梅村聡の発言 (本会議)
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○梅村聡君 日本維新の会の梅村聡です。
ただいま議題となりました消費者契約法及び独立行政法人国民生活センター法の一部を改正する法律案並びに法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案について、会派を代表して質問いたします。
元総理大臣が命を落とされた前代未聞の痛ましい事件から五か月が経過をしました。この間、霊感商法等の悪質商法への対策検討会での議論や、その後の与野党間での協議などを経て、今回の政府案が提出されました。
日本維新の会では、事件後、早急に悪質な献金による被害を救済するための法整備が必要であると考えて党内議論を行い、特定財産損害誘導行為による被害の防止及び救済等に関する法律案を取りまとめ、十月十七日に国会に提出いたしました。一方、政府の法案が今国会に提出されたのは十二月一日です。被害救済のためには一刻も早い国会での議論が必要であるにもかかわらず、政府案の提出がここまで遅れた理由を岸田総理にお尋ねいたします。
以下、具体的に法案の内容について質問いたします。
まず、寄附規制についてであります。
本法案には、寄附の勧誘に際して行ってはならない禁止行為が列挙され、不当な勧誘行為により困惑して寄附の意思表示をした場合の取消し権を認めることとしています。寄附の取消しには困惑という要件が必要となっていますが、宗教法人等による不当な勧誘によってマインドコントロール状態にある寄附者は、困惑することなく、自らの意思で進んで寄附を行うことも多いと言われています。この場合は、本法案による取消し対象から外れることになると思われます。
政府は、自由意思による寄附は規制できないとの見解のようですが、マインドコントロール状態にある者が困惑せずに自らの意思で進んで寄附を行うことは本当に自由意思と言えるのでしょうか。改めて岸田総理にお伺いします。
次に、配慮義務規定に関してお尋ねいたします。
本法案においては、寄附勧誘を行うに当たり、個人の自由な意思を抑圧し、適切な判断をすることが困難な状態に陥らせないことなどの配慮義務規定を設けることとしております。しかし、これを配慮義務ではなく禁止義務とすれば、先ほどお話ししたような状態にある被害者などを広く救えるのではないでしょうか。なぜ禁止義務としなかったのでしょうか。その理由をお聞かせください。
また、配慮義務規定により、どのような法的効果が認められるのか。改めて岸田総理から御説明をお願いいたします。
例えば、神社で合格お守りを購入する場合、購入する人は、これによって御利益があるとは思っても、志望校への合格が保証されるとまでは考えないのが通常だと思われます。しかし、長期間の働きかけによってマインドコントロール状態にされてしまうと、購入あるいは寄附こそが志望校に合格する、すなわち救われる道だと考えてしまいかねません。
そこで、少なくとも、寄附の勧誘者は、被勧誘者から質問を受けた場合、この寄附などをしたからといって必ずしも重大な不利益が回避される、すなわち救われるとは限りませんということを勧誘者側がきちんと説明すべきであるという指摘もありますが、こういった考え方について政府としてどう受け止めるのか、岸田総理にお伺いいたします。
次に、借入れ等による資金調達要求の禁止についてお伺いします。
本法案第五条では、勧誘者は、借入れ又は居住用の建物等若しくは生活の維持に欠くことのできない事業用の資産で事業の継続に欠くことのできないものの処分により、寄附のための資金を調達することを要求してはならないこととしております。しかし、住宅や田畑を処分せず、そのまま現物を寄附することを要求することは、禁止対象から外れてしまうのではないでしょうか。対象とならない場合、寄附された者が処分し、金銭として獲得したら、結果として自ら処分して資金調達した状態と何ら変わりません。こうした抜け穴があることをどうお考えでしょうか。現物寄附への対応について、河野大臣にお伺いします。
さらに、これ以外にも、例えば健康を害するような無理な労働を行って資金を捻出するよう要求するなど、規制逃れのための悪質な要求は幾らでも考えられます。そもそも、借入れや住宅等の売却を求めさえしなければ、生活に困窮してしまうような高額の寄附要求を容認してしまってよいのでしょうか。
だからこそ、日本維新の会では、寄附に関する客観的な目安があった方がよいと考えたのです。具体的には、民事執行法における差押禁止の規定を参考に、標準的な年収を得る者においては年間の可処分所得の四分の一を超えるかどうかを寄附の取消し事由となる目安の一つとして、諸事情を考慮して判断するという内容の法案を日本維新の会は提出いたしました。
政府案では、問題が起こるたびに細かい規制を追加し、悪質な法人等は規制逃れのために新たな脱法的手口を考えるといういわゆるイタチごっこに陥る懸念があるのではないでしょうか。河野大臣にお伺いします。
本法案では、取消し権を行使できる期間について、霊感商法が規定されている第四条第六号に挙げる行為により困惑したことを理由とする場合は、追認できるときから三年とされております。追認できるときとは、寄附行為が誤りであったと気が付いたとき、つまり、困惑した状態が解けたときから三年間は取消し権を行使できるという意味であると理解しております。
この困惑が解けた状態とは、教義そのものや寄附したことについて誤りであったと寄附者が自覚している状態を想定されているかと思います。他方、教義自体は以前と同様に信じ続けているが、寄附した金額が多過ぎたことだけを後悔している場合、この場合は困惑が解けた状態に当てはまるのでしょうか。また、この場合では取消し権を行使できるのでしょうか。河野大臣にお伺いします。
消費者教育についてお尋ねいたします。
霊感商法という言葉が世の中に広まった現在では、以前より霊感商法に対して注意を払う人は増えてきていると思います。事前の予防という意味で、一人一人がそれらの悪質商法に注意を払えるようになることが重要です。振り込め詐欺などと同様に霊感商法という言葉が世の中に浸透すれば、悪質な霊感商法の被害を少しでも減らすことができるかと思います。学校教育の中に霊感商法に関する教育を取り入れるべきだと考えますが、文科大臣に見解をお伺いします。
最後に、今後の議論の進め方について質問いたします。
信教の自由は憲法上の権利であり、十分に尊重されなければなりませんが、宗教法人と社会とのあつれきを回避するために必要な規制まで禁止されるべきものではないと考えます。仮に本法案が成立したとしても、それで幕引きとするのではなく、マインドコントロールとは何か、反社会的な活動を繰り返す団体に対してどのような規制を行うべきか、宗教法人法等はどうあるべきなのかといったことについて、各方面からの意見を伺いつつ、引き続き検討を続けていくべきだと思いますが、今後の政府の方針を岸田総理にお伺いしまして、私からの質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