田中健の発言 (本会議)

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○田中健君 国民民主党の田中健です。
 会派を代表して、ただいま上程されました全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案について質問をいたします。(拍手)
 出産育児一時金の五十万円への増額が示されました。しかし、出産費用は保険適用外の自由診療であるため、出産費用が一時金引上げ以上に増加し続ければ、その効果が相殺されてしまいます。
 実際、二〇〇〇年代初め、出産育児金の額は三十万円でしたが、現在は四十二万円。比例するかのように出産費用も上がり、当時三十万円台だった平均出産費用は、公立病院で四十五万円となっています。また、地域差が大きく、鳥取県が平均三十五万七千円である一方、東京都は平均五十六万五千円です。
 一回限りの出産育児一時金を引き上げても、このままでは出産費用が上がるだけになりかねません。また、全国で金額に差が生じている問題も抱えたままになっています。どう解消していくのか、総理に伺います。
 将来は、妊産婦健診を含め、分娩費用等を保険適用とすべきと考えます。その上で、特別な個別付加価値メニュー以外を対象とした一時金を支給し、出産後のおむつ、ミルク等の現物支給を行い、産後サポートも併せて行うことで、子ども・子育て支援へとつなげていってほしいと思いますが、総理の考えを伺います。
 少子高齢化、人口減少社会時代を迎え、全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築することは、政治に求められた必須であり最大の問題です。
 今回の法律案は、後期高齢者の医療保険料大幅引上げだと言う人がいる一方で、改革の最大の意義は現役世代の負担減だとも言われます。程度の差はあれ、どちらも正しい意見ではないでしょうか。問題は、現役世代は自分がどれだけ高齢者に支援をしているのか、高齢者も幾ら現役世代から支援してもらっているのか、これが分かりにくいことではないでしょうか。今の前期高齢者納付金の制度はかなり複雑であり、そして、今回更に複雑怪奇なものになろうとしています。
 現役世代がどれだけ負担するのか、高齢者がどれだけ自助するのかを全世代で考え議論する、国民的議論が必要です。そのために、社会保障全体において、権利と義務の両方を伴う当事者である国民に開かれた政策決定過程に移行していく必要があるのではないかと考えますが、総理の見解を伺います。
 また、自分の問題として考え議論してもらうためには、現状の給与明細に基本保険料と特定保険料を示すとともに、例えば、雇用保険のように別の徴収として独立させ、高齢者を支えるために各自がどれだけ負担をしているのか、分かりやすく見える化を行うことを提案します。現役世代の理解促進につながると思いますが、総理、いかがでしょうか。見解を伺います。
 かかりつけ医機能の制度整備について伺います。
 まずは、定義です。
 法案には、「身近な地域における日常的な診療、疾病の予防のための措置その他の医療の提供を行う機能」とあります。つまり、医療の提供を行う機能としか言っておらず、これでは何を定義しているのか分かりません。定義を法律に盛り込んで格上げするとのことですが、抽象的な表現にすぎず、具体的な責務規定はありません。現場は何が変わるのでしょうか。医療の提供以外の様々な機能の明確化、規定整備が必要だと思いますが、総理の見解を伺います。
 かかりつけ医機能が果たす役割も見えてきません。
 厚労省は、かかりつけ医機能の強化・活用にかかる調査・普及事業報告の中で、かかりつけ医機能に関する事例集を作り、かかりつけ医機能には多様な役割があることを分かりやすく説明をしています。しかし、法案では例示が極めて限定的なものになってしまっています。かかりつけ医の果たすべき役割を、これまでの研究調査を活用して、具体的例示を国民に示していくべきと考えます。今回、機能、役割を限定した理由、そして今後の方針について、総理に伺います。
 また、新たにかかりつけ医機能報告制度が新設されます。
 報告対象が慢性の疾患を有する高齢者その他継続的な医療を要する者と限定されていますが、かかりつけ医機能は健康な現役世代にとっても重要であります。コロナ禍の中で、熱患者がかかりつけ医と思っていた近隣の診療所や病院で受診を断られたり、ワクチン注射を受けられなかった事例が続出をしました。当初、新型コロナの自宅等療養者が相次いで亡くなってしまったのは、健康な人にかかりつけ医がいなかった、そして機能しなかったことが要因であり、大きな課題であったはずです。かかりつけ医機能において、急性期の患者や健康な住民は対象外となるのでしょうか。報告対象を限定した理由を総理に伺います。
 これまで、かかりつけ医に関して、財政審や健保連を中心に、第三者が医師の機能や質を担保する認定制や、患者が最初に受診する医師を決める登録制などの議論そして提案がなされてきました。これらの制度において、政府内ではこれまでどのような議論がなされてきたのでしょうか。今回採用するに至らなかった理由と併せて伺います。
 日本の医療は、いつでも、どこでも、それほど重い負担なく医療サービスを受けられるという国民皆保険制度をつくってきました。また、軽い風邪やけがでも大病院で受診ができます。フリーアクセスが当たり前だからです。自分で自由にどこの病院でも診療所でも行けるというフリーアクセスは、日本独特の仕組みであり、よい面がある一方、本来、高度治療に専念するはずの大病院が患者であふれてしまい、混雑を招いているという一面があるのも事実です。本来の医療サービスが必要な患者に行き届かないことにもなりかねないと課題を指摘されてきました。
 政府の全世代型社会保障構築会議の報告書では、今回の制度整備はあくまで第一歩と位置づけています。是非、フリーアクセス、認定制や登録制、あらゆる選択肢をタブーなく議論を続け、かかりつけ医機能が発揮される制度整備に向けて更なる取組を進めてほしいと考えますが、総理の決意を伺いまして、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕

発言情報

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発言者: 田中健

speaker_id: 328

日付: 2023-03-16

院: 衆議院

会議名: 本会議