長沢秀光の発言 (内閣委員会)
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○長沢参考人 おはようございます。大阪の枚方市の副市長の長沢でございます。
本日は、お招きいただきまして誠にありがとうございます。
まず、資料がお手元の方にあるかと思いますので、基本、これに沿って御説明をさせていただきたいと思っております。
まず、一ページ目でございます。これは枚方市の概要を掲載させていただいております。
基本、四十万都市という形の中で、小学校が四十四校、中学校が十九校あります。まさしく高齢化社会を迎える中で、高齢化の人口もかなり多い、また、小中学校の子供さんらもたくさんいる、こういった中で枚方の行政が進んできている、こういった状況でございます。
一つちょっとPRさせてもらいますと、東海道五十三次がよく言われておりますけれども、本来、五十七次ございまして、枚方市はそのうち五十六番目の宿場町としてこれまで発展してきた。今はベッドタウンとしても発展している、こういった状況でございます。
二ページ目の方になりまして、本日、孤独、孤立という形の中で、昨年、プラットフォームを国の方で立ち上げをさせてもらいまして、枚方市におきましても、第二次の募集の中で手を挙げさせていただきまして、採択をしていただいた。特に、中学校卒業後、高校にも行かない、又は高校の中でも中退をされる、その後どこにも所属されない、こういった方をターゲットに、何か、議論、また、出口が見えないかなといった形をテーマで取り上げさせていただきました。
そういった中で、高等学校以降の子ども・若者の支援について語らう会、こういったものを、定時制の学校とか、こういったところとも連携をしながら、行政が真ん中に立って、いろいろな形での情報交換等々をさせていただいたというような状況でございます。
また、これは昨年度で一度終わりましたけれども、本市において、若者の計画を作っております。その中においても、今後とも、こういった語らう会を基にいろいろな世代について議論をしていきたい、こういったこともその計画の中にうたわさせてもらっている、こういった状況でございます。
また、その中におきましても、昨年度、取組を始めるに当たりまして、相談対応の職員のスキルアップ、これはSNSを活用しようといったところでございますが、その中でも、ヤングケアラー、この問題にも突き当たりました。枚方市におきましても、昨年度、一斉調査をさせてもらって、小学校、中学校をピックアップして調査をさせてもらい、そこにヤングケアラーさんのどのような形の実態が枚方市においてもあるのか、そういった方がどういった形で、自分の状況を認識していない、また、認識をしていながらも出口が見えない、こういったことを調査させてもらったということでございます。
そういった中で、本市の小中学校におきましては、一人一台のタブレットを活用させてもらっております。それを使って、試験的ではございますけれども、SNS相談をさせてもらって、かなりの案件として声が聞こえてくる、そういった中を実際一つ一つ対処しながら潰しにかかっているというような形でございます。
また、正直言いまして、当然、匿名のことですので、個々具体のところになかなか行き着かないところはありますけれども、その中には、やはり、命に関わる問題がありました。そういったときには、いろいろな御協力も得ながら、特定も一定させていただいた上で、何とか命を留めることもできた、こういったことが実例としてあります。
四ページ目になりますけれども、まず、孤独、孤立は、ここにありますように、先ほど来ありますように、全ての年代においていろいろな事象が起こってくる。生まれる前から、当然、最後、高齢期を迎えるまでの間、それぞれの時代、年代において孤独、孤立といった問題は出ている。これは法案の中でも指摘をされているところかというふうに思っております。まさしく全世代の対応をするのが行政の仕事である、このように考えております。
そういった中で、一つ事例を挙げさせてもらいますと、枚方市では、ハイリスクアプローチ、こういった形で、特に高齢者の方をターゲットに、例えば、過去一年間、医療レセプトなり介護データ、健診データのない方をKDBシステムから抽出をいたしまして、まず千人ほどピックアップをさせてもらいました。そのうちほぼ九百五十名ぐらいの方に対処することができ、結果としましては、ほとんどの方は当然元気な高齢者の方であったんですけれども、この中で、介護保険の新たな申請につながった方が二十名、家族や本人が地域包括の方に出向いていかれた方が十一名、それと病院受診につながった方が三名、千人の中でこういった数ではございますけれども、個々具体的な方策につながったことを我々行政としても自負しているところでございます。
スライドの五ページを御覧ください。
