武田泉の発言 (国土交通委員会)

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○武田参考人 武田でございます。お招きいただきまして、ありがとうございました。
 資料を基に説明していきたいと思います。
 まず一枚目ですけれども、本日御説明する内容ですけれども、今回の法案は、モビリティーについては触れられているんですけれども、インフラについては全く触れられていないということで、特に道路と鉄道の話、国交省内の道路局と鉄道局ということで、縦割りの構造が諸悪の根源である。二番目に、道路と鉄道の予算、財源の在り方、北海道開発予算とかを見るとよく分かるということです。三点目に、北海道内の現状、様々な協議会やバス転換、これが特に道内では反面教師となっているということを御説明します。それから四点目、打開策として、軌道法とか上中下分離とか、こういうものを使うということはいかがなのかということで、私案でございます。五点目、北海道で覚悟と気概を持って取り組めば、逆に全国へと展開できるんではないかということでございます。
 一枚めくっていただきまして、二枚目に行きます。今回の改正論議の率直な印象ですけれども、今回の法案は、母屋に手をつけないで、屋上のプレハブを増築していく、そういうものではないかということです。それで、鉄道事業法とか大臣指針とか、そういったものはほぼ温存されたままで、交通税とか特定協議運賃とか、そういったものばかり出ておりまして、その中で、あとは道路局側の支援施策というのが全く見受けられないということで、国交省全体を挙げた対応とは到底思えない、やれることが非常に限られているんじゃないかということが初年度の予算でも見られます。
 それから、社会資本整備総合交付金についても、今までにない踏み込んだ内容ではあるけれども、実際どこまでできるのか非常に不透明で、運用面が読めない。
 歴代の大臣答弁も、結局、各局の局ごとの局益答弁に終始していて、例えば、JR等の鉄道事業者を指導する、そういう言い方をされていますけれども、では、その鉄道に対してどのような国として予算を出すのかということはほとんど語られないということであります。
 それから、交通分野では、河川とか環境分野と比べて、デモクラシーの導入が著しく遅れているんじゃないかというふうに言えます。
 三ページ目に参ります。
 道路と鉄道の関係でありますけれども、これは昔から、もう戦前からありますけれども、戦前の内務省と鉄道省から、建設省、運輸省。それから、交通か運輸か、公共か民営か、公共事業か公益事業か、国が直接事業をするか規制して民間にやらせるかとか、インフラかモビリティーかということで、似て非なる分野なのに、施策は全く別になっています。
 予算規模の圧倒的な違いということで、道路予算は何兆円の世界ですけれども、港湾、鉄道、空港等は何千億円の世界で、その中の鉄道は数千億円の世界で、その中で整備新幹線がかなりの部分を占めている。初年度五十億円というような数字が示されておりますけれども、これは、地方におきます高規格道路一キロメートル当たりの建設費で、例えば、山間部のトンネル部分の暫定二車線なんというのは大体四、五十億円と言われていますけれども、そういう額でしかないということですね。だから、道路の受皿としてできることということであれば、軌道法ということが考えられるんじゃないかということがあります。
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 例えば、写真が出ていますが、左側の二枚が、広島県と岡山県にまたがる芸備線のところで、上の側の写真は、裏側に高規格道路を造っているところで、直接競合しないとはいえ、造っているところですね。その下側のところは、芸備線の踏切がある先に、これは、重点道の駅ということで、かなり全国的にも有名になっていて、日経新聞にも取り上げられたような、道の駅が線路に背を向けて建っている状況でございます。
 右側に行きますと、これは、山形県の陸羽西線、ここは、高規格道路を造るということで、そのトンネル工事で、かなり支障するということで、二年間にわたって鉄道を止めて、道路の工事の犠牲になっているというところでございますけれども、こういうことも行われております。
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 鉄道存廃の協議会ですけれども、私は、四つの協議会や住民説明会があると思います。
 一つ目が任意の協議会でございまして、これが鉄道存廃を自主的に決めているところでございまして、ここは任意なので、非常に密室性が高くて、拙速な議論をしたり、専門知識が欠けたりするところで、報道のぶら下がり取材によって、ようやく、沿線住民は結果のみ後から知らされるというところでございます。
 二番目が、鉄道事業法における廃止手続代替交通確保協議会ですけれども、これは、廃止を半年間繰り上げてもいいかどうかだけやっていまして、事実上、追認の場になっています。
