山内弘隆の発言 (国土交通委員会)

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○山内参考人 山内でございます。
 このような機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
 また、私は、今回の法改正に当たって、法改正に賛成の立場から表明をさせていただこうというふうに思っております。
 お手元の資料、地域公共交通の活性化と再生という一枚の紙がございまして、これに従ってお話を進めてまいります。
 まず、この改正にある考え方、背景にあるもの、これを申し上げたいと思うんですけれども、岸田首相が首相に就任されまして、新しい資本主義という言葉を言われました。そこにありますように、私も言うまでもないですけれども、成長と分配の好循環という形で、労働分配分をふやすこと、まずこれによって成長のエンジンを、こういうことだったと思います。
 私は、この考え方は、こういった地域交通政策、あるいは地域全体の政策、あるいはミクロの産業政策、こういったものにも非常に重要であるというふうに考えておりまして、私なりにそれを翻訳をして今回の法改正の賛成の根拠とさせていただいております。
 私自身も、二〇〇〇年前後に交通関係の事業法の改正が行われまして、その中で競争政策というのが強く打ち出された、そのときにお手伝いをさせていただきました。私はこの方向性は間違っていないというふうに思っておりますが、それが時代の変化とともに、そして、今回コロナという大きなショックを受けて大変環境が変わった、こういうことだと思っております。そういったところで岸田首相も新しい資本主義ということだったと思います。
 基本的には、この考え方に即して言えば、地域とか産業、そういったところで、基本的なインフラとか生活の基盤、これを拡充した上で、しかも、民間活力、マーケットの力、こういうものを発揮していく、こういうことの必要性を感じている次第でありまして、これが、私が申し上げた、新しい資本主義の地域版あるいは産業版、こういうことになろうかというふうに思っております。
 それで、マーケットというのはいつも完全ではございませんで、それによっていろいろな弊害が出る、マーケットのパフォーマンスには限界がある、その補正が必要であるということと、それから、マーケットが一番苦手としているのは分配問題ということでありますので、その必要性ということであります。
 そういった視点から、今回の法改正、地活化法の改正について、幾つかの特徴があるというふうに思っております。
 地域公共交通が惨たんたる状況であるというのは今もお話があったとおりで、これはもう御説明の必要がないというふうに思いますけれども、今回の法案でリデザインという言葉を使われた、これは非常に重要なことだと思っておりますけれども、要するに、交通というのは外部効果を発揮する、それを自ら取り込み、また、その外部効果によって地域がよくなる、こういう性格のものでございまして、そういったものをちゃんと見ていくというためには、今のある状況よりももっと効率化しなければいけない。そのためには、リデザインという形で統合とか、あるいは外部の効果を内部に取り込むということであります。
 これは私は非常に気に入っているので使わせていただきますけれども、参考図表の右下に一というのがございますけれども、これはお役所が作られた資料でございますけれども、ここに交通、他分野の共創という言葉が使われている。考えてみれば、今申し上げた外部効果とかそういったものというのはこの共創というものの上に成り立っているわけですね。ですから、それを取り込むことによって、交通自体のポジションを上げるということ、それからもう一つは、それによって効率化を図るということであります。
 例えば、今、地域に行くと、いろいろな交通手段が実は走っている。バスだけではないですね。スクールバスも走っているし、それから患者の輸送も走っているし、場合によっては、民間が買物のためにバスを走らせるなんというのもありますけれども、そういったところで公共交通がなかなか成り立たないというのであれば、一番簡単な例は、そういうものを統合して効率化する、こんなようなことがあろうかと思います。今のは一例ですけれども、そういった形のリデザイン、統合というものの必要性があると思っております。
 特に、最近非常に重要な政策でありますGX、脱炭素化という大きな流れがあるわけでありますけれども、脱炭素の中で交通をどう位置づけるかというのは実は非常に大きなポイントであります。これを共創という形でつくり出していく、それによって公共交通自体も維持、そして更に発展していくというようなこともあり得るというふうに思っております。
