山岡達丸の発言 (本会議)
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○山岡達丸君 立憲民主党の山岡達丸です。
立憲民主党・無所属を代表し、ただいま議題となりました脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律案、いわゆるGX推進法案につきまして質問をいたします。(拍手)
初めに、経済安全保障担当大臣としてGX推進法案にも関わる高市大臣におかれて、その政策の遂行の信用にも関わる問題が生じていることを踏まえ、放送法における政治的公平について、高市大臣に伺います。
平成二十七年五月十二日、参議院の総務委員会において、当時の高市総務大臣は、一つの番組のみでも政治的公平が確保されていない場合があるという旨を答弁されています。
高市大臣は、今回のいわゆる総務省文書の一部が捏造だと主張されていますが、この五月十二日の答弁は、七十八ページにわたる総務省文書の筋書どおりとなっているのは間違いないのではありませんか。この事実を踏まえれば、高市大臣こそが黒だと見るのが自然ではありませんか。そうではないというのであれば、なぜ高市大臣は、平成二十七年五月十二日の参議院総務委員会で、それまでと違う答弁をされたのでしょうか。その経緯を詳しくお答えください。
高市大臣が捏造されたものと主張する文書の一つに、平成二十七年二月十三日の高市大臣レク結果というものがあります。
この日に、高市大臣レク、つまり総務省の職員から高市大臣に対して政治的公平についての説明があったのかなかったのか、ここで明確にお答えをお願いします。もしレク自体がなかったというのであれば、高市大臣が個別のテレビ局の名称を挙げて、苦しくない答弁の形にするか、それとも民放相手に徹底抗戦するかと具体的に述べたとして記録されているこの文書を、総務官僚がなぜ作成できるとお考えでしょうか。お答えを願います。
この高市大臣の答弁によって、一つの番組の内容次第で政治的公平が確保されないとみなされ、電波を止めることがあり得るというメッセージが伝わることになったのではありませんか。民主党政権に比べ、安倍政権では、報道の自由度の国際ランキングが大幅に低下しました。この十年は、自民党政権による、報道の自由が失われた十年ではありませんか。
報道の自由に関わる重要な放送法の解釈について、補充だという言葉を使いながらも国会答弁を利用し、政府が主導する形でその意向を広げようという行為は、国会軽視、立法府への冒涜ではありませんか。そして、民主主義の根底を覆す行為であると思いますが、高市大臣にその御自覚はおありでしょうか。お答えください。
そして、つくづく気の毒だと思いますのは、高市大臣の当時の部下の職員の皆様です。極めて政治リスクの高い案件について、慎重に対応しようと関係各所に必死に調整され駆け回っていたであろう当時の部下の方々が、できる限り正確に事実を関係者と共有しようと作成された行政文書に対し、捏造だと言い放たれました。
当時の担当官僚は、うその行政文書を作り上げたということでしょうか。どのような動機があってそのようなことをするというのでしょうか。高市大臣は御自身の身を守りたいという思いがあったとしても、余りにも心ない発言ではありませんか。当時の部下の職員の皆様に対し、高市大臣からおわびの言葉はありませんか。この答弁の機会に、是非考えを述べられていただきたいと思います。
GXという国家の将来を懸けた政策を成功させるためには、関係大臣と多くの官僚の皆様との強い信頼関係に基づいて推進をすることが不可欠です。高市大臣の一連の問題は、その信頼関係に大きなひびを入れるものではないかということを強く申し上げます。
これより先は、西村経済産業大臣に伺います。
気候変動への危機に対する意識は、国境を越えて広がり、人間社会全体の在り方を問う大きな議論に発展しています。特に、気候変動の主な原因とされる二酸化炭素の排出、その中心となる産業の在り方について大きな変革を求められる時代となりました。新たな時代に対応するべく、政府から今回の法案が提出されましたが、政策の推進に当たっては、産業の成長はもちろんのこと、そこに携わる人に対して十分な目配りをしながら遂行していくべきものと考えます。
