国土交通委員会

2023-04-04 衆議院 全177発言

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会議録情報#0
令和五年四月四日(火曜日)
    午前九時二分開議
 出席委員
   委員長 木原  稔君
   理事 加藤 鮎子君 理事 津島  淳君
   理事 中根 一幸君 理事 長坂 康正君
   理事 伴野  豊君 理事 谷田川 元君
   理事 赤木 正幸君 理事 伊藤  渉君
      石橋林太郎君    泉田 裕彦君
      小里 泰弘君    柿沢 未途君
      菅家 一郎君    工藤 彰三君
      小林 史明君    佐々木 紀君
      櫻田 義孝君    塩崎 彰久君
      田中 英之君    田中 良生君
      谷川 とむ君    冨樫 博之君
      土井  亨君    中川 郁子君
      中曽根康隆君    中村 裕之君
      西田 昭二君    根本 幸典君
      古川  康君    宮崎 政久君
      武藤 容治君    枝野 幸男君
      小熊 慎司君    城井  崇君
      小宮山泰子君    神津たけし君
      下条 みつ君    末次 精一君
      一谷勇一郎君    前川 清成君
      山本 剛正君    北側 一雄君
      中川 康洋君    古川 元久君
      高橋千鶴子君    福島 伸享君
      たがや 亮君
    …………………………………
   国土交通大臣       斉藤 鉄夫君
   国土交通副大臣      石井 浩郎君
   国土交通大臣政務官    古川  康君
   国土交通大臣政務官    西田 昭二君
   政府参考人
   (国土交通省道路局長)  丹羽 克彦君
   参考人
   (筑波大学名誉教授)   石田 東生君
   参考人
   (東京工業大学名誉教授)
   (神戸大学名誉教授)   朝倉 康夫君
   参考人
   (京都大学名誉教授)   小林 潔司君
   参考人
   (環境経済研究所代表)  上岡 直見君
   国土交通委員会専門員   鈴木 鉄夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月四日
 辞任         補欠選任
  中村 裕之君     佐々木 紀君
  西田 昭二君     石橋林太郎君
  深澤 陽一君     中曽根康隆君
同日
 辞任         補欠選任
  石橋林太郎君     西田 昭二君
  佐々木 紀君     中村 裕之君
  中曽根康隆君     塩崎 彰久君
同日
 辞任         補欠選任
  塩崎 彰久君     深澤 陽一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 道路整備特別措置法及び独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法の一部を改正する法律案(内閣提出第一八号)
     ――――◇―――――
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木原稔#1
○木原委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、道路整備特別措置法及び独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 本日は、本案審査のため、参考人として、筑波大学名誉教授石田東生君、東京工業大学名誉教授、神戸大学名誉教授朝倉康夫君、京都大学名誉教授小林潔司君及び環境経済研究所代表上岡直見君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。本案につきましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、石田参考人、朝倉参考人、小林参考人、上岡参考人の順で、それぞれ十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、念のため参考人の方々に申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願い申し上げます。また、参考人は委員に対し質疑をすることができないこととなっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
 それでは、まず石田参考人、お願いいたします。
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石田東生#2
○石田参考人 筑波大学の石田でございます。招致していただきましてありがとうございます。
 私、社会資本整備審議会道路分科会長を仰せつかっておりまして、そういう立場からも、今日、意見陳述をさせていただきます。
 お手元に簡単なメモを準備いただいておりますので、御覧になっていただける方は御覧になっていただければと思います。
 今般の道路整備特別措置法及び独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法の一部を改正する法律案でございますけれども、私は基本的には賛成をしております。
 基本的という意味は、これから日本はいろいろなところですごく大変な時期を迎えると思いますけれども、国のインフラにとって最も重要なものの一つである道路、特に高速道路におきましては、これからかと思いますけれども、もう少し踏み込んだ議論があってもいいのかなというふうにも思っておりまして、基本的に賛成ということでございます。
 その理由でございますけれども、やはり高速道路を十全に活用する、そのためには維持管理、更新というものが必要になっておりますので、そのためのやはり財源措置というのが非常に大事だと思っております。
 さらに、日本が再浮上していくためにも、移動の効率性、モビリティーということをどう考えるかということは極めて大切でございまして、そのための高速道路の進化、機能向上ということも大事だと思っておりまして、そのために必要にして重要な法改正だと考えるからでございます。
 個別の点、幾つか考えを陳述させていただければと思います。
 まず第一点でございますけれども、今の負担方式でございます。高速道路料金をお払いいただいて、それで債務を償還していくというずっと続けておりますスキームは、一定程度国民に理解されているというふうに思います。それだけに、本当に十分な議論や説明なしに、大幅な料金値上げとか永久有料制度というものに直ちに移行するということは、これはなかなか難しいのではないかなというふうに思います。
 その点、今般の改正でございますけれども、現行制度の枠組みの中で償還期間を延長するという考え方は妥当なものではないかなというふうに思います。
