寺田学の発言 (法務委員会)
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○寺田(学)委員 寺田です。
何度もこの場に立たせていただきました。本当にありがとうございます。
まず最初に、本日の採決が職権で行われること自体については、強く強く抗議したいと思います。
一方で、修正協議に関して、我々に歩み寄ろうとしてくれた与党の皆さん、維新の党の皆さん、そして、法務大臣始め、土日を返上して作業に当たってくれた入管、法務省の皆様、ここにいる方のみならず、本庁からこの審議を見ている皆さんにも心から感謝申し上げたいと思います。
修正合意には至りませんでした。今日、朝日新聞の社説では、この修正案は僅かな修正と評されておりましたけれども、それは不勉強極まりないとも思います。それでも、百歩譲って僅かな修正であったとしても、その僅かな修正によって、在留資格が与えられたり、将来、入管の裁量を逃れて助けられる人が生じ得るのは事実だと思っています。
私自身は、今後、今回の修正を我々が見送ったことによって、助けられた人が助からないことへの思いと、入管に過大な裁量を残してしまったことによって生まれ得る、無辜の人が迫害を受ける苦しみがあるとしたら、その責任もしっかり背負っていきたいというふうに思っています。
二年前にも、私自身は、この質疑の場に立って、入管法の審議に臨んでおりました。素直に申し上げて、振り返ってみれば、その姿に実に反省をしております。法案への知識も乏しいことはさることながら、何より、何かを改善しようという気持ちよりも、入管をたたき、戦うということを目的にしたことを私は反省をしています。話を伺う相手も、一方的なままでありました。
先日、我が党の部会で、この場にいるある方がこのような発言をしておりました。入管の体質には大きな大きな問題や課題がたくさん残っている、それでも、それを改善するためには、批判だけをしているのでは駄目なんだというような御意見でした。私はそのとおりと思います。
罵っても何も変わりません。戦うこと自体も目的ではありません。変えるべきところを着実に変えていくために、相手の話を聞き、その問題意識と、体質の根源的なところを素直に見詰めていくべきだと私は思います。
今回、従来のヒアリング先に加えて、私自身は徹底的に入管の事情を伺いました。その中にはおよそ納得できないような理屈もありましたが、やはり働く者、与えられた職責の中でもがき苦しむ姿も十分理解することはできました。家族にも入管施設で働いていることを言えない職員がいることも、大変ふびんに思いました。
確かに、組織には大変な問題があると思います。課題があることも事実だと思います。ただ、そこで働く方々を尊重せずして、対話は決して生まれませんし、理解は育めません。当然、改善も進まないと私は思います。
今回、質疑に当たって、仮放免中の日本で生まれた子供の数をお聞きしました。大変な作業が要るということで当初は断られたんですが、何度か話し合ううちに、一生懸命、お時間をください、やってみますということで、全国から原簿を一枚一枚調べて、その数字を調べて、二百一人という実態が浮かび上がりました。
このようなことを一つ一つ重ねて、今ある問題の実態をしっかりと把握して、審議をし、議論をし、そして改善すべきところを改善していくのが国会の役割だと私は思っています。私自身は、この仕事に関わる限りにおいて、日々必要な改善をしていくために入管の皆さんと向き合っていきたいと私は思っておりますので、是非そこは分かってほしいと思います。
参考人に来ていただいた滝澤先生が話していたことが大変私は印象に残っております。少し読ませていただきます。
UNHCR事務所と受入れ国の政府の関係というのは、基本的に緊張関係にあるんですね、UNHCRはやはり難民の人権を守る、それに対して政府の方は治安等も考えるということで、基本的には緊張関係にある。そのようなことをるるお話ししていただいた末尾に、今、日本では、入管庁と、それからUNHCR、プラス支援団体の間に信頼関係がありません、コミュニケーションが成り立っていないというふうに私は考えています、ですので、これが一番の問題です、お互い、何を言っても相手が聞いてくれないという不信感の中で、断絶があって、これを超えないことにはどのような法律を作ってもうまくいかないと思います。非常に御示唆に富んだお話だと思います。
ある入管のOBの方から言われた言葉も、私は非常に印象に残っておりますので御紹介したいと思います。
私が立憲民主党の人間ですので、私に対してお話しいただいたんですが、確かに国民の中には立憲民主党のお考えに近い方も一割から二割いらっしゃると思います、一方、自由民主党の保守系の方々のような考え方の人も一割か二割いらっしゃると思います、ただ、それ以外の残りの八割近くの国民がこの議論から取り残されていることだけは何とかしてほしいということでした。
外国人との共生を図る上で、国民の全体の理解というものは、どのような制度をつくろうとも、私は大事だと思っています。今回の法案の中で、犯罪者、犯罪を犯した方をどのように受け入れるのか、受け入れないのかという議論を、制度の中でありました。私自身も、審議に臨むに当たり、自分の秘書や自分の知人に、多くの方にどのように考えるか聞いてみたところ、本当に様々な意見がありました。
これから大きな大きな時代の転換点の中で外国籍の方々としっかりと共生していくためには、今まである感情というものをひとつ脇に置いて、しっかりと事実を見詰めて、国民総出で外国籍の方々との共生というものをどのように成し遂げていくのかを考える必要が私はあると思っています。
ここからが私が大臣に最後に伺うことです。
外国人に関する諸問題に関して、将来の日本社会の在り方をビジョンと併せてしっかり政治の世界の中で与野党で継続的に議論するということが私は必要だと思っておりますが、大臣の御所見を伺います。