西村康稔の発言 (本会議)

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○国務大臣(西村康稔君) 小野議員からの御質問にお答えをいたします。
 化石燃料賦課金についてお尋ねがございました。
 我が国は、二〇三〇年度四六%削減や二〇五〇年カーボンニュートラルといった野心的な温室効果ガスの削減目標を掲げております。この目標を、エネルギー安定供給や産業競争力強化、経済成長と両立させて、持続的な形で実現していくことが重要であります。
 このため、お尋ねの化石燃料賦課金を含めた成長志向型カーボンプライシングは、御指摘の企業活動や経済への影響等を踏まえ、エネルギーに係る負担の総額を中長期的に減少させていく範囲内、すなわち、今後、石油石炭税収がGXの進展により減少し、再エネ賦課金総額が再エネ電気の買取り価格の低下等によりピークを迎えた後に減少していく範囲内で導入することとしております。
 化石燃料賦課金の導入時期についてもお尋ねがございました。
 第六次エネルギー基本計画を踏まえた二〇三〇年度の電源構成の見通しである再エネ三六から三八%、原子力二〇から二二%の確実な達成などを通じて、二〇三〇年度温室効果ガス四六%削減、さらには二〇五〇年カーボンニュートラル実現に取り組むこととしております。
 こうした国際公約の実現と経済成長、産業競争力強化の両立に向け、成長志向型カーボンプライシング構想を実現、実行し、早期にGXに取り組むほど将来のカーボンプライシングの負担が軽くなる仕組みとしつつ、足下から二十兆円規模の大胆な先行投資支援を行うことで、意欲ある企業の取組を迅速に、強力に支援することとしております。
 具体的には、御指摘の化石燃料賦課金については、企業がGXに取り組む期間を設けた上で、当初低い負担から徐々に引き上げていく方針をあらかじめ明確にしております。その導入に際しては、代替技術の有無や国際競争力への影響等を踏まえなければ、経済に悪影響を及ぼすだけではなく、国外への生産移転が生じ、世界全体で見ればCO2排出が増加する可能性もあることから、導入時期は二〇二八年度としております。
 カーボンニュートラル実現に向けた税体系についてお尋ねがありました。
 ガソリン税等を抜本的に見直すべきという御指摘については、それぞれの税目における課税根拠等に応じて、その必要性や許容性を精査の上、制度措置しており、今回の法案のみを契機として整理することは困難と考えております。
 成長志向型カーボンプライシング構想では、御指摘の化石燃料賦課金を排出量取引制度や有償オークションと併せて導入するとともに、足下から二十兆円規模の大胆な先行投資支援を行うこととしており、様々な政策措置を総合的に講じていくこととしております。こうした取組を通じ、二〇五〇年カーボンニュートラルの達成も含め、脱炭素とエネルギー安定供給、そして経済成長の三つを同時に実現するGXの取組を加速化してまいります。
 排出量取引制度についてお尋ねがありました。
 排出量取引制度については、本年四月から、EUと同水準である国内排出量の四割以上を占める六百社以上の企業が参加するGXリーグで排出量取引制度を試行的に開始いたします。その上で、蓄積された知見、ノウハウを活用し、二〇二六年度から、多排出産業分野を中心に、政府指針を踏まえた目標設定を行うなど、公平性と実効性をより高めた排出量取引制度を本格稼働させます。さらに、カーボンニュートラルの鍵を握る電源の脱炭素化を加速すべく、二〇三三年度から、発電部門を対象に有償オークションを開始いたします。
 あらかじめこのような将来の導入の時間軸を示すことで、早期にGXに取り組むほど将来の負担が軽くなる仕組みとしつつ、足下から二十兆円規模の大胆な先行投資支援を行うことにより、企業によるGXに向けた投資や取組を足下から引き出してまいります。
 従来行われてきた各種排出量取引制度の成果と今回の取組との関係についてお尋ねがありました。