この法律の条文には、目的、基本理念、戦略の策定が掲げられていますが、これらの項目に、労働者の雇用や地域の経済を含めた公正な移行という言葉は盛り込まれませんでした。
昨年の政府のGX実行会議において、その構成員からは、再三にわたり、失業なき労働移動を念頭に、公正な移行という考え方を具体的に盛り込むようにするべき意見が述べられ、最終盤でようやく、GX実現に向けた基本方針に盛り込まれたという経緯があります。
しかし、そうした経緯があっても、今回具体化された法律案には、結局、公正な移行という言葉は含まれませんでした。これは、岸田政権が、働く者、労働者の立場を軽視しているということの表れではありませんか。西村経済産業大臣は、この指摘についてどのようにお考えになりますか。産業構造が大きく変化するのだとしたら、失業なき労働移動について政府は真剣に向き合うことが極めて重要だと考えますが、大臣の見解を伺います。
将来の脱炭素への取組を進めた結果、現在の日本の産業競争力を失うようなことも避けなければなりません。
特に、昨今のエネルギー価格の高騰はゆゆしき事態です。おととし、冬季の電力スポット市場が一時的に大高騰したこと、昨年には、東北の地震を機に電力供給の予備率が一時的にマイナスになるなど、ここ数年、電力安定供給の課題は顕在化しているところでもあります。
エネルギーを取り巻く環境の変化は、国民生活にも直接の影響を与え、また、産業の競争力にも影響します。いわゆるカーボンニュートラルの実現に向けては、SプラススリーEを原則にしながら、競争力の確保と雇用への影響を最小限にとどめる努力が必要だと考えます。大臣の見解を伺います。
GXの政策の推進に当たり、負担の在り方について伺います。
脱炭素社会への移行に当たっては、設備投資や制度設計を含めて多大なコストがかかります。世界各国の政府の姿勢を見れば、これらのコストの負担は、特定産業のみに課すのではなく、その益を享受する国民全体で広く負担すべきものとの考えに基づいて進めることが主流となっています。
こうした流れに対し、今回の法案に基づく制度設計では、一部の産業に負担が偏るのではないかという懸念も寄せられているところです。脱炭素への移行のためのコストが特定の産業等にかかることがあるとすれば、適正な価格転嫁も含めた環境を整備し、負担の公平性、透明性が確保されることが重要だと考えますが、大臣の見解を伺います。
各国の脱炭素をどのように評価していくのか、国際的なルール作りにきちんと日本がコミットすることも重要です。
現在は各国がそれぞれの基準で脱炭素を進めていますが、特に金融関係者が投資対象と見るかどうかという点において、国際的な基準が大きく影響するものと考えます。政府はこのルール作りにどのような考えで臨むか、大臣の考えを伺います。
京都議定書を始めとするこれまでの環境負荷軽減に向けた議論では、先進国と発展途上国の間に大きな対立を生んだという歴史もあります。特に、これから大きな市場として期待が集まるアジアの諸国において現実的な脱炭素への取組がどのように進むのか、これは十分に見極めていかなければなりません。
そして、アジアを始めとする諸外国に対する脱炭素化への支援については、日本の優れた環境対策技術によって、その存在感を大きく示すことができるということも見込めます。日本から、諸外国の脱炭素への取組に対する支援は、それを数値化し、国際社会において適切に発信をするとともに、脱炭素の国際貢献として正当に評価されるルールを求めていく必要があると考えますが、大臣の見解を伺います。
先月二十八日、国内大手八社が出資する、次世代半導体の開発、生産を目指すラピダスが初の工場を建設するに当たり、その場所として北海道千歳市を選んだということが発表されました。
ラピダスの小池社長は、北海道を選定した理由について、水、電力等のインフラに加えて、自然環境との調和においても半導体の生産に最適だとして、半導体生産に欠かせない豊富な水が得られるほか、太陽光や風力など再生可能エネルギーの確保が見込めることなどに大きな期待を寄せていることが報じられています。
