朝倉康夫の発言 (国土交通委員会)

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○朝倉参考人 皆様、おはようございます。東京工業大学、神戸大学の朝倉でございます。
 私は、国土幹線道路部会の部会長を仰せつかっておりますので、その立場で発言したいと思います。
 発言するポイントは次の三点でございます。まず一点目は、高速道路の費用負担に関する基本的な考え方でございます。二点目は、今回の法案について私が評価している点でございます。三点目は、これは、今後の制度運用であったり、あるいは検討課題について考えていることでございます。
 さて、まず第一点目の、高速道路の費用負担の基本的な考え方について意見を申し上げます。
 まず、言うまでもないことでありますが、また、これは法案の説明の中にも触れられていると思いますけれども、安全で円滑な高速道路サービスを提供する、そのためには、日常的な維持管理と修繕、それから更新、それから進化と改良、これらを確実に実施するということが重要であるということであります。
 我が国の高速道路は、一九六〇年代に供用開始されてから現在に至るまで、人々の生活や産業活動にとって欠くことのできない社会基盤として機能してまいりました。建設当初は、日常的な日々の維持管理と修繕を実施すれば、相当の長い間、良好な道路として機能するというふうに想定されていたものと思っております。
 しかしながら、高速道路は、高度成長期に短期間に建設せざるを得なかったこと、それから、供用当初は想定しなかったような、大量で、かつ非常に重量の重いような交通が増加いたしまして、道路構造の劣化が日常的な修繕の繰り返しではもう何ともならぬというレベルまで進んでしまったため、大規模に道路を造り替える、いわゆる更新事業が始まったところであります。更新事業には新たに道路を建設するのと同程度の費用がかかりますし、関連の交通に大きな影響を与えないような慎重な工事が求められているところであります。
 また、我が国では、高速道路サービスを受けられるエリアをできるだけ拡大するということで、そういう目的でネットワークを整備しましたので、二車線で整備せざるを得ないようなそういう区間、いわゆる暫定二車が発生してしまったわけでございます。安全で円滑な道路交通を実現するためには、暫定二車線の四車化というのは必須であり、これらを含めた道路の進化と改良が求められているというふうに感じます。
 このように、高速道路交通システムを機能させていくためには、日常的な維持管理と修繕、それから更新、そして進化と改良が必要であることは明らかですけれども、それには相当の費用が必要で、それを一体誰が負担するのかということを議論していく必要がございます。もちろん、一般国民が税で負担するという考え方もないわけではないと思いますけれども、私は、最大の受益者である高速道路利用者が料金を支払うことで負担するというその考え方が自然であり、適切だというふうに感じております。
 ただし、この利用者負担というのは原則であって、料金が利用交通に与える影響も考慮して、地域政策的な観点からも検討する必要があるというふうに考えております。
 もう少し具体的に申し上げますと、交通需要の密度が相対的に低く、高速道路の利用が十分に見込めないような地域では、料金を徴収する代わりに、税負担を活用すること等によって高速道路の利用を促し、地域の活性化を図るということ、そういったことを検討していくこともあってもよいと思います。
 続きまして、大きく二点目の、今回の法律案を評価する点について述べたいと思います。
 まず、先ほど述べたことでもありますけれども、更新や進化のための財源確保について、利用者負担を基本とするという方針については賛成でございます。これは、現行の高速道路サービスが料金を支払うことによって成り立っていることから、料金によって更新や進化の財源とするということは自然かつ適切というふうに考えております。
 その料金負担なんですけれども、現行の料金額に更新や進化の分を上乗せするということを、これを利用者に理解していただくということはなかなか難しいのではないかというふうに感じております。そうすると、料金徴収期間を延長して更新や進化、改良のための財源を確保するという、そういう案が出てくるだろうと考えます。
 ただ、この財源というのは、見方を変えると債務ということにもなりますので、その返済期間を必要以上に長くするということは望ましくないというふうに考えております。また、料金を安くしますと、その償還期間、返済期間が長くなりますが、そのことは債務返済に関する不確実性を高めることになりかねません。
 したがいまして、現行の料金水準と債務返済期間などを参照すると、この期間を五十年以内というふうにすることについては適切であろうというふうに考えます。提案されているこの法律案では、債務返済期間の中で債務を確実に返済することを確認する仕組み、これも提示されておりまして、そういった意味で適切なのではないかというふうに思ってございます。
 評価するもう一つの点は、見通しが明らかになった事業を定期的に計画に追加できるという、そういう仕組みです。
 道路のような社会基盤システムの整備と維持管理の事業というのは長期間にわたりますので、様々な不確実性を考慮する必要がございます。例えば、交通需要の将来見通し、あるいは金利の想定等でございます。
 この不確実性を下げる一つの方法は、計画を一定の頻度で見直すということでございます。道路建設の詳細な点検の頻度がおおむね五年に一回程度ということを考えますと、更新や進化が必要となる事業をおおむね十年程度で計画に追加できるという、そういう仕組みが用意されているということは重要であるというふうに感じております。
 最後に、大きく三点目ですけれども、今後の制度運用や検討課題について述べたいと思います。
 現時点では、ここに提案されている法案が最善であるというふうに感じますけれども、残された課題もあります。例えば、将来の維持管理費の負担の在り方をどうするかということであります。
 基本は利用者負担であるというふうに考えますけれども、料金が利用交通に与える影響を考慮する必要があります。例えば、料金は、高速道路の整備と維持管理に必要な費用を償還するために必要であるということと同時に、社会的に適切な料金という、そういう考え方もあります。例えば、過度に混雑して社会的な損失が大きいようなケースにおいては、適切な料金を課金して混雑を緩和するということが考えられますし、逆に需要が薄いようなケースについては、料金を調整して高速道路の利用を促進するということが必要であるというふうに思います。
 これらを含めまして、対象となるネットワークあるいは料金水準についても、今後継続的に議論していく必要があるというふうに思ってございます。
 今後の制度運用については、社会的影響を最小化するように、更新事業を確実に実施するということが望まれます。
 更新事業は、今実際に使われている道路区間の一部を取り替えるということになりますので、場合によっては、今、NEXCOの中国道であったり、あるいは阪神高速道路のように、一定期間の完全通行止めということを伴う工事が実施されております。また、完全に止めない場合でも、複雑な車線運用や夜間の通行止めが実施される場合もあります。
 このように、更新工事を実施する際には、高速道路利用者だけではなく、一般道にも非常に大きな影響が及びますので、その影響をできるだけ小さくするように、事前の検討を十分に行うと同時に、更新工事の期間中は道路交通のモニタリング、それから利用者への情報提供、これらを十分に行って、不必要な混乱を避けるということに努めていく必要があるというふうに思います。
 最後に、高速道路に求められる機能が高度化する中、継続的な進化が求められています。例えば、レベル4以上の高度な自動運転を可能とするためには、車両の開発だけではなくて、道路と車両が協調したような自動運転システムが機能することが考えられますけれども、そのための道路の進化ということが必要なんじゃないかというふうに思う次第でございます。
 以上でございます。ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 朝倉康夫

speaker_id: 23423

日付: 2023-04-04

院: 衆議院

会議名: 国土交通委員会