 それとともに、いろいろな歯止めもかかっております。まず、最長の料金徴収期間を定めた上で、更新事業等の内容や規模が明らかになった段階で更新事業が追加できる、すべきであるという、そういう判断をするという、ある意味柔軟な、はやりな言葉で言うとアジャイルなものになっておりまして、一定の評価はできるんじゃないかなと思います。ただ、やはり、いかんせん、二一一五年というはるか先について今のままでいいのかということについては、若干の心配もある次第でございます。
 二番目が、維持管理費用でございます。令和三年度には六社合計で約一兆二千億円が維持管理のために使われておりまして、これがしかも増加傾向にございます。
 法定の耐用年数とか減価償却期間できちんと分かるはずだというお考えもあろうかと思いますけれども、やはり実態に即した、本当に必要なものをきちんと点検をしていく。そのために、道路法を改正されまして、法定の五年に一度の目視点検が行われている。二回りが終わったところでございますけれども、それによって、実態というのが思っていた以上になかなか大変なものであるということがあからさまになってございました。
 的確な予防保全をきちんとしていくということを前提にした上で、これを情報公開をきちんとしながらやっていくという態度は、そういうことを整えるということは、維持管理、更新施策の基盤としても有用であろうと思います。
 それと、料金徴収方式も大きく変わりました。これまでは運転手にのみ請求だったのですが、所有者に請求できるようになりました。これは、料金徴収コストをどう下げるかということも非常に大きな課題になってこようかと思いますけれども、そういう観点からも有用であろうと思います。
 高速道路の進化、高度化は、道路サービス上、非常に重要だと思います。特に、二〇二四年問題の物流とか、あるいは高速道路の自動運転など、そういう拠点を整備していくということが非常に大事かと思います。特に、自動車は今本当に日本を支えている大きな産業でございますので、これと軌を一にするような高速道路政策、道路政策というのは重要かと思います。
 参考資料を少し見ていただきたいのでありますが、一番最後に絵がついてございます。これはNEXCO東日本さんが作られたものでございまして、なかなかよくできたものではないかなというふうに考えております。
 ここで御注意いただきたいのは、これから、そういった自動運転とか物流の効率化という観点からすると、高速道路本体ではなくて、周辺に、物流のためのハブとか自動運転のためのいろいろな地上施設が要るということが一つ重要なポイントとしてあろうかと思います。
 それとともに、この絵、左の方が現在、二〇二〇年、先に行くと二〇四〇年という将来像が描かれているわけでございますけれども、二〇二〇年時点では、今の、人中心ですから、車線というのがきちんと描いてございますけれども、二〇四〇年というのは、自動運転で更に効率化が進んでいくと、車線の考え方は要らなくなるんじゃなかろうかと。それぐらい安全なものが実現するし、是非したいという、そういう願いも加えられております。
 そこに関して言うと、今、自動運転をきちんとやるためには専用レーンというのが必ず必要であるということなんですけれども、ここには二十年後の姿として描かれておりますけれども、本当に一〇〇%自動運転になったときには専用レーンというのは必要なくなるだろう、そういう意味での過大投資みたいなものをどう避けるかということも結構大事な議論じゃないかなというふうに思っている次第でございます。
 これからは、私の個人的な考え方を少しだけ述べさせていただきます。
 三の今後の検討の進化、あるいは深化についての意見でございます。
 先ほどから述べておりますように、妥当なものであるというふうに思いたいということでございますけれども、でも、これは仕方ないといえばそれまでなんですけれども、今、諸情勢の許す範囲での最大限のことがこの法律案の中には含まれていると思いますけれども、これから、日本の将来のこと、あるいはそこでのモビリティーのこと、環境のこと、あるいは社会的包摂なんかを考えますと、ここに踏みとどまっているべきではないというふうに考えるものでございます。
 一つは、負担と受益の関係をどう考えるかという昔からの議論でありますけれども、それをどう考えるかということでございます。
 今は償還主義という枠組みの中でやられておりますけれども、やはり高速道路は特別なサービスを提供するものでございますので、そのための特別急行料金みたいなものを考えるということもあるのかなというふうに思いますし、あるいは、そのことは、直ちにではありませんけれども、日本全国を有料道路にする、受益と負担の関係をもう一度お考え直しいただくということです。
 そういう意味では、戦後の、あるいはそれ以前から道路政策の基本中の基本である無料開放の原則ということにまで踏み込んだ議論あるいは研究を続けていくということも、今回の法律改正案とは枠を大きく踏み出るものでございますけれども、そういうことも重要ではないかなというふうに考える次第でございます。
 長くなりまして申し訳ございません。
 以上でございます。ありがとうございました。拍手
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木原稔#3
○木原委員長 ありがとうございました。
 次に、朝倉参考人、お願いいたします。
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朝倉康夫#4
○朝倉参考人 皆様、おはようございます。東京工業大学、神戸大学の朝倉でございます。
 私は、国土幹線道路部会の部会長を仰せつかっておりますので、その立場で発言したいと思います。
 発言するポイントは次の三点でございます。まず一点目は、高速道路の費用負担に関する基本的な考え方でございます。二点目は、今回の法案について私が評価している点でございます。三点目は、これは、今後の制度運用であったり、あるいは検討課題について考えていることでございます。
 さて、まず第一点目の、高速道路の費用負担の基本的な考え方について意見を申し上げます。
 まず、言うまでもないことでありますが、また、これは法案の説明の中にも触れられていると思いますけれども、安全で円滑な高速道路サービスを提供する、そのためには、日常的な維持管理と修繕、それから更新、それから進化と改良、これらを確実に実施するということが重要であるということであります。
 我が国の高速道路は、一九六〇年代に供用開始されてから現在に至るまで、人々の生活や産業活動にとって欠くことのできない社会基盤として機能してまいりました。建設当初は、日常的な日々の維持管理と修繕を実施すれば、相当の長い間、良好な道路として機能するというふうに想定されていたものと思っております。
 しかしながら、高速道路は、高度成長期に短期間に建設せざるを得なかったこと、それから、供用当初は想定しなかったような、大量で、かつ非常に重量の重いような交通が増加いたしまして、道路構造の劣化が日常的な修繕の繰り返しではもう何ともならぬというレベルまで進んでしまったため、大規模に道路を造り替える、いわゆる更新事業が始まったところであります。更新事業には新たに道路を建設するのと同程度の費用がかかりますし、関連の交通に大きな影響を与えないような慎重な工事が求められているところであります。
