また、今回の事業は、需要家に対する支援であり、支援策が全額国民に届くように透明性のある仕組みとすることが重要と考えており、値下げの確認ができる方法で実施する予定です。具体的には、御家庭や事業所に届く毎月の請求書や検針票において、値下げの単価などを分かりやすく記載することとしております。
 これらにより、来年春以降に見込まれる料金の値上げの中でも、需要家が値下げを実感できるよう取り組んでまいります。拍手
   〔国務大臣浜田靖一君登壇、拍手〕
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浜田靖一#24
○国務大臣(浜田靖一君) 竹詰仁議員にお答えいたします。
 補正予算案による安全保障強化についてお尋ねがありました。
 今般の補正予算については、災害への対処能力の強化、自衛隊の駐屯地、基地のインフラ基盤の強化、生活・勤務環境の改善や、自衛隊等の変化する安全保障環境への対応に必要な緊要な経費を計上いたしました。特に、自衛隊等の変化による、変化する安全保障環境への対応のため、経空脅威等に対する自衛隊の安定的な運用態勢の確保及び米軍再編の着実な実施に必要な経費を重点的に計上しております。
 防衛省としては、新たな国家安全保障戦略等の策定に係る各種検討を加速させつつ、補正予算においても喫緊に必要となる予算をしっかりと確保し、防衛力を強化してまいります。拍手
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尾辻秀久#25
○議長(尾辻秀久君) 紙智子君。
   〔紙智子君登壇、拍手〕
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紙智子#26
○紙智子君 日本共産党の紙智子です。
 会派を代表し、財政演説について、岸田総理に質問します。
 一月の間に三人の閣僚が相次いで辞任しました。異常事態であり、総理の責任は重大です。もはや、総理、総辞職をすべきではありませんか。
 そして、本日、しんぶん赤旗は、寺田氏の後任の松本剛明総務大臣の政治資金規正法違反疑惑を報じました。
 松本たけあき後援会が開催した複数の政治資金パーティーで、会場収容人数をはるかに超えるパーティー券を販売していました。参加予定のない者の支払は寄附に当たる可能性がありますが、政治資金収支報告書には寄附としての記載がありません。同様の疑惑で山際前大臣は告発され、横浜地検が受理しています。政治資金を所管する総務大臣に自らの政治資金疑惑が問われる者を任命した責任は重大です。総理の責任で究明すべきです。いかがですか。
 物価高騰の下、国民生活の悪化が深刻になっています。ところが、岸田政権は、物価高騰と異常円安をもたらしているアベノミクス、異次元の金融緩和をやめるにやめられない対応不能状態に陥っています。現状打開のためには、賃上げを軸に実体経済を立て直すこと、とりわけ内需を活発にすることが必要です。そうしてこそ、マイナス金利などという異常な金融を正常に戻すこともできます。総理の認識を伺います。
 本補正予算案の基である総合経済対策には、構造的な賃上げとあります。しかし、実質賃金を十年間で二十四万円も減らしたアベノミクス、新自由主義を継承したのでは、まともな賃上げはできません。新自由主義の下、労働法制が次々規制緩和され、日本の非正規雇用の比率は一割台から四割近くまで増大しました。これが日本を賃金が上がらない国という先進国でも特異な国にしてしまった根本にあります。
 総理はよく新自由主義の弊害を是正すると語っていました。私は、非正規雇用を増やし、低賃金で不安定な働き方から抜け出せずに、結婚したくてもできない若年層を増やしたことこそ、新自由主義の一番の弊害だと考えますが、総理にその認識はありますか。
 全雇用者に占める非正規雇用の割合は、イギリスで一割以下、ドイツ、カナダ、イタリア、フランスは一割台前半となっています。アメリカでも三割であり、非正規雇用が四割に上る日本は異常です。総理、構造的な賃上げのためには、こうした構造的な賃下げ要因を取り除くことが大前提となるのではありませんか。
 日本共産党は、アベノミクス以降に膨らんだ大企業の内部留保百五十兆円に、年二%、五年間限定で課税する、そこから生まれる十兆円の税収を全て中小企業の支援に回し、最低賃金を全国一律で時給千五百円に引き上げることを提案しています。
 全国一律千五百円の最低賃金には根拠があります。全国労働組合総連合、全労連などが取り組んでいる最低生計費試算調査によると、二十五歳単身者で二十五平方メートルの賃貸ワンルームマンションに居住という条件で、最低生計費は、東京都北区の男性で月額二十四万九千六百四十二円、佐賀県の男性で二十四万一千九百七十二円となりました。現在の地域別最低賃金が最高額の東京都と最低額の佐賀県などで生活に大差がないことが示されました。大都市部では家賃が高い一方、地方では自動車なしの暮らしは考えられないなどの実情があるからです。
 総理、地域別の最低賃金はもはや実態に合わないのではありませんか。自民党にも最低賃金一元化推進議連、議員連盟ができています。全国一律の最低賃金制度に改めるべきではありませんか。