 我が国では、これまで、平成二十年から二十三年に行われた排出量取引の試行実施に加えて、中小企業等の排出削減を促進するJクレジット、昨年九月から本年一月末までの東京証券取引所におけるカーボンクレジット取引市場の実証などを通じて、産業界の自発的な行動を促し、産業競争力と排出削減の両立を図ってまいりました。
 こうした取組を通じて、政府として、産業界の創意工夫を引き出すとともに、排出量取引の基礎となる排出量の計測や算定方法、炭素価格の公示など、一定の知見やノウハウを得てまいりました。
 こうした過去の事業成果、GXリーグや取引市場の進捗、海外の政策動向なども踏まえ、今後の本格稼働に向けて議論を深めてまいります。
 GX経済移行債の使途についてお尋ねがありました。
 GX経済移行債による支援の基本的考え方としては、例えば、鉄の製法を転換し抜本的なCO2削減を実現する水素還元製鉄のような研究開発や設備投資支援を含め、民間企業のみでは投資判断が真に困難な事業を対象に、国内の人的、物的投資拡大につながり、産業競争力強化、経済成長及び排出削減のいずれの実現にも貢献するものについて、投資支援策を講ずることとしております。
 この二十兆円規模の支援は、全て民間の投資インセンティブを創出するために使うことを想定しております。
 再エネ導入加速に向けて、送電網の整備などについてお尋ねがありました。
 FIT制度の導入後、再エネ比率は、震災前の約一〇%から二〇二一年度には約二〇%まで倍増になるなど、着実に進展してきております。更なる再エネ導入に向けては、周辺地域の住民の皆様の理解を前提に、系統の整備、太陽光や風力の出力変動に対応するための調整力の確保を進めていく必要があります。
 このため、地域間を結ぶ系統について、今後十年間程度で過去十年間と比べて八倍以上の規模で整備を加速するとともに、調整力として重要な定置用蓄電池の導入への支援などを進めてまいります。
 太陽光発電に関する丁寧なコミュニケーションの重要性についてお尋ねがありました。
 二〇三〇年度に再エネ比率三六から三八%という目標の実現に向け、特に太陽光発電については、地域との共生を前提に、二〇三〇年度には現行の二倍程度とすることが政府の基本方針であります。
 一方、これまでに導入された再エネの中には、安全面、防災面、景観、環境への影響など、地域の懸念が顕在した例もあります。これらの地域の懸念に適切に対応すべく、FIT、FIP認定の際に、住民説明会の開催など、地域の方々への事業内容の事前周知を認定要件化するなどの措置を盛り込んだ関係法案を国会に提出したところであります。
 引き続き、地域の御理解や信頼を得ながら、しっかりと地域に根差した再エネ導入拡大を進めてまいります。
 地域に裨益する太陽光発電の導入についてお尋ねがありました。
 再生可能エネルギーの導入を推進していくに当たって、地域への裨益は重要な要素であります。
 地域経済の活性化という観点では、再エネの設備の建設工事や設備の補修、メンテナンス等の継続的な雇用や需要の発生が期待されます。また、小口資金を出し合うなど、地域住民が参画する取組も広がってきているところであります。
 さらに、レジリエンスの向上という観点でも、地域の再エネと既存の系統線を活用したマイクログリッドの構築により、地域のレジリエンス向上の効果も期待がされます。
 経済産業省としては、地域との共生を前提に、関係省庁と一体となって、地域に根差した再エネの導入を積極的に推進してまいります。
 太陽光パネルの国産サプライチェーン構築についてお尋ねがありました。
 エネルギー安全保障の観点からは、特定国からの供給状況に左右されることなく、より強靱なエネルギー供給構造を実現していくことが重要です。
 例えば、軽量で柔軟性を有するペロブスカイトは日本発の技術であり、主な原料であるヨウ素は日本が世界第二位の産出量となっております。
 グリーンイノベーション基金を活用しながら、研究開発から社会実装までを一気通貫で支援し、国産のサプライチェーン構築も見据え、ペロブスカイトなどの次世代太陽電池の早期実用化に取り組んでまいります。
