佐野雅宏の発言 (厚生労働委員会)

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○佐野参考人 おはようございます。健康保険組合連合会の佐野でございます。
 本日は、このような場をいただきまして、本当にありがとうございます。
 それでは、時間も限られておりますので、早速説明に入りたいと思います。
 お手元の資料を開いていただきまして、まず、今回の法案に関する健保連の基本的な考え方でございます。
 無論、この目指すものは、人口減少に対応した全世代型の社会保障制度の構築、その中で、全ての世代で公平に支え合う仕組みの強化だと考えております。
 そうした点で、今回の中身は、私どもの解釈としては、現役世代の負担軽減、それから、世代間、世代内のバランスの是正、それから、負担能力に応じて全世代で支える仕組み、これらを複数のパッケージによって改革されるものというふうに理解をしております。
 今回の法案に関する私どもの基本的な考え方でございますけれども、全世代が支える少子化対策ということで、出産育児一時金に係る費用の一部を後期高齢者の方が支援する仕組み、また、現役世代の負担上昇抑制ということで、後期高齢者負担割合の見直し、こういった内容が入っておりまして、全世代型社会保障構築を見据えたものとして評価をさせていただきたいというふうに考えております。
 次の二ページでございますけれども、では、今回の改革全体における健保組合への財政影響はどういうことになっているかというのを私どもなりに試算をしております。
 まず、今回の法案ではございませんけれども、少子化対策として出産育児一時金の増額が決定されております。これに伴いまして、私ども健保組合としては、全体として二百億円の負担が増える形になります。ただ、今回、先般成立されました令和五年度の予算の中で、この増額に伴う支援措置を四十億講じていただいております。この点については感謝を申し上げたいと思います。
 実際、今回の法案につきましては、この下の1から4の内容が入っていると思いまして、全体、パッケージということでありますので、私ども現役世代から見た場合には、プラスのファクターもあればまたマイナスのファクターもあるという全体のパッケージになっているというふうに考えております。
 実際には、世代間ということでいいますと、出産育児一時金を全世代で支える仕組み、これは、当面、令和六年度でいいますと、四十億円のマイナス、我々にとってはメリットがあるというふうに考えております。一方で、2の後期高齢者の負担率の見直しによって、健保組合全体では二百九十億円のメリットがあるというふうに考えております。
 一方で、世代内ということについて言いますと、高齢者の方については現役世代は関係ない部分になりますけれども、4の、被用者保険者間の格差是正ということで、前期の報酬水準に応じた調整が三分の一入るということで、これは逆に健保組合全体としては負担増になる部分だと思っていまして、この部分が年間六百億程度の負担増になる、こういう理解をしております。
 こういった面だけ考えますと、全体、プラスマイナスした場合には、法案だけでいいますと、現役世代は逆に負担増になるという部分もございまして、これに対して、被用者保険への支援ということで、下にございますが、昨年十二月に厚労大臣、財務大臣による大臣合意をいただきまして、四百三十億円の財政支援を令和六年度からいただけるというふうになっていまして、この部分については、全体、現役世代のメリットを出すためにも、是非とも実行をお願いしたいというふうに考えている部分でございます。
 次に、三ページでございますけれども、今申し上げた中で、やはり不安の要因としては前期高齢者に係る調整の部分でございまして、今回、三分の一ということになっていますけれども、更に進められた場合には、現役世代の負担は更に拡大をすることになります。特に、今回の改定によって、料率水準が中程度、真ん中ぐらいの健保組合に対する影響は大変大きくて、こういう主力の健保組合における財政悪化が懸念されるところでございます。そういう面で、現役世代の負担軽減という改革の趣旨も踏まえて、報酬水準の導入はあくまでも部分的なものにしていただきたいと考えていますし、範囲については今回の三分の一にとどめていただきたい、こういうふうに考えております。
 さらに、今後を見据えた場合には、やはり、いわゆる団塊の世代が後期高齢者に完全に到達する令和七年、二〇二五年に向けて現役世代の拠出金負担というのは更に増えてまいりますので、更なる見直しが必要だと考えております。具体的には、後期高齢者窓口負担割合の更なる見直しですとか、現役並み所得者に対する公費の投入、さらには拠出金負担割合の上限設定というようなことが課題としてあるのではないかというふうに考えております。
 いずれにしましても、国民皆保険制度の維持また確保のためにもこういう取組の方が必要ではないかというふうに考えております。
 以上が今回の法案でございますけれども、もう一点入っておりまして、四ページでございます。かかりつけ医機能が発揮される制度整備についてでございますが、私どもとしては、このかかりつけ医機能の整備は元々あった課題であると思っています。これが、コロナによって、より顕在化をしてきた。そういう意味で、高齢者だけではなく、現役世代も含めて全世代を対象とすべきだと考えております。そういう意味で、健保組合としても、加入者の健康状態ですとか健康に関する意識に応じて、かかりつけ医の活用を支援してまいりたいと思っております。
 そういった中で、今回の改定は、まさに、下にございますが、医療の質の向上につながる第一歩だというふうに考えております。そういう意味で、国民が自ら選択をして活用できるような体制をつくることが重要だと思っておりますので、まさに国民が選択しやすい状況、さらには活用しやすい状況、環境を整えていただきたいと思っております。保険者としても、加入者に対する支援強化の観点からも期待をしている部分でございます。
 最後に、五ページでございます。今回の法案には直接関係ないんですが、せっかくこういう機会をいただきましたので、少しお話をしたいと思うのが、マイナンバーカードと保険証一体化でございます。
 私どもとしても、医療DXの推進はまさに極めて重要であって、賛成でございます。そういう中で、マイナンバーカードと保険証の一体化は、医療DX推進の中でもベースとなるインフラと思っておりますので、必ず通過しなければいけないプロセスだというふうに思っております。ただ、やはり、これまでの既存保険証からの移行に当たっては実務面の課題がたくさんあることも事実でございますので、この課題をいかに早く、いかにスムーズにクリアするかということがポイントであると思っています。これが達成された段階では、やはり、事業主である企業、また私ども保険者の業務負担軽減にもつなげていただきたいということでございます。
 そういった中でいいますと、もちろん、保険者として、加入者であったり事業者に対してマイナンバーを速やかに届け出るような働きかけ、これを更に強めていきたいと思いますけれども、やはり、マイナ保険証利用促進に係る意識改革ですとか、国を挙げての取組も大変重要だと思っております。そういう面で、政府、国民、保険者、医療関係者、それぞれがメリットを理解して、利用促進に向けた取組を行うこと、また、そのための政府としての御支援、これもお願いをしたいというふうに思います。
 私の方からの説明は以上でございます。ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 佐野雅宏

speaker_id: 28765

日付: 2023-04-04

院: 衆議院

会議名: 厚生労働委員会