前原誠司の発言 (財務金融委員会)
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○前原委員 国民民主党・無所属クラブの前原誠司です。
私は、会派を代表して、我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法案に対し、反対の立場から討論を行います。
我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、我が会派としても、自分の国は自分で守るため、防衛力を抜本的に強化し、防衛費を増額することは必要であると認識をしています。
しかし、防衛費を確保するための財源についての政府の説明は全く不十分であり、財源を確保するためとして提出された本法案について、到底賛成はできません。
以下、反対の理由を申し述べます。
まず、本法案で確保する税外収入一兆四千七百五十億円のうち、大宗を占めるのが外為特会の令和五年度剰余金を前倒しで繰り入れる一兆二千四億円であり、これは本法案による措置がなかったとしても、来年度の予算審議を経て一般財源に繰り入れることが可能であり、今国会で議論する必要は全くありません。
他方で、政府は、防衛力の抜本的な強化を行うための財源の一部として、税制措置を段階的に実施し、令和九年度には法人税、所得税及びたばこ税で一兆円強を確保する旨を閣議決定しています。しかし、本法案において、税制措置に関する事項への言及は一切ありません。なぜ税制措置は閣議決定であり、外為特会の今年度剰余金繰入れについては法案が必要なのか。鈴木大臣は、政治判断と繰り返すばかりで、何ら説得的な答弁はなされませんでした。
また、政府は、決算剰余金のうち、毎年〇・七兆円を防衛財源に充てるとしていますが、この決算剰余金の活用についても本法案には規定がありません。しかも、〇・七兆円は過大な見積りであり、現実的な額ではありません。従来補正予算の財源の一部として活用されてきた決算剰余金を防衛費に使えば、その分だけ補正予算編成時の国債発行が増加することとなり、防衛費の財源に赤字国債は充てないとする政府の説明には矛盾が生じます。特に、新型コロナの感染拡大以降、主に赤字国債を財源として巨額の予備費が計上されてきた中で、余った予備費が決算剰余金に回り、それを防衛費の増額に流用するということになれば、もはや、それはある種のマネーロンダリングにほかなりません。
さらに、政府は、歳出改革を毎年二千億円ずつ積み重ね、令和九年度には一兆円の財源を確保するとしていますが、その具体的内容は全く明らかではありません。この歳出改革を担保する規定も本法案にはありません。そして、令和十年度以降の防衛力強化資金の財源もこれから探すとのこと。あきれるばかりです。防衛力強化の財源確保は砂上の楼閣だと言わざるを得ません。
このように、本法案は、防衛力の抜本的な強化のために必要な財源を確保するための法律と称しているにもかかわらず、その内容は極めて不完全なものと言わざるを得ません。政府は、防衛費を賄うための財源として、税外収入、歳出改革、決算剰余金、税制措置の四つを示している以上、それら全てを明確に具体化した法案を予算関連法案として再提出し、来年の通常国会で十分な時間をかけて審議すべきだということを申し上げ、本法案に対する反対討論といたします。(拍手)