城井崇の発言 (本会議)
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○城井崇君 立憲民主党の城井崇です。
立憲民主党・無所属を代表し、ただいま議題となりました道路整備特別措置法及び独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法の一部を改正する法律案について質問いたします。(拍手)
これまで政府は高速道路料金はやがて無料化すると説明してきましたが、今から百年近く先まで有料化し続ける以上、この法案は、事実上、永久に無料化を放棄した永久有料化法案ではないですか。もし政策転換したのであれば、国民に十分に説明をし、いつかは無料化すると言ってきたことを謝罪すべきではありませんか。国土交通大臣に伺います。
二〇〇五年の道路関係四公団の分割・民営化は、約四十兆円の負債を抱えていた旧四公団のこれまでの機能を、道路資産の保有、債務返済を担う独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構と、道路建設、管理、料金徴収を担う株式会社とに分割し、料金徴収期限を二〇五〇年と定め、その期間内に債務を確実に返済した後に高速道路の無料化を行うことを国民に約束したものです。
しかし、二〇一四年に、国は、二〇〇五年時点では特定できていなかった補修が必要な箇所が新たに判明し、総額四兆円以上が新たに必要になると試算されたことから、政府は料金徴収期限を二〇六五年まで延長しました。政府は、二〇〇五年の民営化後、再三にわたり、新たに発足した独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構が定められた期間に債務を完済すると繰り返し答弁してきました。そして、債務完済をもって料金徴収も終了し、高速道路は無料になると国民に説明をしてきたのです。
また、過去の法改正の際に、国土交通大臣は、今回の更新計画については建設時に施工を急ぐなど無理をした箇所や古い基準で設計された箇所などに対応するものであり、今回の対応以降、また次々と更新需要が生じるということにはならないと説明していましたが、今回、再度、料金徴収期限を延長する必要が生じたとしています。その理由について、二〇二一年の国土幹線道路部会中間答申では、構造物の定期点検が一巡し、点検技術の向上とともに構造物の想定以上の劣化を確認し、更新事業を追加する必要があると説明されました。
このような考え方では、今後も、点検技術の向上などにより、また施設の補修や更新の必要箇所が明らかになることで、更なる料金徴収期間の延長は避けられないものと考えるほかありません。
まして、今回の改正によって、今後九十二年間もの長期にわたって料金徴収期間が続くことになれば、二〇〇五年の道路関係四公団民営化によって約束された債務の確実な返済と高速道路の無料化を現世代の国民が事実上享受できないことが明白です。
そして、二〇一四年改正時に先送りされた、高速道路の整備政策、料金政策をどうしていくべきかという政策の根本に関わる問題が今回も先送りされることで、次の世代が同様の問題に直面すると認めることになります。二〇二一年の中間答申では、「料金徴収の期限は、償還期間に合わせて設定されており、償還期間の見直しにより度々先送りされてきたため、将来、高速道路は無料になるという説明に対する不信感が高まっている。」とも記しています。
そもそも、現行の料金制度において想定した料金徴収期間内での償還が果たせないことに対し、その責任の所在はどこにあるとお考えですか。また、どのように責任を明確化されますか。国土交通大臣の見解を伺います。
また、高速道路の料金徴収の在り方に踏み込んだこれまでの経緯に関する開かれた検証がなければ、本法律案の改正について、国民への説明責任は到底果たせません。利用者たる国民の理解を得るため、高速道路の料金徴収の在り方に関し、これまでの検証状況と今後の検証方針を具体的に御説明ください。
二〇〇五年の民営化及び二〇一四年の延長時においては、その時点において必要な事業額を確保するために必要な期間だけを措置するという考え方に立っていました。一方、本法律案では、更新事業に加え、高速道路の進化などのための事業も対象となるとした上で、従来の延長の仕組みを変え、更新、進化のための事業を、見通しが明らかになった段階でその都度追加できることとし、事業の追加に当たっては、債務返済期間を五十年以内に設定し、最長で二一一五年までに債務を返済しなければならないとしています。
料金徴収期間について、その時点での事業の必要額を確保するために必要な期間だけを延長する仕組みから、追加事業が発生するごとに延長する仕組みに変えなければならない理由について、国土交通大臣に伺います。
また、前回法改正時にも繰り返された議論ですが、延長の必要性について、当時見込まれていなかった構造物の更新、修繕等を新たに計画的に進める必要が生じたと政府は説明しますが、そもそも、事業の実施は、具体的に見通すことができる、データに基づいた正確な計画があって初めてできるものです。大規模更新、修繕等の計画と償還計画とがいつまでたっても整合することがない根本的な理由について御認識を伺います。
二一一五年までとされる料金徴収期限内に更新事業を実施した箇所の再度の更新事業の実施は想定されますか。
また、料金徴収期間の延長により利用者からの料金徴収による安定的な財源が確保できることで、民営化前に批判があった採算に合わない事業が高速道路の進化のための事業だとして追加されるおそれはありませんか。高速道路の進化のための事業を含め、料金徴収期間中に新たに追加される事業計画の事業数と必要金額を具体的にどのくらいと想定していますか。