 また、我が国では、高速道路サービスを受けられるエリアをできるだけ拡大するということで、そういう目的でネットワークを整備しましたので、二車線で整備せざるを得ないようなそういう区間、いわゆる暫定二車が発生してしまったわけでございます。安全で円滑な道路交通を実現するためには、暫定二車線の四車化というのは必須であり、これらを含めた道路の進化と改良が求められているというふうに感じます。
 このように、高速道路交通システムを機能させていくためには、日常的な維持管理と修繕、それから更新、そして進化と改良が必要であることは明らかですけれども、それには相当の費用が必要で、それを一体誰が負担するのかということを議論していく必要がございます。もちろん、一般国民が税で負担するという考え方もないわけではないと思いますけれども、私は、最大の受益者である高速道路利用者が料金を支払うことで負担するというその考え方が自然であり、適切だというふうに感じております。
 ただし、この利用者負担というのは原則であって、料金が利用交通に与える影響も考慮して、地域政策的な観点からも検討する必要があるというふうに考えております。
 もう少し具体的に申し上げますと、交通需要の密度が相対的に低く、高速道路の利用が十分に見込めないような地域では、料金を徴収する代わりに、税負担を活用すること等によって高速道路の利用を促し、地域の活性化を図るということ、そういったことを検討していくこともあってもよいと思います。
 続きまして、大きく二点目の、今回の法律案を評価する点について述べたいと思います。
 まず、先ほど述べたことでもありますけれども、更新や進化のための財源確保について、利用者負担を基本とするという方針については賛成でございます。これは、現行の高速道路サービスが料金を支払うことによって成り立っていることから、料金によって更新や進化の財源とするということは自然かつ適切というふうに考えております。
 その料金負担なんですけれども、現行の料金額に更新や進化の分を上乗せするということを、これを利用者に理解していただくということはなかなか難しいのではないかというふうに感じております。そうすると、料金徴収期間を延長して更新や進化、改良のための財源を確保するという、そういう案が出てくるだろうと考えます。
 ただ、この財源というのは、見方を変えると債務ということにもなりますので、その返済期間を必要以上に長くするということは望ましくないというふうに考えております。また、料金を安くしますと、その償還期間、返済期間が長くなりますが、そのことは債務返済に関する不確実性を高めることになりかねません。
 したがいまして、現行の料金水準と債務返済期間などを参照すると、この期間を五十年以内というふうにすることについては適切であろうというふうに考えます。提案されているこの法律案では、債務返済期間の中で債務を確実に返済することを確認する仕組み、これも提示されておりまして、そういった意味で適切なのではないかというふうに思ってございます。
 評価するもう一つの点は、見通しが明らかになった事業を定期的に計画に追加できるという、そういう仕組みです。
 道路のような社会基盤システムの整備と維持管理の事業というのは長期間にわたりますので、様々な不確実性を考慮する必要がございます。例えば、交通需要の将来見通し、あるいは金利の想定等でございます。
 この不確実性を下げる一つの方法は、計画を一定の頻度で見直すということでございます。道路建設の詳細な点検の頻度がおおむね五年に一回程度ということを考えますと、更新や進化が必要となる事業をおおむね十年程度で計画に追加できるという、そういう仕組みが用意されているということは重要であるというふうに感じております。
 最後に、大きく三点目ですけれども、今後の制度運用や検討課題について述べたいと思います。
 現時点では、ここに提案されている法案が最善であるというふうに感じますけれども、残された課題もあります。例えば、将来の維持管理費の負担の在り方をどうするかということであります。
 基本は利用者負担であるというふうに考えますけれども、料金が利用交通に与える影響を考慮する必要があります。例えば、料金は、高速道路の整備と維持管理に必要な費用を償還するために必要であるということと同時に、社会的に適切な料金という、そういう考え方もあります。例えば、過度に混雑して社会的な損失が大きいようなケースにおいては、適切な料金を課金して混雑を緩和するということが考えられますし、逆に需要が薄いようなケースについては、料金を調整して高速道路の利用を促進するということが必要であるというふうに思います。
 これらを含めまして、対象となるネットワークあるいは料金水準についても、今後継続的に議論していく必要があるというふうに思ってございます。
 今後の制度運用については、社会的影響を最小化するように、更新事業を確実に実施するということが望まれます。
 更新事業は、今実際に使われている道路区間の一部を取り替えるということになりますので、場合によっては、今、NEXCOの中国道であったり、あるいは阪神高速道路のように、一定期間の完全通行止めということを伴う工事が実施されております。また、完全に止めない場合でも、複雑な車線運用や夜間の通行止めが実施される場合もあります。
 このように、更新工事を実施する際には、高速道路利用者だけではなく、一般道にも非常に大きな影響が及びますので、その影響をできるだけ小さくするように、事前の検討を十分に行うと同時に、更新工事の期間中は道路交通のモニタリング、それから利用者への情報提供、これらを十分に行って、不必要な混乱を避けるということに努めていく必要があるというふうに思います。
 最後に、高速道路に求められる機能が高度化する中、継続的な進化が求められています。例えば、レベル4以上の高度な自動運転を可能とするためには、車両の開発だけではなくて、道路と車両が協調したような自動運転システムが機能することが考えられますけれども、そのための道路の進化ということが必要なんじゃないかというふうに思う次第でございます。
 以上でございます。ありがとうございました。拍手
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木原稔#5
○木原委員長 ありがとうございました。
 次に、小林参考人、お願いいたします。
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小林潔司#6
○小林参考人 皆さん、おはようございます。
 京都大学の小林でございますが、私は、社会資本整備審議会の委員であり、学術団体である土木学会の第百六代の会長を仰せつかっておりました。あわせて、我が国のアセットマネジメント、インフラとかメンテナンスをマネジメントする、それをアセットマネジメントと呼ぶんですが、そのアセットマネジメント協会の会長をしております。
