平木大作の発言 (本会議)

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○平木大作君 公明党の平木大作です。
 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました財政演説について質問いたします。
 長きにわたる新型コロナウイルスとの闘い、ロシアによるウクライナ侵略や気候変動に伴うエネルギーと食料の安定供給に対する不安、追い打ちを掛けるようにやってきた物価高騰が国民生活に暗い影を落としています。
 国内ばかりではありません。いずれの課題も軽々と国境を越えて伝播する中で、各国の政治基盤が揺らぎ、国際秩序もまた大きな試練のときを迎えています。
 こうした状況を受けて、政府は、過日、国内外の諸課題に対処するための総合経済対策を閣議決定しました。今、政治に課せられた使命は、物価高騰にあえぐ国民に負担軽減の実感と将来不安の払拭を届け、存続の危機に立ち向かう事業者をしっかりと支援するとともに、地球規模課題の解決に向けた国際社会の連帯に強力なリーダーシップを発揮することです。経済対策の迅速かつ効果的な実施を求めて、以下、岸田内閣総理大臣に質問いたします。
 十月の消費者物価指数は、対前年同月比で三・六%上昇しました。四十年八か月ぶりの高水準です。値上がりの著しいエネルギー価格に対して、政府は、これまで続けてきたガソリン等の価格激変緩和策に加えて、電気・ガス料金についても緩和策の実施を決めました。生活者、事業者が日々直面する負担感を軽減するものであり、高く評価するとともに、予算成立後の一日も早い実現を求めます。
 これまで、ガソリン等の燃料油対策では、直接の支援対象となる三十余りの事業者に対して、補助金が確実に消費者に還元されていることを担保するために、全ての請求書のチェックを行ってきました。
 しかし、今回新たに措置する電気については小売事業者の数は約七百、都市ガス事業者も約二百に及び、燃料油対策と同様のチェック体制を取ることは現実的ではありません。不正を防止し、支援策を確実な負担軽減につなげるためにどのような対策を取るのか、御説明いただきたいと思います。
 先月から適用が始まった最低賃金は、全国加重平均で九百六十一円と、ようやく千円が視野に入るところまで来ることができました。過去最大の上げ幅となったものの、率に換算すれば三・三%の上昇であり、消費者物価指数の上昇に足並みをそろえた形です。実質賃金を向上させ、賃上げの実感を届けるためには、物価高対策と並行して、今後も賃上げを強力に推し進めていかなくてはなりません。
 一方で、小規模事業者の方々からは、コロナ禍で落ち込んだ売上げを戻すのも難しい中、最低賃金を払うのは大変との声も多く聞こえてきます。
 政府は、持続的な賃上げを促進するために、事業再構築や生産性革命を推進する施策について、条件の緩和や補助率の加算に取り組んでいますが、そもそもどう事業転換したらよいか分からないとして、変革に向けた最初の一歩を踏み出せない事業者が大半です。補助金の拡充だけでなく、相談支援を充実させるとともに、収益向上に結び付くまでの間も賃上げを継続できるよう支援していただきたいと思いますが、御見解をお伺いします。
 グリーントランスフォーメーションも待ったなしの課題です。現在、再生可能エネルギーの主力電源化に向けて太陽光や風力発電の新規導入が進んでいますが、課題である不安定な出力を調整できる蓄電池の活用が遅れています。
 政府は、電池産業戦略を策定し、国際競争力の向上と国内製造基盤の確立、そして全固体電池など次世代技術の開発を打ち出していますが、かつて圧倒的世界シェアを誇った日本の電池産業は、中国、韓国など新興勢力の追い上げによって急速にプレゼンスを失いつつあります。半導体や太陽光パネルなどで犯した過ちを繰り返さないためにも、先進技術への研究開発投資と大容量化、コスト低減を支える生産設備投資の両面で中長期かつ大胆な取組が欠かせません。また、輸入に頼る炭酸リチウムなど原材料の安定供給と価格高騰も課題です。
 どのようにして脱炭素社会実現の鍵を握る蓄電池で世界をリードするのか、説明を求めます。
 現在、年内の策定を目指して、デジタル田園都市国家構想総合戦略の議論が進められています。これまでのまち・ひと・しごと創生総合戦略に最新のデジタル技術を取り込んで刷新するものであり、地方においても明年から地方版総合戦略の改定に取り組むこととなります。
 デジタル技術は社会課題を解決するための有用なツールであり、海底ケーブルや光ファイバー網を始めとするデジタル基盤整備が地方創生を大きく後押しすることは論をまちません。一方で、現在の基本方針がデジタル技術を前面に押し出したものとなったことから、これまでのまち・ひと・しごと創生総合戦略との違いに戸惑いの声も聞かれます。
 かつて、大平正芳元総理が打ち出された田園都市国家構想が、画一的な都市モデルやパターンを排し、梅棹忠夫氏や山崎正和氏など文化人も参画して、地域の自然や歴史、文化を再検証しながら、その独自性を尊重した町づくりの挑戦であったことを踏まえれば、今回の総合戦略改定についても、地方の描くビジョン、将来像が主で、デジタル技術はその道具立てという位置付けを明確にすべきと考えます。
 デジタル田園都市国家構想総合戦略で何を打ち出し、地方版総合戦略に何を期待するのか、新設されるデジタル田園都市国家構想交付金の活用の在り方と併せて、総理の答弁を求めます。
 少子化の加速が止まりません。昨年、日本で生まれた子供の数は八十一万人余りと、少子化が国の人口推計より七年も前倒しで進んでいます。背景には、近年、子供を持つことをリスクと考える若者が増えていることが内閣府の調査からも明らかになっています。
 今月八日、公明党は子育て応援トータルプランを発表いたしました。今回の補正予算案の中には、公明党の提言を受けて、妊娠から出産、子育てまでの一貫した伴走型相談支援と、産前産後ケア、一時預かり、家事支援サービスなどの利用負担軽減を図る経済的支援を一体として実施するための事業費が盛り込まれたことを高く評価いたします。
 今後の課題は、各地の優良事例や利用者の声を反映させながら、事業主体となる自治体がサービス内容を持続的に改善、拡充していくための環境整備です。
 先日、党で行ったヒアリングでは、先進的な子育て支援策に取り組む東京都や愛知県名古屋市が、妊娠や出産のタイミングで子育て用品などを贈る経済的支援を妊婦との対面での面談や子育てポータルサイトへのログインとセットにすることで、早い段階から行政との接点を持ってもらい、以降の伴走型相談支援へとつなげていることなどを御紹介いただきました。
 事業主体となる自治体が創意工夫をしながら切れ目ない伴走型支援を行えるよう、財政面も含めて国が体制整備をしっかりと後押ししていただきたいと思いますが、総理の御所見を伺います。
 ユーラシア・グループのイアン・ブレマー氏は、深刻な様相を呈する米中対立に関連して、現在、世界を二分するような冷戦は起きておらず、今後も起きないと分析した上で、今後十年間で世界にとって最も深刻な脅威になるのはグローバルサウスと西側の緊張関係になると指摘をしています。
 国境を越えて広がるサプライチェーンの崩壊、感染症の蔓延、物価高などが途上国の財政を逼迫させていることから、世界銀行も、最貧国の五八%が債務危機に陥っているか、その危険性が高いと警鐘を鳴らしています。
 アジア、アフリカ、ラテンアメリカ、大洋州などの広範な地域を含むグローバルサウスの国々は、こうした諸課題に効果的に対処することができず、紛争の増加や難民の流出などの形を取って世界の安定を更に揺るがす可能性があります。
 現在、途上国に対するワクチン供給など国際保健分野を始めとする支援の枠組みがありますが、先進国、中進国の政治基盤も動揺していることから、資金拠出が期限どおりに行われない事態も散見されています。
 グローバルサウスと連携した地球規模課題の解決に向けて、本補正予算案でどう取り組み、日本がどのようなリーダーシップを発揮していくのか、岸田総理の御決意をお伺いして、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 121015254X00820221122_014

発言者: 平木大作

speaker_id: 14468

日付: 2022-11-22

院: 参議院

会議名: 本会議