石田東生の発言 (国土交通委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○石田参考人 筑波大学の石田でございます。招致していただきましてありがとうございます。
私、社会資本整備審議会道路分科会長を仰せつかっておりまして、そういう立場からも、今日、意見陳述をさせていただきます。
お手元に簡単なメモを準備いただいておりますので、御覧になっていただける方は御覧になっていただければと思います。
今般の道路整備特別措置法及び独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法の一部を改正する法律案でございますけれども、私は基本的には賛成をしております。
基本的という意味は、これから日本はいろいろなところですごく大変な時期を迎えると思いますけれども、国のインフラにとって最も重要なものの一つである道路、特に高速道路におきましては、これからかと思いますけれども、もう少し踏み込んだ議論があってもいいのかなというふうにも思っておりまして、基本的に賛成ということでございます。
その理由でございますけれども、やはり高速道路を十全に活用する、そのためには維持管理、更新というものが必要になっておりますので、そのためのやはり財源措置というのが非常に大事だと思っております。
さらに、日本が再浮上していくためにも、移動の効率性、モビリティーということをどう考えるかということは極めて大切でございまして、そのための高速道路の進化、機能向上ということも大事だと思っておりまして、そのために必要にして重要な法改正だと考えるからでございます。
個別の点、幾つか考えを陳述させていただければと思います。
まず第一点でございますけれども、今の負担方式でございます。高速道路料金をお払いいただいて、それで債務を償還していくというずっと続けておりますスキームは、一定程度国民に理解されているというふうに思います。それだけに、本当に十分な議論や説明なしに、大幅な料金値上げとか永久有料制度というものに直ちに移行するということは、これはなかなか難しいのではないかなというふうに思います。
その点、今般の改正でございますけれども、現行制度の枠組みの中で償還期間を延長するという考え方は妥当なものではないかなというふうに思います。
それとともに、いろいろな歯止めもかかっております。まず、最長の料金徴収期間を定めた上で、更新事業等の内容や規模が明らかになった段階で更新事業が追加できる、すべきであるという、そういう判断をするという、ある意味柔軟な、はやりな言葉で言うとアジャイルなものになっておりまして、一定の評価はできるんじゃないかなと思います。ただ、やはり、いかんせん、二一一五年というはるか先について今のままでいいのかということについては、若干の心配もある次第でございます。
二番目が、維持管理費用でございます。令和三年度には六社合計で約一兆二千億円が維持管理のために使われておりまして、これがしかも増加傾向にございます。
法定の耐用年数とか減価償却期間できちんと分かるはずだというお考えもあろうかと思いますけれども、やはり実態に即した、本当に必要なものをきちんと点検をしていく。そのために、道路法を改正されまして、法定の五年に一度の目視点検が行われている。二回りが終わったところでございますけれども、それによって、実態というのが思っていた以上になかなか大変なものであるということがあからさまになってございました。
的確な予防保全をきちんとしていくということを前提にした上で、これを情報公開をきちんとしながらやっていくという態度は、そういうことを整えるということは、維持管理、更新施策の基盤としても有用であろうと思います。
それと、料金徴収方式も大きく変わりました。これまでは運転手にのみ請求だったのですが、所有者に請求できるようになりました。これは、料金徴収コストをどう下げるかということも非常に大きな課題になってこようかと思いますけれども、そういう観点からも有用であろうと思います。
高速道路の進化、高度化は、道路サービス上、非常に重要だと思います。特に、二〇二四年問題の物流とか、あるいは高速道路の自動運転など、そういう拠点を整備していくということが非常に大事かと思います。特に、自動車は今本当に日本を支えている大きな産業でございますので、これと軌を一にするような高速道路政策、道路政策というのは重要かと思います。
参考資料を少し見ていただきたいのでありますが、一番最後に絵がついてございます。これはNEXCO東日本さんが作られたものでございまして、なかなかよくできたものではないかなというふうに考えております。
ここで御注意いただきたいのは、これから、そういった自動運転とか物流の効率化という観点からすると、高速道路本体ではなくて、周辺に、物流のためのハブとか自動運転のためのいろいろな地上施設が要るということが一つ重要なポイントとしてあろうかと思います。
それとともに、この絵、左の方が現在、二〇二〇年、先に行くと二〇四〇年という将来像が描かれているわけでございますけれども、二〇二〇年時点では、今の、人中心ですから、車線というのがきちんと描いてございますけれども、二〇四〇年というのは、自動運転で更に効率化が進んでいくと、車線の考え方は要らなくなるんじゃなかろうかと。それぐらい安全なものが実現するし、是非したいという、そういう願いも加えられております。
そこに関して言うと、今、自動運転をきちんとやるためには専用レーンというのが必ず必要であるということなんですけれども、ここには二十年後の姿として描かれておりますけれども、本当に一〇〇%自動運転になったときには専用レーンというのは必要なくなるだろう、そういう意味での過大投資みたいなものをどう避けるかということも結構大事な議論じゃないかなというふうに思っている次第でございます。
これからは、私の個人的な考え方を少しだけ述べさせていただきます。
三の今後の検討の進化、あるいは深化についての意見でございます。
先ほどから述べておりますように、妥当なものであるというふうに思いたいということでございますけれども、でも、これは仕方ないといえばそれまでなんですけれども、今、諸情勢の許す範囲での最大限のことがこの法律案の中には含まれていると思いますけれども、これから、日本の将来のこと、あるいはそこでのモビリティーのこと、環境のこと、あるいは社会的包摂なんかを考えますと、ここに踏みとどまっているべきではないというふうに考えるものでございます。
一つは、負担と受益の関係をどう考えるかという昔からの議論でありますけれども、それをどう考えるかということでございます。
今は償還主義という枠組みの中でやられておりますけれども、やはり高速道路は特別なサービスを提供するものでございますので、そのための特別急行料金みたいなものを考えるということもあるのかなというふうに思いますし、あるいは、そのことは、直ちにではありませんけれども、日本全国を有料道路にする、受益と負担の関係をもう一度お考え直しいただくということです。
そういう意味では、戦後の、あるいはそれ以前から道路政策の基本中の基本である無料開放の原則ということにまで踏み込んだ議論あるいは研究を続けていくということも、今回の法律改正案とは枠を大きく踏み出るものでございますけれども、そういうことも重要ではないかなというふうに考える次第でございます。
長くなりまして申し訳ございません。
以上でございます。ありがとうございました。(拍手)