 それから、今もありましたローカル鉄道の再構築というのがもう一つの大きな柱であると思いますけれども、ローカル鉄道をどうするのかということで、今回の法律は国の関与を一定程度入れるということだったというふうに思います。
 それで、これも資料の方の右下の二というところにありますけれども、再構築の協議会をつくるということであります。
 これは今までも、地域の協議会という形で、再構築といいますか、どちらかというと、これは円満に廃止するかという、そういうことだったわけですけれども、ここでも再構築ということが非常に重要になる。要するに、新しいものをつくり出していくことによって地域の全体のモビリティーを確保していく、こういうことだというふうに思っております。
 よく、内部補助の問題というのがありますけれども、実は、私は若いときに内部補助の研究というのをやっておりまして、内部補助は、なかなか内部補助自体を定義するのも難しいし、それから、経済学的に言うと、これは配分上の効率とそれから所得再分配の問題なんですね。基本的には、今、再分配の問題になっていて、どこまでどういうふうに内部補助が許されるかということだと思います。
 そういった意味でいうと、社会的な合意の下に内部補助が許されるのでありますが、それを超えたところについては、今申し上げたように、リデザインというような形で新しいサービスをつくり出していく、これが必要であるというふうに思っております。
 それから、今回の法改正の一つの特徴、エリア一括というのがございますけれども、これはエリアを決めてそれを民間に任せる、それも一括ですから一者に任せる、こういうことでありますけれども、ある意味ではこれは公共的なサービス調達ということになるわけでして、そういった意味でいうとPPPという考え方があります。PFI法というのは九九年にできましたけれども、それから十年以上たって、こういった民間でもそういう考え方、これを適用できるんじゃないかというふうに思っております。
 競争性については、そこへ書きましたけれども、フォー・ザ・マーケットとイン・ザ・マーケットという言い方をします。マーケットの中で競争するということ。これは恐らく需要の小さいところでは無理でありますので、一括してやらせる。その中のフォー・ザ・マーケット、マーケットに対する競争というのを取り込んでくるという考え方であるというふうに思っております。
 それで、時間がなくなりましたが、最後のところでありますけれども、申し上げたいことは、効率的でサステーナブルな移動サービスを確保していく、こういうことだと思います。そのためにリデザインで再構築をするということでありますが、それは地域によって非常に大きな違いがある。それに対して地域がこれを意思決定するということではありますが、その中で、国の関与というものも恒常的にこれはやらなければならないことだというふうに思っております。
 予算の問題もありますし、それから、地域に応じてどういうふうにしたらいいのかということですね。これはなかなか、地域独自で判断というのは難しいところがある。それを、例えば運輸局なのか何なのか分かりませんけれども、いろいろな形でアドバイスを出すとかコンサルティングするとか、そんなようなことも必要になってくるかと思います。今、観光の基本計画を作っているんですが、観光の基本計画の中では、完全に国がアドバイザリー的な役目を果たしていくことがありました。ただ、やるのは地域、こういうことであります。
 それから、民間活力の話は、最初に申し上げたように、これは新しい資本主義ということでありますので、何か公共が全部やるという話ではない。民間がまた活力を用いることによって、リデザインで新しいサービスをつくり出していく、この体制が必要であります。
 事業の連携というのは先ほど申し上げました。それから外部効果の話もありましたけれども、GX、DXをどう取り込むか。
 MaaSという言葉があって、いろいろな実験をやられていますけれども、あれがうまくいくようにしていく、これも一つのあれですし、それから、GXでいうと、ちょっともう時間がないのでお話ししませんけれども、GXを取り込むことによって、鉄道事業者が新しいサービスを提供しようなんて動きが今非常にたくさん出てきています。こういったことを支援するということであります。
 いずれにしましても、国と自治体の長期的なコミットメント、それによって新しいものを生み出していく、時代にそぐうものを生み出していく、こういうための法律であるというふうに考えております。
 私からの陳述は以上でございます。どうもありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 山内弘隆

speaker_id: 8182

日付: 2023-03-17

院: 衆議院

会議名: 国土交通委員会