 そういう専門的な立場から、本日は、高速道路の持続的維持、メンテナンスといいますか、その発展のためにというところで、専門的な意見を述べさせていただきたい、こういうふうに思っております。
 今回の法改正、私も基本的にこの法改正は賛成でございます。ようやっと、このメンテナンス、道路資産の維持のための予算額を、財源を確保することが延長できるようになったということで、胸をなで下ろしております。
 お手元にこのポンチ絵を一枚用意しております。これに本日の申し上げたいことは集約しておりますが、この図の左半分が、これまでに我が国がなし得てきたこと、これを集約しております。これが今回の法改正につながっているんだろう、こう思いますが、右半分に、残された課題といいますか、これからの課題を集約しております。
 御承知のように、日本でメンテナンスの重要性、これが認識されたのは、二〇一二年ですかね。笹子トンネルの事故、あれから十年強たちましたけれども、この期間の間に、いわゆるメンテナンスサイクル、点検、補修、更新、このサイクルが我が国にも導入されてきました。
 ここにポンチ絵を描いておりますが、メンテナンスサイクルのあらましを描いております。点検をきちっとし、その点検結果に基づいて、補修とか、あるいは、必要であれば更新の計画を立てて、それを実行して、それをデータに残していく、こういうサイクルが我が国にも導入されました。そのために、いろいろな技術資格とかガイドラインであるとか、いわゆる制度的な仕組みがこの十年の間に発展してきた、そういうふうに評価をしております。
 翻って、海外の状況を見てみますと、御承知のように、一九八〇年代に米国でインフラの老朽化が顕在化しました。クリントン政権の間に、空前のIT景気も背景にありましたのですが、米国のインフラの更新を一気に米国政府は進めました。一九九七年にようやっと、アセットマネジメント、計画的にインフラの老朽化を改善していく、解決していくという機運が生まれました。そんなに古い学問ではありません。非常に新しい、でき上がってまだ四半世紀、そういうところです。
 ただ、アメリカのインフラは日本に比べて二十年、三十年先行して建設されております。それから、非常に古い技術を使っておりますので、日本はその二十年、三十年後を走っている。しかも、最新の技術が入っているので、アメリカの結果はなかなか参考にはならないと思いますけれども、この笹子のトンネルの事故以来、日本でもインフラの老朽化が顕在してきた、こういうことでございます。
 その下の図、描いておりますけれども、この十年間、点検をした結果、いろいろなデータが蓄積してきました。その結果、かなりのことが分かるようになってきたんですが、まだまだデータのストックというのは、この笹子のトンネル以降十年、インフラの劣化が十年で終わるものではありません。もっと時間がかかるものですね。
 ここにいろいろなグラフ、いっぱい描いておりますが、これはアメリカのデータです。アメリカは点検を日本よりは二十年以上たくさんやっていますので、インフラがどういうふうに劣化してきたかという、劣化曲線と我々は言いますが、これを描けるような状況になってきます。
 右下のこの図は、ニューヨーク市の、ニューヨークにある二千十四本の橋梁の、床版というんですけれども、そこの劣化のあらましを表しています。横軸が時間、縦軸、下に行けば行くほど劣化が進展している、こういう状況を表しています。これを見ていただくと、非常に散らばりが大きい、こういうことが分かります。
 一つ一つの橋梁の劣化の不確実性は高いんですが、橋梁によって物すごく劣化のスピードに差がある。それは、造られた年代であるとか、工法であるとか、材質であるとか、いろいろなことが作用して、インフラの劣化を予測するのが極めて難しい状況にあります。これはアメリカの話ですが、日本も同じような状況だ、こういうふうに思います。
 個々のインフラの劣化を予測するのは極めて難しい、まして、いわんや、新しくできたインフラ、更新したばかりのインフラがどれだけもつのかということに関しては極めて不確実性が高いということですが、それを幾つか束ねてくる、大きな地域で束ねてくると、凸凹がかなりならされてきて、それでもまだ幅はありますけれども、ある程度の確率でもって予測はできるんじゃないか、そういう状況に今ある、こういうふうに思っています。
 我々も、当初は、昔は、インフラは永久構造物だ、こういうふうに思っていたんですが、決してそんなことはない、劣化は着実に時間とともに進んでいっている。大規模修繕しても、きちっとよくなるわけではないんですね。ちょっとスピードを遅らせたとか、また再劣化が始まります。そういうものだということが、この十年間の間に理解してきたということですね。
 右半分は、これからなすべきことですけれども、私は、アセットマネジメント協会会長になっています、こういうふうに申し上げましたけれども、国際標準として、アセットマネジメント、インフラの劣化をやはり経営学的な視点できちっと規律づけしていく、そういうための国際標準ができ上がりました。二〇一七年です。まだ歴史が浅い。二〇一七年以前にインフラの経営計画というものが世界的に確立していたかというと、試行はいろいろありましたけれども、ようやっと五、六年前になって、初めてそういう弾みがつき、でき上がったということでございます。
 その中で、今一番問題になっているのは、いわゆる財務会計ですね。やはり会計情報として、いろいろ経営の会計が出てくるんですが、それと非財務的な情報をどうすり合わせていくか。
 例えば、修繕しますと、やはり部分的によくなるんですね。そうすると、使用期間が延びる。それを財務会計にどういうふうに反映していけばいいのか、経営計画にどういうふうに反映していけばいいのかというところが、実はまだ世界的にも議論は確立していない。それに向かって、今、ISOの世界ではどういうふうにすべきか、あるいは、日本がこれからどういうふうに考えていけばいいのか、そこにこれからの課題が残されている、こういうふうに思います。
 高速道路会社、償還期間が延びた、この時間、その中で、長期的、計画的にインフラのマネジメント、これをどういうふうにやっていくべきか、その経営の方法論を確立していくべきだ、こういうふうに思っております。今、世界的にもそれはスタート点に立ったばかりだというふうに申し上げたいと思います。
 それから、最後は、技術の継承と発展でございますが、これは、先ほど、石田委員、それから朝倉先生から、かなり詳細な意見を言っていただきましたので、私が屋上屋を重ねる必要はないと思いますけれども、新しい技術を導入していく、それから、やはり技術者の高齢化が非常に大きな今問題になってきています、その技術の継承、そういう意味でも、高速道路会社の経営計画の中で計画的に進めていっていただきたい。それがひいては日本のインフラの、インフラ輸出というのはずっと課題になっています、なかなかまだ難しくて実現できておりませんけれども、それの大きな支えになる、そういうふうに信じております。
 以上で私の説明を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。拍手
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木原稔#7
