赤嶺政賢の発言 (憲法審査会)

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○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
 今日は、憲法九条の意義について意見を述べます。
 憲法九条は、絶対に戦争を起こさないこと、国家間の争い事は徹底した外交努力によって解決することを求めています。この九条の精神は、悲惨な沖縄戦を体験した私たち沖縄県民の命どぅ宝という強い思いと重なるものです。
 さきの大戦で沖縄は、本土決戦を遅らせるための捨て石とされ、住民を巻き込んだ地上戦の場となりました。日本軍は、軍、官、民、共生共死の一体化という方針の下、住民を根こそぎ動員していきました。鉄血勤皇隊やひめゆり学徒隊など、中学生の年齢の少年少女たちまで動員し、男子学徒は戦闘の最前線へ、女子学徒は負傷兵の看護を担わせました。さらに、日本軍は、砲弾が飛び交う中で、軍の弾薬や食料を運搬させたのです。
 沖縄戦の縮図と言われている伊江島では、乳飲み子をおぶった母親にまで米軍陣地に切り込むことを強制いたしました。石垣島では、マラリア生息地への移動を命じ、宮古島でも、餓死や病死で犠牲になる住民や兵士が相次ぎました。住民を守るどころか、沖縄の方言をしゃべっただけでスパイとみなし、虐殺していったのです。
 国体護持を至上命題としていた第三二軍は、首里城の地下に構築した司令部が陥落するのを目前にして、多くの住民が避難していた本島南部へ撤退しながら、持久戦を継続することを決めました。狭い地域に住民と兵士が混在する極限状態の下で、住民は、米軍の攻撃だけでなく、日本軍からも砲弾の雨の中をごうから追い出され、口封じのために赤ちゃんに手をかけることを強要されました。負傷兵には青酸カリが配られ、自決を強要されました。まさに、この世のありったけの地獄を集めたのが沖縄戦でした。決して情緒論で片づけられるものではありません。戦場では軍事合理性が優先をされます。
 沖縄県糸満市の摩文仁の丘にある平和祈念資料館の展示室に、次のような「むすびのことば」が掲げられています。
 沖縄戦の実相にふれるたびに
 戦争というものは
 これほど残忍でこれほど汚辱にまみれたものはない
 と思うのです
 このなまなましい体験の前では
 いかなる人でも
 戦争を肯定し美化することはできないはずです
 戦争をおこすのはたしかに人間です
 しかしそれ以上に
 戦争を許さない努力のできるのも
 私たち人間ではないでしょうか
 戦後このかた私たちは
 あらゆる戦争を憎み
 平和な島を建設せねばと思いつづけてきました
 これが
 あまりにも大きすぎた代償を払って得た
 ゆずることのできない
 私たちの信条なのです
 これは、沖縄だけでなく、戦前の日本があらゆる者を軍事に動員して、侵略戦争に突き進み、アジア太平洋地域で約二千万人、日本国民約三百十万人もの犠牲者を出したことへの痛苦の教訓であります。
 だからこそ、日本国憲法は、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないように決意し、九条で戦争放棄、戦力不保持、交戦権の否認を定め、戦争につながる一切のものを排除することを求めているのです。
 今、沖縄県では、岸田政権が南西諸島を軍事要塞化し、再び戦場にしようとする動きに反対し、対話によって戦争を回避する努力が始まっています。様々な市民団体が、中国や台湾の有識者を招いた集会やシンポジウムの取組を進めています。石垣島や与那国島では、自衛隊の誘致に賛成した住民からもミサイルの配備に反対する声が上がっています。
 石垣市議会は、意見書で、「「平和発信の島」、「平和を希求する島」との決意のもと議会活動しており、自ら戦争状態を引き起こすような反撃能力をもつ長射程ミサイルを石垣島に配備することを到底容認することはできない。」と批判しています。
 沖縄県議会は、政府に外交と対話による平和の構築に積極的な役割を果たすことを求める意見書を可決しました。玉城デニー知事も、議会の所信表明で、ロシアのウクライナ侵略や米中対立の顕在化を挙げながら、このような状況だからこそ外交の知恵が求められており、アジア太平洋地域における、関係国等による平和的な外交、対話による緊張緩和と信頼醸成、そしてそれを支える県民、国民の理解と行動がこれまで以上に必要になると強調し、地域の平和構築に貢献する地域外交を展開すると表明しています。
 憲法九条を持つ日本政府こそ、東アジアに平和と対話の枠組みを発展させることに全力を尽くすべきです。そのことを改めて申し上げ、発言にいたします。

発言情報

speech_id: 121104183X00820230420_012

発言者: 赤嶺政賢

speaker_id: 6967

日付: 2023-04-20

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会