世界的なカーボンニュートラルの潮流の中で、こうした理由が企業における立地の選定につながったという話は、地方都市にとって非常に勇気づけられるものであると考えます。大臣に伺いますが、再生可能エネルギーが豊かな北海道について、GXの政策の推進の視点からどのような期待を寄せますか。
そして、地方都市には、豊かな自然のみならず、多くの人材もいます。ラピダスの事例でいえば、近隣には北海道大学、室蘭工業大学、苫小牧工業高等専門学校など、いわゆる理系人材を輩出する環境が整う中で、地元の機関との連携も非常に重要であり、政府として大きな関わりを持って推進するべきと考えますが、大臣の見解を伺います。
昨年は、政府の大きな支援に基づいて、最先端の半導体製造技術を持つ台湾のメーカー、TSMCが熊本の進出を決めました。近年の半導体の供給力不足を機に、経済安全保障の議論も盛んに行われています。半導体の国内生産体制の再構築を図ることの意義について、西村経済産業大臣に見解を伺います。
北海道を含めて、現在の日本の経済は、中小企業に支えられています。今回のGXの推進において、一部の大企業だけが成長や技術革新の恩恵を享受するのではなく、国内の意欲ある全ての事業者が新しい産業構造に参画する枠組みを形成していくことが重要だと考えます。
特に、物づくりに関わる中小企業は、目の前では人手不足の中で目いっぱいに生産活動を行っており、変革に対応する余力を持つことが非常に難しいというのが現状です。中小企業に蓄積された技術力を生かし、新しい時代に対応するためには、政府の包括的な支援が必要です。GX政策推進における国内中小企業に対する考え方について、大臣の所見を伺います。
米国バイデン政権は、昨年の夏、GX分野への投資として五十兆円の政府の直接支出の方針を打ち出し、その規模の大きさと本気度に、先行するEU諸国の関係者を焦らせたという話も聞こえてきます。日本政府の打ち出した二十兆円という規模は、国際社会の投資を呼び込むという視点において十分なのでしょうか。政府は、二十兆円を呼び水に、官民合わせて十年間で百五十兆円の投資を目指すと打ち出していますが、この政府の支出規模でそこまでの投資を集めるというのは、甘い見積りではありませんか。大臣の考えを伺います。
カーボンニュートラルの流れの中で、特に大きな変革を求められる産業の一つに鉄鋼があります。
鉄は国家なりという言葉もありますが、多くの物づくり産業の基盤となるもので、国内企業は、質が高く、より安価なものをというニーズに応え、国際競争にさらされながら、今日まで言葉に尽くせぬ努力を重ねてこられました。しかし、脱炭素に資する超革新技術を要する製鉄法の開発は、理論上は可能とされるも、技術の壁ははるかに高く、民間企業のみの力ではとても達成できないとして、各国が莫大な支援を基に研究を進めています。
日本の鉄鋼業が他国に先駆けて水素還元による製鉄技術の開発を実現することは、最重要課題と考えます。また、それまでの間においても、国際競争力の強化とイコールフッティングの環境整備を進めるべきと考えます。大臣に伺いますが、GXの推進に当たって、日本の鉄鋼業をどのように位置づけますか。現状の政府の支援の枠組みで十分でしょうか。見解を伺います。
この法律により、新たな機構が設立されることになります。
しかし、新たな機構の設立ということになりますと、どうしても思い出すのが、経済産業省が音頭を取って設立したクールジャパン機構です。二〇二一年度末の累積赤字が三百億円に達するなど、失敗が続いています。官製機構が目利きをして成功するのか、その点を指摘せざるを得ません。新たな機構は、どのような点で他の機構より存在する優位性があって、適切な目利きができるのか。クールジャパン機構の現状を踏まえて、お答えください。
また、この新たな機構の設立の一方で、環境省には、株式会社脱炭素化支援機構なるものがあります。脱炭素に向けた取組としては、こちらの機構の業務とも重なるものがあるのではないでしょうか。GX推進機構と脱炭素化支援機構との違いについてお示しください。同趣旨の機構が複数存在するということになれば、いわゆる省庁の焼け太りという観点で、行政改革の観点からも問題が生じるものと考えますが、大臣の見解を伺います。
以上、それぞれについて明快な答弁を求め、質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣西村康稔君登壇〕