 月額二十四万円台の最低生計費を人間らしい働き方である月百五十時間で換算すると、時給千六百円台になります。全国一律千五百円、これはこうした根拠ある目標であり、十兆円の財源があれば中小企業でも実現に大きく前進できる目標です。政府の賃上げ減税は、黒字企業だけが対象で、多くが赤字の中小企業の賃上げには結び付きません。
 総理、大企業の労働者も中小企業の労働者も、正社員も非正規雇用労働者も、大都市部、そして地方でも、八時間働けば普通に暮らすことが可能となり、地域経済の底上げと日本経済の活性化をもたらすことになる、大企業の内部留保を活用した最低賃金全国一律千五百円の実現に今こそ踏み出すべきではありませんか。答弁を求めます。
 物価高騰はあらゆる分野に及んでいるのに、本補正予算案は、電気・ガス料金の抑制など、部分的、一時的な対策に終始しています。物価高騰による家計の負担増は、一世帯当たり年間十三万円にもなります。電気代の影響は、このうち二割程度にすぎません。余りにも不十分です。全ての物価を引き下げる消費税の減税こそ、物価高騰に対する特効薬です。野党は既に消費税減税法案を提出しています。総理、決断すべきではありませんか。
 来年十月に予定されているインボイス制度の導入は、数百万もの小規模事業者やフリーランスで働く人々に消費税課税業者になることを余儀なくさせ、深刻な負担増をもたらしています。
 フリーランスが圧倒的に多いアニメ業界、声優業界では、四人に一人がインボイス制度の導入によって廃業を検討しています。声優の方から、作品の質の低下はじわじわやってきます、一度失われた文化は戻りません、十年後も二十年後も良い作品を作り続けられるような裾野を削らないでくださいとの声も聞きました。
 総理、クールジャパンとうたうのであれば、この業界で働く人たちの切実な声に耳を傾けるべきではありませんか。インボイスの導入は中止すべきではありませんか。
 中小企業・小規模事業者の過剰債務への対応も喫緊の課題です。コロナ対応融資、いわゆるゼロゼロ融資の残高は、今年三月末時点で約四十二兆円に上り、中小企業の約三割が過剰債務感を訴えています。このままでは新たな融資が受けられず経営に行き詰まる資金繰り倒産、廃業が激増するおそれがあります。借換え制度も重要ですが、新たな融資を受けられるようにするためには、思い切った対策が必要です。
 日本共産党は、ゼロゼロ融資を一旦債務から切り離し、別枠債務とすることを新たに提案します。
 別枠債務は、一定期間返済を猶予し、その間、金融機関は別枠債務を既存の融資残高から除外し、新規融資が行えるようにします。別枠債務の返済が可能になった時点でも、その後の事業に支障がない返済計画に金融機関が協力できるように国が支援します。こういう制度こそ、現場から求められているのではありませんか。総理の見解を求めます。
 最後に、本補正予算案には、経済対策に紛れて四千四百六十四億円の軍事費が計上されています。その中身は、鹿児島県馬毛島での米空母着艦訓練場の建設、沖縄辺野古での米軍新基地の建設、米軍領土であるグアムへの海兵隊の基地の建設など、米軍再編経費が大半を占めています。
 総理、これらの経費のどこが物価高対策ですか。物価高対策を掲げた補正予算案に軍事費を計上して、しかも大半が米軍奉仕という二重三重に不当なやり方は、厳しい批判を免れないことを指摘をして、質問を終わります。拍手
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
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岸田文雄#27
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 紙智子議員の御質問にお答えいたします。
 まず、閣僚の任命責任についてお尋ねがありました。
 先々週、葉梨大臣から、政権として様々な懸案を抱える中、軽率な発言によって今後の補正予算や重要法案の審議に迷惑を掛けたくない、身を引きたいと、辞任の申出がありました。
 また、一昨日、寺田大臣から、補正予算、被害者救済新法など重要課題処理の最終段階を迎えているときに、自らの政治資金に関する質疑が続くことで悪影響を与えたくないと、辞任の申出がありました。
 総理大臣として、補正予算審議、被害者救済新法、コロナ対応、当初予算編成等の重要課題に答えを一つ一つ出すことを最優先とし、それぞれの辞任を認めることといたしました。
 国会開会中に大臣が辞任する事態となったことは誠に遺憾であり、私自身、任命責任を重く受け止めております。政策に遅滞が生じないよう、政府一丸となって国政の運営にしっかりと取り組むことで職責を果たしてまいります。
 松本大臣の政治資金についてお尋ねがありました。
 松本大臣について指摘されている事項については、まずは本人から適切に説明すべきものであると考えております。
 そして、金融政策と賃上げについてお尋ねがありました。
 足下の物価高を克服するためには、物価高の主因であるエネルギー、食料品に重点を置いて価格高騰抑制策を講ずるとともに、物価高に負けない継続的な賃上げを実現することが重要です。
 総合経済対策では、賃上げ促進のため、中小企業等の賃上げ取組への支援を大幅に拡充するとともに、価格転嫁対策等を強化しています。