○木原委員長 ありがとうございました。
 次に、上岡参考人、お願いいたします。
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上岡直見#8
○上岡参考人 おはようございます。上岡でございます。
 本日は、発言の機会をいただきまして、大変ありがとうございます。
 お配りの要旨に従って、五点ほど口頭で述べさせていただきます。
 一点目は、料金徴収期間延長の時期についてです。
 これは、先ほど御指摘ありましたように、令和九十七年というような長期予想は余りにも不確実要素が多過ぎて、なかなか合理的な説明は困難ではないかと思います。
 今、道路公団民営化から二十年弱経過しておりますけれども、その間だけでも、相当な、いろいろな社会経済的変化が起きているわけであります。
 その前に、なぜこのような繰延べが繰り返されたのか、大きなイベントだけでも三回ほどあったかと思いますけれども、その原因の明確な説明とか是正が伴わなければ、やはり、利用者の方、あるいは国民の方の理解を得られないのではないだろうかということであります。
 二点目は、事業に関する予測の不確実性についてです。
 これは、資金計画、償還計画等に大きく影響するわけでありますが、一つ具体的な事例を取り上げて説明いたします。
 私、横浜市に在住しておりますけれども、現在事業中の横浜環状南線という事業がございます。事業延長九キロ弱のところです。
 この事業、平成七年の都市計画決定で、そのとき、事業費二千億円とされていたところ、つい先日、監視評価委員会で、令和五年一月、七千九百二十億円と約四倍に膨張しています。この間、物価指数はたかだか一〇%程度の変化ですから、インフレというようなことではないわけです。
 最近は資材高騰等も挙げられておりますけれども、以前から、数年ごと、事業監視評価委員会のたびに、変更や追加として一千億、二千億と積み増しが報告されて、結局今、四倍ということになってしまいました。しかも、いろいろな遅延要因が発生しておりまして、供用時期が不明というような状況であります。
 事業延長僅か九キロほどの一つの事例でこのような状態ですから、これではやはり、令和九十七年というような、長期的には余りにも不確定要素が多過ぎて、合理的な説明は難しいのではないかと思います。
 三点目は、需要予測等に関する疑問についてです。
 これも、資金計画、債務償還計画に大きく影響いたします。そもそも、道路公団民営化の発端となったように、過大な需要予測とか楽観的なGDP予測というものが指摘されておりました。
 現在は、当時より更に二十年近く経過して、人口減少等の環境は更に厳しくなっております。また、施工環境も今後はより難しい場所に造るところが多くなってくると思います。例えば、大深度工法で、調布の事故等、問題も発生しているような状況があるわけです。
 横浜環状南線の事例を再度を挙げますと、平成十七年、第一回事業監視評価委員会がありましたが、そのとき、費用便益比、いわゆるBバイC、これが二・二とされておりましたが、それが令和四年、第六回のその委員会では、BバイCが〇・八に低下しています。すなわち、一・〇を割ってしまったわけです。
 現在は、高速道路イコール有料道路ではなくて、いろいろな財源スキームがつくられております。今後、高規格幹線道路を整備する区間というのは、非常に不利な状況が増えていくわけであります。将来的な人口動態は、社会保障・人口問題研究所、社人研等によって予測されておりますけれども、大都市以外では人口の減少が非常に顕著であると予測されているわけであります。
 今延ばしているところ、これは有料道路事業でない枠組みもありますけれども、いずれにしても、数十年のうちに、言い方は悪いですが、道路ができた頃には誰も使う人がいない、無人地帯に向かって高速道路を延ばしているようなものではないかという懸念もあるわけです。
 このような点から考えましても、令和九十七年というような遠い将来の評価ではなく、もう少し現実的な評価というのが必要ではないかと思うわけであります。
 四点目は、事業評価に関する疑問についてです。
 もちろん、事業評価というのは、費用便益比だけではなく、国土強靱化とか防災とか、その他いろいろ経済効果等から総合的に判断すべきであるということはいいんですけれども、元々評価基準に不明瞭な部分が多い、あるいは、恣意的な評価が可能な部分が多いというように思われます。
 例えば、便益を算出する場合、便益を集計する道路ネットワークの範囲をどこまで取るかというようなことによって結果が大きく異なってきます。
 国交省では費用便益マニュアルを提供しておりますけれども、そこには標準的な算出手法が記述されてはいるんですが、抽象的な文言になっておりまして、ある意味では恣意的な運用ができるようになっています。
 事業評価監視委員会、あるいは、それに類するいろいろな評価の場ですね、委員の方々から様々な議論が出ているのですが、それが事業にどのように反映されているのか、前述の事例のように、事業費が四倍にもなって、チェック機能が実質的に機能しているのかということについても疑問があるわけであります。
 なお、付言いたしますと、利用者に対する説明もそうなんですが、やはり、事業実施に際して、住民の方が直接影響を被るわけであります。有料道路事業に限らず、全国で紛争が起きております。制度的には土地収用法なども関連します。本日はその議題ではありませんので言及しませんけれども、やはり、道路事業全体についての評価、情報公開、住民の意見反映というような点からも、これをしっかりしないと、全体的な、合理的な説明というのは難しいのではないかと思います。
 それから五点目は、道路は全体ネットワークとして捉えるべきということであります。
 そもそも、高速道路を利用するには、必ずその前後に一般道路の通行、あるいは、自宅の周辺で街路の通行が必ず介在するわけであります。実は、こうした一般道路、街路の走行環境というのはかなり貧弱なわけであります。歩道もない、子供が車にひかれるとか、そういうこともしばしば起きている状態であります。
 先ほども触れましたが、現在は、高速道路イコール有料道路ではなくて、いろいろな財源スキームがあります。大きく分けると四つぐらいでしょうか。
 日本では有料道路という言い方がありますけれども、そもそも無料道路などというものは存在しないわけでありまして、これは、先ほど参考人の先生方から何回か御指摘がありましたように、費用と財源の負担をどうするかというスキームの違いであるわけです。
 利用者は、今自分が走っている道路がどの財源スキームかなどと意識して走っているわけではありません。日本の道路全体をネットワークとして捉えるべきであって、本日の議題ではないとしましても、有料道路事業の無料化云々だけの議論では済まないのではないかと思います。
 また、付言いたしますと、今後数十年のスパンで少なくとも考えるわけですから、そうすると、化石燃料を使用しない自動車、特に乗用車についてはですが、置き換わっていくわけです。そうしますと、今の燃料課金による道路財源調達というのはできなくなるわけで、早晩、距離課金に移行せざるを得ない、そういうことも出てくると思います。
