國重徹の発言 (憲法審査会)

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○國重委員 公明党の國重徹です。
 本日は、国民投票法について意見を述べさせていただきます。
 まず、投票環境の向上についてです。
 これに関する立憲民主党の御主張は、憲法改正国民投票は、通常の選挙とは異なり、主権者である国民が国の在り方を直接決める重要な機会であるから、通常の選挙以上に投票環境の整備が求められ、三項目案以外についても必要な事項がないか検討すべきというものであります。
 憲法改正国民投票が主権者国民にとって重要な機会であることは、そのとおりです。しかし、投開票の手続の在り方について、選挙と国民投票で求められるものは基本的に同じです。この点、憲法審査会には、既に公職選挙法で措置済みである三項目について、国民投票法改正案が約一年前に提出、付託され、趣旨説明聴取もなされています。公職選挙法で措置済みのものは国民投票法に反映させる必要性が明らかですので、この三項目案は速やかに成立させるべきです。
 次に、放送CM規制やネット規制に関する問題についてです。
 これらの問題を考えるに当たっては、表現の自由の制約は必要最小限度のものでなければならず、過度な制約は許されない点、また、国民投票法の理念である国民投票運動は原則自由とする点を踏まえなければなりません。つまり、表現の自由や国民投票運動の自由の保障と投票の公平公正の確保について、バランスの取れたものになっているのか、この点を常に念頭に置いて検討する必要があります。
 この観点から、私どもは、現行の国民投票法を超える法規制には極めて慎重であるべきとの立場です。結論から申し上げますと、政党や事業者の自主的取組を進めるとともに、国民投票広報協議会を充実強化するという方向性で検討していくべき問題と考えます。
 放送CM規制について述べます。
 立憲民主党は、放送CMについて、現行法の投票日前十四日間勧誘CMを禁止するとの規制では足りないとした上で、法律により、主体を問わず発議後の全期間において勧誘CMを禁止する、そして、政党については意見表明CMについても禁止するとの考えを示されています。
 しかし、主体を問わず発議後の全期間において勧誘CMを禁止するとの法規制は、先ほど階幹事がおっしゃった、内容規制ではなくて内容中立規制であることを前提にしたとしても、表現の自由や国民投票運動の自由に対する過度な規制ではないかという懸念が拭えません。
 また、政党のみ意見表明CMを禁止するという点については、憲法改正案について、その内容を最も把握しているはずの政党だけを禁止対象とすることの合理性という観点から、慎重な検討が必要と考えます。
 さらに、立憲民主党は、ネットCMについても政党のみ禁止するとの考えを示されています。この点についても、放送CMと同様、憲法改正案について、その内容を最も把握しているはずの政党だけを禁止対象とすることの合理性に疑問があります。政党以外はネットCMを自由に行えることから、ネットCMにおける情報発信の内容に偏りが生じ、かえって言論空間がゆがめられる危険性があるように思います。
 また、ネットCMについては、例えば出稿の仕組みが複雑であること、業界団体に属していない広告主や媒体運営者、いわゆるアウトサイダーが多数存在していることなど、ネット特有の特徴があります。これらを踏まえると、実効的な法規制は困難であり、政党側の自主規制と事業者側の自主的な取組を併せて推進していく方策が適切と考えます。
 他方で、ネットCMに限らず、ネットの利用に関しては、政治的なマイクロターゲティングなどによって民主主義に悪影響を及ぼすおそれがあるなどの指摘があります。このような、デジタル社会において人権や民主主義をどのように守るのかという点については、私も、これまで当審査会で度々問題提起をしてまいりました。
 ただ、この問題は、国民投票の場面に限られる問題ではありません。選挙においても同様の危険があります。また、マイクロターゲティングやフィルターバブル、さらにはフェイクニュースなどによって個人の政治的信条が知らないうちに影響を受けてしまうとすれば、憲法改正の発議から国民投票までの期間だけを規制しても十分とは言えません。国民投票法だけで解決できる問題ではなく、言論空間全体をどのように適正化していくのかという観点から議論すべき問題です。
 さらに、デジタル社会の問題は、個人の尊重や平等など憲法全体の議論が必要な問題でもあり、幅広い議論が必要です。この問題に対しては、一つには、国民のリテラシー能力の向上も必要です。そのためにも、国民が、どこに正確な情報が掲載されているかを容易に知ることができることも極めて重要です。
 この観点からも、国民投票広報協議会がネット上においても正確な情報を多く発信し、その情報に国民が簡単にアクセスできるようにする必要があります。この点、我が党の北側幹事が当審査会で、国民投票広報協議会からの発信について、各メディア事業者の方々の協力をいただき、例えば、ネット検索をしたら広報協議会の情報発信が一番上に出てくるというふうな協力をしていただくというようなことが大事である旨の指摘をしましたが、重要な指摘と考えます。
 今申し上げた国民投票広報協議会については、その具体的な役割について一定の合意を形成していくべき時期にあるように思います。組織や事務の在り方を整理した上で、それを明文化した規定を作っていかなくてはなりません。この議論を深めていくべきことを申し上げ、私の発言といたします。

発言情報

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発言者: 國重徹

speaker_id: 6432

日付: 2023-05-25

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会