赤嶺政賢の発言 (憲法審査会)
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○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
この間、私は、岸田政権が進める大軍拡の問題点を指摘してきました。
一昨日は、本会議で安保三文書の報告と質疑が行われました。今日の午後には、今後五年間の軍事費四十三兆円を確保する財源確保法が審議入りをいたします。岸田軍拡と憲法との矛盾はいよいよ深刻になっていると思います。
今日は、この間の三文書をめぐる議論で欠かすことのできない点として、在日米軍の存在について述べたいと思います。
在日米軍は、一九五一年にサンフランシスコ講和条約と引換えにアメリカから押しつけられた安保条約により、占領軍から条約に基づく駐留軍となり、今なお、全国百三十か所以上の基地を持ち、世界最大の約五万四千人の米軍兵力が駐留しております。世界で唯一、空母打撃群と海兵遠征軍が前方展開し、横須賀の原子力空母や長距離巡航ミサイル・トマホークを搭載した十一隻のイージス艦、数百機に及ぶ岩国、三沢、嘉手納の空母艦載機や戦闘攻撃機、沖縄の海兵隊や佐世保の強襲揚陸艦など、いつでも出撃できる体制を取っています。さらに、近年、オスプレイや無人偵察機の配備、海兵沿岸連隊への改編など、新たな部隊の増強が相次ぎ、地上発射型の中距離ミサイルの配備まで取り沙汰されております。
戦後、アメリカは、先制攻撃戦略を公然と掲げ、国際法違反の侵略戦争を繰り返してきました。こうしたアメリカの強大な攻撃戦力が日本に存在し、周辺諸国に脅威を与えてきたことが、地域の緊張を生み、軍拡を誘発する要因になってきました。アメリカの圧倒的な軍事力に加えて、日本の自衛隊が敵基地攻撃能力として相手国領土を攻撃する長射程ミサイルを保有すれば、周辺国にとって脅威が拡大することは明らかです。
第二に、岸田軍拡とアメリカの軍事戦略の関係です。
今、アメリカは、同盟国を巻き込みながら、敵基地攻撃とミサイル防衛を一体化させた統合防空ミサイル防衛、IAMDを構築しようとしています。日本の敵基地攻撃能力は、この計画の一翼を担うものです。岸田首相は、アメリカのIAMDに参加することはない、全く別物だと繰り返していますが、実態を見れば、そんな詭弁が通用するはずがありません。
政府は、アメリカからトマホークを四百発購入してイージス艦に搭載する計画ですが、今でも、日米のイージス艦は、データリンクを経由し、一体的に運用しています。トマホークも米軍と一体のものとして運用されるのは、誰が考えてもはっきりしています。
そもそも、トマホークの運用に必要な地形情報も、攻撃目標の位置情報も、米国から入手するほかはありません。さらに、日米で攻撃目標の重複を避け、攻撃に最適なイージス艦を瞬時に選択するには、高度に自動化されたシステムと指揮統制の一元化が行われることになります。そのために、日米間で調整要領の検討までしています。
南西諸島から南シナ海に至る地域の島々に長射程ミサイルを配備するという計画も、元々、アメリカの軍事戦略から始まったものです。日本の敵基地攻撃能力がIAMDに組み込まれ、米軍の指揮統制の下で運用されることは明らかです。
ところが、こうした具体的な指摘に対して、岸田首相は、ただ自衛隊と米軍は各々独立した指揮系統に従って行動すると述べるだけで、何一つまともな説明をしておりません。メディアからも無責任だという批判が出ています。岸田政権が国民や国会に何も明らかにしないまま大軍拡を推し進めようとしていることは、それ自体が民主主義をじゅうりんする極めて重大な問題です。
アメリカは、二十年前に始めたイラク侵略戦争で多数の米兵の犠牲者を出しました。それ以降、同盟国や同志国を戦争の最前線に立たせるやり方に変えてきています。
台湾有事は日本有事などと言いますが、それは、米中の覇権争いが軍事衝突に発展したとき、日本が米軍と一体に参戦するというにほかなりません。そのとき戦場になるのは、沖縄を始めとする日本列島であり、東アジアの国々です。
政治がやるべきは、この地域で絶対に戦争をさせないことです。そのために必要なのは、危機をあおって軍拡を進めることではありません。この地域の全ての国を包摂する平和の枠組みを発展させるために、全力を尽くすことです。
憲法九条を生かした対話による粘り強い外交努力こそ求められていることを繰り返し強調して、私の発言を終わります。