永野厚郎の発言 (環境委員会)
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○永野政府特別補佐人 公害等調整委員会は、公害に係る紛争の迅速かつ適正な解決を図るとともに、鉱業等と一般公益又は他の産業との土地利用に関する調整などを行うことを任務とし、総務省の外局として置かれている委員会でございます。
当委員会が令和四年中に行った公害紛争の処理に関する事務について御説明申し上げます。
第一に、当委員会に係属した公害紛争事件についてでございます。当委員会は、公害に係る紛争について、当事者からの申請に基づき、双方の互譲による合意を促して解決に導く調停、加害行為と被害との因果関係の存否や損害賠償責任の有無及び賠償額について法律判断を行う裁定等により事件の迅速かつ適正な解決に努めております。
令和四年に当委員会に係属した公害紛争事件は、調停が三件、裁定が七十三件、合計七十六件でございます。
主な事件としましては、東京都など七都府県の申請人らが、自動車からの排出ガスによる大気汚染により気管支ぜんそく等に罹患し、人間らしく生きる権利の侵害及び医療費負担による精神的な被害を受けたと主張して、国及び自動車メーカーらに対して損害賠償を求めた責任裁定申請事件、横浜市の申請人が、自宅付近を走行する新幹線からの騒音により受忍限度を超える騒音被害を受けたと主張して、新幹線を走行させている鉄道会社に対して環境基本法等に定める適正な新幹線騒音対策及び損害賠償を求めた調停申請事件などがございます。
また、令和四年中に終結した事件は、二十六件でございます。
主な事件としましては、茨城県城里町の住民らが所有する建物の柱、壁、基礎等の損傷と、建築業者や建築会社が行った土地造成工事や擁壁工事との因果関係の存否について、裁判所から原因裁定を嘱託された事件がございます。
本事件については、当該建物の損傷と土地造成工事及び擁壁工事との因果関係を認容する裁定を行いました。
また、奈良県安堵町の申請人が、牛舎から牛の尿を農業用水路に不法投棄されたことにより悪臭による健康被害等を受けたと主張して、牛舎を所有する畜産会社に対して損害賠償を求めるとともに、当該因果関係の存在の確認を求めた責任裁定及び原因裁定申請事件がございます。
本事件については、当事者双方から主張と証拠を聴取しつつ調整を進めた結果、職権で調停に移行し、当事者間で調停が成立しました。
そのほか、水俣病損害賠償調停申請事件の調停成立後に症状が進行したとして慰謝料等の増額を求める申請が二件係属し、うち一件について手続が終了しております。
当委員会は、事件処理に当たり、多様化、複雑化する公害紛争への機動的かつ的確な対応を図るとともに、公害紛争処理制度の利用の促進に努めております。
具体的には、地方に在住する当事者の負担を軽減するため、被害発生地などの現地で審問期日等を開催すること、事実関係を明らかにし、判断の精度を高めるため、事件調査の充実と専門委員の知見の活用を図ること、広報活動として、国民や法曹関係者、関係する相談機関に本制度を積極的に周知することなどがございます。今後もこうした取組を一層推進してまいります。
第二に、都道府県公害審査会等に係属した公害紛争事件についてでございます。都道府県公害審査会等では、当該都道府県内における公害に係る紛争についての調停等を行っております。令和四年には七十件の事件が係属し、公害の種類別では、騒音に関する事件が最も多くなっております。これらのうち、同年中に終結した事件は二十九件でございます。
第三に、全国の地方公共団体の窓口に寄せられた公害苦情の実態を調査いたしました結果、令和三年度の公害苦情の受付件数は、前年度から約八千件減少して約七万四千件となっております。
これを苦情の種類別に見ますと、大気汚染、水質汚濁、騒音、悪臭などいわゆる典型七公害に関する苦情は約五万一千件、それ以外の苦情は約二万二千件となっております。
当委員会は、今後とも、全国で発生する様々な公害関連の事案を全体として適切に解決する観点から、住民に身近な場で公害紛争や公害苦情の処理を担う地方公共団体への情報提供、相談支援などにも努め、緊密な連携を図ってまいります。
以上が、令和四年中に行った公害紛争の処理に関する事務の概要でございます。
続きまして、公害等調整委員会における令和五年度歳出予算案について御説明申し上げます。
当委員会の歳出予算額は、五億六千万円でございます。
厳しい財政状況の中、公害紛争の迅速かつ適正な解決に資するよう、第一に、事実関係を明らかにする事件調査の実施経費として二千五百万円、第二に、地方に在住する当事者の負担を軽減するため、現地で審問期日等を開催する経費として一千万円をそれぞれ計上しております。
以上が、公害等調整委員会における令和五年度歳出予算案の概要でございます。
公害等調整委員会としましては、今後とも、新型コロナウイルス感染症の感染防止のための対策を講じつつ、これらの事務を迅速かつ適正に処理するため、鋭意努力してまいる所存でございますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。