 その上で、賃上げを継続的なものとし、消費の持続的拡大につなげるため、構造的賃上げに向け、リスキリングを始めとした五年間で一兆円のパッケージを盛り込んでいます。
 なお、金融政策の具体的な手法は日銀に委ねられるべきと考えますが、先日、黒田総裁と面会し、政府と日銀が、内外の経済や金融市場をめぐる不確実性が極めて高い中、密接に連携しながら経済・物価情勢に応じて機動的な政策運営を行い、構造的な賃上げを伴う経済成長と物価安定目標の持続的、安定的な実現、これを図っていくという認識で一致をしたところであります。
 非正規雇用、構造的な賃上げについてお尋ねがありました。
 非正規雇用労働者の待遇改善に向けて、総合経済対策において新たに労働基準監督署の体制を強化し、待遇差が問題となり得る事案を把握し、労働局の指導につなげるなど、同一労働同一賃金の遵守、これを徹底していきます。
 そして、希望する方が正社員として就労することができるようにすることも重要な課題であり、人への投資の政策パッケージを五年間で一兆円に拡充する中で、訓練後に非正規雇用を正規雇用に転換する企業への支援を強化するとともに、勤労者皆保険に向けた取組を進めてまいります。
 こうした取組を通じて、一人一人の希望に応じて、多様で柔軟な働き方が選択できる社会を実現してまいります。
 最低賃金についてお尋ねがありました。
 最低賃金法では、各地域における労働者の生計費、賃金、企業の賃金支払能力を考慮し、地域別最低賃金を決定するとされており、全国一律の最低賃金とすることは、特に地方において、中小企業を中心に人件費が増加することにより、経営が圧迫され、雇用が失われるおそれがあることから、慎重に検討する必要があると認識をしております。
 最低賃金については、今年、過去最高となる全国の加重平均で三十一円の引上げを行ったところであり、引き続き、できる限り早期に全国加重平均千円以上となることを目指し、引上げに取り組んでまいります。
 消費税減税についてお尋ねがありました。
 物価高騰の要因については、基本的にはエネルギー、食料品を中心とした物価高であり、こうした分野に重点を置きながら、構造的な対策を含め、これまで累次にわたる重層的な政策を講じ、必要な方に必要な支援が行き届くようにきめ細やかな対応、これを行っています。
 その上で、消費税については、急速な高齢化等に伴い社会保障給付費が大きく増加する中で、これをあらゆる世代が広く公平に分かち合う観点から社会保障の財源として位置付けられています。
 このように、消費税は社会保障制度を支える重要な財源であるため、減税は考えておりません。
 インボイス制度についてお尋ねがありました。
 インボイス制度は、複数税率の下で適正な課税を確保するために必要なものです。インボイス制度に関する中小・小規模事業者の方々の準備状況や御懸念について、政府として丁寧に課題を把握しながらきめ細かく対応していきます。
 具体的には、フリーランスの方々を含め、免税事業者を始めとした事業者の取引について取引環境の整備に取り組むとともに、今般の総合経済対策においても、IT導入補助金の補助対象の拡大など、インボイス対応のための支援策の充実に盛り込んでおります。
 引き続き、政府一体で連携して、制度の円滑な移行に向けて万全の対応を図ってまいります。
 中小企業への資金繰り支援についてお尋ねがありました。
 引き続き、経営環境、厳しい経営環境の下、新型コロナや物価高に加え、今後ゼロゼロ融資の返済本格化を迎える中小・小規模事業者を支えることは重要です。
 そのため、まずは官民の金融機関に対し、ゼロゼロ融資を含む既存債務について返済猶予などに柔軟に対応すること、新規融資についても貸し渋りを行わないことや丁寧かつ親身に対応することなど、累次にわたって要請を行っているところです。また、債務の切替えの円滑化による返済開始時期の後ろ倒しや返済負担の軽減に加え、新たな資金需要にも対応できる新たな保証制度を創設いたします。
 それでもなお増大する債務に苦しむ事業者に対しては、債務圧縮や減免を含め再生支援を進めることも重要であり、全国の中小企業活性化協議会を通じた取組、これを強化してまいります。
 なお、御提案の内容については、過剰債務を誘発する懸念にも配慮しつつ、慎重に検討してまいります。
 補正予算における米軍再編経費についてお尋ねがありました。
 今回の総合経済対策には四つの柱があり、物価高騰、賃上げへの取組だけではなく、国民の安全、安心の確保、こうしたことも柱の一つとして掲げております。この中で、外交・安全保障環境の変化に対応するための取組の一つとして米軍再編の着実な実施を図ることとしており、関連経費を計上しているものであります。拍手
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尾辻秀久#28
○議長(尾辻秀久君) これにて質疑は終了いたしました。
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尾辻秀久#29
○議長(尾辻秀久君) この際、日程に追加して、
 日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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