 このような状況になりますと、単に有料道路事業だけの問題でない、財源スキームを日本の道路ネットワーク全体について大きく組み替えるということが不可避なわけでありますし、また、国土強靱化とか防災等の観点でも、有料道路事業だけの問題では済まないと思います。
 いずれにしましても、有料道路事業をいつ無料化するかという点だけではなく、本日の議題ではありませんけれども、やはり、日本の道路ネットワーク全体をどうするのかということについての全体的な議論を広げていくことが必要であり、また、それをしないと、本件の議題についても国民の方々の了解を得られることは難しいのではないかというふうに思うわけであります。
 以上でございます。ありがとうございました。拍手
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木原稔#9
○木原委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。
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木原稔#10
○木原委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。中村裕之君。
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中村裕之#11
○中村(裕)委員 おはようございます。自由民主党の中村裕之です。
 参考人の皆様には、大変貴重な御意見を賜りまして、誠にありがとうございます。法案審議に参考にさせていただくために質疑をさせていただきます。
 平成二十六年から法定化された点検によりまして更新が必要な箇所が明らかになりまして、それらの財源を確保する上で、料金の大幅値上げによらないで確保する上で、債務償還期限を延ばしていくということになるわけでありますけれども、これは点検によって明らかになったものですから、事業箇所や事業の投資額なんかもある程度明確になって、国民の皆様に説明ができるという状況にあると思います。
 ただ、石田先生と小林先生にお伺いしたいんですけれども、点検以外の方法で、将来にわたる更新の需要を推測し、それを国民の皆様に明らかにしていくということが可能であるのかどうかということについて、一点伺いたいと思います。
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石田東生#12
○石田参考人 石田でございます。
 私、必ずしも専門ではございませんので、後で小林先生から補足していただけるかと思います。
 議員おっしゃるように、点検結果を、予防保全も含めて、将来の維持管理費用の推測あるいは予測に持ち込む、非常に精度高く持ち込むということは極めて難しいことだというふうに考えてございます。使用条件が違う、あるいは気象条件が違う、あるいは、あってはならないことではありますけれども、施工の条件も違ってまいります。ようやっと十年間綿密なデータが取られたところでございます。
 二点分かっておりますので、増加傾向にあるということは明らかになってきておりますけれども、これが今後ますます加速度的に必要になるのかどうか、あるいは、予防保全ということを現実に積み重ねた上で、それが定量的にどのような効果を持つかということは、今後にまつところが大きいということは事実だと申し上げざるを得ません。
 いろいろなところで頑張っておりますけれども、もう少し時間がかかるものじゃないかなというふうに思料してございます。
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小林潔司#13
○小林参考人 点検以外に方法はあるのかということですが、残念ながら、現在の科学技術の範囲では、やはりどうしても点検をせざるを得ないという状況にあると思います。長期的に見れば、物性工学とかそういうものを活用してということも可能にはなってくると思いますが、まだ半世紀か四半世紀の時間はかかるのではないか、こういうふうに思っています。
 それよりも、点検の精度とか、やはり点検にもいろいろな方法があります、点検の技術の向上といいますか、技術革新、それが今望まれているのではないか。あわせて、最終的には人間が判断するものですから、AIとかいうのを導入も可能ですけれども、点検の精度をどう維持できるか、それが課題になっている、そういうふうに申し上げたいと思います。
 以上です。
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中村裕之#14
○中村(裕)委員 まだちょっと時間がかかるようでありますから、点検によってこれをしっかりと国民の皆様に説明していくことが重要だというふうに私も考えております。
 今回の法案で、財源を確保する中で、高速道路の進化についても非常に重要なテーマになってくると思います。
 恐らく、国際的に見ると、日本の高速道路ネットワークというのは脆弱性があるというふうに私は思っていまして、ミッシングリンクもありますし、一車線の、暫定二車線の高速道路もかなりあるわけでありまして、私はこれはしっかり四車線化を進めるべきだというふうに思っています。
 この点について朝倉先生からも御意見をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
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朝倉康夫#15
○朝倉参考人 御質問ありがとうございます。
 私の意見の中でも申し上げましたように、暫定二車線の区間というのは、高速道路のネットワークがカバーする領域を、急いで、できるだけ早く拡大するということを狙いまして導入された考え方でありまして、したがって、あくまで暫定ということであるというふうに認識しております。
 高速道路が安全で快適なサービスを提供するためには、暫定二車は全く十分とは言えません。また、国際的に見ましても、暫定二車線の高速道路区間というのが多く残っているというのはもう本当に我が国ぐらいでございまして、速やかに四車線化を進めるべきというふうに考えてございます。
 ありがとうございます。
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中村裕之#16
○中村(裕)委員 大変ありがとうございます。
 全くそのとおりだと思っていまして、例えば災害時、また交通事故のときでも、暫定二車であると完全に通行止めになってしまいますけれども、四車線あることによって交通が確保、又は復旧が早くできるということは非常に重要なことだと思っていまして、私は北海道なんですが、北海道は暫定二車線が非常に多い。トラック協会からは、暫定二車線のところも同じ料金を取るのかと、そういう意見もいただいているところでありまして、これらはしっかり進めていく必要があると思います。
