岸田文雄の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 紙智子議員の御質問にお答えいたします。
 まず、閣僚の任命責任についてお尋ねがありました。
 先々週、葉梨大臣から、政権として様々な懸案を抱える中、軽率な発言によって今後の補正予算や重要法案の審議に迷惑を掛けたくない、身を引きたいと、辞任の申出がありました。
 また、一昨日、寺田大臣から、補正予算、被害者救済新法など重要課題処理の最終段階を迎えているときに、自らの政治資金に関する質疑が続くことで悪影響を与えたくないと、辞任の申出がありました。
 総理大臣として、補正予算審議、被害者救済新法、コロナ対応、当初予算編成等の重要課題に答えを一つ一つ出すことを最優先とし、それぞれの辞任を認めることといたしました。
 国会開会中に大臣が辞任する事態となったことは誠に遺憾であり、私自身、任命責任を重く受け止めております。政策に遅滞が生じないよう、政府一丸となって国政の運営にしっかりと取り組むことで職責を果たしてまいります。
 松本大臣の政治資金についてお尋ねがありました。
 松本大臣について指摘されている事項については、まずは本人から適切に説明すべきものであると考えております。
 そして、金融政策と賃上げについてお尋ねがありました。
 足下の物価高を克服するためには、物価高の主因であるエネルギー、食料品に重点を置いて価格高騰抑制策を講ずるとともに、物価高に負けない継続的な賃上げを実現することが重要です。
 総合経済対策では、賃上げ促進のため、中小企業等の賃上げ取組への支援を大幅に拡充するとともに、価格転嫁対策等を強化しています。
 その上で、賃上げを継続的なものとし、消費の持続的拡大につなげるため、構造的賃上げに向け、リスキリングを始めとした五年間で一兆円のパッケージを盛り込んでいます。
 なお、金融政策の具体的な手法は日銀に委ねられるべきと考えますが、先日、黒田総裁と面会し、政府と日銀が、内外の経済や金融市場をめぐる不確実性が極めて高い中、密接に連携しながら経済・物価情勢に応じて機動的な政策運営を行い、構造的な賃上げを伴う経済成長と物価安定目標の持続的、安定的な実現、これを図っていくという認識で一致をしたところであります。
 非正規雇用、構造的な賃上げについてお尋ねがありました。
 非正規雇用労働者の待遇改善に向けて、総合経済対策において新たに労働基準監督署の体制を強化し、待遇差が問題となり得る事案を把握し、労働局の指導につなげるなど、同一労働同一賃金の遵守、これを徹底していきます。
 そして、希望する方が正社員として就労することができるようにすることも重要な課題であり、人への投資の政策パッケージを五年間で一兆円に拡充する中で、訓練後に非正規雇用を正規雇用に転換する企業への支援を強化するとともに、勤労者皆保険に向けた取組を進めてまいります。
 こうした取組を通じて、一人一人の希望に応じて、多様で柔軟な働き方が選択できる社会を実現してまいります。
 最低賃金についてお尋ねがありました。
 最低賃金法では、各地域における労働者の生計費、賃金、企業の賃金支払能力を考慮し、地域別最低賃金を決定するとされており、全国一律の最低賃金とすることは、特に地方において、中小企業を中心に人件費が増加することにより、経営が圧迫され、雇用が失われるおそれがあることから、慎重に検討する必要があると認識をしております。
 最低賃金については、今年、過去最高となる全国の加重平均で三十一円の引上げを行ったところであり、引き続き、できる限り早期に全国加重平均千円以上となることを目指し、引上げに取り組んでまいります。
 消費税減税についてお尋ねがありました。
 物価高騰の要因については、基本的にはエネルギー、食料品を中心とした物価高であり、こうした分野に重点を置きながら、構造的な対策を含め、これまで累次にわたる重層的な政策を講じ、必要な方に必要な支援が行き届くようにきめ細やかな対応、これを行っています。
 その上で、消費税については、急速な高齢化等に伴い社会保障給付費が大きく増加する中で、これをあらゆる世代が広く公平に分かち合う観点から社会保障の財源として位置付けられています。
 このように、消費税は社会保障制度を支える重要な財源であるため、減税は考えておりません。
 インボイス制度についてお尋ねがありました。
 インボイス制度は、複数税率の下で適正な課税を確保するために必要なものです。インボイス制度に関する中小・小規模事業者の方々の準備状況や御懸念について、政府として丁寧に課題を把握しながらきめ細かく対応していきます。
 具体的には、フリーランスの方々を含め、免税事業者を始めとした事業者の取引について取引環境の整備に取り組むとともに、今般の総合経済対策においても、IT導入補助金の補助対象の拡大など、インボイス対応のための支援策の充実に盛り込んでおります。
 引き続き、政府一体で連携して、制度の円滑な移行に向けて万全の対応を図ってまいります。
 中小企業への資金繰り支援についてお尋ねがありました。
 引き続き、経営環境、厳しい経営環境の下、新型コロナや物価高に加え、今後ゼロゼロ融資の返済本格化を迎える中小・小規模事業者を支えることは重要です。
 そのため、まずは官民の金融機関に対し、ゼロゼロ融資を含む既存債務について返済猶予などに柔軟に対応すること、新規融資についても貸し渋りを行わないことや丁寧かつ親身に対応することなど、累次にわたって要請を行っているところです。また、債務の切替えの円滑化による返済開始時期の後ろ倒しや返済負担の軽減に加え、新たな資金需要にも対応できる新たな保証制度を創設いたします。
 それでもなお増大する債務に苦しむ事業者に対しては、債務圧縮や減免を含め再生支援を進めることも重要であり、全国の中小企業活性化協議会を通じた取組、これを強化してまいります。
 なお、御提案の内容については、過剰債務を誘発する懸念にも配慮しつつ、慎重に検討してまいります。
 補正予算における米軍再編経費についてお尋ねがありました。
 今回の総合経済対策には四つの柱があり、物価高騰、賃上げへの取組だけではなく、国民の安全、安心の確保、こうしたことも柱の一つとして掲げております。この中で、外交・安全保障環境の変化に対応するための取組の一つとして米軍再編の着実な実施を図ることとしており、関連経費を計上しているものであります。(拍手)

発言情報

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発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2022-11-22

院: 参議院

会議名: 本会議