伊藤信太郎の発言 (外務委員会)

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○伊藤(信)委員 自民党の伊藤信太郎です。
 本日は、歴史的な視点も交えて、外交戦略について質問いたします。
 一九四九年、中華人民共和国が成立いたしました。その四十年後、一九八九年、天安門事件が起きました。また、同年五月より日本の金融政策の転換が行われ、公定歩合が段階的に引き上げられ、いわゆるバブル経済の崩壊が起きたわけであります。同じ一九八九年十一月にドイツではベルリンの壁の崩壊があり、それまで東西に分断されていたドイツが統一されました。
 この三件は、起きた地域、事件、事象の種類は違うわけでありますけれども、国際社会の構造変化と関連して起きたと考えられます。それは東西冷戦の終結だと思います。
 これにより、日本の立ち位置というのは大きく変わりました。それまでの西側諸国の間における日本の相対的優位というものが失われて、日本はグローバル社会の新しいパラダイムの中で自らの存在意義を獲得しなければならない状況になったと思います。この三十四年間は、その戦略を構築する新たな座標軸を模索してきた年月でもあったと思います。
 少し歴史を遡りますと、レーニン率いるボリシェビキの赤軍が勝利し、一九二二年十二月、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、ザカフカースから成るソビエト連邦が成立し、その六十九年後の一九九一年十二月にウクライナ、ベラルーシが独立し、ソ連は崩壊しました。そして、その三十一年後の二〇二二年にロシアによるウクライナ侵略が行われ、今日に至っています。これはソ連成立の百年後に当たるわけであります。そして、今、日本も世界も大変な状況になっているわけであります。
 こう見てみますと、今後の外交戦略を考える上で、グローバルに、マクロの時間軸で、また複眼的視点で構築するということが肝要ではないかと思料いたします。
 ここで、国際社会の状況の変化というのをデータで見てみたいと思います。
 まず、軍事力、防衛力の変化です。配付資料の一ページを御覧ください。
 国防費の計算方法というのは国によって違うわけでありますけれども、防衛白書によりますと、中国の国防費は、一九九八年に三百二十五億ドルでしたが、二〇二二年には十・七倍の三千四百七十億ドルになっています。これは、日本の防衛予算の五百三十五億ドルの約六・五倍になります。中国は国防予算増額を急ピッチで進めており、米国の国防予算七千四百十億ドルに近づいていくことが予想されます。
 ロシアの国防費は、一九九八年の二百五十一億ドルから、二〇二二年の千三百二十八億ドルと五・三倍になっていますが、最近伸びが止まっておりまして、中国の三八%にとどまっています。
 次は、経済力、GDPの変化ですが、IMFの統計によると、中国のGDPは、この間、三千九百六十五億ドルから十八兆一千億ドルと四十五・六倍になっています。明らかに中国の成長率が群を抜いているわけであります。
 貿易の関係を見てみます。配付資料の三ページを御覧いただきたいと思います。
 一九九〇年の日本の対中貿易総額は百五十三億ドルでしたが、二〇二一年になると三千二百九十五億ドルとなり、対米貿易総額の二千百七億ドルを抜いています。
 配付資料の四ページを御覧ください。一九九〇年の米国の対中貿易総額は百一億ドルでしたが、二〇二一年の対中貿易総額は七千二百八十七億ドルとなり、対日貿易総額をはるかに超えています。しかも、対中国では四千二百六十五億ドルの輸入超過となっています。
 また、今、サプライチェーンを見ますと、旧東西陣営の枠を超えてグローバルなものになっています。日本を含む全ての国は、濃淡の差はあるものの、何らかの国際的相互協力、依存関係にあります。
 このような状況の中で、東西冷戦時代のように、個別の国、陣営に分けてデカップリングをすることはもはや不可能になってきていると思います。
 日本は、尖閣諸島、北方領土の問題を始め、中国、ロシアとは多くの懸案を抱えています。北朝鮮の核、ミサイル、拉致も大きな問題です。日本の領土、領海、領空、日本人の生命財産、なりわい、日本の国益、名誉を守るために、林大臣はどのような戦略を持って中国、ロシア、北朝鮮と外交を行っていくおつもりか、先日の中国との会談内容も踏まえてお聞かせ願いたいと思います。

発言情報

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発言者: 伊藤信太郎

speaker_id: 3302

日付: 2023-04-19

院: 衆議院

会議名: 外務委員会