細野豪志の発言 (憲法審査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○細野委員 自民党の細野豪志でございます。
 発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 緊急事態条項について論点整理がなされ、この場で活発な議論が行われていることを歓迎したいと思います。
 東日本大震災からちょうど十二年が経過をいたしました。あのとき政府の中にいた者として、仮に国政選挙のタイミングが来ていれば、任期が来ていれば、二つしか選択肢はありませんでした。一つの選択肢は、被災地の有権者が投票を実質的にできない状況にもかかわらず、憲法に基づいて選挙を強行するという方法、一方で、違憲の疑いが持たれる可能性を許容しながら、選挙を先延ばしをし、国政選挙を時間を置いて行うという、この二つの選択肢しかなかったわけであります。
 いずれも立憲主義の観点から認め難いというふうに思いますので、その意味で、憲法改正の必要性についてここでしっかり議論することを是非皆さんに求めたいと思います。
 今後、コロナを上回る強毒化をした感染症の可能性、また国家有事の可能性を考えると、この課題に応えることは、いつ何があるか分かりませんので、極めて緊急性の高い課題であるということを申し上げたいと思います。
 ただ、一方で、この課題が間違っても国会議員の身分の保身というふうに取られないようにする細心の注意が必要だと私は思います。そこで、任期の延長幅についての慎重な検討が必要であるという観点から意見を述べたいと思います。
 一つ我々が思い出すべきは、第二次大戦後の選挙がいつ行われたかです。選挙が行われたのは昭和二十一年四月の十日、敗戦が昭和二十年八月十五日でありますので、八か月を経ずに国政選挙が行われております。当然、東京を始めとした大規模な空襲を受け、そして広島、長崎は原爆を落とされていますので、まさに国家荒廃の状況の中で、我が国は八か月後に選挙をしたわけですね。
 実際、当時のことを調べてみますと、戦地から帰ってくる復員の兵士に対しても投票権を与えておりまして、当時電子化されていない状況の中でよくあそこまでやったなという、相当精緻な取組が行われております。
 考えてみますと、この第二次大戦を上回る選挙を行えない事態というのはどういうことなのか。それは、相当のことがあっても八か月後に選挙ができたんだということを我々は忘れてはならないと思います。
 もう一点指摘をしたいのは、戦争時、若しくは、例えば災害時というのは、国民が意思表示をしたいと考える、しなければならない状況でもあるということですね。つまり、このバランスをどう取るかという観点から、私は延長幅はできるだけ短い方がいい。皆さんから様々な議論が出ていますが、原則半年、再延長が認められるとしてもそれを一年程度にして、国民の意思を問うということを明確にすべきだと私は考えます。
 繰り返し申し上げますが、緊急事態における国会議員の任期の延長の問題が国会議員の保身だと取られた瞬間に、民意は極めて厳しいものになるというふうに思います。最後に判断するのは国民です。我々は発議権のみがあります。国民の理解が得られる形でこの延長幅についてしっかりと判断していくべきだということを申し上げたいと思います。
 最後にもう一点、個人的にではありますけれども、若干の懸念を申し上げたいと思います。
 実際に国民投票に諮る場合に、緊急事態のこの条項だけを、一点のみで国民投票に諮るかどうかは慎重な検討が必要だと思います。もちろん議会制民主主義を守るためにも極めて重要な論点ではありますが、国民の権利義務に直接関わるかというと、そこはやや技術的な問題もあるわけですね。
 そこで、国民が本当に憲法改正が必要だという意味では、本質的な議論、先ほど小林委員からもありましたけれども、憲法九条の議論もあると思います。ただ、これはなかなか合意が難しい。ならば、例えば参議院の合区に関わる問題、これも極めて深刻です。若しくは教育の充実に関わる論点、これも大変国民的な関心事だと思います。そこも含めて、単独の論点ではない形で、きちっとこの憲法審査会で議論をし、発議をし、最後は国民の審判を仰ぐというのも一つの考え方ではないかということを最後に申し上げたいと思います。
 以上です。

発言情報

speech_id: 121104183X00320230316_020

発言者: 細野豪志

speaker_id: 7754

日付: 2023-03-16

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会