辻清人の発言 (本会議)
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○辻清人君 自由民主党の辻清人です。
私は、自由民主党・無所属の会を代表して、岸田総理の今般の外国訪問について質問いたします。(拍手)
今なお続くロシアによるウクライナ侵略、東シナ海や南シナ海での中国の力による一方的現状変更の試み、台湾海峡の平和と安定を脅かす動きなど、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を真っ向から否定する動きが白昼堂々行われています。
このように、かつてなく厳しい安保環境、そして激変する国際環境において我が国の国益を守り抜くため、岸田総理は、不退転の決意で、安全保障政策の大転換となる新たな国家安保戦略を策定されました。その中で、外交力は第一の国力の主な要素であり、望ましい安全保障環境を能動的に創出するための力強い外交を展開していくことを掲げました。総理はそれを戦略的意図を持って着実に実践されている、その中での今回の外国訪問であったと認識しています。
昨年二月二十四日に始まったロシアによるウクライナ侵略。その当初から、総理は、欧州とインド太平洋の安全保障は不可分である、ウクライナはあしたの東アジアかもしれないという点を示されてきました。そして、力による一方的な現状変更の試みは決して成功しないことを国際社会が結束して示していくべきであると強く主張されてきました。
今般、インドからウクライナ、ポーランドを訪問し、それぞれの地で総理の考えを力強く発信されました。タイミングも含めて、このような問題意識を体現する外交ともいうべき非常に意義のある訪問であったのではないでしょうか。
そこで、まず、インドについて伺います。
日印両国は、インド太平洋地域において、自由や民主主義の盟主として、地域のみならず、世界の平和と繁栄の確保のために、法の支配といった原則や基本的価値を重視し、様々な取組を牽引してきました。国際秩序の根幹が揺るがされている中、本年、G7とG20の議長国をそれぞれ務める両国のリーダーが、法の支配に基づく国際秩序の維持強化の重要性や、力による一方的な現状変更は許さないとの力強いメッセージを発信したことは意義深いものであったと考えます。また、FOIPの新プランに関する政策スピーチを通じて、歴史の転換期において、平和と繁栄を享受するための国際秩序の在り方を提起し、インド太平洋の未来のための指針を示されたことも大きな意味を有します。そこで、今回のインド訪問の成果について総理にお伺いします。
次に、極秘裏に訪問されたウクライナについて伺います。
日本の首相として戦後初めての戦地入りは、様々な側面から大きな政治決断であり、歴史的な訪問だったのではないでしょうか。世界で最も厳しい、力による現状変更の試みに直面するウクライナを訪問したアジアで唯一のリーダー、そして、G7議長国としての訪問という意味でも、ウクライナを始め国際社会からも高く評価されています。
総理は、ウクライナへの連帯を示し、対ロ政策を抜本的に転換してロシアに対する厳しい対応を取っている姿を改めて示されました。この問題への対処が欧州や大西洋だけでなくグローバルなものたらしめている点が、このキーウ訪問によって更に説得力のあるものになったと考えます。
また、くしくも時を同じくして、モスクワでは、中国、ロシアの首脳が会談しました。力を信奉し、力の論理によって現状を変更しようとする中ロのリーダーが示したものは、我々と異なるものがあり、決して受け入れることのできないものです。と同時に、結果として、今回総理が各地で示した法の支配に基づく国際秩序を守り抜く重要性がより一層の重みを持って示されたのではないでしょうか。
力による現状変更が何をもたらしたのか、今回のキーウ訪問を通じて、総理は、御自身の目でどのような現実を見て、どのような思いをはせたのか、総理御自身の言葉で率直な感想をお聞かせください。
また、ゼレンスキー大統領との首脳会談の成果についても伺います。
そして、最後に、今回の経験を踏まえて、広島サミットに向けてどのような外交を戦略的に展開し、サミットの成果にどのように生かしていくのか、総理のお考えと決意を伺います。
総理、我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中、外交のかじ取りは歴代内閣で最も難しいものなのかもしれません。それだけに、岸田総理には、引き続き、確固たる決意を持って歴史的な難局を乗り切り、国民の生命と財産、そして自由で開かれた世界を守り抜くことに力強く取り組んでいただくことへの期待を申し上げます。
結びに、今般の歴史的な訪問を支えた官邸、外務省、各省並びに関係諸国の方々に心から敬意と感謝を申し上げ、質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