加えて、それらの内容とその必要性、合理性は誰がどのように判断し、検証することになるか、お答えください。
事業追加に際し、費用対効果の基準を具体的に設けるか、お答え願います。
更新事業等の追加に際して、従前から行ってきた法改正が不要となることで、国会での審議が行われなくなり、追加の必要性や高速道路の整備に係る費用負担の在り方などについて議論される機会が減ることになります。それにより、追加される事業の適切性などについて外部のチェックがないまま事業費が増大していく懸念がありますが、国会の関与がなく料金徴収期限を大幅に延長することの妥当性について御説明ください。
そもそも、一九七二年に料金プール制が導入されたとき、償還期間は約三十年でありました。それが、一九九五年に四十年となり、一九九九年には四十五年、そして、道路建設に国民の批判が集まった二〇〇一年に五十年を上限に短縮を目指すとされ、二〇〇五年の民営化の際に四十五年、再び二〇一四年に五十一年と定められました。そのたびに、当時の国土交通大臣から先送りはもう認めないと答弁があっては、それらがほごにされ続けてきたのです。このように国民に対し不誠実な状況をいつまでに解消しますか。御答弁願います。
料金徴収期限の延長に当たり、今後の高速道路に関する需要をどのように見込んでいますか。例えば、政府による少子化対策や経済対策などが影響する人口減少やGDPはどのような前提としていますか。今後の需要見込みとその前提について、具体的に答弁願います。
現行の償還制度は、多額の費用を要する道路の建設等を借入金により調達し、道路の利用者から通行料金を徴収することにより債務を返済し終えるというものですが、高速道路が高度経済成長期の建設、整備の時代から維持管理、更新の時代へと転換したことを受け、維持更新等のライフサイクルコストの算定や見通しを検証し、料金徴収の在り方を見直すというのがあるべきプロセスであります。
本法律案において示される債務返済の見通しが説得力あるものでなければ、本法律案において示される措置は、裏づけとなる基本的な事実や根拠が曖昧だったとしても可能であるとの仕組みを是認することとなり、国民に対して極めて不誠実であるばかりか、次の世代に禍根を残します。
国土交通省からは首都高速についての二一一六年度期首までの債務返済イメージの試算を示していただきましたが、例えば、二〇七四年度から二一一五年度までの四十一年間は新たな更新工事費がゼロ、すなわち計上されていません。四十一年間も新たな更新工事をやらないという非現実的な前提での債務返済見通しではないかとの懸念が拭えません。
借金返済が終了する二一一五年は、あのドラえもんが生まれたとされる二一一二年の三年後という二十二世紀の未来であり、現在予想できる交通システムとは全く違う未来であるという可能性もあり得ます。このような将来への負担の先送りが認められるのでしょうか。債務返済の説得力ある見通し、推計を国土交通大臣よりお示しください。
その際、二〇〇五年の民営化時点、二〇一四年改正時点と、それぞれ更新、修繕などの費用の推計の条件がどのように変わっているか、具体的にお答えください。
二〇二〇年九月の国土幹線道路部会の中間取りまとめにおいては、将来的に必要となる維持管理等について、「特に、高速道路は一般道路と比べて高いサービス水準を有することを踏まえ、償還満了後も料金を永続的に徴収することも含め、必要な財源を確保するための措置を検討し、具体化する必要がある。」とされました。財源の確保に関し、現行法においては、株式会社化された高速道路会社は、サービスエリアやパーキングエリアについて、店舗の多様化や施設充実などを通じ、サービスを向上させてきました。
他方で、償還主義においては、高速道路の維持、修繕その他の管理に要する費用は政令で定めるものとし、料金の設定に当たっては利潤を含めないものとされています。
高速道路会社は株式会社化こそされているものの、依然厳しい利潤制約が課されていることに対して、政府はこれまで償還主義の下での債務返済についてどのような役割を果たしてきたと考えるのか、国土交通大臣の見解を伺います。
また、民営化の趣旨にのっとるとすれば、高速道路各社が料金体系をより柔軟に差別化しつつ設定できるようにし、サービス向上を図りつつ利用者の利便性向上に資する料金制度や料金水準設定を行っていく制度の在り方について見解を伺います。
高速道路を永久有料化した場合の課題については具体的にどのような検討を行っているか、今後の検討の見通しやめどについても併せてお答えください。
本法律案は、結局は、更新や進化の名の下に料金徴収が今後も永続することを示していると言えます。政府は、適切かつ計画的な高速道路の補修、建設の在り方、財政健全化の視点や維持更新財源の捻出と両立する高速道路料金制度、整備制度の在り方について、この間、解決策を示せませんでした。果たされない国民との約束を放置し、これ以上先送りを続けることは許されません。
道路は、全ての人が利用できるように広く公開されているという意味において公共財であり、その供給に関する意思決定は公共によってなされるものです。したがって、この国会での十分な議論と意思決定及び国会における行政監視がしっかりと担保されなければなりません。料金徴収期限の延長等に関する国会の関与の在り方について、改めて国土交通大臣の見解を伺います。
結びに、高速道路整備制度、料金制度の抜本的な見直しに早急に取り組み、一刻も早く国民への説明責任を果たすべきと申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇〕