階猛の発言 (憲法審査会)
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○階委員 今日はここまで九名の方が御発言されましたけれども、我が党の中川筆頭幹事を除いては、全て九条に関連する議論でございました。そもそも自由討議ですから、何を発言されるかは自由なわけですけれども、何か示し合わせて、各党で九条のお話をされているような気もします。
他方、我が党は、これまでの議論の経過を踏まえて、国民投票法の改正に関する議論、そして議員の任期延長に関する議論、これを建設的に行っていきたいと思います。
そこで、私の方からは、私が三月二日の当審査会で御紹介した立憲民主党の国民投票法改正案の背景にある憲法上の論点について述べたいと思います。
配付資料を適宜御覧いただければと思います。
まず、表題ですが、「情報化社会と人権保障分科会・中間報告(案)」となっておりますが、今では、情報化社会というよりも、ネット社会あるいはデジタル社会という表現の方がふさわしいかもしれません。このネット社会やデジタル社会によって、情報の発信、流通、入手は飛躍的に容易かつ活発になったということは否めない事実です。
他方で、情報の受け手に与えられている時間には限りがあるため、人々の関心を引きつけるための刺激的なコンテンツがあふれる、いわゆるアテンションエコノミーが発達しました。さらに、GAFAなどのデジタルプラットフォーム等の情報の送り手が膨大な個人データをAIなどを駆使して情報を分析できるようになった結果、受け手の関心に合わせてコンテンツを配信するマイクロターゲティングが広がり、偏った意見、知識、情報のみに接触するようになるフィルターバブルやエコーチェンバーといった問題が生じています。
その結果、憲法十九条の内心の自由が知らぬ間に侵されたり、選挙や国民投票など民主主義の根幹たる制度が影響を受けたり、個人の人格的自律が脅かされたり、ここには書いていませんけれども、外国勢力による主権侵害のおそれが高まるといった重大な憲法問題が生じています。
また、誹謗中傷やフェイクニュースの流通、本人の意思に反した個人情報の拡散など、いわば悪貨が良貨を駆逐する傾向が強まっています。表現の自由市場が想定した世界とは全く異なる状況となっています。
こうした状況の下では、信頼できる公の情報を国民に提供するニーズが必然的に高まりますが、公文書管理制度や情報公開制度の不備もあり、行政情報の隠蔽、廃棄、改ざんという言語道断の事件も起きています。
そこで、これらの問題を解決するため、私たちは三つの権利を保障するべきだと考えています。
資料を御覧になっていただきたいんですが、第一に、情報コントロール権。これは、先ほど述べたデジタルプラットフォームによる行き過ぎた個人データの収集、分析、活用への規制根拠となり得るものです。ただし、適正なデータの利活用を妨げるものではありません。
第二に、情報アクセス権。これは、国家に必要な情報の開示を求める権利です。知る権利や、取材、報道の自由、ひいては国民主権に由来し、これを発展させるものであります。
第三に、情報環境権。これは、国民がフェイクニュース等への批判的能力を得られるよう、多様な情報に接することができる環境をつくることを国家に求める権利です。
これらの人権の中には、法律で一部保障されているものもあります。しかし、より保障を充実強化するために、憲法上の権利として位置づけるかどうか。位置づける場合に、解釈上の権利とするか、明文上の権利として位置づけるか、このことを考える必要があります。
二週間前、私は、衆議院を代表して、自民党のお二人の代議士とともに、OECDグローバル議員ネットワーク会合に参加してまいりました。OECDにおいても、誤情報及び偽情報への対処や、外国の不当な影響及び干渉に対する強靱化が主要課題とされ、こうした問題の解決が民主主義の強化にとって極めて重要であるという認識が参加者の間で共有されました。先ほど玉木先生がおっしゃった生成AIの問題についても議論している議員がいました。
選挙困難事態という万一の場合に国会機能を維持するという議論も、今申し上げた民主主義の強化にとって必要なテーマだと思います。しかし、本日私が取り上げたテーマに関わる問題について、国際社会の関心が大いに高まっていることを踏まえると、当審査会でも優先的にこれを議論すべきではないでしょうか。
以上申し上げまして、私の発言を終わります。