 次に、上岡先生にお伺いしたいんですが、上岡先生はネットワークで道路を考えるべきだというお話をしていただきました。ネットワークということは、有料道路も、有料道路から降りたところの一般道も含めて、しっかりネットワークを確保しなければならないわけですけれども、私、雪国なものですから、非常に気になっているのが、長時間にわたる立ち往生が、高速道路でも、また、その周辺の一般道でも同時に起こるという状況がここ数年多くなっているように思います。
 高速道路の維持管理の上では、除雪というのが非常に重要な要素だというふうに私は考えておりまして、冬期間の交通の確保は非常に重要だと思っているんですが、だんだんに、ドライバー不足もあって、オペレーターさんの人も高齢化をしているし、大変な状況にあるわけです。
 そこで、有料道路の民間の会社であるNEXCOさんの除雪と、国の方の国土交通省の除雪がもっともっと連携をしていくべきではないかと思うんですけれども、何かいい方策がないか、ネットワークの確保の上で何かアドバイスをいただければありがたく思います。
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上岡直見#17
○上岡参考人 雪の問題は確かに御指摘のとおりであります。
 一つ言われますのは、道路の格付といいますかランキングといいますか、高速道路が一番ランクが高いものであって、次が一般道路、そして街路という位置づけがされますけれども、これは逆じゃないかという御意見もあるわけです。使う人にとっては、自分の家からも出られなければ高速道路も何もあったものではない。
 そういうことから考えますと、除雪に限りませんが、いろいろな、特に山の中の県道とか、ひどいところがあります。そういうところも併せて、総合的に利用者の方の使いやすいような道路体系というのを考えていく必要があるのだと思います。
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中村裕之#18
○中村(裕)委員 ありがとうございます。
 確かに、近隣にお住まいの方も利用者ですし、長距離を移動する方も利用者ですので、そうした全体のネットワークの中でどういう方法がいいのか、それぞれが自分の管理をしているところだけを考えるのではなくて、連携をして全体最適を求めるような仕組みをつくっていくべきでないかなというふうに私も思っていますので、参考にさせていただきたいと思います。
 高度化の中で、もう一つお伺いしたいのは、インターチェンジ間の間隔なんですね。これもなかなか、日本の間隔というのは広いんじゃないかなというふうに、長過ぎるんじゃないかなと思うんですけれども、朝倉先生と小林先生、どのようなお考えか、少しお聞かせいただけますでしょうか。
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朝倉康夫#19
○朝倉参考人 ありがとうございます。
 高速道路のようにアクセスコントロールされた道路ではインターチェンジがどうしても必要なんですけれども、それを多く設けるというのが必ずしもいいかというと、これは分流部とか合流部がネットワーク上にできてしまいますので、必ずしも安全で円滑な道路交通には貢献しない場合もあります。
 かといって、出入りを確保するということは重要なので、一つの考え方は、既存のサービスエリアあるいはパーキングエリア、そういうところを上手に使って高速道路に出入りできる、いわゆるスマートインターチェンジですね、そういったものを運用していくということが重要なのかなというふうに思います。
 また、インターチェンジの中には出入口の方向が限定されたものもございまして、そうすると、そういった場所の改良が有効になるということもありますし、それから、高速道路と高速道路を上手につなぐ、これはいわゆる都市高速道路でいうと渡り線と呼ばれているものですけれども、こういったものを上手に入れていくことによって、その機能を最大限に発揮するということだと思います。
 ただし、こういったことをやりますと、当然、交通流に非常に様々な影響が出てきますので、それがどういうふうに影響が出て、特に安全と円滑にどういう波及がするかということを十分に分析した上で導入していくことが重要であるというふうに考えます。
 ありがとうございます。
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小林潔司#20
○小林参考人 今、朝倉参考人が述べられましたように、例えばスマートインターチェンジなんという新しい方向性が出てきて、これを推し進めていく必要があろうかと思います。
 やはり、ネットワーク全体としてシームレスな交通流を維持するようなインターチェンジ設計というのは当然必要ですが、先般のあの大雪のときに高速道路上で非常に車が滞留してしまった、そういう場合、防災用のためのインターチェンジ、そういう新しい仕組みというのもこれから考えていく必要があるのではないかな、そういうふうに思っております。
 以上です。
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中村裕之#21
○中村(裕)委員 防災用のインターチェンジというのは、やはりあの立ち往生の状況を見ると、必要になるのかなというふうに思います。非常にいい御助言だというふうに思っています。
 もう時間も大分迫ってまいりましたが、法案と直接というより、私の考えを少し述べますけれども、やはり分散型国土を形成していく必要があると思うんですね。大規模な災害のリスクを減らしていくということもありますし、分散型国土を形成していく。
 私、結構田舎の方に住んでいるものですから、それで、田舎に住んでいて、仕事がない、子供の学力の格差が心配だ、こういったことはリモートで大体不安が解消されますけれども、リモートにできないのは出産と救急医療なんです。これをカバーする、不安を解消していく上では、やはり高速道路の整備というのは非常に有効なわけです。
 もちろん物流もそうですけれども、リモートにできない分野をカバーする意味で高速道路は非常に重要なんですが、費用便益分析ですね、費用便益分析の中で、社会的割引率というのが、こんなに金利が安いのに、まだ相変わらず四%になっているんですよ。これというのは、国が投資機会を失っているのではないかというふうに私は思っているわけです。
 この点について、石田先生からコメントいただいて、皆さんに聞きたいんですけれども、時間の関係で、石田先生からコメントいただきたいと思います。
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石田東生#22
○石田参考人 議員おっしゃるとおりだと考えておりまして、四%というのはいかにも高いというふうに思ってございます。
 これは、将来に対しての投資を妨げているという面が非常に大きいかなというふうに思います。高速道路だけではなくて、地球温暖化問題も全くこのことが言えるかと思います。
 ただ、現下の金融状況等を考えますと、この低金利状況がいつまでも続くということを考えていいほど楽観できないとも思っておりまして、その辺も英知を集めて議論していくということが大事だと思います。