それと、先ほど来ありますように、個々、単一の問題については、これまで、枚方市を始め各地方自治体ではそれぞれの分野において具体的な施策を講じてきておりますが、今回、重層的支援、こういった言葉に表現されるように、問題は複合化している、重なり合っている。一つのことだけに着目して捉えても、行政的な解決は、仮に一つの面ではできたとしても、その方の人生まで救えることまではできていない。
こういったことに立ち戻って、我々としましては、重層的支援の体制を充実させることに着目をさせてもらって、昨年度、しっかりと会議体も立てさせていただいております。
そういった中で、市民の方が、まずどこに行ったらいいのか分からない、自分が重層的な支援を求めているのかそれすらも分からない、こういった方がおられるのが現実かというふうに思っております。
そういった中で、福祉部門ではございますけれども、複合的な相談をまずワンストップで受ける窓口として、枚方においては、健康福祉部の福祉事務所の中に健康福祉総合相談課を設けまして、何かお困りのことがあれば一度こちらの方に来ていただいて、まず相談をさせていただく、そこから我々の方でいろいろなトリアージをさせてもらう。こういったシステムを使いながら、庁内の重層的な機関との連携もさせていただいている。こういったことで今現在取り組んでおるところでございます。
六ページのスライドのところには、重層的支援体制の整備、これを支援のフローといった形で書かせていただいております。
次に、今回、枚方市の方で特に説明をさせていただきたいのが、七ページにあります、生活保護受給者等就労支援事業、それと生活困窮者就労準備支援事業についてでございます。
これまで当然それぞれの根拠法令に基づいて各事業は実施してきたわけなんですけれども、今回、八ページにもありますように、成果連動型の民間委託契約方式、いわゆるPFS、これをこの事業に充てることができないかといった形で取組を今現在進めているところでございます。
このPFSにつきましては、御承知のとおり内閣府の方の主導でさせていただきまして、枚方市におきましては、まずは介護予防の件で一旦導入をさせていただいております。その成果について、我々行政の中ではなかなか取組又は発想がなかった点を、民間の方の柔らかい発想の中で、介護予防につながることを今もやっていただいているといったことも御紹介させていただいております。
本来、生活保護なり生活困窮者の方を次のステップにつなげていくのに、本当にこういう民間の知恵という形を使って逆にいいものかどうか、こういったことに正直悩んでおりました。しかし、我々のやっている行政だけのことであれば、やはりなかなか道を開くことができないというのが現実であります。そういった中で、これはある意味試行的かもしれませんけれども、PFSを使いながら民間の力をおかりするといったことを、今回取組をさせていただいております。
九ページの方にありますように、当然、社会参加できていない方が社会参加、就労という側面から自立までつながっていくには、いろいろなステップがある。左側の青いところが準備支援というところで、就労とまでは行かないけれども、まずはそういった生活状況を改善していく、また社会参加につながっていく。ここの中には引きこもりの方もおられるかというふうに思っております。そこから生活保護の方も含めて実際には就労までつなげることができるかといったところを、二つの事業を分けた形、また連携した形で取組をしようという形にしております。
一つ特徴的なことを言いますと、就労準備支援、この中には引きこもりと言われる方もたくさん入っておられます。これは現在まだできてはおりませんけれども、今年度、また来年度中に、いわゆるメタバース、仮想空間を用いながら、なかなか外には出歩くことができないけれども、まずそのメタバースの中で、自分をそこに存在として位置づけて、そこでまず模擬的な社会的な経験を培ってもらう、こういったところも一つのやり方ではないか。今の時代ですので、何も無理やり世間に出ていただくことが全てではなくて、いろいろな形での体験ができるのではないか、こういったことも今現在考えているところでございます。
まず、そこになぜPFSを、少し今お話もさせていただきましたけれども、もう少しだけ御説明をさせていただきます。
長年引きこもりの状態にあられる方、また社会参加ができていない方が日常生活を送れるようになる、こういったことになるには数年単位かかってくるというふうに考えております。当然、そういった数年単位の支援があって、歩みはすごく緩やかなものになるかというふうに思っております。
これまでの事業、これはいろいろな形に委託もしておりましたけれども、当然、事業を進める中で、現地に向かいますと、相手方からの拒絶なり、行政の支援は要らないよとか、こういった無視といったこともある中で、その中でもやはり我々としたら、何とか社会的な関係性があるのがいいんだろう、こういう前提に立って、こういったことをさせていただいていた。
