岸田文雄の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 井坂信彦議員の御質問にお答えいたします。
 放送法の政治的公平についてお尋ねがありました。
 平成二十七年五月十二日の参議院総務委員会で総務大臣が答弁した放送法の政治的公平の解釈については、放送法を所管する総務省から、責任を持って、国会答弁等において、従来の解釈を補充的に説明し、より明確にしたものであり、現在においてもその解釈が維持されている旨説明がなされ、それは一貫して維持されているものであると承知をしております。
 報道の自由を始め表現の自由は、憲法で保障された基本的人権の一つであるとともに、民主主義を担保するものであり、これを最大限尊重することは当然のことであります。
 平成二十八年二月八日の衆議院予算委員会で総務大臣が答弁をした放送法違反の場合のいわゆる停波命令については、放送法を所管する総務省から、責任を持って、国会答弁等において、放送法が憲法によって保障される表現の自由や国民の知る権利を保障することを目的としていることも踏まえ、極めて慎重な配慮の下、運用すべきであると従来から取り扱ってきている旨説明がなされ、それは一貫して維持されているものであると承知をしています。
 これらを踏まえ、放送法を所管する総務省において放送行政を適切に運用しているものと承知しており、放送事業者にプレッシャーをかけ続けているとの御指摘は当たりません。
 御指摘の二つの答弁については、こうした一貫した説明に沿って行われたものと承知をしており、このような意味で、安倍総理の十年の負の遺産との御指摘は当たらないと考えております。
 社会保障への予算配分についてお尋ねがありました。
 少子高齢化が急速に進む中、全ての世代の方々が安心できる社会保障制度を構築し、次の世代に引き継いでいくことが、そのための予算の確保を含め、重要であると考えております。
 令和五年度予算案においては、社会保障関係費を約三十七兆円計上しており、これは一般歳出の五割を占めるものです。
 さらに、子ども・子育て政策の抜本的強化に取り組んでおり、六月の骨太方針までに、将来的な子ども・子育て予算倍増に向けた大枠を提示いたします。
 同時に、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に対峙しており、安全保障と社会保障どちらか一方という二者択一の問題ではなく、政府の責任として、共に必要な予算額をしっかりと措置してまいります。
 社会保障を持続可能にする方策についてお尋ねがありました。
 少子高齢化が進む中、社会保障を持続可能なものとするためには、人口減少の流れを変え、経済社会の支え手を増やすとともに、必要な社会保障を確保しつつ、負担能力に応じて公平に支え合う仕組みを早急に強化する必要があります。その観点からも、少子化対策は重要であると考えております。
 疾病、介護の予防についても、特定健診、保健指導の実施など、社会保障を持続可能にする観点も踏まえながら、必要な取組を行ってまいります。
 子ども・子育て予算の倍増についてお尋ねがありました。
 急速に進展する少子化により、昨年の出生数は八十万人を割り込み、子ども・子育て政策への対応、これは待ったなしの課題です。
 個々の政策の内容や規模はもちろん重要なことですが、これまで関与が薄いと指摘されてきた企業や男性、さらには地域社会、高齢者や独身の方も含めて、社会全体の意識の変革を含め、次元の異なる対策を講じていく中で、何としても少子化トレンドを反転させていきたいと考えております。
 子ども・子育て政策に関する予算については、まずは政策の中身が重要であり、政策の内容を詰めなければ、倍増の基準や時期を申し上げることは適当でないと考えております。そこで、こども政策担当大臣の下、従来から申し上げておりますように、三月末をめどとし、子ども・子育て政策として充実する内容をパッケージとして具体化いたします。そして、これも従来から申し上げておりますように、六月の骨太方針までに、将来的な子ども・子育て予算倍増に向けた大枠を提示してまいります。
 少子化対策として、奨学金の返済免除の案についてお尋ねがありました。
 御質問の案については、党の議論の過程で出されたものであり、党として最終的にそのような意見を取りまとめたものではないと承知をしております。
 少子化対策をめぐり、様々な議論は尊重すべきと考えておりますが、党内で意見をまとめる前の段階で、私の立場から、一つ一つの案について、検討する可能性を含め、評価することは控えさせていただきます。
 子ども・子育て政策について、まずは、こども政策担当大臣の下、充実する内容を具体化することとしております。これと併せて、教育についても、今の社会において必要とされる施策に取り組んでまいります。
 健康増進や予防に関わる政策の目的や指標についてお尋ねがありました。
 誰もが、できる限り医療や介護を必要とせず、健やかで心豊かに生活できる社会を実現するため、健康増進施策を進めることが重要です。
 国民健康づくり運動である健康日本21においては、健康寿命の延伸を目標とし、生活習慣の改善や健康づくりに取り組める環境整備等に関する指標を設定しており、医療費や介護費については、直接の指標としては設定しておりませんが、医療費適正化計画と共通の指標を設定するなど、医療費への影響を踏まえつつ、健康増進施策の取組を進めています。