 それ以外に、三と四が今後の、現行と改正の協議会の在り方ですけれども、これも運用次第になっているところでございます。
 次のページをめくっていただきますと、左側が二番目の代替交通確保協議会ですけれども、背広を着た自治体関係者だけで、住民も非常に少数しか傍聴に来ておりませんけれども、右側は、これとは別の、鉄道廃止が決まってからの住民説明会でございまして、これは、要するにバス転換をどうするということしか議論の対象にならない、こういうことが特に道内では行われているところでございます。
 次に行きますと、バス転換の問題点としては、自治体ごとにぶつ切りで運行しているということで、広域運行が非常に消極的なので、鉄道が有していた広域性とかネットワーク性が大きく損なわれるということで、乗り継ぎとか運賃、ダイヤとか、そういったものが非常に困難になっておりまして、数年のうちに溶けて消え去るように、衰退の一途になっているところでございます。
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 それで、これは北海道の日高線の場合でございますけれども、左側の上が、拠点駅の静内駅の廃止後の状況でございまして、高校生とかがわざわざ旧駅のところまで来て、バスターミナルに、乗ろうとしています。それで、右側ですが、苫小牧行きの道南バスで、静内を出て直後の非常に混雑している状況ですけれども、次の町の新冠を過ぎますと、このようにがらんとした状況になってしまいまして、広域的な鉄道輸送だったものが、バスになって非常に短距離しか乗らなくなってしまうという状況でございます。
 それで、突破口としての軌道法の活用でございますけれども、やはり、鉄道局と道路局が別々にやっているということで、軌道法は、道路と鉄道局が共管であるから、これは路面電車の法律でありますけれども、これを持ってきますと、国が上下分離の下を持つということができるようになるんじゃないかということで、かなりの路線を残して、全国的な在来線のネットワークが維持可能になるのではないかということでございます。
 次のページを見ていただきますと、これは、左側の方が鉄道の法制、右側の方が鉄道局と道路局の共管の法制でございまして、共管の方に行きますと、インフラとして下を持つことができるということで、国がもっと積極的に予算を出す根拠になるんじゃないか。
 次に、上中下分離ですけれども、上下分離は盛んに言われていますけれども、私は、道内の事例を見ていますと、中というもので、その次のページを御覧ください、これですね。要するに、上の部分を上と中、つまり、車両運行とか運営と、車両の保有というものにもう少し分けて、下は下で線路の保有ということで、このようにもっと細分化して、地元の自治体がもうちょっと取り組みやすいような、そういうものがもっとできないかということで、鉄道だけが全部一体になっているところでございます。
 次のページを見ていただきますと、これはちょっと恐縮ですけれども、二〇一七年の北海道開発予算のところで、毎年シェア比はほぼ同じでございますけれども、港湾空港鉄道等というのがありまして、うち港湾と空港を足しますと、二七七五〇になりまして、鉄道は毎年ゼロでございまして、それで道路整備はこの額になっているということで、こういう状況が、鉄道はゼロということがずっと続いているということでございます。
 最後のページを見ていただきますと、まずは北海道で仕切り直しをして、新たな再構築モデルをつくって全国展開ということができるんじゃないかということで、北海道はバス転換先進事例の反面教師ではないということで、刷新検討会とか国交省の鉄道局は都合のよい側面しか見ていないということで、並行在来線とか貨物調整金がございますし、無用な議論や赤字の押しつけ合いでは不毛でしかないということで、制度設計とか運用が改善されないと機能しないということで、特に、道内のような、行政だけ、首長だけの議論では、矮小化して、負担割合とか経費の削減だけにしかいかないということで、だから、まだできることはあるのではないかということで、創意工夫とか有意義で柔軟な発想が必要ということで、鉄道とまちづくりの実効的な、施策的な一体化、特に、道内では、北海道開発予算というものをもっと積極活用して、北海道開発局は是非この鉄道の存廃問題に、議論に加わるべきということで、例えば、道の駅とかシーニックバイウェイとか、そういったものを鉄道駅に隣接させるとか、鉄道も含めてシーニックレールウェイにするとか、そういったものもできるんじゃないかということで、そういうことでありますと、やはり、もし法改正が行われるのであれば、国交省の鉄道局と道路局の在り方についての行動計画やロードマップを示すことが条件になるのではないかと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 武田泉

speaker_id: 17003

日付: 2023-03-17

院: 衆議院

会議名: 国土交通委員会