 ありがとうございました。
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中村裕之#23
○中村(裕)委員 ありがとうございます。
 国土交通省の方にこの社会的割引率の話をしましたら、そんな要望は地方から上がってきていないというんですよね。それは、みんな、BバイCが一いかないからといって国に上げないから、届かないんですよ。ところが、地方にはBバイCが足りないんだという悩みがいっぱいあるわけです。
 この投資機会を逃さないために、十年国債の金利と連動するような、そんな社会的割引率にしていくべきだと私は思っていまして、これからも後押しをお願いして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございます。
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木原稔#24
○木原委員長 次に、末次精一君。
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末次精一#25
○末次委員 おはようございます。立憲民主党の末次精一でございます。どうぞ今日はよろしくお願いいたします。
 私は、まず、道路政策の基本、あるべき姿という原点に立ち返って質問をさせていただきたいと思います。これについては既に参考人の方から御指摘もいただきましたけれども、まず、特措法二十三条を踏まえて質問をさせていただきたいと思います。
 まず、皆様にお伺いしたいと思います。
 大規模更新等を想定した計画策定の必要性について質問させていただきます。
 構造物の劣化予想を正確に見通すということは困難であり、置かれている状況や使用形態等で耐用年数が変わることは理解しております。これは先ほど小林参考人の方からも、インフラの劣化の予測というのは難しいという御指摘があったとおりでございますけれども、その一方で、構造は劣化するということは当然でありまして、更新や大規模な修繕が必要となるということは想定される。
 一つの目安といたしまして、税法上適用される耐用年数などを参考に、更新や大規模修繕が必要となることを前提とした計画を立てておくことは可能である、策定は必然であったと思います。これは先ほど、これも小林参考人の方から、ある程度の確率をもって予測されるというふうな御指摘もあったとおりでございます。
 先月二十九日の本委員会におきまして、大臣から、民営化当時において、将来の更新の必要性は認識していたという発言もありましたけれども、更新等を見込んだ計画を策定していくことが必要なのではないか。これまで更新等を見込んだ計画が策定されてこなかったことにつきまして、参考人の皆さんの御意見を伺いたいと思います。
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石田東生#26
○石田参考人 なかったというふうには私は考えておりませんけれども、弱かったということは言えるかと思います。そのことが明確になりましたのがやはり笹子トンネル事故でございまして、それから今の整備、点検システムが法定化されて、ようやっと、おぼろげながら実態が分かってきた。二回点検を繰り返した段階では、かつてない、かつての予測、予想を上回るような重大な問題であるということがデータとして示されたという、そういう段階であろうかと思います。
 これを更に科学的に正確な予測にするということは、残念ながら、まだしばらく時間がかかるのかなというふうに考えております。
 ありがとうございました。
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朝倉康夫#27
○朝倉参考人 ありがとうございます。
 建設当初から、日々のモニタリングや、あるいは日々の点検、こういったものをきちっとやれば、相当に長い間、その道路はもつだろうというのが当初の想定で、そのお金は当然計画に入っていたかと思うんですけれども、私の意見の中でも申し上げましたように、当初では見込めなかったように、非常に大量でかつ重量が重いような交通が道路を利用するということも一つの理由となって、非常に道路のダメージが大きくなり、それがようやく点検によって明らかになってきたのが、ここ十年ぐらいのオーダーでそれが明らかになってきた。
 したがって、今後は、点検によって明らかになったことを計画の中に反映して、それを進めていくということが極めて適切であるというふうに考えますし、そういった意味で、点検をきちっとやって、それを将来の安全な道路に反映していくということが大切なのではなかろうかというふうに思う次第です。
 ありがとうございます。
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小林潔司#28
○小林参考人 道路公団の民営化が行われたのが二〇〇五年、その当時のことを振り返りますと、先ほどクリントン政権で一九九〇年代に一斉に大きな更新がなされたと言いましたが、ちょうどこの民営化の頃にアメリカでミネソタの橋が落橋いたしました。その頃から慌てて、世界的に、やはり計画的な修繕の在り方、そういうことの必要性が認識されました。
 先ほど申しましたように、二〇一七年に国際標準であるISO/TC251ができた、それが私は計画的アセットマネジメントの元年だ、こういうふうに思っております。その後、すぐコロナに入ってしまったんですが、これから計画的な維持補修といいますか、それに向かって努力をする、そういう絶好のタイミングだったのではないか、そういうふうに思っております。
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上岡直見#29
○上岡参考人 私も担当者の方々におかれては全く考えていなかったということではないとは思うんですけれども、明治時代の鉄道建設で建主改従という言葉がございましたけれども、やはり全体の流れとしてそういう背景があったということで、改が従になってしまったという傾向はあったかと思います。
 あともう一つは、やはり高速道路とか、先ほども申し上げましたが、一般道路とか、そういういわば縦割りの中で、なかなかトータルな見方ができてこなかったのではないかということであります。
 国交省で道路構造物点検データベースというのを公開しておりますけれども、それを見ますと、一般道路でも、もう至るところ、地図が真っ赤に埋まってしまうくらい構造物の危険性があるわけで、もし一般道路で一か所でも例えば橋が落ちたというようなことになると、もうそもそも高速道路まで出られない、そういうことであります。ただ、財源が、幾ら財源を調達するにしても、財源が無制限にあればいいですけれども、そうではないので、有限でありますから、道路全体のネットワークとして考えて、どういうふうに保全、修繕、更新の予算を配分したらトータルで国民のモビリティーが最大限保障されるかという観点での検討というのが必要ではないかと思います。
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