 これまでも、例えば特定健診、特定保健指導の医療費適正化効果の検証事業を行うなど、エビデンスの収集に努めてきたところであり、今後とも、こうした知見の蓄積を図りつつ、国民の健康増進施策をしっかりと進めてまいります。
 少子化対策等の財源と独立財政機関の必要性についてお尋ねがありました。
 子ども・子育て政策については、まずは政策の中身が重要であり、こども政策担当大臣の下、今の社会において必要とされる子ども・子育て政策として充実する内容をパッケージとして具体化いたします。そして、その内容に応じて、各種の社会保険との関係、国と地方の役割、高等教育の支援の在り方など、様々な工夫をしながら、社会全体でどのように安定的に支えていくか、これを考えてまいります。
 独立財政機関については、政府としては、経済財政諮問会議において、専門的、中立的な知見を有する学識経験者なども参画する形で経済財政運営について議論を行っており、引き続き、この体制の下で適切な政策運営を行っていきたいと考えております。
 科学的根拠に基づいた少子化対策や予防政策についてお尋ねがありました。
 我が国においては、EBPMを推進するため、各府省にEBPM統括責任者を置き、エビデンスに基づく政策立案を進めることとしております。
 こうした体制の下、御指摘の少子化対策については、来月設置するこども家庭庁において、各種統計における子供や家庭に関するデータや調査研究などを更に充実させるとともに、政策効果を明らかにし、エビデンスに基づく政策立案、実践を行ってまいります。
 また、予防政策については、厚生労働省において、予防、健康づくりの取組を効率的、効果的に実施していくため、実証事業を実施し、健康増進効果等のエビデンスを確認、蓄積しながら、保険者等による予防、健康づくりを推進してまいります。
 かかりつけ医の制度の在り方についてお尋ねがありました。
 かかりつけ医機能が発揮される制度整備に当たっては、御指摘の認定制や登録制を含め様々な議論が行われましたが、政府としては、全世代型社会保障構築会議の報告書において、必要なときに迅速に必要な医療を受けられるフリーアクセスの考え方の下で、地域のそれぞれの医療機関が地域の実情に応じて、その機能や専門性に応じて連携しつつ、かかりつけ医機能を発揮するよう促すべきである、このように報告書においてされたことを踏まえて、今回の制度を法律化したものであります。
 かかりつけ医機能が発揮される制度整備について法律にゴールを明記すべきとのお尋ねがありました。
 今後、更なる高齢者の増加や生産年齢人口の急減が見込まれる中で、全ての国民がそれぞれの地域において質の高い医療サービスを必要に応じて受けることができる体制を確保するためには、かかりつけ医機能が発揮される制度整備を進めることが重要であり、本法案が成立すれば、着実に取組を進めてまいります。
 そして、議員御指摘のとおり、全世代型社会保障構築会議の報告書においては、国民一人一人のニーズを満たすかかりつけ医機能が実現するまでには、各医療機関、各地域の取組が必要であり、今回の制度整備はそれに向けた第一歩と捉えるべきであるとされています。
 本法案の附則には検討規定が設けられており、これに基づき、改正後の各法律の施行の状況等を勘案し、改正後の各法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講じてまいります。
 予防政策を地域で実施するためのかかりつけ医の必要性等についてお尋ねがありました。
 今般の新型コロナ対応で浮き彫りになった課題を踏まえ、次の感染症危機から国民の命と健康を守るため、流行の初期段階から速やかに機能する保健医療提供体制の構築を図ること等を目的として、昨年来、感染症法等の改正を行っているところです。
 政府としては、未知の感染症への対応について、全ての医療機関に感染症医療を行うことを一律に求めることは困難と考えており、自宅療養者等に対する医療の提供を含め、各医療機関の機能や役割に応じて協定を締結することで、感染症医療を担う医療機関をあらかじめ適切に確保していくこととしております。
 また、本法案では、身近な地域における日常的な診療、疾病の予防のための措置その他の医療の提供を行う機能を一般的なかかりつけ医機能としており、疾病の予防のための措置を行う機能の確保が重要であると認識をしております。
 出産費用の保険適用等についてお尋ねがありました。
 出産費用の保険適用については、全国一律の診療報酬で評価されることとなる一方、妊婦自身の自由な選択により様々なサービスが利用され、地域差も見られる実態等を踏まえると、医療保険制度との整合性をどう考えるかなどの課題があると考えております。
 出産費用が年々上昇し、地域によって差が生じている現状の中、平均的な標準費用を全て賄うよう、来月から、出産育児一時金を全国一律で五十万円に増額することで対応してまいります。あわせて、出産費用の見える化に向けた取組を進め、妊婦の方々が費用やサービスを踏まえて適切に医療機関を選択できる環境を整備してまいります。(拍手)
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発言情報

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発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2023-03-16

院: 衆議院

会議名: 本会議