ただ、このPFSでないと、当然委託料というものは決まっております。その中で、先ほど言いましたように、単年で事が済むようなものではないので、これを単年事業での委託事業にしてしまうと、事業者さんとしてもなかなか前に進むことができない。
やはりこれは、複数年で歩みは少ないけれども、そこの歩みの少ないところをいかに評価できるか、このシステムをつくることによって、そこに携わる方のいわゆる社会的な資源、こういったことも充実していくのではないか、このようなことを考えたもので、取組を進めさせていただいてと思っております。
当然、PFSですので、成果指標というものを作らなければなりません。ただ、この成果指標が、先ほど来言っておりますように、これは正直難しいところでございます。何か形に見えるものがなかなか見えてこない、見えないものを見ることの本当のしんどさ、ここをいかに成果指標としてしていくか、ここが一番重要な点である。このように考えており、あした、我々の方では、家族会というものが、引きこもりの方の家族会という組織もあります。こういった方の、当事者の御意見も実際に聞きながら、どういったことが成果指標としてなじむのか、正しいものなのか、こういったことを作ろう、このようにしているところでございます。
スライドの十二番のところでございます。
ここは最後になるわけなんですけれども、先ほど来、各参考人の方からありましたように、核家族化の進行なり単身世帯の増加、人との関わりが薄くなっている、こういった中で、自分では声が出せない方を把握することが本当は困難な状態になっているのかというふうに思っております。
当然、民生委員さんや民間のNPOさんを始め、いろいろな支援機関からの御支援、御指導も頂戴するところでございます。国におかれましても、昨年、一斉調査をされました。その中で大きな傾向は見ることは十分できたわけなんですけれども、やはり行政の立場でいきますと、もちろんそういう大きな流れというものは十分理解する必要はあるかと思いますけれども、行政の人間としては、目の前におられる市民の方にどのような形を提供することができるのか、また一緒に考えることができるのか、ここにつなげられなければ、正直言って、幾ら調査をしても現実の解決にはつながっていけないのかな、このような思いで、ある意味じくじたる思いを持っているのが正直なところでございます。
枚方は中核市ですので、それなりの大きな都市になっております。そういった中で、ばあっと大きな網をかけるのは簡単かもしれないですけれども、いかに小さな目をいろいろな分野においてかけられていくのか、ここが一番難しいことかと思っております。法案の中でも、一人一人、それぞれに応じた形というところの表記もあります。まさしくそれが一番難しいところでございます。
やはり、それぞれの個人では、自分の孤独が孤独ではないというふうに思われている方もおりますし、ほっといてくださいというような方もおられます。孤独に気づいていない方もおられる。そういった方をどうしていくのか。
また、複合的な、重層的な事象を抱えて、いろいろな行政的なことに相談をかけられている方もおられます。ある意味この方は、逆に、心の中は別としまして、孤立していないのではないか、もう既に行政の手が届いているではないか、こういった考え方もできるのかなというふうに思っております。
我々としまして、今日、参考人として、いろいろまた改めて勉強もさせていただく中で、孤独、孤立って結局何だろうかというふうに自問自答するところでございます。先ほど来ありますように、孤独、孤立、社会的関係をつなぐことが本当に本当にいいのか、それを今は拒絶されている方が現実にいてるのではないか、それを無理やり、それが大前提なんですよといった形で行政が入っていって本当にいいものかどうか、そういったこともいろいろ悩み苦しむ、正直なところでございます。
これが、地方自治体、全国にありますけれども、現場を知っている、市民としてのいろいろな複合的な課題を抱えている方に実際に対処している自治体職員としての一番の課題ではないかというふうに思っております。
福祉の関係で、市民にとったら、オールマイティーの職員にたまたま当たったらすごくいいことなんですね。でも、その人を育成することの本当に難しさ、人件費を何とか少なくしようとか、いろいろなジョブローテーションをしていかなければならないよねとか、こういった制約の中で、専門職の育成というものはすごく大事なところになってくるかと思います。
これが本当に地方自治体だけでできるものなのか。例えば、都道府県レベルの中で育成をしていただいて、それを各自治体の方に派遣をしていただくとか、そういった広域的な問題にもなるのかというふうに思っておりますし、また、国におかれましても、そういった面での、人的な育成をするための研修の機関なり財政的な支援につきましても、今後、この法案を作られるに当たりましては、そのようなことにつきましても是非頭に入れていただきますことを願って、私の説明とさせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)