大空幸星の発言 (内閣委員会)

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○大空参考人 まず、意義についてですけれども、我々が二〇二〇年の秋から冬にかけて、孤独対策というものをつくるべきだというふうに提言をさせていただいたときに、どういう温度感だったかというと、二〇二〇年の十二月四日、午前中の官房長官の定例会見で、当時の加藤官房長官が、孤独対策という言葉を使われたんです。その前日に我々は官房長官に提言を出させていただいたわけですけれども、官房長官がオフィシャルな場で孤独という言葉に言及したぞと、それだけでも非常に驚いたわけです。
 まさにそれぐらいの温度感だった中で、個人の問題というふうにされて、まだその風潮はありますけれども、完全にそうされていた中で、孤独・孤立対策というふうに、対策という言葉も入っている法案ができるということは、そのときから考えますと、本当に物すごくある種飛躍をしているような、違う次元の議論をしているような、そういう感覚を主観的に持っているわけです。それほど孤独というのは個人の問題であるという考え方が根強い。
 今でも、孤独というのは愛するものだとか、孤独が人を強くするといったような、これは皆さん、本屋さんとかに行かれると、そういうのが表紙に書いてある、帯に書いてあるのがいっぱい見つかります。これは余り科学的な根拠がないわけですね。
 今回、法律ができるということは、ある種、孤独や孤立というものがどういうものなのかということを定義をするに等しいんだと思うんです。
 我々は孤独・孤立対策の官民連携プラットフォームの幹事会をやっておりますけれども、孤独、孤立状態にある方に手を差し伸べている支援団体も、孤独や孤立の違いを分かっているかというと、余りそれは分からずにやっているところも多いんだと思うんですね。例えば、孤独死と孤立死はどう違うのかといったときに、これはなかなかぱっと答えられるところは少ないんです。やはり、孤独は主観的であり、孤立は客観的であると。
 孤立をしていないんだけれども、すなわち周りには人がいっぱいいるように見えても、実は孤独を感じているんだ、特に子供たちはそれに当てはまると思いますけれども、そうしたところが曖昧なままで支援が展開をされてきたんです。ですから、孤立はしていないんだけれども孤独であるとかといった人に対して、なかなか日が当たらない。
 これを考えていくと、まず法律を作って、我々支援者、そして行政も、孤独・孤立対策というのはどういうものなのか、孤独と孤立はどう違うのかというのを理解した上で支援を展開できる、こういうメリットはあると思います。
 また同時に、実質的には孤独・孤立対策に資する活動をやっているんだけれども、我々は孤独・孤立対策をやっていますというふうに言っている団体は少ないんですね。既存の、生活困窮であるとか虐待であるとか一人親家庭支援、こういうような文脈の中でやっている団体さんがほとんどで、無理やり今、孤独・孤立対策の枠をつくって、そこに当てはめている感じですよね。
 ですから、本質的な議論というのは、孤独・孤立対策というのはそもそもこういう政策目標があって、例えばアウトカムとして孤独感を減少させるとか、そういうことを置いた上で、今度は既存の支援団体の活動がどのようなアウトカムの達成に資するのかみたいなことを追っていくのが本来の筋だろうと思いますから、その第一段階として、法律ができているというのは非常に重要なことである。
 と同時に、その具体的な施策として、例えば、先ほども申し上げさせていただいたんですが、協議会ができます。協議会というのは地域のそれぞれの中で自治体が設置するものですからできるわけですけれども、もはや、それぞれの、一つの地域がその地域に住む人を支援するというような形ではなくて、我々のような非常に広域的な相談窓口みたいなところにも人がどんどん来る、相談がどんどん来る。いかに違う自治体とか若しくは広域圏で今度は連携をするかということが大切ですので、推進本部ができて、協議会がそれぞれの地方にできるときに、その協議会を束ねるのが推進本部だけということは、なかなか現実的に難しいんだろうと思うんです。
 一つ、中央協議会のようなもの、協議会を束ねるような組織があって、そしてそこが、我々のような恐らくそれぞれの協議会にも属せないような広域的な窓口と連携を担うような役割を果たしてもらうというような、それぞれの地域と広域の、このつなぎというのをやるということ。
 その根底にあるのは、何よりもスティグマ対策です。このスティグマは、教育とプロモーションと制度、三つで解決できると思います。教育の分野でいうと、SOSの出し方教育、これは名称についていろいろ議論がありますけれども、やっている。プロモーションについては、孤独というのは、ほかの問題と違ってあらゆる人が感じるものであるわけですから、これは全ての人の問題なんですというようなことを発信していく。そして、私も孤独なんですというふうに言えるような、そういう環境をつくっていくということ。そして、制度でいえば、まさに地域の中で緩やかに、いつでもつながれるような存在をつくる。
 要は、スティグマをなくすんじゃなくて、スティグマがある中でも相談できるような場所をつくっていくというような、そういう逆転の発想の考え方の支援というものも恐らく必要なのではないかなと思います。
 以上です。

発言情報

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発言者: 大空幸星

speaker_id: 27577

日付: 2023-04-26

院: 衆議院

会議名: 内閣委員会