 炭素に対する賦課金と排出量取引制度についてお尋ねがありました。
 これらの制度は、御指摘の、GX経済移行債の規模や償還タイミングを優先して制度設計しているものではなく、国による二十兆円規模の先行投資支援を含め、排出削減と産業競争力強化、経済成長を同時に実現していく観点から設計をしております。
 具体的には、企業がGXに取り組む期間を設けた上で、当初低い負担から徐々に引き上げていく方針をあらかじめ明確にし、その際、代替技術の有無や国際競争力への影響等を踏まえなければ、経済に悪影響を及ぼすだけでなく、国外への生産移転が生じ、世界全体で見ればCO2排出が増加する可能性もあることなどを踏まえて制度設計を行っております。
 こうした制度設計により、早期にGXに取り組むほど将来のカーボンプライシングの負担が軽くなる仕組みとし、企業のGXに向けた先行的な投資や取組を引き出してまいります。
 脱炭素と経済成長を実現するため、より大胆な制度設計を行うべきではないかとのお尋ねがございました。
 脱炭素のイノベーション、まさにこれからの世界経済の鍵を握るものであります。我が国は、脱炭素と経済成長を共に実現していくために重要な水素、アンモニアや、抜本的なCO2削減を可能とする水素還元製鉄、次世代太陽電池などの分野で先行しており、今後、更に取組を強化してまいります。
 そのため、長年の課題でもあった成長志向型カーボンプライシング構想を取りまとめ、新たにGX経済移行債を創設し、二十兆円規模の大胆な先行投資支援を行うとともに、規制・制度的措置を一体的に講じることで、百五十兆円を超える大規模のGX投資を実現してまいります。
 御指摘のように、GXを我が国経済を再び成長させるための好機と捉え、我が国が強みを持つGX関連の技術力を生かし、世界の脱炭素化にも貢献をしてまいります。
 予算編成と特別会計の関係についてお尋ねがございました。
 GX経済移行債により調達した資金は、GXに向けた投資促進のために支出することを明確にするべく、エネルギー対策特別会計で区分して経理することとしております。
 その上で、GX経済移行債については、毎年度、予算に計上し、国会の議決を経た金額の範囲内で発行するとともに、その財源を活用した予算措置についても、国会に提出し御審議をいただくこととしております。また、その執行に当たっては、グリーンイノベーション基金などで行っているような外部の専門家の目を入れた仕組みを検討してまいります。
 産業競争力強化、経済成長と排出削減を共に実現していく上で、効果的な施策をしっかりと実現してまいります。
 GX推進機構の組織についてお尋ねがございました。
 GX推進機構は、化石燃料賦課金の徴収等、公平性、中立性が求められる業務を担うため、営利を目的とせず、株式会社形態ではない認可法人とした上で、本法律案で必要な監督規定を置くなど、そのガバナンスを適切に機能させていくこととしております。
 また、GX推進機構は、経済構造を脱炭素化と経済成長を両立する形に転換していくことを目的としており、経済産業大臣が所管する化石燃料事業者や電気事業者を対象に、化石燃料賦課金の徴収や排出量取引市場の有償オークションの運営を担うとともに、脱炭素成長型経済構造への移行を産業横断で進めていくことを目的とした債務保証などの金融支援を行うことから、執行は経済産業省が担うこととしております。
 一方で、GX推進機構を含めたGX実現に向けた施策は、総理を議長、GX実行推進担当大臣である私を副議長とするGX実行会議において、環境大臣を始め関係大臣を含めて、進捗評価を定期的に実施し、必要な見直しを効果的に行ってまいります。(拍手)
    〔国務大臣鈴木俊一君登壇〕

発言情報

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発言者: 西村康稔

speaker_id: 6755

日付: 2023-03-09

院: 衆議院

会議名: 本会議